1960s

Beach Boys 「Greatest Hits : 50 Big Ones」 (2012)

グレイテスト・ヒッツ デラックス・エディション~偉大なる50年~ (期間限定スペシャルプライス盤)グレイテスト・ヒッツ デラックス・エディション~偉大なる50年~ (期間限定スペシャルプライス盤)
ビーチ・ボーイズ

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Disc 1
1. California Girls
2. Do It Again
3. Surfin' Safari
4. Catch a Wave
5. Little Honda
6. Surfin' U.S.A.
7. Surfer Girl
8. Don't Worry Baby
9. Little Deuce Coupe
10. Shut Down
11. I Get Around
12. The Warmth of the Sun
13. Please Let Me Wonder
14. Wendy
15. Getcha Back
16. The Little Girl I Once Knew
17. When I Grow Up (To Be a Man)
18. It's OK
19. Dance, Dance, Dance
20. Do You Wanna Dance
21. Rock And Roll Music
22. Barbara Ann
23. All Summer Long
24. Help Me, Rhonda
25. Fun, Fun, Fun

Disc 2
1. Kokomo
2. You’re So Good To Me
3. Wild Honey
4. Darlin'
5. In My Room
6. All This Is That
7. This Whole World
8. Add Some Music To Your Day
9. Cotton Fields
10. I Just Wasn’t Made For These Times
11. Sail on, Sailor
12. Surf's Up
13. Friends
14. Heroes and Villains
15. I Can Hear Music
16. Good Timin'
17. California Saga (On My Way to Sunny Californ-I-A)
18. Isn't It Time (single version)
19. Kiss Me, Baby
20. That's Why God Made The Radio
21. Forever
22. God Only Knows
23. Sloop John B
24. Wouldn't It Be Nice
25. Good Vibrations

この夏に我々に夢のような一夜を見せてくれたBeach Boysの50周年を記念するベストがリリースされた。本当はこれは来日前に出してほしかった一品だが、まぁ何も言わないでおこう。

さてライブまで行っておいてこんなことを今さら言うのもなんだが、私はBeach Boysのアルバムは代表的なものを数枚と古いベストくらいしか実は持っていなかった。何しろ彼らは活動歴が長くリリースしているアルバムも半端なく多いので、揃えるのも大変だ。だから先日のライブのセットリストの曲も知ってはいるけど音源をちゃんと持っていない曲も多かった。なのでこうしたベストは有り難い。勿論50曲収録のデラックスエディションの方だ。

Disc 1は乱暴な言い方をすると、彼らの陽にあたる表ベストになるのだと思う。サーフィン曲からホットロッド曲へ、最後はダンス曲へといった流れはちょうど夏のセットリストと同じような流れになっており、夏を振り返りながら感慨深く聴ける。クレジットを見ていて改めて感じたのは、初期曲におけるBrianとMikeの2人による共作曲の多さだ。永いこと仲違いしていた2人だったが、夏に2人が同じステージに立っていたことがどれだけ意義深いことだったかを再認識した。

一方でDisc 2は、彼らの陰(と言っては語弊があるが)にあたる裏ベストとなっている。MikeやAl、DennisやCarlといったメンバーそれぞれの曲も散見されるが、基本的にはBrian一人または外部との共作の曲が中心となっている。複雑な曲展開や内省的な歌詞がDisc 1とは明らかに異なっており、こうした奥深さが彼らの音楽をより魅力的なものにしている。

以下は私の個人的なBeach Boysソングベスト10。
1. Here Today
2. Don't Worry Baby
3. Wouldn't It Be Nice
4. Surf's Up
5. God Only Knows
6. When I Grow Up
7. Kiss Me Baby
8. Forever
9. I Get Around
10.Be True To Your School

最近のニュースによると、どうやら例のフルメンバーでのツアーは終了らしく、秋からはまたMike LoveバンドによるBeach Boysとして南米をツアーしていくのだという。Brianは次作への意欲まで語っていたのだが。結局あれは文字通り一夏の想い出になってしまうのだろうか。


