Rock & Roll

The Black Crowes 再結成

reunion

10月のある日、アメリカはニュージャージーの道路脇に突如カラスの看板が現れた。翌月にはペンシルベニア駅にポスターが掲示された。これによりThe Black Crowesが5年振りに再結成が明らかになった。デビュー30周年となる来年2020年に、ファーストアルバム「Shake Your Money Maker」再現の全米ツアーをするという。

これを聞き喜ぶと同時に疑問に思った。何しろRichのバンドMagpie Saluteは先日セカンドアルバムを発表したばかり。本来ならそのツアーが組まれるはずだった。恐らく今回の再結成はプロモーターLive Nationが企画し兄弟に持ちかけたのだろう。

参加するメンバーもChrisとRichの兄弟以外は全員新規メンバーばかり。前回の解散の理由がオリジナルドラマーSteve Gormanへの報酬額を巡る兄弟の諍いだったことを考えると、余計なトラブルを避けてとりあえずこのツアーだけこなすという意図が見て取れる。何より写真やステージでの2人の固い表情が全てを物語っている。

確かに30周年というのは大きな節目だ。また2人にも家族があり、稼がなければいけないという理由もあるだろう。このライブもファンとしては当然観たい。

でもね、私が本当に観たいのは、こんなビジネスライクなライブじゃないのだよ。かつてのメンバーが全員集まって、お互い笑顔で楽しそうに演奏するライブが観たいのだ。そんな日が来るのはもう少し先なんだろうな。


ローリングストーンズ展

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TOC五反田メッセで開催されていたローリングストーンズ展(Exhibitionism)に行って来た。実はここは勤め先に近いのだが、平日は忙しくて仕事帰りには行けず、結局休みの日に行った。

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最初に大部屋で迫力のある映像を見た後に再現されていたのが、彼らがデビュー前に共同生活をしていたロンドンのアパート。散らかったビール瓶やタバコやレコードだけでなく、汚いキッチンまで完全再現されていて笑った。

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続いてはデビュー時の資料。直筆のアンケートや契約書の他にキースの日記まであり「1963年1月16日、リハーサル。ステュとビルが来なかった」と書いてあってまた笑った。

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レコーディングスタジオまで再現されていた。実際に使用した楽器にコンソール、録音テープまで展示されていた。

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キースやロニーらのギターもずらりと並んでいた。

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楽曲をいじれるデジタルコンソールもあった。ミックには悪いがボーカルは消して各楽器音を堪能した。

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ここからは彼らのデザイン関連の展示で、ベロマーク、ツアーポスター、アルバムジャケット、ステージセット、映像作品まで様々。アンディ・ウォーホルの油彩や鉛筆の肖像画も見ることが出来た。

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ステージ衣装もデビュー時から最近のものまで50着以上。さらにはバックステージの再現や3D映像、ロニーの絵心のあるリハーサルリストなどまで。気付いたら3時間も経っていた。

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行く前は3500円は高いなと思っていたが、Stonesの全軌跡を辿れる展示内容にむしろ安いと思った。Stonesファンなら是非。

The Magpie Salute Live Report 2019

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The Magpie Saluteのライブに行って来た。会場は恵比寿ガーデンホール。時間前に間に合ったが、既にロッカーが空いておらず、仕方なく上着と鞄を抱えたまま、前方右手のRich側に滑り込む。

間も無く開演時間になり、歓声の中メンバーが登場した。スタートは”Walk On Water”。ステージ前方右からギターのRich Robinson、ボーカルJohn Hogg、ギターMark Ford。後方は右からキーボードMatt Slocum、ドラムJoe Magistro、ベースSven Pipien。Richは昔に比べてかなり貫禄が出て、最初Warren Hanesかと思った。Johnはアコギを弾きながら歌っているが、なかなか雰囲気もあり良い声をしている。Markは髪を短くしていたが、やっぱりカッコ良い。バンドの演奏もきっちりまとまっていて、思わず身体が動く。途中のソロはMarkがスライドを決めていた。

