American Roots Rock

Paul Barrere 急逝

paul

Little FeatのフロントマンPaul Barrereが急逝した。享年71歳だった。

最近は最期まで生涯現役を貫くミュージシャンが多い。Paulも9月にThe Weight Bandと共に来日していたばかりだったので、にわか信じがたかった。

後で知ったのだが、Paulは晩年肝臓ガンを患っており、今年のLittle Featのツアーにも参加していなかったらしい。あの時はたまたま調子が良かっただけだったのだろうか。

正直言うと私は元々Paulのことはあまり好きではなかった。途中加入のLittle Featで、主役Lowell Georgeのお株を奪うようなスライドギターとボーカルパフォーマンスは、Lowellファンとしてはあまり気分の良いものではなかったからだった。しかし今思えば、あの時ドラッグで不調気味だったLowellの代役を誰かがやらねばならず、Lowell亡き後も長年にわたってバンドを牽引し続けなければならなかった。そう考えれば、彼の果たした功績は大きい。

9月のBillboardでのステージでは、足腰は悪そうだったが、素晴らしいスライドを聴かせてくれていた。特にアンコールでの"Dixie Chicken"が印象深い。

RIP


The Weight Band Live Report 2019

weight

9月1日(日) Billboard Live Tokyoで行われたThe Weight Bandの来日公演に行ってきた。後期The Bandを支えたJim WeiderとLevon Helm BandにいたBrian Mitchellを中心としたThe Bandを継承するバンドだ。しかも今回はLittle FeatのPaul BarrereとFred Tackettも参加する。16:30スタートの1stステージ。最上階の中央の席に座る。

まず最初にLittle FeatのPaulとFred の2人が登場しステージの椅子に腰掛けた。それぞれギターを手にしてLowell Georgeのソロ曲”Honest Man”を演奏し始める。2本のギターの絡みが絶妙。Paulは帽子を目深に被っているので、顔も特徴的な頭部も見えないが、スライドの音色が心地良い。

2曲目の”Down On The Farm”が終わると、The Weight BandのBrianがアコーディオンを持って加わる。Fredはマンドリンに、Paulもアコギに持ち替えて”Church Falling Down”。Paulのアコースティックスライドがまた素晴らしい。

ここでThe Weight Bandの全員が登場。右からギターのJim、ドラムMichael Bram、ベースAlbert Rogers、キーボードMatt Zeiner。Paulが歌い始めたのはLittle Featの名曲”Willing”。途中心に突き刺さるようなJimのギターソロを聴き、これだけで素晴らしいギタリストだということが分かる。

PaulとFredが退場すると、ここからThe Weight Bandの本領発揮。アップテンポな”Rag Mama Rag”で、ボーカルはドラムのMicheal。声もLevonに似ている。

次は彼ら自身のアルバムから”Never Too Old To R&R”。Brianがキーボードでピアノを弾きながらドスの効いたしゃがれ声で歌う。弾き方が激しくキーボードに置いたiPadが落ちそうになっていた。

”Big Legged Salie”や”World Gone Mad”といったオリジナル曲もどれも良い曲だった。ボーカルは曲毎にMatt, Albert, Jimと交替し、結局全員が歌えることが分かった。そのため合わせた時のコーラスも綺麗。BrianとMattがピアノとオルガンを交替したり、Jimもマンドリンに持ち替えたり、The Bandと同様に全員が多芸に秀でている。

そしてやはりThe Bandの名曲が聴こえると歓声が上がる。”The Night They Drove All Dixie Down”や”Up On Cripple Creep”では、中間部や最後でJimやBrianらが独自の解釈を加えた熱いソロを披露。”Ophelia”ではBrianが「次の曲はLevonに捧げるよ。俺とJimはウッドストックで何年も一緒に演ったな」と言っていた。

アンコールでは再びPaulとFredのLittle Feat組が登場。Paulだけ「俺は座ってロックするよ」とまた椅子に腰掛けたので、きっと足腰が悪いのだろう。Paulが歌い始めたのは”Dixie Chicken”。この曲まで聴けるとは。バックではMichealが難しそうなセカンドラインリズムを楽しそうに叩いていた。

続いては待ってましたの”The Weight”。Michael, Matt, Albertの順で歌い回して最後は全員で、”Take a load off, Fanny”の歌詞が染み入る。バンド名にしているだけあって珠玉の演奏だ。

