Heavy Metal

Dirkschneider Live Report 2016

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元AcceptのボーカリストUdo Dirkschneiderの来日公演に行って来た。当初仕事が終わってから駆けつけるつもりだったのだが、当日風邪のために仕事を休んでいた。なのでライブも無理かと思っていたが、夕方には多少良くなったので何とか会場に辿り着いた。

今回は彼がAcceptの楽曲を歌う最後のツアーだという。オールドファンとしては往年の名曲を彼の声で聴きたいと願っていたわけだが、本来はAcceptとしてがベストだった。しかし今のAcceptは新しいボーカルを入れて成功を収めているので、それが望めないならこれが最後のチャンスだと思って参戦した。

会場は品川ステラボール。以前ここでStompを観た時は座席があったが、今日はオールスタンディングになっている。場内は700人程度と少なめだが、盛り上がりはスゴかった。

暗転して大歓声の中メンバー登場。右手からギターのAndrei、ベースのFitty、ギターのKasperi。この3人は今のU.D.O.のメンバー。ドラムのSvenはラストネームが同じなので、恐らくUdoの息子なのだろう。短髪でどことなく父親に似ていた。そしてUdoがマイクを持って登場し初期の”Starlight”から勢い良くスタート。

「ドモアリガトー!戻って来られて嬉しいよ」とUdoのMC。昔と同じ迷彩柄のシャツを着たUdoは、基本的に昔と同じ体型だが、太ったこともありかなり巨体に見える。MCでは結構普通に低い声だが、歌うと昔と変わらないあの金属質のハスキーボイス。あんな歌い方で長年歌ってよく喉が潰れないなと不思議に思う。やっぱりこの人の声に替わるものはない。

Udoはステージ中央でほとんど動かずに歌っていたが、貫禄たっぷりに観客を扇動した。対して他のメンバーはよく動いていた。バース部では下がって2人や3人で並んでギター・ベースを揃って振り上げ、サビにはフロントマイクに走って戻り野太いコーラスを聞かせる。ツインリードでは中央で2人が背中合わせで弾いてみせたりと色々なパフォーマンスで魅せてくれた。

Acceptの楽曲はミドルテンポのものが多いのだが、ザクザクと刻まれる重いギターリフを聴くと、これこそがヘヴィメタルだと痛感させられる。そしてその中に織り交ぜられる”Breaker”や”Wrong Is Right”のようなファストチューンが良く映える。

Udoの声が基本的に一本調子なので分かり辛いかもしれないが、実は”Son Of A Bitch”のようなハードな曲から”Midnight Highway”のようなキャッチーな曲まで楽曲の幅は非常に広い。ボーカル以上にギターがメロディアスに歌っているというのもある。今回とにかく往年の楽曲を次から次へと惜し気なく披露してくれ、バラード”Winter Dreams”なんかもしっとりと聴かせてくれた。

個人的なハイライトは前半に演った名曲”Prinecess Of The Dawn”。観客はどの曲も一緒に歌っていたが、この曲では特に大きくオーラスのような盛り上がりだった。

後半は「Staying A Life」にもなかった”TV War”や”Losers And Winners”で駆け抜けて終了。その後のアンコールでは名曲”Metal Heart”でスタート。「次の曲のオープニングはこう始まるんだ」と歌い出したドイツ民謡を皆で合唱した後に、ファストチューン”Fast As A Shark”でヘッドバンキングの嵐。「大昔の曲だよ」と”I'm A Rebel”。そして「この曲をここで演るのも最後になるんだな」と言って始まった”Balls To The Wall”。一瞬静まった観客も最後とばかりに盛り上がり、”Burning”で2時間の公演は終了した。

先日のIron Maiden公演と比べると規模も非常に小さいものではあったが、セットリストや一体感という面では文句なく満足できた公演だった。

1. Starlight 
2. Living After Midnight
3. Flash Rockin' Man 
4. London Leatherboys 
5. Midnight Mover 
6. Breaker 
7. Head Over Heels 
8. Princess Of The Dawn
9. Winterdreams 
10.Restless 
11.Son Of A Bitch 
12.Up To The Limit 
13.Wrong Is Right 
14.Midnight Highway 
15.Screamin' 
16.Monsterman 
17.TV War 
18.Losers And Winners
encore
19.Metal Heart 
20.I'm A Rebel 
21.Fast As A Shark 
22.Balls To The Wall 
23.Burning 