Wilson Phillips 「Wilson Phillips」 (1990)

ウィルソン・フィリップスウィルソン・フィリップス
ウィルソン・フィリップス

EMIミュージック・ジャパン 1995-11-08
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1. Hold On
2. Release Me
3. Impulsive
4. Next to You (Someday I'll Be)
5. You're In Love
6. Over And Over
7. A Reason to Believe
8. Ooh You're Gold
9. Eyes Like Twins
10. The Dream is Still Alive

Beach Boysつながりで今週も1つ。50周年でBeach Boysが注目を集めている今年、それに合わせるような形で活動をまた活発化させているグループがある。それがWilson Phillipsだ。

私くらいの世代の人だと懐かしい名前だ。Wilson Phillipsは1990年にデビューし、大ヒットしていた。Beach BoysのBrian Wilsonの娘であるCarnieとWendy、そしてMamas & PapasのJohn & Michelle Phillipsの娘Chynnaの3人によるグループである。当時中学生だった私は毎週末ラジオのヒットチャート番組を聴いていたが、彼女らの曲がどれかが常にチャートの上位にランクインしていたのをよく覚えている。

懐かしくなってBook Offで探してみたら、やはり250円で売っていた(笑)。改めて聴いてみたが、非常に良く出来たポップアルバムだ。素直でキャッチーなメロディライン、今となっては恥ずかしくなるくらいのポジティブなリリック、そして3人の綺麗なボーカルハーモニー。加えて彼女らのこの美貌だ。これは売れるはずだ。実際M1、M2、M5が全米No.1、M3は4位、M10が12位、アルバムはこれまでで800万枚を売り上げている。ちなみにJoe WalshがM3とM7で、Bill PayneがM3とM10で、さらにSteve LukatherがM7とM9でゲスト参加している。

ただ二世ミュージシャンの常なのだが、彼女らもやはり親の七光りみたいに言われることもあった。しかしクレジットを見て初めて知ったのだが、10曲中6曲は彼女ら自身のオリジナルだったのだ。てっきり他人の曲を歌っているだけのアイドル的なグループだとばかり思っていたので驚いた。なるほど、天才と言われた人の娘たちだ、やはり二世には遺伝するものがあるのだろう。

1992年に2ndアルバムを出した後は、Chynnaがソロとして少し活動した以外はめっきり音沙汰がなかったが、2004年に3rdを出していたようだ。今年は親のバンド復帰に合わせてか、Beach Boysのカヴァーアルバムをリリースしたり、他の子供世代と一緒にBeach Boysのステージに上がったりしている。あやかっていると言ってしまえばそれまでだが、親にとってもこれは最初で最後の祭りみたいなものだ。綺麗な花が添えられていた方が映えるというものだろう。

★★★☆



Beach Boys Live Report 2012



Beach Boys
2012.8.16 (Thu) @ 千葉マリンスタジアム

Beach Boysの来日公演に行ってきた。会場は千葉マリンスタジアム。野外の野球スタジアムだが、幸いにも雨も降ることもなかった。また夕方には辺りは涼しくなり、暑い野外で熱中症を心配していたのも杞憂に終わった。

前座は1組目が星野源という日本人のソロアーティスト。しかしツアーパンフを買うためにグッズコーナーに並んだらひどい行列で、40分も待たされたので、1組目は結局見られず。

前座2組目はAmerica。70年代に活躍していたベテラン選手。"A Horse Without Name"しか知らなかったのだが、演奏された楽曲はどれも素晴らしかった。ゲストでChristpher Crossも登場していた。

会場内は年輩の人ばかりかと思っていたが、意外に若い人も多く、年齢層は幅広かった。私の席はA15ブロックで、前の方だが右端。ステージの右側は残念ながら全く見えない上に、前の人の背も高い。しかし出来るだけモニタースクリーンではなくステージを目で追っていた。ちなみにアリーナは満席で12000人いたらしいが、スタンドは残念ながらガラガラだった。

