Susanna Hoffs

Susanna Hoffs 「Someday」 (2012)

サムデイサムデイ
スザンナ・ホフス

EMIミュージックジャパン 2013-01-23
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1. November Sun
2. Always Enough
3. Picture Me
4. One Day
5. Holding My Breath
6. All I Need
7. Raining
8. Regret
9. This is the Place
10. True

Susanna Hoffsの新作の国内盤が1月末にようやくリリースされた。本国での発表が昨年7月だから、半年も遅れていたわけだ。最近の国内レコード会社は洋楽に対してあまりやる気が見られないのだが、これについて書き出すと長くなるのでまたの機会に。

さて、彼女のソロが出るのは16年ぶりということだが、別にその間何もしていなかったわけではない。Banglesの最新作が出たのが2011年末だったので、そこからのインターバルは短かった。またその以前にもMatthew Sweetとのコラボも色々あったので、最近実際はかなり積極的に活動をしていたと言える。

今回のパートナーはAndrew BrassellというNashvilleの若いミュージシャンで、ほぼ全曲が彼との共作となっている。Matthew SweetやBanglesといい、彼女は誰かパートナーがいることによって真価を発揮するタイプのようだ。またプロデューサーはMitchell Froom。彼は「Manic Monday」で共演していたことがあったようだが、後年Los Lobosなどのプロデュースによって前衛的な奇才というイメージがあった。なのであまりSusannaの作風とは合わないのではという懸念をしていたが、実際聴いてみると各曲オーケストレーションやホーンなどの非常に効果的なサウンドアレンジがなされていることが分かる 。

で、彼女について書く時はいつも同じになってしまうのだが、本当に彼女は歳を感じさせない。私のかつてのアイドルが、50を過ぎても尚当時と同じ美貌で、同じ甘い歌声を聴かせてくれることは驚きである。しかも今作の楽曲は粒揃いで、全編的に瑞々しくフックのあるメロディに溢れている。アルバムのテーマは雨のようだが、陰鬱さはなく、むしろ新緑に降り注ぐ五月雨のようである。こう言ってはなんだがBanglesの新作を遥かに凌いでおり、いかに彼女が優れたシンガーソングライターかということが証明されている。

だからこそレコード会社さんには、適切なタイミングでふさわしいプロモーションをしてほしいのだ。

★★★★


Bangles 「Everything」 (1988)

エブリシング(紙ジャケット仕様)エブリシング(紙ジャケット仕様)
バングルス

SMJ 2009-07-22
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1. In Your Room
2. Complicated Girl
3. Bell Jar
4. Something To Believe In
5. Eternal Flame
6. Be With You
7. Glitter Years
8. I'll Set You Free
9. Watching The Sky
10. Some Dreams Come True
11. Make A Play For Her Now
12. Waiting For You
13. Crash And Burn

次は私の青春のアイドルBangles。昨年末にリリースされた最新作を先日取り上げたが、今日は私の生涯の名盤である3rdアルバムを。

彼女らは80年代に一斉を風靡していた。Susannaを気に入ったかのPrinceが楽曲提供をした゛Manic Monday゛や、コミカルなPVが話題になった゛Walk Like A Egyptian゛などが大ヒットし、2nd「Different Light」で念願の成功を手にしていた。それに続くのが88年リリースのこの「Everything」。しかしこのアルバムは彼女らにとってラストアルバムとなってしまう。

彼女らは60年代、特に初級~中期のBeatlesの影響が顕著である。楽曲自体の影響ももちろんだが、それ以外にも多くの影響が見てとれる。4人全員が歌うことができ、そのためボーカルハーモニーが素晴らしいこと。そのボーカルハーモニーを活かしたメロディアスな曲作りが特徴であること。メンバー全員が曲を書くことができ、それぞれが自分の書いてきた曲でリードボーカルを取っていること、などなど。