そしてラストは”I Shall Be Released”。Mattのピアノが美しい。それ以上にRichardが乗り移ったかのようなMattの絶唱が素晴らしい。最後は7人全員で肩を組んで挨拶。1階フロアは総立ちで大歓声。1時間半のステージが終了した。

1人1人の1つ1つの演奏がとにかく素晴らしかったし、名曲の数々も単なるノスタルジーではない新たな魅力を堪能することが出来た。行って良かった。

1.Honest Man
2.Down On The Farm
3.Church Falling Down
4.Willing
5.Rag Mama Rag
6.Never Too Old To R&R
7.The Night They Drove All Dixie Down
8.Big Legged Salie
9.Ophelia
10.World Gone Mad
11.Up On Cripple Creep
encore
12.Dixie Chicken
13.The Weight
14.I Shall Be Released


The Weight Band

ワールド・ゴーン・マッド
ザ・ウェイト・バンド
ヴィヴィド・サウンド
2019-08-14


The Bandは私が最もライブを見たかったバンドの1つである。しかしRichard Manuel、Rick Danko、そしてLevon Helmまで、オリジナルメンバーのうち3人も他界してしまった。存命のGarth Hudsonは数年前に来日し、私は行けなかったのだが、The Bandの音楽性とはかけ離れたステージだったらしい。

そんなThe Bandの音楽を体験できる機会が訪れた。それがこのThe Weight Bandの来日である。中心になっているのはJim Weider。1983年にRobbie Robertsonの後釜として加入し後期The Bandを支えたギタリストだ。もう1人Brian Mitchellも晩年のLevonのバンドにいた名プレイヤーである。したがってこれはトリビュートバンドなどではなく、The Bandを正統に引き継ぐバンドと言える。

単なるトリビュートバンドではない証拠に、彼らは昨年自分達のオリジナルアルバムも制作・発表している。これがまたThe Bandを彷彿とさせる非常に良い感じのアメリカーナだった。こうしたオリジナルも交えながらThe Bandを追体験できるステージになりそうだ。私がライブで特に聴きたいThe Bandの楽曲は以下の通り。

1. Look Out Cleveland
2. The Weight
3. The Night They Drove Old Dixie Down
4. Twilight
5. The Unfaithful Servant
6. Long Black Veil
7. Across The Great Divide
8. Thinking Out Loud
9. Rags & Bones
10.Get Up Jake

ちなみに今回Little FeatのPaul Barrereらも一緒にやって来るらしい。ということは当然Little Featの楽曲も演るということだろうか。ひとまず期待し過ぎない程度に期待していよう。


Pride & Glory 「Pride & Glory」 (1994)

プライド&グローリー
ザック・ワイルド
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
1999-09-15


1. Losing Your Mind
2. Horse Called War
3. Shine On
4. Lovin' Women
5. Harvester of Pain
6. The Chosen One
7. Sweet Jesus
8. Troubled Wine
9. Machine Gun Man
10. Cry Me a River
11. Toe'n the Line
12. Found A Friend
13. Fadin' Away
14. The Wizard
15. Hate Your Guts

今週開催されるGeneration Axeに参戦する。これはSteve Vaiが主催するギタリストの祭典で、Yngwie MalmsteenやNuno BettencourtなどHR/HM界の錚々たるギタリスト達が集まる。私は最近のことはほとんど分からないのだが、かつての懐かしいギターヒーロー達の名前に思わず誘われてしまった。

その出演陣の中で一番気になったのがZakk Wylde。私が初めて彼を見たのはOzzy Osbourneの”No More Tears”のPVだった。ベルボトムの仁王立ちで、ブロンドの髪を振り乱しながら不思議なペイントのレスポールをヘヴィに搔きむしる彼のプレイは、当時の他の誰とも違い強烈に印象に残った。

そんな彼がOzzyの引退宣言に伴って始動したソロプロジェクトが、このPride & Glory。これは一言で言えばサザンハードロック。Lynyrd Skynyrd等のサザンロックをこよなく愛する彼の趣向が色濃く反映されたアルバムである。

冒頭のバンジョーに始まり、随所で聞けるハーモニカやマンドリン、スライドギターなどが味わい深く、牧歌的なカントリー調のアコースティックも心地良い。一方でそうしたルーツ色が、彼の敬愛するBlack Sabbathのヘヴィでうねるようなギターリフや、やたらと野太いボーカルと融合しているのが面白い。時折少し弾き過ぎてしまうギターソロや、やたらと大仰なオーケストレーションはちょっと作風に合っていない気もするがそこはご愛嬌。