Beach Boysが登場したのは19:00。メンバーの名前を呼び込んで一人ずつ順番にステージに登場する。Bruce Johnston、David Marks、Al Jardine、Mike Love。そして最後に大歓声の中Brian Wilsonが登場し、ステージ左手のキーボードの椅子によろめきながら座り込んだ。後ろにはBrianバンドのメンバー、ギター、ベース、ドラム、パーカッション、キーボード、サックスと大所帯だ。

Do It Againでスタート。そしてCatch A Wave、Hawaii、Don't Back Down、Surfin' Safariと冒頭数曲はメドレー形式で畳み掛ける。さっきのAmericaでは最後までほとんど誰も立たなかったが、今度は最初からオールスタンディングで場内早くも大盛り上がり。ノリの良い楽曲の数々が、予想以上に素晴らしいハーモニーに彩られ、一気に引き込まれた。

一旦クールダウンして、Surfer Girlでしっとりと聴かせる。続いて私の大好きなDon't Worry Baby。高いファルセットのリードボーカルで魅了してくれたのはBrianバンドのJeffrey。ある意味彼がいなければ彼らのハーモニーは完成しなかっただろう。そして冒頭のサーフィンコーナーに続いて、今度はホットロッドコーナーに突入。バックスクリーンにクラシックカーが映され、またアップテンポに攻め立てる。

Mikeは予想以上に声が出ていた。長年に渡ってバンドを存続させてきた自負か貫禄のある歌いっぷりで、歌に合わせて踊ったりターンしてみせたり、堂々としたフロントマンだった。またDavidは毎曲ギターソロを聴かせてくれたが、これもなかなか良かった。Al Jardineは終始笑顔でギターを弾き良い味を出していた。Cottonfeildでの歌唱が特に印象的だった。Bruceも終始ニコニコしていたが、あまりキーボードは弾いていなかった気がする。そのかわり時折ステージの前方まで出てきて観客を煽っていた。

メンバーが皆ノリノリな中でBrianは一人浮いていた。終始うつろな表情で心ここにあらずという感じ。自分の出番以外は基本的に微動だにせず、キーボードに座っているだけだった。キーボードの前には歌詞が出るモニターも取り付けられている。今日は結局立ち上がってベースを持つこともなかった。

Sail On SailorからようやくBrianのコーナーが来ると、待ってましたと歓声があがった。リズムを取るように手のひらを上下させながら、絞り出すようにしわがれた声で歌うBrianを、周りのメンバーがしっかりコーラスと演奏でサポートしていた。続くHeros & Villiansは正にBrianの世界。次から次へめくるめく展開する曲構成は、改めてプログレだなと感じた。ライブでは若干ノリ辛いが、これを完璧にこなす演奏力に感嘆した。

「今から50年前にBrian、Dennis、Carlの3兄弟と従兄弟の私、そしてAlでスタートしたんだ。Brian、兄弟の紹介をしたいかい?」とMikeがBrianに振ったのだが、Brianはそれにほとんど対応できず、曲名だけ紹介した。Dennisの画像をバックにForeverが歌われる。その後今度はBrianはちゃんとCarlの紹介してGod Only Knows。Brianに苦笑しつつも、この2曲は感動的だった。

新作からはGod MadeとIsn't It Timeの2曲。観客の反応も悪くなかった。そして「Pet Sounds」からSloop John BとWouldn't It Be Nice。上がったテンションはそのままGood VibrationやCalifornia Girls、Help Me, Rhondaといったキラーソングで最高潮に。Surfin' USAで本編が終了。

2部構成かと思ったが、結局間を空けずに本編最後までぶっ通しで行った。そして本編終了後もほとんど休憩もないままアンコールに突入。彼らのタフさに驚いた。アンコール1曲目はKokomo。ここでまたChristpher Crossがゲストで登場し、サビのハイトーンで聴かせてくれた。バンドメンバーの紹介を経てBarbara Annへ。ここでAmericaの2人も登場した。そして最後はFun, Fun, Funで大団円のうちに終了した。