実際このアルバムのクレジットは4人平等だ。まずSusannaの曲は、最大のヒットとなったM5。これは聴く度に幸福感に満たされる絶世の名バラード。またM1を歌うSusannaにも当時の少年達は大いにドキドキさせられたものだった。またMicheal Steele(B)も名曲を書いている。古き良き70年代に思いを馳せるM7はノスタルジーに溢れ、M4の静かなマイナーコードには胸が締め付けられる。Vicki(G)とDebbi(Ds)の姉妹も良い曲を書いており、特に綺麗なハーモニーに包まれつつ流れるような疾走感のあるM3とM6は素晴らしい。全編を通して捨て曲がないどころか傑作揃いで、前作までと比べて曲質が格段に飛躍している。また特徴的なのは、アップテンポな曲からスローな曲までどれもどこか明るくなりきれない切なさや哀愁に満ちている点である。無邪気な明るさに溢れていた前作までとはカラーが異なり、成長した大人の雰囲気が漂っている。ちょうどこれからの秋空にピッタリなアルバムである。

しかしこのアルバムからシングルカットされヒットしたのは、ほとんどがSusannaの曲だった。確かに彼女の甘い歌声は個性的であり、魅力的である。またそのルックスとも相まって、世の男性の心を鷲掴みにした。私もその中の1人である。しかしそうした露出と脚光の不公平感がバンドに不必要な緊張をもたらし、解散への道を辿ることになってしまったのだった。だが前述の通りこのバンドは決してSusanna1人のバンドではない。このアルバムを聴けばよく分かる。繰り返しになるが、またバンドとしての来日を期待したい。

★★★★★


The Bangles 「Sweetheart Of The Sun」 (2011)

Sweetheart of the SunSweetheart of the Sun
Bangles

Model Music Group 2011-09-27
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1. Anna Lee (Sweetheart Of The Sun)
2. Lay Yourself Down
3. Under A Cloud
4. I Will Never Be Through With You
5. Through Your Eyes
6. Ball & Chain
7. One Of Two
8. What A Life
9. Mesmerized
10. Circles In The Sky
11. Sweet And Tender Romance
12. Open My Eyes

私の青春Banglesの8年ぶりの新作。もっとも輸入盤がリリースされたのは昨年末。しばらく国内盤が出るのを待っていたが、結局出なかった。国内盤リリース⇒来日の流れを期待していたのだが、もうその可能性はないということなんだろうか。プロモーション次第ではまだまだ売れるはずだと思うのだが、もうレコード会社には余力も興味もないということなんだろうか。残念。

さてこの空白の8年の間で、Micheal Stealeが脱退してしまっている。何があったのかはよく分からないが、4人は不変だと思っていただけに、これは非常に残念。3人しか写っていないジャケットが寂しい。前回の来日を見逃したのが本当に悔しい。

ただ中身は何も変わっておらず、ひとまず安心。相変わらず懐かしい感触のポップな楽曲が並んでいる。彼女らはThe Beatlesを始めとする1960年代の音楽に影響を受けたのは有名だが、今作の音作りはそれが今まで以上に顕著に現れている。(ジャケットにも60年代の雰囲気がよく出ている) それもそのはずプロデューサーはMatthew Sweet。この空白の期間中Susannaとずっと60~70年代カヴァープロジェクトをやってきた相方だ。(私もBillboard Liveでの来日公演を見た。) なので今回彼以上の適任はいないだろう。

ただ楽曲の質に関してはさすがに前作の方が良かったかと。前作は"Something That You Said"や"I Will Take Care Of You"といった素晴らしい楽曲が光っていたが、今回そこまでのレベルはないかな。でもこうして新作を出してくれただけで私は満足だが。またパンキッシュなM7やバグパイプを入れたM11などの新境地も見られた。

その中で一番耳を惹くのは、やはりM2やM4で聴かれるようなSusannaの歌声だろう。彼女も今や既に50代なのだが、その艶のある歌声は昔から全く変わっていないのが嬉しい。また外見もまだまだ綺麗で、こんなにミニスカートが似合う50代もそうそういないと思う。