続いての”Take It All”ではJohnがハンドマイクで歌い出す。今度のソロではRichがスライドを披露。2人ともスライドを弾けるというのはやはり強みだ。3曲目は特にお気に入りの”For The Wind”。2本のギターがツインリードで重なり合うところは、まるでEric ClaptonとDuane Allmanによる”Layla”を観ているようだった。個人的にはここが早くも1つ目のハイライト。

自分達の曲を披露した後はカヴァータイム。Johnが「俺はRod Stewartみたいにセクシーかい?」と軽く笑いを誘った後にRodの”Every Picture Tells A Story”。彼の声は確かにRodに似ている。そして次は本当にClaptonのBlind Faithだった。

ここでMarkタイム。自らボーカルを取り、自身のソロ曲”The Vulture”をブルージーに聴かせる。すると今度はRichがボーカルを取り、ソロ曲ではなくLou Reedの”Oh Sweet Nuthin”。これも良い曲で、温かみのあるRichの声も良い。RichとMarkは曲毎にレスポール・ファルコン・ストラトなど次々とギターを交換しており忙しそうだった。

ここでRichが「少しアコースティックで弾こうか」。RichとJohnとMarkのフロント3人だけがステージに残り、中央のスタンドマイクに寄り添う。RichとMarkの2本のアコギを両脇に、Johnがしっとりと”You Found Me”を歌い上げる。続いてはRichのボーカルでBob Dylanの”Girl From The North Country”。タメの効いたアレンジと美しいアコギの調べに酔いしれ、ここが2つ目のハイライト。3曲目はようやくここでBlack Crowesナンバー”Lay It All On Me”。Richが低音、Johnが高音で綺麗にボーカルを重ね合わせ、そこにMarkがアコースティックスライドと、これも絶妙。そんな後ろでバックの3人がこっそりステージに戻り、途中からそのままバンド演奏に突入。この演出がまたカッコ良い。

この後はジャムタイム。”High Water”の後半はアレンジを変えて、バンドは長尺の演奏を続ける。続くAllmanの”Dreams”も正にジャム曲。RichとMarkのソロの間に、Mattのオルガンソロも披露された。出来ればピアノが聴きたかった。

”Can You See”の後に最後のBlack Crowesタイム。”Horsehead”のイントロが聴こえると大歓声。思い切りタメの効いたグルーヴに思わず身体が動く。続く”Good Morning Captain”も大好きな曲。ノリながら一緒に口ずさむ。

Rich「今日はありがとう。いちいちステージを降りて戻って来たりはしないから、ここからはアンコールになるよ。もう2曲ほど演奏するよ。君達が望むならね」。この英語が少し分かり辛かったからか、拍手が少なめだったのに対して「それだけ?」とRich。メンバー紹介には大歓声が上がった。

ということでアンコール?は初期の”Thorn In My Pride”。続いて”Send Me An Omen”が聴こえてきた時は、これで終わってしまうのかと寂しくなった。終了後並ぶこともなく、皆さっさと退場して行ったので、本当のアンコールがあるのかと期待してみたが、客電が付いてしまった。終わりが呆気なくて少し残念だったが、とても南部土臭さたっぷりの素晴らしいステージだった。

さて200曲もあるというレパートリーの多さから、彼らのセットリストは毎晩全く変わり、何が飛び出すか分からない楽しさがある。欲を言えば、前日に演った'The Bandの”Lookout Cleveland”や、大阪で演ったZeppelinも聴いてみたかった。またRichのソロとか、Black Crowesの曲を言い出したらキリがない。Richが「また会おう」と言っていたから、次のアルバムを出したらきっとまた来てくれるだろう。