Iron Maiden Live Report 2016

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2016.4.21 (Thu) @ 両国国技館

Iron Maidenのライブに行ってきました。ただ当日多く集まったメタラーの方々に比べたら、私はただのオールドファンで今回も初参戦。私が聴いていたのは92年の「Fear Of The Dark」までで、その後メタル自体から離れてしまっていましたが、最近のメタル復興とMaiden人気の再燃を見て、やっぱり一度は見ておきたいなと思いチケットを入手、久々に新作も聴いて予習もしました。

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会場は両国国技館。いつか一度は娘と相撲を見に行ってみたいとは思っていましたが、実際に中に入るのは初。国技館であることに何か特別な意味があるのかと思いましたが、単純に他の大きな会場に空きがなかったからみたいですね。到着するとまず場外には「アイアンメイデン」とカタカナでのぼりが。場内に入ると周囲には歴代優勝力士の大きな額縁がずらり。土俵があるはずの中央に設置されたステージとのミスマッチがなかなか新鮮でした。広さは広すぎず狭すぎずでちょうど良かったが、LAフォーラムなどの海外の会場と比べるとMaidenでこのサイズはかなりレアだと思います。私の席は西側2回席のほぼ最後列。ステージを完全に右から観る位置になってしまいました。

まず前座はThe Raven AgeというSteve Harrisの息子のバンドが登場。メタルコアと言うのでしょうか今風なサウンドで、息子はベースではなくギターを弾いていたが、なかなか上手かったでした。

19時を過ぎてUFOの”Doctor Doctor”が流れると始まりの合図。場内は早くもオールスタンディングに。両端のスクリーンにジャングルからエドフォースワンが飛び立つアニメーションが流れた後、Bruceが1人で登場。後ろに古代遺跡を模したステージセットの上に立ち、アカペラで新曲”If Eternity Should Fail”を歌い出した後に、他のメンバーが飛び出してきて演奏がスタートしました。

Bruceは驚くほどエネルギッシュ。2曲目からフロントに降りてきたが、フットライトを飛び越え、マイクスタンドを振り回し、高音を張り上げる。とても癌を患っていたとは思えないし、移動のエドフォースワンを操縦する余力がどこにあるのか不思議でした。

Steveは昔と全然変わらず。短パンを履いて走り回り、あんな大きな息子がいるようには見えない。指弾きベースもベキベキと良い音を響かせていたが、若干ギターに埋もれてしまっていたのが残念。3人もギターがいれば無理もないか。”The Red And The Black”のオープニングでのソロが特に良かったでした。

3人のギターの中で一番動いていたのはJanick。走り回りスキップし、ギターを背中にグルグル回し、この人は一瞬たりともじっとしていません。Daveは随分と丸くなっていて最初は誰だか分かりませんでした。逆にAdrianは以前よりも細くなった気が。3人でかわりばんこでソロやツインリードを聴かせ楽しませてくれました。

唯一Nickoだけはドラムセットの両脇が壁になっていたために、私の位置からはほとんど見えず。しかし彼のパワフルなドラムサウンドは充分に堪能させてもらいました。

BruceのMC。「前回日本に来た時は地震のためにショーが出来なかった。今回も武道館とかもっと大きな会場でやりたかったし、東京以外のところでもやりたかったけど、でもこうして大勢集まってくれて感謝してるよ」などとかなり色々話してくれていました。

予習で新作は聴いていたが、実際ライブで聴くとなかなか良かったし盛り上がっていました。ただやっぱり昔の名曲のイントロが聴こえた瞬間は格別で、特に”The Trooper”のバックドロップが出され、Bruceが赤い軍服を着ながらユニオンジャック旗を振りかざしたのを見た時は感慨深いものがありました。

”The Book Of Soul”ではエディが登場。あの背の高いエディの中の人はどうやって歩いてるんだろうと感心して見ていると、Janickとじゃれ合った後に、Bruceに心臓をえぐり取られ、すごすごと帰って行きました(笑)。またBruceは黒いプロレスラーマスクやチョンマゲの被り物などを曲毎に被っていたし、曲によってうず高くパイロも上がり、数々のエンターテイニングな仕掛けが用意されていました。

”Hallowed Be Thy Name”からは名曲のオンパレード。”Fear Of The Dark”では大合唱。”Iron Maiden”ではヘッドバンキングの嵐。Bruceの「Scream for me, Tokyo!」に大歓声。バックには巨大エディも登場したが、横から観ているとセットの後ろでスタッフが後で風船エディを急いで畳んでる様子が見えて微妙でした(笑)

アンコールは”The Number Of The Beast”でスタート。バックには今度は巨大なビースト(何て呼ぶんだろう?)も登場。BruceがMCで「スイスやブラジルなど色んな国から見慣れた顔が来てくれているのが見えるな。世界中のファンは皆血の繋がった兄弟だ」と語り”Blood Brothers”へ。そして最後はAdrianの”Wasted Year”で締めくくりました。