この7月に今度はSusannaのソロアルバムも出るという。ソロも良いのだが、やはりBanglesとして来日してほしいものだ…。

★★★


Matthew Sweet & Susanna Hoffs サインCD



 先日行ったMatthew Sweet & Susanna Hoffsの来日公演で、注文していたサイン入りCDが今日届いた。

 何かサイン入りのCDを売っているらしいという噂を聞いたため、帰りの出口の売店で尋ねてみると、購入するか持ち込んだCDを預けてくれればサインをもらってくれるというので、喜んでお願いをしていた。「Under The Covers Vol.2」は自宅に所有していたのだが、この機会を逃す手はないと、改めてもう1枚購入した。売店にはそんな事はどこにも何も書いていなかったし、たぶんこの情報を知っていた人はほとんどいなかったと思う。その時、私が注文している横にいた男性も私の注文するのを聞いて、一緒に注文していた。

 今日着払いの宅急便で家に届いた封を開けてみると、ジャケットにサインがあった。“To Yas”とコメントを書いてくれるようお願いしたはずだったが、sが抜けて“To Ya”となっているのはご愛敬。左側がMatthew、右側がSusannaである。Susannaも“SH”じゃなくて、フルネームで買いてほしかったところだが、まぁいいや。ライブの記念として大事にしよう。

Matthew Sweet & Susanna Hoffs Live Report



Matthew Sweet & Susanna Hoffs
2010.4.3 @ Billboard Live Tokyo

 今日Matthew Sweet & Susanna Hoffsのライブに行ってきた。彼らはこれまで60~70年代の有名曲のカバーアルバムを2枚出しているが、2人の綺麗なコーラスワークが彩る名曲の数々を楽しみにしていた。何よりも20年来のSusannaファンの私としては、生Susannaを拝むことが夢だった。

 会場のBillboard Liveは初めて行ったが、数百人程度の割とこじんまりしたライブハウスで、ディナーショーのように観客はそれぞれテーブルを囲んで座る形式。落ち着いて見られる代わりにやや盛り上がりに欠けるのではと危惧された。私は中央の前から3つ目のテーブルに腰掛けた。ステージからはほんの10mくらいの近距離だ。時間前に皆高めのディナーを食べており、私も黒ビールとパスタを注文した。

 予定より5分過ぎに暗転しメンバーが登場した。今回はアコースティックのセットだった。アルバムでは原曲を忠実に再現していただけに、それが見られないのは正直残念ではあった。ステージの中央にはSusannaとギターを持ったMatthewが座り、左右にPaul ChastainとDennis Taylorという2人のギタリストが挟んで座った。そしてThe Marmaladeの“I See The Rain”でスタートした。演奏が始まると3本のギターの響きと歌声のハーモニーに引き込まれた。もうアコースティックだから物足りないなどという考えは吹き飛んでいた。

 終わるとMatthewが言った。「彼らはブリティッシュバンドだよね。ここではブリテンのことを何て呼ぶんだい?」と尋ねると、観客の一人が「イギリスー」と答えたのだが、よく分からなかったようで(笑)、「え?まぁいいや。次も素晴らしいブリティッシュバンドだよ」とYesの“I’ve Seen All Good People”が始まった。

 「先日Alex Chiltonが亡くなったのにはビックリしたね。今日は彼の曲を演ろう」と言って始まったのは、Banglesも2ndアルバムでカバーしている“September Gurls”だった。この曲ではSusannaもギターを弾いていた。他にも“Everybody Knows This Is Nowhere”や“Cinnamon Girl”など、所々でSusannaはギターを手にしていた。しかし “Cinnamon Girl”では、途中で突如演奏が止まった。「アレ?2番だっけ?歌詞間違えちゃった。」「どこから演り直そうか?」何とものんびりしたアットホームな雰囲気だった。

 Susannaは黒のノースリーブにジーンズ。59年生まれなのでもう50歳を越えるはずで、顔こそは確かにシワが見てとれたが、華奢で小柄な体型と昔ながらの甘い歌声は、実年齢よりもかなり若く見えていた。一方Matthewは肥えきったメタボな体型が対照的であり、正に美女と野獣の様相を呈していたが、歌声はさすがにいい声をしていた。Paulは40台くらいだろうか、Velvet Crushというバンドのメンバーらしかったが、リズムギターを刻みながら、綺麗なコーラスを付けていた。またDennisはリードギターで、巨体ながらも繊細で美しいソロを披露してくれていた。あと、時にパーカッションをシャカシャカ鳴らしに出てくる人も1人いた。