1. Walk on Water
2. Take It All
3. For the Wind
4. Open Up
5. Every Picture Tells a Story (Rod Stewart)
6. Had to Cry Today (Blind Faith)
7. The Vulture (Marc Ford & The Neptune Blues Club)
8. Oh! Sweet Nuthin' (The Velvet Underground)
9. You Found Me
10.Girl From the North Country (Bob Dylan)
11. Lay It All on Me
12. High Water
13. Dreams (The Allman Brothers Band)
14. Horsehead
15. Good Morning Captain
16. Thorn in My Pride
17. Send Me an Omen

 

The Magpie Salute 「High WaterⅠ」 (2018)

ハイ・ウォーター・ワン
ザ・マグパイ・サルート
SMJ
2018-08-10


1. Mary The Gypsy
2. High Water
3. Send Me An Omen
4. For The Wind
5. Sister Moon
6. Color Blind
7. Take It All
8. Walk On Water
9. Hand In Hand
10. You Found Me
11. Can You See
12. Open Up
13. Omission (Bonus Truck) 

The Magpie Saluteがやって来る。これは元The Black Crowesの弟Rich Robinsonが結成したバンドで、昨年来日が発表された直後にチケットを確保した。

今回このバンドは、これまでのRichのソロとは全く違う。何しろBlack CrowesにいたギターのMark FordとベースのSven Pipienも参加しているのだ。本当はキーボードのEddie Harschもいたのだが、2016年に他界してしまった。これまでBlack Crowesのライブを観ることが叶わなかったので、当初はそれを期待してチケットを取っていた。

しかしやはりそれでは勿体無いと、後でちゃんとCDを買って聴いてみた (もはや今の時代にCDなど少数派なのかもしれないが、ジャケットが綺麗なのだ)。

冒頭ファンファーレから勢いよくスタートする。小気味良いギターリフとドラムがアップテンポで駆け抜けるご機嫌なRock & Roll。以前Richと組んだこともあるボーカルのJohn Hoggは、兄のChrisほどクセのあるタイプではないが、どんな曲でも歌いこなせるだけの高い力量を持っている。

コンポーザーはRich、Mark、Johnの3人。楽曲はノリの良いR&Rから、おおらかなミドルテンポ、しっとりとしたバラード、アコースティックまで幅広いが、どの曲も非常に完成度は高い。後期Black Crowesの枯れた味わいからは一転し、溢れるような若々しさが印象的だ。随所で聴けるスライドやピアノの音も気持ち良い。特にM4とM5を是非ライブで聴いてみたいが、きっとどの曲でも楽しめそうだ。

なるほどRichがソロではなくバンドとしてやりたいと思っただけのことはあるのが良く分かる。Black CrowesではなくMagpie Saluteを観たい。そう思わせるだけのものがここにある。


Huey Lewis & The News Japan Tour 2017

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Huey Lewis & The Newsの来日公演に行ってきた。4年前に見逃して悔しい思いをしたが、また来るとは思っていなかった。会場はオーチャードホールで、私の席は2階の最前列。観客は40~50代が多いようだった。行ったのは21日だったが、翌日の追加公演がグレイテストヒッツになると聞いていた。そっちへ行くべきだったかと思ったが、逆に現在進行形なバンドの姿を知ることが出来た。

場内暗転すると、ステージは赤く点滅する中、ダンダダンとR&Rの鼓動が鳴り響いてきた。次々とメンバーが登場し、始まったのはもちろん”Heart Of Rock & Roll”。歓声の中、最後にサングラスをかけたHueyがステージに登場しハーモニカを吹き鳴らした後にマイクを掴んだ。

懐かしいあのハスキーボイス、伸びやかな高音にシャウト。遠目だからか67歳という年齢ほど歳を取ったようには見えず、自慢のゴールデンボイスも健在だ。右手にいる若くて髪の長いイケメンギタリストがギターでクラクションの音を出している。左手はオリジナルメンバーのJohnny Colla。彼はギターを弾いていたと思ったら、今度はサックスに持ち替えて吹き鳴らす。1階席はすでにオールスタンディング。このオーチャードホールでオールスタンディングの光景を見るのは初めてだ。

