World Music

鼓童 「TATAKU BEST OF KODO Ⅱ 1994-1999」 (2000)

TATAKU - BEST OF KODO,1994-1999
鼓童
ソニー・ミュージックレコーズ
2000-11-22


1. いぶき
2. SHAKE~いつかまた
3. 宇宙の歌
4. KIRINAのテーマ ~篠笛バージョン
5. THE HUNTED
6. 蒼き風
7. 響酔
8. 七節
9. Strobe’s Nanafushi
10. Bird Island
11. 虹のなごり

せっかく和太鼓に触れたので、もう1つご紹介します。恐らく国内外で最も高い知名度と実力を持つのが、この「鼓童」です。

大太鼓、宮太鼓、平胴太鼓、桶胴太鼓、締太鼓、などなど様々な太鼓の数々を、威勢の良い掛け声とともに、鍛え上げられた肉体で一心不乱に叩き続ける。こうした彼らの演奏は日本の伝統芸能の持つ力強さと美しさに溢れており、国内のみならず世界中の人々を惹きつけてきました。1981年に結成され、ベルリン フィルハーモニーホールでデビューを飾って以来、世界中で公演をし続け、数多くの賞も受賞しています。

しかし彼らがスゴいのは、単に伝統芸能の披露に留まっていないことです。これまで20枚以上の作品を発表していますが、クラシックやジャズ、他国の民族音楽など、様々な音楽要素を貪欲に取り込みながら、常に音楽的挑戦をし続けています。

この作品は1994年から1999年の彼らの第2期の楽曲を収録したベストアルバムですが、ここでも多彩な要素が散りばめられています。Bill LaswellのプロデュースのM1は、平胴大太鼓、手びら、篠笛だけしか使用していないのに、その音階やリズムは非常に西洋的で新鮮に響いています。また昨年亡くなった冨田勲氏作曲のM3は、壮大のシンセサイザーの風景の中で鳴らされる厳かなリズムも和太鼓には聴こえません。映画「The Hunted」のテーマ曲M5、DJ StrobeのリミックスM9も、彼らのグローバルな活動を物語っています。

ちなみに彼らの拠点は新潟の日本海に浮かぶ佐渡ヶ島。海外遠征に出ていることも多い一方で、毎年彼らはここで国際芸術祭「アースセレブレーション」というイベントを主催しています。国内外から様々なミュージシャン・アーティストを招き、島全体が国際文化交流の場となっているそうです。私も一度参加してみたいと思っています。


セントパトリック・クラフトフェスティバル

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相模原の米軍施設 相模デポで行われた「セントパトリック・クラフトフェスティバル」に娘と行ってきました。今年は日本アイルランド交流60周年ということで、アイルランド大使館後援で初開催。セントパトリックのフェスは代々木公園でもありましたが、今回はこちらへ。普段は入れない場所というのもありましたが、目当ては世界各国100種近くのクラフトビールの数々。

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で、私が呑みたかったのは、やっぱりアイルランドのビール。ここはあえてギネスではなく普段呑めないキルケニーを。コクのあるレッドエールビールを、フィッシュ&チップスと一緒に堪能。

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続いてセントパトリックディ限定のグリーンビール。ブルーキュラソーを混ぜて緑色にしているそうです。今度のお伴はビーフステーキ丼(呑み食いばっかだな)。

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ちなみにこの日は皆一斉に緑色をまとうことになっているので、娘は黄緑、私はモスグリーンを着ています。キッズアトラクションも結構充実していました(全部有料でしたが)。

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もう1つの目当てがステージだったのですが、早い時間だったからか若干寂しめ。なぜかメキシカンバンドが多かった。でもアイリッシュダンスもあったし、最初のバンドはThin Lizzyの"Call The Police"なんかも演っていました。もっと遅い時間までいられればアメリカ陸軍軍楽隊の演奏も見られたのに残念。また来年かな。

Phil Lynottとアイルランド

lynott

今日は私の好きなアイルランドの英雄Phil Lynott(フィル・ライノット)について取り上げてみます。

彼は1949年8月20日イギリスのバーミンガム近郊で、アイルランド人の母親とブラジル人兵士の父親の間に生まれました。しかしすぐに帰国してしまった父親の顔を見ることはなく、肌の色の違いから差別も受けます。その後祖父母のいるアイルランドのダブリンに移り、そこでアイルランド人としてのアイデンティティを強く持つに至ります。

ダブリンで彼は伝承曲を始めとする様々な音楽的影響を受けるとともに、詩作にも目覚めます。それらを元に自己表現として自身のバンドThin Lizzyを結成するに至ります。

彼の作る音楽は、フォークロック、ファンク、ハードロック、エレクトロポップなど、時代とともに様々に変化しましたが、そうした中でアイルランドの伝承曲のメロディを取り入れたものが多くありました。また詩作の面でも、祖国への想いを編んだものも少なくありません。今日はそんな彼のアイルランドに因んだ曲を10曲取り上げてみます。

Whiskey In The Jar (1972)
アイルランド伝承歌をアレンジした曲。バンドとして初めてのシングルヒット

Eire (1971)
中世の頃に侵略してきたイギリス軍と戦ったアイルランドのオドネル卿について綴った叙事詩

Dublin (1971)
故郷ダブリンを離れる時の寂寥の想いを綴った短い叙情詩

The Rise and Dear Demise of the Funky Nomadic Tribes (1972)
タイトル通り中世にアイルランドに侵略したノルマン民族の興亡を綴った長尺ファンク曲