結局終わったのは20:40、セットリストは全部で33曲だった。45曲も演っていた本国でのセットリストに比べるとさすがに少し少なく感じたが、前座も長かったので仕方ない。見る前は、こんなメンバーで見られるのは最後だからと、正直それほど内容に期待はしていなかった。しかし実際名曲・ヒット曲のオンパレードだった上に、演奏やハーモニーも素晴らしかった。バックバンドのサポートも大きかったと思うが、フロントのメンバーたちも十分元気だった。Brianに関しては生で見られただけで満足だ。

もう1つ今回のライブを見ながら痛感したことがある。それは、あぁこれがアメリカなのだ、ということだ。50年の歴史の中で、良い時代も悪い時代もあった。バンドの歴史においても、ロックの歴史においても、アメリカの歴史においても。止まることなく半世紀を歩み続けてきた。そして今、これだけのポジティブなバイブレーションをもって、これだけ最高のエンターテインメントと芸術を提示していた。この強さ、偉大さが、Beach Boysであり、アメリカなのだなと痛感したのだった。

01. Do It Again
02. Little Honda
03. Catch A Wave
04. Hawaii
05. Don't Back Down
06. Surfin' Safar
07. Surfer Girl
08. Don't Worry Baby
09. Little Deuce Coupe
10. 409
11. Shut Down
12. I Get Around
13. That's Why God Made The Radio
14. Sail On Sailor
15. Heroes And Villains
16. Isn't It Time
17. Why Do Fools Fall In Love
18. When I Grow Up (To Be A Man)
19. Cotton Fields
20. Forever
21. God Only Knows
22. All This Is That
23. Sloop John B
24. Wouldn't It Be Nice
25. Then I Kissed Her
26. Good Vibrations
27. California Girls
28. Help Me, Rhonda
29. Rock & Roll Music
30. Surfin' USA
Encore
31. Kokomo
32. Barbara Ann
33. Fun, Fun, Fun


「ペット・サウンズ」 ジム・フリーリ著

ペット・サウンズ (新潮文庫)ペット・サウンズ (新潮文庫)
ジム フジーリ Jim Fusilli

新潮社 2011-11-28
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第1章 「ときにはとても悲しくなる」
第2章 「僕らが二人で口にできる言葉がいくつかある」
第3章 「キスがどれも終わることがなければいいのに」
第4章 「ひとりでそれができることを、僕は証明しなくちゃならなかった」
第5章 「しばらくどこかに消えたいね」
第6章 「自分にぴったりの場所を僕は探している」
第7章 「でもときどき僕はしくじってしまうんだ」
第8章 「答えがあることはわかっているんだ」
第9章 「この世界が僕に示せるものなど何ひとつない」
第10章「美しいものが死んでいくのを見るのはとてもつらい」
エピローグ 「もし僕らが真剣に考え、望み、祈るなら、それは実現するかもしれないよ」

Beach Boysのライブがいよいよ今週となった。例によって気分を盛り上げるために彼らに関する書籍を漁っていたところ、軽く読めそうな本書を見つけた。「Pet Sounds」は言わずと知れた彼らの名盤であるし、個人的に最も好きなアルバムである。

「Pet Sounds」に関わる様々なストーリーはよく語られるところであるし、私もおおまかには知っていたが、本書はBrianの活動や情緒を時系列で詳細に説明している。1964年末、Brianはツアーから離脱し、音楽製作に専念するようになった。しかしこの時彼は、成功から来る様々なストレスや父親との確執、The Beatlesに対するプレッシャーなどから、統合失調症と鬱病を患っていた。逃げ込んだドラッグは彼を助けるよりもむしろそうした症状を増長した。そんな状態にも関わらず彼はこの名盤を作り上げた。むしろそんな状態だからこの作品ができたという方が正しいかもしれない。