最近の曲だろうか初めて聴く2曲目の後に、また聴き慣れた”I Want A New Drag”のイントロが流れ観客が反応する。Johnnyは3人のホーンセクションに並んでサックス。右手の若いギタリストがこの曲や”Jacob's Ladder”の中間部で長いギターソロを聴かせ新しい解釈を加えていた。彼の若さがこの親父バンドに活きの良さを持ち込んでいるのが見て取れた。

ここでHueyのMC。「ドモアリガト、トーキョー!今日は11月21日の水曜日だ。今夜を忘れられない夜にしようぜ。これは新曲だ」”Her Love Is Killing Me”とタイトルされたノリの良いR&R。最後Hueyはタイトル通りドラムセットに倒れ込む茶目っ気を見せる。昔の曲と新曲やカヴァー曲を上手く織り交ぜながらセットは進んでいく。Hueyはバンドマイクでステージを左へ右へ動き「Are you with me !?」と煽ったり、観客に歌わせたり、上手く場内を盛り上げる。

途中1人ずつバンド紹介。オリジナルメンバーのキーボードSean HopperやドラムBill Gibsonの時は一際大きな歓声が上がった。「続く2曲はアカペラだ。知ってれば歌って、知らなければ手を叩いてくれ」メンバー全員ステージフロントに出て来て横一列に並ぶ。楽器はギター1本とベース、スネアドラムとホーン。この編成で1曲歌った後は、5人だけになり今度は完全なアカペラで新曲”Looking For A Love”。これがまた見事で、Seanの低音が特に良い味を出していた。

ここでHueyが「Lets go back to the future !」と叫び”Back In Time”へと雪崩れ込む。ここからはヒット曲のオンパレードと行って欲しかったが、”Heart And Soul”の後はまたカヴァーがありつつ本編終了。

アンコールで歓声の中Hueyが1人でステージに戻った後、ホーンセクションの紹介。そして「何か聴きたいか知ってるよ。30年前にこの曲を書いて以来毎晩演ることになった。これは君達のためだ」と言って始まったのは”Power Of Love”。中間部でHueyが「Can you feel it?」と煽る。正直愛の力は感じないが、音楽の力は感じることが出来た。

クールダウンしてミドルテンポの”Stuck With Me”。幸福感溢れる歌詞と綺麗なコーラスに改めて良い曲だなというのと、西海岸のバンドだなというのを再認識する。
その後ドラムとハーモニカだけで盛り上げた後、アップテンポの”Working For Living”で駆け抜ける。最後は全員で飛び上がって最後の音を鳴らして終了。横一列で挨拶をした後、大歓声の中ステージを去って行った。90分という短い時間ではあったが素晴らしいステージだった。

残念だったのは自分の席位置。ステージは良く見えたが、結局最後まで立ち上がることが出来ずじまい。これは座って観るような音楽じゃないだろう。こんな最高のR&Rは。

1. The Heart Of Rock & Roll
2. Remind Me Why I Love You Again
3. Doing It All For My Baby
4. I Want A New Drug
5. Her Love Is Killing Me
6. Jacob's Ladder
7. Hip To Be Square
8. Um, Um, Um, Um, Um, Um, Um
9. Lookin' For A Love
10.While We're Young
11.Back In Time
12.Heart And Soul
13.But It's Alright
14.We're Not Here For A Long Time
encore
15.The Power Of Love
16.Stuck With You
17.Workin' For A Livin

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L.A. Metal Summit 公演中止

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L.A. Metal Summitの公演が中止になった。これは来月幕張メッセでの開催するはずだった80年代アメリカンハードロックのフェスで、以下のバンド・ミュージシャンが出演予定だった。