この後ZakkはよりヘヴィなBlack Label Societyを結成し活動を展開。風貌もまるでヘルズエンジェルズのような貫禄になった。今回はどんなステージを見せてくれるのだろう。

 

Leon Russell 逝去

leon


今度はLeon Russell (レオン・ラッセル)が亡くなってしまいました。享年74歳でした。

シンガーソングライター、マルチプレイヤー、プロデューサーと、彼はとにかく色んな顔を持っていましたが、個人的には何と言ってもスワンプロックの立役者という印象が一番強いです。

彼を初めて見たのは、Joe Cockerの1970年のツアー映像「Mad Dogs & Englishmen」でした。シルクハットを被りながらピアノやギターを弾く彼は、主役であるはずのJoe Cockerが完全に霞むほどの存在感を放っていました。しかもこのバックバンドも彼が編成して、Delaney & Bonnieから引き抜いてきたと知り納得しました。大西洋両岸を巻き込んだ彼のスワンプロックも、今考えると元々はPhil Spectorから習得し、そこに南部エキスを注入した彼なりのウォール・オブ・サウンドだったのかもしれません。

また個人的には彼の躍動感のあるピアノも好きでした。最近は特に好きなR&Rピアニストがどんどんいなくなってしまい寂しい限りです。

RIP

Bob Dylan ノーベル文学賞

dylan_paper

Bob Dylan のノーベル文学賞の受賞が決定しましたね。新聞の第一面に大きく出ていて驚きました。ただ受賞自体は毎年期待されながら逃していただけに、正直やっとかという感じですが。

私は元々ポピュラーソングの歌詞には全く興味がありませんでした。音楽は曲とメロディでしか聴いていなかったので、何を歌っているかなど気にしませんでした。それがフォーク期のDylanを聴いて考えが変わりました。激しく糾弾する”Masters Of War”、叙景と対比が見事な”Boots Of Spanish Leather”など、曲以上にその歌詞に衝撃や感銘を受けました。まぁフォークという音楽自体演奏がシンプルな分歌詞が重要なわけですが、Dylanはやっぱり別格でした。高校で英語を教えていた時には、彼の文学性とメッセージを若い人にも知ってほしいと思い、”Blowin In The Wind”を授業でも取り上げたりもしました。なので、今回のノーベル文学賞は感慨深いものがあります。

ただ彼の功績というのはその音楽にもあるわけで、今回の受賞がその断面だけを取り上げたものでしかないというのも、彼が頑なに沈黙を続けている理由なのかもしれません。。


Amy Helm 「Didn't It Rain」 (2015)

ディドゥント・イット・レイン
エイミー・ヘルム
ビクターエンタテインメント
2015-09-16


1. Didn't It Rain
2. Rescue Me
3. Good News
4. Deep Water
5. Spend Our Last Dime
6. Sky's Falling
7. Gentling Me
8. Roll Away
9. Sing To Me
10.Roll The Stone
11.Heat Lightning
12.Wild Girl

故Levon HelmにはAmyという愛娘がいました。Levonの晩年のステージにはいつも彼女も一緒に上がりコーラスをしていました。これはそのAmy Helmのファーストソロアルバムです。

もっとも彼女はこの時点で44歳と決して若くはありません。これ以前にもOllabelleというトラディショナルグループで活動していましたが、それも割と最近の話。元々彼女が音楽活動を始めたのは、癌に倒れた父親をサポートしたことがきっかけのようです。

しかし彼女も才能があります。マンドリンを弾きながら父親に負けない位の歌唱力を聴かせ、収録曲もほとんど自作です (プロデュースしたベースのByron Isaacsとの共作ですが)。ロカビリーR&Rからカントリー、ブルースにゴスペル、様々な南部音楽が溶け合う様は正にThe Band。やはり流石Levonの娘です。

ゲストも豪華で、M3とM11ではLarry Campbell、M5とM6ではその奥さんTeresa Williams、そしてM6ではLittle FeatのBill Payneも参加しています。

目玉は何と言っても在りし日のLevonのプレイが聴けること。M5、M9、M11では彼の懐かしいドラムサウンドが収められており、特にM5の冒頭では彼のカウントも聴けます。Levonが他界したのは2012年なので、かなり前からこの作品は製作していたようです。

ジャケットの写真を見ると目元が父親によく似ていますね。自分の亡き後を娘が立派に継いでくれた。父親としてこんな嬉しいことはないでしょう。

 