このアルバムに収録された楽曲はどれも神々しさをたたえている。瑞々しいメロディと極上のハーモニー、大仰なインストと斬新な展開、様々な楽器を用いた分厚いアレンジ、どれを取っても他の作品とは異なっていた。筆者は音楽的理論からその斬新さを解説してくれており参考になる。これが作りながら試行錯誤したのではなく、最初からBrianの頭の中にあったというから恐れ入る。

またこのアルバムを特徴づけている要素として、BrianとTony Asherの内省的な歌詞がある。ここでは大人へと成長する過程での無拓の喪失感や孤独感が綴られているが、それはそれまでのサーフィンやホットロッド・女の子を題材にした享楽的な路線とは全く違う方向を向いている。当時の時代を考えてもこれはかなり早い。Mike Loveでなくとも違和感を覚えるのは当然かもしれない。

実際当時はあまり売れなかった。しかし時代を超えて、後に多くの人々に再評価をされることになる。またこの本の著者は冒頭に自身の生い立ちを書いているが、中流階級に生まれながらも心に闇を抱えていた。そんな若者にもこのアルバムは訴えたのだった。

長い年月を超えてBrianがBeach Boysとしてやってくる。こんな日が来るとは思わなかった。 このアルバムの曲も何曲か披露されるはずだろう。私は"Here Today"が一番聴いてみたい。


Beach Boys 「That's Why God Made The Radio」 (2012)

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ビーチ・ボーイズ

EMIミュージックジャパン 2012-06-04
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1. Think About The Days
2. That's Why God Made The Radio
3. Isn't It Time
4. Spring Vacation
5. The Private Life Of Bill And Sue
6. Shelter
7. Daybreak Over The Ocean
8. Beaches In Mind
9. Strange World
10. From There To Back Again
11. Pacific Coast Highway
12. Summer's Gone
13. Do It Again (2012 version)

50周年を記念して再集結したオリジナルメンバーのBeach Boysから、遂に新作が届けられた。正直言ってそれほど期待していなかったが、実際聴いてみてその完成度の高さに驚かされた。彼らの本気度が分かる力作である。

冒頭"Our Prayer"を思わせるような厳かなアカペラからスタートする。まずはそのコーラスワークの美しさが素晴らしい。全編に渡りこのコーラスワークは最大限に活かされているが、70という年齢でこのような若々しいハーモニーを聴かせることができるグループはなかなかないだろう。

続くタイトルトラックは先行発表されたシングル。ラジオで育った世代にはノスタルジーを掻き立てる佳曲。その後も夏らしい爽やかな楽曲が続いていく。そのほとんどはBrian WilsonがJohn Thomasと書いた楽曲だが、Mike Loveの名も一緒にクレジットに入っている曲も多く、基本的に曲質は高い。ちなみにプロデューサーはBrianで、エグゼクティブプロデューサーがMikeになっている。この2人の良い関係の上に今作が成り立っている。

実際アルバムの中ではDavid Marksがギターを弾いている以外は、皆ボーカルのみでほとんど器楽演奏には携わっておらず、全てバックバンドが担っているがそれはもう仕方ない。永い年月の紆余曲折を経てオリジナルメンバーが集まり、これだけの楽曲とハーモニーを聴かせてくれているだけで十分だろう。またM10からM12までの組曲のような構成で、寂寥感をもってしっとりと聴かせる展開のところは、いかにもBrianらしさを感じられた。

「昔みたいにもう一度」という歌詞の曲が多く見受けられるが、それがある種このアルバムのテーマのようになっている。そしてその言葉通り、彼らは昔みたいに素晴らしい音楽を作り上げ、素晴らしいショーを展開している。噂によるとBrianはもう1枚今度はRock & Rollアルバムを作りたいと言っているらしい。 8月の来日も楽しみにしたい。