<5/13>
Vince Neil of Mötley Crüe
Cinderella's Tom Keifer
L.A. GUNS  (Featuring Phil Lewis<Vo>, Tracii Guns<G>)
Faster Pussycat
Hair-King
Li-sa-X

<5/14>
RATT  (featuring Stephen Pearcy<Vo>, Warren DeMartini<G>, Juan Croucier<B>, Carlos Cavazo<G>)
Sebastian Bach
Slaughter 
Enuff Z'nuff 
Hair-King
Li-sa-X

チケットが売れてなかったからなのかと思ったが、どうやらそれだけではないらしい。個人的にもこのLA Metalという呼称には違和感はあり、そもそもCinderellaもSkid RowもLAではなく東海岸出身である。大阪のバンドをつかまえてTokyo Metalと呼んでいるようなものだ。また開催発表が2ヶ月前というのもあまりに遅過ぎだったろう。

最近話題のLi-sa-Xも気になっていたが、私が一番目当てだったのはTom Keifer。Cinderellaが好きだったのだがチャンスがなく、数年前にTomがソロアルバムをリリースして復活して以来観られる日を楽しみにしていた。今後また機会があるとは到底思えない。。

Chuck Berry 他界

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Chuck Berryが亡くなりました。享年90歳でした。

彼こそはFather of Rock & Roll。同時代にKing of Rock & RollことElvis Presleyがいたわけですが、あちらはカントリー畑出身だったのに対して、Chuckはブルース畑出身。またElvisが女性の熱狂を集めたのに対し、Chuckは男性の絶大な支持を受けました。それは曲も歌い方も良いけどやっぱり彼のギタープレイによるところが大きくて、彼のプレイやパフォーマンスを観て聴いて、俺もあんな風にエレキギターを弾きたいと思ったわけです。それが後のJohn Lennonであり、Keith Richardsであり、Robbie Robertsonであり、等他無数。彼がいなければ、なんてことは言っていてはキリがないほど。でも今観ても最高にカッコ良いし楽しい。

RIP


Eddie Harsch 急逝

eddie

元The Black Crowes のキーボーディストEddie Harsch(エディー・ハーシュ)が11月4日に亡くなりました。享年59歳でした。

Eddieは1991年から2006年まで全盛期のThe Black Crowesに在籍していました。ご機嫌なRock & Rollに陽気さを、メロウなバラードに美しさを彩る彼のピアノが大好きでした。

今年はRich Robinsonが始動したThe Magpie SaluteにギターのMark Fordと共に参加しており、来日も期待していたのですが。。残念です。

RIP

 

The Wildhearts 「P.H.U.Q」 (1995)

P.H.U.Q
ワイルドハーツ
イーストウエスト・ジャパン
1995-06-10


1. I Wanna Go Where The People Go
2. V-Day
3. Just In Lust
4. Baby Strange
5. Nita Nitro
6. Jonesing For Jones
7. Woah Shit, You Got Through
8. Cold Patootie Tango
9. Caprice
10. Be My Drug
11. Naievety Play
12. In Lilly's Garden
13. Getting In
14. If Life Is Like A Love Bank I Want An Overdraft (Japan only)
15. Do The Channel Bop (Japan only)

昨年11月にThe Wildheartsがまた来日していました。私は以前The Wildheartsは本当に好きで、2003年にも一度だけだがライブ参戦したことがありますが、それ以降しばらく離れていました。今回は名盤「PHUQ」の再現ライブだったということで気になっていたが、結局行けなかったのが悔やまれました。

彼らのデビューは1992年。Quireboysを脱退したGingerを中心に結成。初めて”Turning American”を聴いた時は衝撃的でした。ヘヴィなギターリフに乗るポップなメロディはThe Beatles meets Metallicaとも言われ、また皮肉一杯の歌詞も強烈でした。ただ93年の1stフルアルバム「Earth Vs The Wildhearts」はRock & Rollとしては最高でしたが、思っていたよりもストレートになってしまった印象でした。