今回のツアーは全公演完全に固定のセットリストらしいが、サプライズを期待する向きには少し残念ではありました。私は今回初参戦だったので他にも聴きたかった曲は山ほどありましたが、それはまた次回に期待するべきなんだと思います。エネルギッシュなステージ、豪華なステージセット、名曲の数々、そして世界中沢山の熱狂的なファン。前にも書きましたがそれらが揃った彼らはヘヴィメタルの理想形なのだと思うし、それを目の当たりにできた夜でした。

1. If Eternity Should Fail
2. Speed of Light
3. Children of the Damned
4. Tears of a Clown
5. The Red and The Black
6. The Trooper
7. Powerslave
8. Death or Glory
9. The Book of Souls
10.Hallowed Be Thy Name
11.Fear of The Dark
12.Iron Maiden
Encore:
13.The Number of The Beast
14.Blood Brothers
15.Wasted Years 

 

Iron Maiden 来日

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いよいよ今週Iron Maidenがやってきます。今回の来日は8年振りの13回目らしいですが、私はこれが初参戦となります。

前回彼らは2011年の3月11日に来日予定でした。しかし成田空港に着陸する直前に東日本大震災が発生したため着陸できなくなり、中部国際空港に不時着した後やむなく日本を離れることになったのでした。

今回また来日直前に発生した熊本地震。連日の報道が改めて地震の恐ろしさをまざまざと見せつけます。日本は地震列島なので別にIron Maidenは何も関係ないのですが、きっとメンバーやクルーの中にはそう感じる人もいるかもしれません。

今回エドフォースワンは無事やって来るのでしょうか。



Lemmy 急逝

lemmy

今年はもう締めたつもりだったのに、最後の最後に悲しいニュース。

MotorheadのLemmyが死んじまった。この人だけは不死身だと思っていた。なにしろ体調が悪いからジャックダニエルは止める代わりにウォッカにするとか言ってるような人だったから。
きっとずっと前から癌だったんだろうけど、病院なんか行ってなかったんだろうな。
この人らしいね。 

RIP

静かに年を越すつもりだったんだけど、爆音まみれの年越しになっちゃったな。

 

Cynic 「Focus」 (1993)

フォーカス
シニック
ロードランナー・ジャパン
2002-12-18


1. Veil of Maya
2. Celestial Voyage
3. Eagle Nature
4. Sentiment
5. I'm But a Wave to...
6. Uroboric Forms
7. Textures
8. How Could I

いよいよ来週末に迫ったCynicの初来日公演。最近のヘビロは当然彼らの名盤1st「Focus」である。初めてこれを聴いた時は衝撃的だった。以来幾度となく聴いたが、今でも聴く度に感嘆させられる。

彼らは87年にPaul Masvidal (Vo, G)とSean Reinert (D) によってフロリダで結成された。その後メンバーが入れ替わりながら数々のデモを制作し続けたが、DeathやAtheistなど各メンバーの課外活動のために実際にデビューに至るまで長い時間を要した。Jason Gobel (G) とSean Malone (B) が加入しメンバーが固まりようやくデビューしたのが93年のことだ。

この作品の中には、全く異なる2つの世界観が共存している。1つはテクニカルデスの世界、もう1つはジャズ・フュージョンの世界だ。前者ではデスボイスが咆哮するバックで超絶テクニックのギターとリズムセクションが駆け抜ける。後者では一切のディストーションを排したクリーンなギターとスティックのサウンドが幽玄な調べを奏でる。毎曲中この両者の間で幾度となく転調を繰り返し、時には完全融合するのだが、そのあまりの違和感のなさが驚異的なほどにプログレッシブなのである。Paulのボーカルも常にヴォコーダーを通して高く歪ませていて、これも不思議な浮遊感を生んでいる。

91年のデモも聴いたが、そこでは単なるテクニカルデスでジャズ・フュージョン色はまだどこにもなかった。この2年の間の変化は大きい。今作ではデスボーカルはゲストメンバーであり、以降の作品でもデスメタルの要素は急速に減少していく。結局彼らにとってのデスメタルとはあくまでも一過性の表現方法だったようだ。

しかし今作ではこのあまりにもかけ離れた両者の間の振幅が、それぞれの効果を最大限に爆発させており、それが強烈な個性となっていた。当時これを聴いてしまったお陰で、以降変態と銘打った作品は全て物足りなくなってしまった。ここまで奇天烈で美しく完成度の高い作品は他に類を見ず、この1枚であっけなく解散したという事実も彼らの孤高性を高めたと思う。