 「次はLinda Ronstadtをフィーチャーしていた曲だけど、何てバンドだっけ?」とMatthewが尋ね、「Stone Poneysよ。」とSusannaが答えた。「そうだった。Stoned Pony(イっちゃったポニー)だったら面白いよね」というジョークにSusannaがかなりウケていた。

 「僕はたまに陶芸をやるんだけどね、小さな陶器を作ってるんだ。ゴーストの映画でやっていたようなやつさ」と話し始めたMatthew。最前列の女性がテーブルの上に持っていたものを見つけると、「そう、それ!」。するとSusannaがそれを受け取って見せながら、「みんなも買えるわよ、これ」とMatthewのために宣伝していた。後で入口の売店で売っているのを見たが、小さい割に3000円位と結構高かった。

 The Beatlesで本編終了し、アンコールで帰ってきた4人。自分の?子供の話をしていたMatthewに、Susannaが日本語で「カワイイ」と言うと、客席から「Susieカワイイ!」 との叫び声、それに照れていた。50歳を過ぎてカワイイという形容詞をつけられる女性もこの人くらいだろう。そして始まったのが“In Your Room”、Banglesのラストアルバムの冒頭を飾る曲。そして2ndコーラスの後、そのままメドレーで“Manic Monday”になだれこむ。Banglesの往年の代表曲がこうして聴けるのは何より嬉しい。しかも本家オリジナルである。Susannaの曲を演った後は、今度はMatthewの番で、2曲自身の曲を演っていたが、その間Susannaはコーラスだけであとは終始曲に合わせて体を揺らしていた。

 そしてMatthewとPaulがギターを持ってステージを後にした。ステージに残ったのは、SusannaとDennis。次にSusannaがギターを手にし、「最後の曲よ。」と言って2人でイントロを奏で始めた。「ちょっとギターの音を下げてくれる?」と言った後"Close Your Eyes ~♪"との歌いだしで"Eternal Flame"が始まった。これが一番聴きたかったのだ。観客が物音も立てずに静かに聴き入る中、Susannaの歌声が伸びて聞き慣れたメロディをなぞっていく。名曲はやはりアコースティックでも映える。終了後は大歓声。今日の観客は大人しく、スタンディングオベージョンにはならなかったが、個人的には立ち上がって歓声を送りたいところだった。

 さて今回他に聴きたかった曲は、“Alone Again Or”、“Run To Me”、“Bell Bottom Blues”、“Maggie May”、“Killer Queen”が特に聴きたかったところ。どれもアコースティックセットでは難しかっただろう。帰りの出口の売店でサイン入りのCDを売っているという噂を聞いたため尋ねてみると、預けてくれればサインをもらって郵送してくれるという。喜んでお願いした。いつか機会があれば、もう一度Banglesで来日してくれないだろうか。

1. I See The Rain (The Marmalade)
2. I’ve Seen All Good People (Yes)
3. Everybody Knows This Is Nowhere (Neil Young)
4. Willin' (Little Feat)VOL.2
5. September Gurls (Big Star)
6. Hello It's Me (Todd Rundgren)
7. Different Drum (Stone Poneys)
8. Cinnamon Girl (Neil Young)
9. Back Of A Car (Big Star)
10. Peace Love And Understanding (Nick Lowe)
11. You’re So Vain (Carly Simon)
12. Second Hand News (Fleetwood Mac)
13. Here Comes The Sun (The Beatles)
Encore
14. In Your Room~Manic Monday (Bangles)
15. Byrdgirl (Matthew Sweet)
16. I've Been Waiting (Matthew Sweet)
17. Eternal Flame (Bangles)


Matthew Sweet & Susanna Hoffs 来日

 昨年このブログでも「Under The Covers Vol.2」を取り上げたMatthew Sweet & Susanna Hoffs。耳当たりが非常によく、何度も繰り返し聞いたカバーアルバムだった。このデュオがなんと来日する。まさかこのコラボで来日してくれるとは思わなかった。きっとこれまでアルバムが予想以上に売れていたことが、今回の来日につながったのだろう。これは何としてでも見たいということで、早速チケットを予約した。小さなハコにもかかわらずあまり売れていないのか、先行じゃなくても余裕で入手できた。