この「PHUQ」はそれに続く2ndになります。シングルカットされた冒頭M1は最高にポップでご機嫌なナンバー。その後も比較的ミドルテンポで気持ち良いギターリフとキャッチーな歌メロの楽曲が並びます。

しかしこのアルバムの真骨頂はM7以降のいわゆるB面。やけくそ気味に突進するM7から、破壊的なM8、不穏なM9という3曲が組曲になった後に、心洗われるようなM10のイントロが流れます。その後もとてつもないヘヴィさと、極上のメロディが、皮肉とユーモアをもって分裂症的に展開。このRock & Roll、ポップ、パンク、ハードコア、あらゆるものを消化して吐き出すカルタシスは、なかなか他では味わえないでしょう。

当時のGingerは創作意欲に溢れていて、このアルバムも本当は2枚組にしたかったらしいが、レコード会社の反対で実現できず。漏れた楽曲はシングルB面や後の「Fishing For Luckies」等に収録されていますが、聴けばそのレベルの高さが分かります。

その後Devin Townsendに刺激されたGingerは続く97年の3rd「Endless, Nameless」でインダストリアルハードコアばりのノイズにまみれた作品を発表し酷評されることになりますが、あの破壊力が私にとっては快感だったものでした。

昔非公式ファンサイトを始め多くのサイト管理人さん達と一緒にThe Wildheartsをヘッドライナーに据えたRock & Rollフェスティバル開催のための署名活動なんてことをしたこともありました。数々のレコード会社やドラッグのトラブル、メンバー交代、解散と再結成もありながら、日本のファンは根強く支援し続けました。それもGingerの人間性と彼の書く音楽の賜物でしょう。

 

Huey Lewis & The News 「Fore!」(1986)

FORE!
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
ユニバーサル ミュージック
2015-11-04


① Jacob's Ladder
② Stuck With You
③ Whole Lotta Lovin'
④ Doing It (All For My Baby)
⑤ Hip To Be Square
⑥ I Know What I Like
⑦ I Never Walk Alone
⑧ The Power Of Love
⑨ Forest For The Trees
⑩ Naturally
⑪ Simple As That

先月は妙に映画「Back To The Future」に関するニュースが多く流れていたので気になっていた。何でもPart 2でタイムスリップした未来が2015年10月21日だったらしい。当時のこの映画で描かれていた未来のタブレットやウェアラブルPCなどほとんどの物が実現しており、時代の流れを改めて感じた。

個人的にこの映画で思い出すのは主題歌”Power Of Love”を歌っていたHuey Lewis & The Newsだ。洋楽を聴き始めたばかりの中学生だった私にとって、Billboard Top 40で見た彼らのPVは非常にカッコ良く、アメリカのイメージを鮮烈に植え付けられたものだった。

彼らのデビューは1980年。最初は鳴かず飛ばずだったが、2ndアルバムからシングルヒットが出て、1983年の「Sport」で遂に全米No.1を獲得する。それに続くこの4ndアルバム「Fore!」、シングル①②⑧も全てNo.1となり、当時の彼らの絶頂ぶりが分かる。

Hueyのハスキーなボーカルとハーモニカと、飛び跳ねながら演奏するバックバンドThe Newsの一体感。弾けるようなポップさはいかにも80年代西海岸らしいが、その実はR&Bやブルースなどアメリカ伝統音楽に根差したしっかり地に足の着いたRock & Rollだった。Tower Of Powerの参加やBruce Hornsbyのカヴァーも光っている。

ちなみにHueyは70年代には結構下積みが長く、後にDoobie Brothersに加入するJohn McFeeと一緒にカントリーロックバンドで活動していた。またイギリスで活動中にはPhil Lynottとも意気投合しており、Thin Lizzyのライブやソロでもハーモニカで客演していたこともある。

2013年に突然来日した際には、他の来日ラッシュのため残念ながら行くことができなかったのだが、今でも非常に心残りである。

★★★★

 

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