★★★★★


へヴィメタル インスト名曲 (後編)

今週はメタルインスト名曲の後編。トータルで10曲選んでみたが、結果的に有名曲とマイナー曲がちょうど半分ずつ並んだ。ハードロック・へヴィメタルにこうしたインストの名曲が多かったのは、他のジャンルよりも演奏テクニックとメロディにこだわっていた部分が大きかったと思う。

① Metallica  ”Orion”  (1986)
今は亡きCliff Burtonのインスト名曲。ヘヴィリフから一転美しい叙情パートへの展開が極上である。


② Riot  ”Narita”  (1979)
今は亡きMark Realeのインスト名曲。メタルインストと同義語なくらい有名曲。
 

③ Def Leppard  ”Switch 625”  (1981)
今は亡きSteve Clarkによるインスト名曲。初期の硬質なメタリックなリフがカッコいい。
 

④ Heathen  ”Guitarmony”  (1991)
密かに好きな曲。アメリカ西海岸のスラッシュに近いヘヴィメタルバンドの2ndに収録。
 

⑤ Gordian Knot ”Some Brighter Thing” (2002)
CynicのベーシストSean Maloneによるプログレインストプロジェクト。ドラマティックな一曲。
 

へヴィメタル インスト名曲 (前編)

インスト特集の最後。せっかくインストものに触れるなら、やはり王道のメタルインストを取り上げたいと思う。ただここではJudas Priestの”The Hellion”やHelloweenの”Invitation”のような序曲的なものは対象とせず、あくまでも単体で完成しているものだけを選出してみた。ひとまず前編として5曲。

⑥ Iron Maiden  ”Transylvania”  (1980)
Maidenにはインスト名曲が多いが、あえて選ぶならこの1曲。DaveとDennisのツインリードが聴き物。


⑦ King Crimson ”Red” (1974)
プログレだが、この曲のリフは非常にメタリックで印象的。後にヌーボーメタルとして発展する。
 

⑧ Running Wild ”Over The Rainbow” (1991)
ワイルドなバイキングメタルの中でこれは流麗なギターとベースのユニゾンが美しい傑作。
 

⑨ Mekong Delta ”Night On A Bare Mountain” (1990)
クラシックとスラッシュの融合。ここではムソルグスキー”禿山の一夜”を見事にメタル化している。


⑩ Jackal ”2001” (1993)
デンマークの正統派HMバンド。近未来的な雰囲気を持った疾走感がカッコいい。
 

Cynic 来日決定

cynic

先月のバレンタインの日にネットで「Cynic来日決定」 のニュースを見つけて驚いた。 93年のデビュー以来これが初来日である。Cyclamenという日本のバンドが招致してくれたようだ。Twitterなどネット上では一部のマニアの間で大騒ぎになっていた。

とにかくデビューアルバム「Focus」はスゴかった。強烈なデスメタルと美しいフュージョンが超絶技巧の上で高次元で融合しており、後にプログレッシブデスメタルと呼ばれるジャンルの先駆けとなったアルバムだ。しかし彼らはこの1枚のみを残してあっけなく解散し伝説となっていた。

解散後メンバー達は様々なプロジェクトでの活動を経て再結成し、2008年に何と15年振りとなる2ndアルバムを発表する。その後もコンスタントにアルバムをリリースしており、今はもうデスメタルの要素は消えてしまったが、依然レベルの高いことをやっている。

最近のセットリストを見ると1stの曲も少しだけだが演っているようだ。しかもどうやらベース・スティックのSean Maroneも来るらしい。チケットも無事確保したのであと半年楽しみにしていよう。

Oct. 31. 2014 @ Circo Volador , Mexico City
1. Intro (Tubular Bells)
2. Veil of Maya 
3. Celestial Voyage 
4. Evolutionary Sleeper 
5. Adam's Murmur 
6. The Lion's Roar 
7. True Hallucination Speak 
8. Integral (Acoustic)
9. Carbon-Based Anatomy 
10.Elves Beam Out 
11.Gitanjali 
12.Kindly Bent to Free Us 
13.The Space for This 
 
 

Cathedral 「Statik Majik」 (1994)

Statik Majik / Soul Sacrifice
Cathedral
Earache
1999-12-06


1. Midnight Mountain
2. Hypnos 164
3. Cosmic Funeral
4. The Voyage Of The Homeless Sapien
5. Autumn Twilight
6. Frozen Rapture 
7. Golden Blood (Flooding) 
8. Grim Luxuria (Live)
9. Sweet Leaf (Live)