★★★☆


Robin Gibb (Bee Gees) 急逝



5月20日にBee GeesのRobin Gibbがガンのため亡くなりました。享年62歳でした。

Bee Geesと言うと、70年代後期にディスコブームを起こしたかの「Saturday Night Fever」のイメージが強いが、その活動は古く50年代まで遡る。Barry、Robin、Morrisの3兄弟は10代でオーストラリアでデビューし、60年代前半には既にオーストラリアで人気者でした。その後生まれ故郷のイギリスに凱旋、改めてワールドワイドデビューを果たし60年代後半に世界的に大成功を収めるのでした。

その初期は特に名曲が多い。"To Love Somebody"や"Massachusetts"、"Melody Fair"や"Run To Me"など、時代を超えても色褪せず、多くの人を魅了し続ける名曲は、挙げていけばキリがない。また特筆すべきはその素晴らしいコーラスワークであり、その中で最も綺麗なハイトーンを聴かせてくれていたのがRobinでした。

ご冥福をお祈りします。

Beach Boys 50周年 & 来日公演



Beach Boysの来日します。まぁ、それだけならそんな大したニュースではありません。Beach Boys名義では、2010年にもBillboard Liveに来日しています。しかしその際はオリジナルメンバーはMike Loveしかいませんでした。確かに彼はBeach Boysの声であることは間違いないが、彼一人だけでBeach Boysを名乗られても、…という感じでした。個人的な極論を言わせてもらえば、Beach Boys = Brian Wilsonなんです。むしろ2005年に来たBrianのソロの方が私にとっては本命であったし、それを見逃したことは本当に後悔していました。

しかし今回のメンバーはスゴい。Mike Love、Al Jardine、Bruce Johnston、David Marks、そしてBrian Wilson!他界してしまったDennisとCarl以外のオリジナルメンバーが全員集まっているわけで、今回の結成50周年という節目にあたり彼らの本気度が分かります。しかも今回はニューアルバムまでレコーディングしているという。永い年月の間あれだけバラバラだった彼らがここまでやるとは、歳を重ねたせいなのか、無理をしているのか。とりあえず今年中は何とか一緒にいてほしいものです。

ということで早速チケットをゲットしましたが、気になるのが会場。千葉マリンスタジアムで16:30開始だという。演る側も老人だし見る側も若くないのに、真夏の野外スタジアムで日中にやるなんて危険極まりない。爽やかな夏の夕方にBeach Boysを、なんて幻想をクリエイティブマンは勘違いしているようだが、恐らく暑さで倒れる者が出る可能性が高い。何とか無事に楽しく催行されることを祈っています。


Simon & Garfunkel 「Bridge Over Troubled Water (40th Anniversary Edition)」 (2011)

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Disc 1: Bridge Over Troubled Water
01. Bridge Over Troubled Water
02. El Condor Pasa (If I Could)
03. Cecilia
04. Keep The Customer Satisfied
05. So Long, Frank Lloyd Wright
06. The Boxer
07. Baby Driver
08. The Only Living Boy In New York
09. Why Don’t You Write Me
10. Bye Bye Love
11. Song For The Asking

Disc 2: Live 1969
01. Homeward Bound
02. At The Zoo
03. The 59th Street Bridge Song (Feelin’ Groovy)
04. Song For The Asking
05. For Emily, Whenever I May Find Her
06. Scarborough Fair / Canticle
07. Mrs. Robinson (From The Motion Picture “The Graduate”)
08. The Boxer
09. Why Don’t You Write Me
10. So Long, Frank Lloyd Wright
11. That Silver-Haired Daddy Of Mine
12. Bridge Over Troubled Water
13. The Sound Of Silence
14. I Am A Rock
15. Old Friends / Bookends Theme
16. Leaves That Are Green
17. Kathy’s Song

Disc 3: DVD
1. Songs Of America
2. The Harmony Game : The Making Of "Bridge Over Troubled Water"

2年前の東京ドームで素晴らしいステージを魅せてくれたSimon & Garfunkel。彼らの1970年のラストアルバム「Bridge Over Troubled Water」の40周年記念盤がリリースされた。2001年リマスターのオリジナルアルバムと、2009年の来日時にリリースされた「Live 1969」、そしてドキュメンタリーを収録したDVDの3枚組である。