 以前も書いたのだが、Susanna Hoffsは私の青春である。にもかかわらず2003年のBangles再結成時の来日を見逃しているから、今回の生Susannaは非常に楽しみだ。カバーアルバムの曲もいいのだが、Banglesの曲も演奏してくれたら、もう言うことはない。ただふとメンバーを見ると、MatthewとSusanna以外にギターはいるが、ベースもドラムもいない。ひょっとするとこれはアコースティックライブなんだろうか。スティールギターを含めたフルセットを期待していただけに、これはちょっと残念だった。

 それにしても、このBillboard Liveさん、何気に大物の名が連なっている。先月もBeach BoysやDe La Soul、Aztec CameraのRody Flameなんかも来ていたし、今月もChristopher CrossにZapp、3月にもKool & The GangやSteve Lukatherらもやって来るらしい。確かに旬を過ぎたアーチストたちかもしれないが、個人的にはどれも興味のある人達ばっかりだ。しかしあまり宣伝をしていないようで、気づいたら後の祭りとなってしまう可能性が高い。ちょっとこれからチェックしておかないと。

Matthew Sweet & Susanna Hoffs 4/2(金)~4/3(土) @ Billboard Live Tokyo
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=7185&shop=1


Matthew Sweet & Susanna Hoffs 「Under The Covers Vol.2」

Under the Covers, Vol. 2Under the Covers, Vol. 2

Shout! Factory 2009-07-21
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1.「Sugar Magnolia」  Grateful Dead
2.「Go All the Way」  Raspberries
3.「Second Hand News」  Fleetwood Mac
4.「Bell Bottom Blues」  Derek and the Dominos
5.「All the Young Dudes」  Mott the Hoople
6.「You're So Vain」  Carly Simon
7.「Here Comes My Girl」  Tom Petty and the Heartbreakers
8.「I've Seen All Good People: Your Move/All Good People」  Yes
9.「Hello It's Me」  Todd Rundgren
10.「Willin'」  Little Feat
11.「Back of a Car」  Big Star
12.「Couldn't I Just Tell You」  Todd Rundgren
13.「Gimme Some Truth」  John Lennon
14.「Maggie May」  Rod Stewart
15.「Everything I Own」  Bread
16.「Beware of Darkness」  George Harrison

 Susanna Hoffsという名前を聞くと、条件反射的に胸キュンしてしまうのは、30代以上である証拠かもしれない。80年代に活躍したガールズグループBanglesのメンバーである彼女は、小柄でキュートな外見のみならず、鼻にかかった甘い歌声が非常に特徴的であった。その歌声にノックアウトされていた当時の10代男子は数多く、メンバー全員が歌えるBanglesの中で、”Eternal Flame”をはじめ、彼女がリードを取っていた楽曲は、特に人気が高かったものである。

 そんなBanglesも再結成し2003年に新作「Doll Revolution」をリリースした後、またしばらく音沙汰がなかったが、ここへ来てSusannaは別プロジェクトで動いている。あの90年代パワーポップの雄Matthew Sweetと組んでの、往年の名曲のカバー集だという。2006年にリリースされた「Vol.1」は、Banglesも強く影響を受けたと公言するThe Beatlesをはじめとする60年代特集であり、その煌びやかなポップさに非常に楽しませてもらっていた。

 今回続編の「Vol.2」は70年代だという。前作と同様に、有名どころばかりが選曲されており、あまり奇をてらうことなく、ほぼ完コピしている。そもそもSusannaが歌う名曲の数々が悪いはずがない。またウェストコースト系の楽曲でスティールギターが雰囲気良く奏でられているのも印象的。M3ではLindsey Buckingham、M8ではSteve Howeといったオリジナルメンバーが、そしてM16ではGeorgeの息子が参加していたりとゲストも豪華。こんな楽しいプロジェクト、演ってる本人が一番楽しいことだろう。果たして80年代の「Vol. 3」はあるのだろうか。

★★★★



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