Probotつながりでもう1バンド、今週はLee DorrianのCathedral。他の面子がDave Grohlに音楽的影響を与えたという理由で招致されたのに対して、Leeの参加理由は少し違っていた。Daveが無名時代にイギリスをツアーしている時に、一晩泊めてくれたという理由だ。しかも氷のように冷たい床だったと語っている。そんなDaveに対して、Leeが付けた曲のタイトルが”Ice Cold Man”というのもイギリス的なユーモアたっぷりだった。

LeeがDaveに氷の床を貸してやったのは1988年の冬のこと。当時LeeはまだNapalm Deathに在籍していた。しかしProbotでLee用に用意された楽曲な明らかにドゥームなので、DaveはCathedralの音楽を後にしっかりチェックしていたのだろう。元々ドゥームが好きだったDaveだから、Leeがドゥームバンドを結成したと知った時はニヤっとしたに違いない。

Cathedralのアルバムでよく取り上げられるのは、暗黒の地下ドゥームな1st「Forest Of Equilibrium」か、怪しさを残しながらもメジャー感の出た2nd「The Ethereal Mirror」。どちらも文句ない傑作だが、今回はあえて94年の「Statik Majik」を取り上げたい。

このアルバムは主に2枚のEPをまとめた編集ものだが、1stと2ndの中間的な位置付けとなる重要な作品だと思う。リードトラックM1は2nd収録のファンキーに跳ねるリフとリズムが有名なナンバー。M2~M4は94年のEP「Cosmic Requiem」に収録されていたもの。22分の超大作M4は圧巻。M5~M7は92年のEP「Soul Sacrifice」に収録されていたもので、1stからの進化が聴きとれる。どれも正規アルバム曲に負けない出来映えだ。M8~M9は93年の日本公演音源。M9で咳払いまでするBlack Sabbathの完コピっぷりが微笑ましい。(ちなみに1999年の再発は曲目が若干違っている。)

この中で私が最も好きなのはM3。ゆっくりと沈み込んでいくような重くダークなリフと呪術的な咆哮が彼ら本来の持ち味を発揮している。また徐々にテンポアップしていく曲展開は、初期Sabbathが提示していた伝統的なドゥームの方法論である。

最近20年ぶりにBURRN!誌を買ってみて初めて知ったのだが、Leeは誌面に毎月コラムを執筆していたようで、そこで紹介するアルバムのマイナーっぷりに舌を巻いた。もう今となってはCathedralは解散してしまっているが、そんな彼の多彩でマニアックな音楽性の上に成り立っていたと思うと興味深い。

★★★★ 

 

Venom 「Welcome To Hell」 (1981)

Welcome to Hell
Venom
Edge J26181
2011-03-11


1. Sons Of Satan
2. Welcome To Hell
3. Schizoid
4. Mayhem With Mercy
5. Poison
6. Live Like An Angel
7. Witching Hour
8. One Thousand Days Of Sodom
9. Angel Dust
10. In League With Satan
11. Red Light Fever

先週のProbotの冒頭を飾っていたVenomのCronos。Dave Grohlは彼のことを「何かが乗り移ったようなボーカリスト」と評していた。今週はそのVenomを取り上げたい。

VenomはNWOBHMのムーブメントの中から飛び出してきた暗黒の帝王。アグレッシブなヘヴィリフと吐き捨てボーカルで猛突進していく様子は強烈なインパクトだ。ハードコア的な要素もあるがギターソロなどはHMだし、時折感じるR&RぽさはMotorheadを極端にデフォルメした印象も受ける。また緩急織り交ぜていたりアコギや女性の声が入っていたりと、実は意外によく練られてもいる。後のスラッシュメタル勢やハードコア勢などに多大な影響を与えたのも納得。

しかし彼らが異端なのはその徹底した悪魔主義にある。歌詞の内容やアートワーク、衣装やステージングなど思わず笑ってしまうほどだ。実際ここにはある種エンターテイメント的なものがあった訳だが、それは当時は演る側も観る側も分かって楽しんでいた。

しかしこれを間に受けてしまったのが90年代以降のブラックメタル勢だった。彼らはそれを実践すべく放火や殺人にまで手を染めた。はっきり言って私は殺人者の作る音楽など聞きたくないし、金も払いたくない。しかし悲しいことに世の中にはこれをもてはやす人が少なくなかった。そのため元祖であるVenomも「我々は音楽を通じて犯罪を奨励したことはない」という会見表明をせざる得なかった訳だ。

DaveはCronosのことをこうも言っていた。「俺はこの男が生肉を喰らっているのを見たことがある。」 むしろある意味こういう扱いが正しいのだと思う。

★★★★ 




 
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