まずオリジナルアルバム。物心ついた頃からずっと聴いてきたが、改めて名盤であると再認識する。M1のタイトル曲には、私がまだ高校英語教員だった頃に、授業でも使わせてもらった思い出がある。荒れる河にかかる橋のようにあなたを助けようという熱い友情を歌った歌詞の内容は、ちょうど今の東日本大震災による津波被災地への応援歌としても注目を集めている。最大の聴き所はArtの歌声であり、単に綺麗なだけではない、力強い熱唱が心に迫る。最近の若者にも今一度知ってほしい名曲だ。

M2はペルー・フォルクローレの伝承曲に歌詞をつけた楽曲で、オカリナが奏でる寂寥感が印象的。Paulが解散後のソロで追い求めていくことになるワールドミュージックの原型がここにある。M3は跳ねるような軽快なリズムが楽しく、こうしたエスニックなリズム感もPaulの後のソロ活動ではよく多用された。M6も忘れてはいけない、そのスケール感はタイトル曲に匹敵し、歌詞が綴る若いボクサーのストーリーも秀逸である。どれも歴史的な名曲ばかりだ。

他の楽曲も素晴らしい曲ばかりであり、Paulのコンポーズ能力が遺憾なく発揮されている。ピアノ、オーケストレーション、ホーンセクションなど様々なサウンド作りがなされており、その飛躍的に拡散した音楽性に圧倒される。単なるフォークデュオとしてスタートした彼らのキャリアが、遂にここまで来たかという最終形である。

Disc2は既発のものであり、当初未発表曲が追加されるという話だったが、結局既発のもののままだったのは残念。ただ内容・録音ともに素晴らしいライブアルバムであるのは間違いない。バンドを率いての最初のツアーだったようで、適所にふさわしい演奏を聴かせてくれるが、むしろ2人のアコースティックな味わいの方が強い。そして曲中静かに聴き入り曲後大歓声をあげる(特にタイトル曲)観客の反応が印象深い。ぜひこれも映像で見たいものだ。

そして今回の最大の目玉は、Disc 3のDVD である。あまり当時の映像がない彼らなので、これは貴重だ。当時のTVドキュメンタリー「Songs of America」と本作のメイキング「The Harmony Game」の二本立てで、アルバム制作やコンサートの様子、2人および関係者へのインタヴューなど盛り沢山。 後半で先のサウンドメイキングの様子を垣間見て感心させられたが、むしろ前半を見て考えさせられた。これを見て感じたのは、この作品はかなり当時のアメリカの時代背景を反映しているということであり、ベトナム戦争や公民権運動、偉人たちの暗殺など緊張した社会情勢の中で、アーティストとして何ができるのかということが追及されていた。それは今の日本の情勢にも通ずるものであり、だからこそこの作品が余計に聴く者の心に響くのだろう。時代を超える名盤の由縁である。

★★★★★


The Grass RootsとThe Beatles

Let's Live for Today / FeelingsLet's Live for Today / Feelings
Grass Roots

Repertoire 2002-11-18
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 私の会社はある都心のビルに入っているのだが、そのビルの3階にはいくつかの飲食店が並んでいる。そのうちの一つにうどん屋があり、無類のうどん好きな私は時折そこへ食べに行く。私がその店が好きな理由は、旨いうどんを食わせてくれるという他に、いつも店に60~80年代の懐かしい洋楽が流れているというのがある。うどん屋に洋楽というのも何か合わない気もするのだが、愛する要素が2つもある私にとっては堪らない店であった。

 さて先日もその店に入り注文をしたところ、その時店の中に流れていたある曲を耳にした。その瞬間私は思わず店内にいた店長に、これが誰の曲かを尋ねていた。というのも、その曲は私が約20年以上前からずっと気になっていながらも誰か分からずにいた曲だったのである。幸いその時店内にいた客は私以外に1人のみで暇だったため、店長は快くその時流していたコンピレーションCDを持ってきてくれた。その曲はThe Grass Rootsの゛Let's Live For Today゛だった。サビのメロディや歌詞が素晴らしい名曲である。