Glenn Frey (Eagles) 死去

glenn

OMG !  一体どうなってんでしょうか?今年は最悪の年になりそうです。

Eaglesのボーカル&ギターGlenn Freyまでも亡くなってしまいました。。享年67歳でした。

Don HenleyとともにEaglesを結成し、以来ずっと顔役として活躍していました。色々バンド内で確執もあったようですが、それでも彼が牽引したからこそ、ここまでの成功を収めたのだと思います。

2011年の来日公演では、なぜか腕に包帯みたいのを巻いてましたが、元気にアコギをかき鳴らしながら、相変わらずの爽やかな歌声を聴かせてくれていました。まだ5年前のことですが、既に懐かしいです。

RIP


 

アコースティックな名曲(前編)

毎年秋になると、妙に耳がアコースティックな音を欲しがります。今日は晴れた秋空の下で聴きたくなるカントリー風味な名曲の数々をお届け。小気味良いストローク音が心地良い。

① The Beatles ”I've Just Seen A Face” 1965
Paul作の中期の名曲。The Beatlesナンバーの中でも特に好きな曲。


② Crosby Stills Nash & Young ”Teach Your Children” 1970
アコースティックといえばこの人達。子供を持った上でこの歌詞を読むと泣けます。


③ Rod Stewart ”Maggie May” 1971
この人が唄うと楽曲の魅力が倍増するという魅惑の声。初期の名曲。


④ Faces ”Ooh La La” 1973
一方こちらはやる気がなくなってしまったRodの代わりにRon Woodが唄っている。


⑤ Queen ”39” 1975
Brian May作の名曲。歴史的な内容かと思ったらSFが題材らしい。流石コーラスが綺麗。


⑥ Kiss ”Hard Luck Woman” 1976
 “Maggie May”にインスピレーションを受けたKissらしからぬ曲。Peter Crissのボーカルが良い。


⑦ Bon Jovi ”Ride Cowboy Ride” 1988
最初カヴァーかと思ったらオリジナルだった。この昔のレコード的な音作りも○。

Cake 「Live From The Crystal Palace」 (2014)

CAKE_Crystal_Palace

01. Sheep Go To Heaven
02. Mexico
03. Love You Madly
04. Stickshifts & Safetybelts
05. I Will Survive
06. Is This Love
07. Excuse Me, I Think I’ve Got A Heartache
08. Daria
09. Wheels
10. Never There

最近たまたま他の方のブログで見かけて以来、久しぶりにまた聴いていて情報を漁っていたら、こんなアイテムを見つけた。最近音沙汰がないと思っていたら、昨年こっそりとリリースされていたオフィシャルのライブアルバムである。

これは今からもう10年も前の2005年に亡くなったカントリーシンガーBuck OwenのCrystal Palaceで演奏された時のものなのだが、実は翌年の秋にはリリースすると言われていたものである。2006年3月に彼らは単独来日しており、その時の公演を私も観に行ったが素晴らしいものだった。その感動を形として残せるものがリリースされるということで楽しみにしていたのだが、結局それは陽の目を見ることはなかったのだ。

その理由をトランペットのVinceは「ライブアルバムを出すと、そこでキャリアを総括したことになるのが嫌だったから」とインタヴューで答えている。まぁその気持ちは分からなくもないが、結局その後の新作リリースに毎回4年近くインターバルを空けているなら、その拘りの意味もあまりない気もする。今回発表に至ったのは、それに気付いたからだろうか。

しかし実はこのリリースはLPのみで、それもレコードストアデイに合わせて発売されたLPセットの特典としての限定販売。後にオフィシャルサイトから単品で出たがこれもLPのみ。仕方ないので私はネット上で音源を見つけて聴いてみた。

元々待てなかった私は2007年8月カリフォルニアのブート音源を入手して聴いていたが、それと比べるとやはり音質が断然良い。John McCreaの歌うとぼけた歌詞とビブラスラップ、哀愁漂ういなたいトランペット、絶妙なギターとファンキーなベース。ロックとカントリーとその他諸々を確信犯的なローファイ風味に調理した不思議な音楽。観客との掛け合いも当時の臨場感を喚起させてくれる。

残念なのは収録曲の少なさだ。この夜は他にも”The Distance”、”Arco Arena”、”Carbone Monoxide”、”The Guitar Man”等も演っていた。また”Frank Sinatra”や”Comfort Eagle”、”Guitar”等も当時の常連セットだった。

まぁそんなことよりも大事なのは、これをLP以外の形でちゃんと流通させてもらうことだろう。じゃないとこのまま忘れられちゃうよ、Cakeさん?

★★★★



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