 その後店長と60年代ロック談義に花を咲かせた。店長は年のころは60位、髪はほとんどないかわりに白いものが交じったアゴヒゲが特徴だった。最終的にThe Beatlesの話になり、店長は1966年のあの武道館公演に行った話をしてくれた。それも観客としてではなく、警備員としてらしい。どうやら招致主のキョードーに知り合いがいたらしく、当時中学生だったにも関わらず高校生と偽り、警備員のバイトをさせてもらったようだ。舞台下の最前列で警備にあたっていたが、公演中は舞台に背を向けて観客だけを見ていなければならず、演奏を聞きながら気絶した女の子達の対処をしたりしていた。しかし公演前のリハーサルはしっかり拝むことができたようで、JohnとPaulのハーモニーがなかなか合わず、何度もやり直しをしていたという証言も聞かせてくれた。 私はこの日長年抱いてきた謎を解いてくれただけでなく、当時の貴重な話まで聞かせてくれた店長に深く感謝した。

 今うちの会社は震災により大打撃を受け、経営状況が急速に悪化してしまった。果たして今年一杯を乗り切ることができるかどうかすら怪しい状況だ。去年転職し新事業部を立ち上げ軌道に乗っていた矢先だったのだが。。このうどん屋が入っているこのビルでもうしばらく仕事をしていたいと願っている。




「ウッドストックがやってくる (Taking Woodstock)」 (映画編)

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先週ご紹介した回想録に基づいて撮られたのがこの映画。アメリカではウッドストック40周年の2009年に公開されている。日本では2011年になりようやくミニシアターで公開されたわけだが、あまりにも遅すぎたと言っていい。あの年本国では色々とウッドストック関連商品がリリースされたりと盛り上がっていたが、日本でもこの映画がタイミング良く全国ロードショーで公開されていたら、もっと国内のウッドストックムーブメントに拍車をかけることができたかもしれないのに、もったいない。

さて感想だが、事実は小説よりも奇なりというのを痛快に実感することができるのが、この映画の醍醐味だろう。一人の青年の一本の電話によって白馬の王子がヘリコプターによって登場し歴史的一大イベントが動き出すだとか、何もなかった小さな町が突如として50万人のヒッピーによって埋め尽くされたりなどは、まるで映画のような話であり、映像化するにはうってつけの題材と言っていい。

しかしいくつか原作にあって映画からは抜け落ちていたエピソードがあったのが気になった。まず地元住民との戦いを描くのであれば、公聴会が最適だったろう。ElliotがLangeや弁護士とともに、大勢の住民で溢れる公聴会で、反対と賛成の怒号の中で町議会議員一団と正に手に汗を握る攻防を繰り広げるシーンは見たかった。また確かに彼は記者会見では適当なことしか言っていないが、ラジオ生放送では「自由の国家を一緒に作ろう」と熱く演説を語り、翌日その放送に共感した若者たちが押し寄せたというのが事実だ。これも感動的なエピソードなはずである。

そしてやはりと言うか、彼のゲイとしてのエピソードはほとんどカットされていた。原作の中では、彼自身のゲイとしての性体験や自己否定、そしてゲイの人権問題についてかなりのページが割かれていた。これは原作の中で恐らくウッドストックよりも比重の大きい最大のテーマだったと言える。それがあったからこそ、主人公はフェスのヒッピー文化を通して初めて自分自身を受け入れることができ、真の自由と解放を得ることができたのである。しかしこの映画は彼の自伝ではなく、メイキング・オブ・ウッドストックなわけで、大衆にアピールするためにも、そこはカットせざるえなかったのだろう。

まぁ何だかんだ言っても、このウッドストックフェスを実体験していない私のような世代にとって、当時の様子や舞台裏を疑似体験できる貴重な映画であることには違いない。そしてやはりこの偉業を成し遂げたElliot Tiberの功績は称賛に値するだろう。


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