Sarah - version 1 (1972)
祖母に宛てた曲で、後年のものとは同名異曲。美しいピアノは同郷のClodagh Simonds。

Philomena (1974)
こちらは母親に宛てた曲で、タイトルは母親の名前。ギターリフはケルト旋律を奏でている。

Emerald (1976)
エメラルドとはアイルランドのこと。これも中世における英軍侵略の様子が描かれ、このギターリフもケルト音階

Fools Gold (1976)
19世紀半ばのアイルランド大飢饉についての曲。この時に餓死や国外流出で国民の2/3を失った

Roisin Dubh (Black Rose) A Rock Legend (1979)
代表曲の1つ。Danny BoyやShenandoahなどの伝承曲を交えながら、祖国の歴史を俯瞰する一大絵巻

Cathleen (1982)
愛娘に向けて歌った曲。美しいアイルランドの少女という副題が付いている

 

温かみが感じられる曲調や歌詞、そして低い歌声が好きでした。1986年1月4日、ドラッグのオーバードーズにより他界。ダブリン郊外に埋葬され、街の中心部には彼の銅像が建てられています。いつか墓参りにダブリンに行きたいと思っています。

アイルランドの名盤10選

eire

毎年3月17日はセントパトリックデイ。アイルランドに初めてキリスト教を伝播したカトリック牧師を祝したアイルランドの記念日で、本国を始め移民の多い各国で祝われます。

アイルランドは元々は自然信仰の国であり、伝播されたキリスト教もその自然信仰と融合したことで、この国に浸透しました。豊かな自然と、2000年のケルト文化を受け継ぐ伝統のある国です。

この国の魅力は色々あるのですが、特に人を魅了するのが音楽です。様々な固有の楽器で、陽気さと哀愁を併せ持つメロディを奏でるそれはケルト音楽とも呼ばれます。アメリカのカントリーに与えた影響も大きく、カントリーが後のロックンロールに発展したことを考えると、その影響の大きさも分かるでしょう。

今日はそんなアイルランドのミュージシャン達の名盤を選んでみました。ただ奥が深いので、ここではあくまでもポピュラーミュージックにおける有名どころのみを並べています。

The Clancy Brothers & Tommy Makem 「The Clancy Brothers & Tommy Makem」 (1961)
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ニューヨークへ渡った移民達の粗野だが温かみのあるフォークソング集。Bob Dylanにも影響を与えた。
 
Van Morrison 「Astral Weeks」 (1968)
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孤高の大音楽家。88年のThe Chieftainsとの合作「Irish Heartbeat」も傑作。

The Chieftains 「8」 (1978)
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Paddy Moloney率いるアイルランドの至宝。半世紀以上にわたり様々な形で伝統音楽の普及を続けている。

Thin Lizzy 「Black Rose」(1979)
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ダブリン出身のPhil Lynott率いたハードロックバンド。多くの祖国に因んだ曲の中でもタイトル曲は有名。

U2 「War」 (1983)
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アイルランド史上最も世界的に成功したロックバンド。社会活動にも積極的で影響力も大きい。

Gary Moore 「Wild Frontier」 (1987)
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Thin Lizzyにも在籍した名ギタリスト。親友Phil他界後に制作した本作は祖国色が強い。

The Pogues 「If I Should Fall From Grace With God」 (1988)
pogues 
アイリッシュトラッドにパンクを足したら飛びきりカッコ良くて楽しい音楽が誕生した。最高。

Enya 「Watermark」 (1988)
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世界的にケルトブームを巻き起こした立役者。多重録音による荘厳な音像は単なるヒーリングに非ず。

Altan 「Harvest Storm」(1992)
altan
こちらも伝統音楽を脈々と受け継ぐグループ。ゲール語で歌うMaireadの澄んだ歌声が心地良い。

The Corrs 「The Corrs」 (1995)
corrs
世界的な成功を収めた姉妹4人組。優れたポップソングの中で踊るフィドルが良い。

Rio Olympic 2016

brazil

先ほどはサッカー決勝戦を観ていましたが、ブラジル金メダル良かったですね。
連日盛り上がったリオオリンピックも、いよいよ閉幕を迎えます。今回は日本選手のメダルラッシュも本当に凄かったですね。色々なドラマがありました。

競技ももちろんですが、個人的には開幕式の演出も最高でした。毎回オリンピックでは開催国がそれぞれ自国の音楽の演出に凝っていますが、やはりそこはブラジルの真骨頂。ボサノバの生みの親Antonio Carlos Jobimの孫が”イパネマの娘”をピアノで弾いていたり、最後は大御所Caetano VelosoとGilberto Gilがサンバを歌い大いに盛り上げていました。明日の閉幕式も楽しみです。

開催前、ブラジルは政治的にも経済的にも混迷を極めており、一体どうなるのかと思われました。細かいことは色々あったようですが、これだけ世界中を楽しませてくれたブラジルに、ひとまずお疲れ様でしたという感じです。さぁ、次は日本の番ですね。

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映画 『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』

paco

2014年に66歳という若さで急逝してしまったフラメンコギターの大御所パコ・デ・ルシアのドキュメンタリー映画が上映されていたので、渋谷のBunkamuraへ観に行ってきました。

本当は8/1の夜に行けば「マチネの終わりに」の作家 平野啓一郎氏とギタリスト鈴木大介さんの対談もあったのですが、仕事が終わらなかったので泣く泣く諦めました。

映画の冒頭は彼の子供時代。若い頃からいかに秀でていたかが分かります。でも、ギタリストであった父からリズムの大切さを教わったのに、父のリズムがズレていることを指摘したら怒られたり、兄ペペ・デ・ルシアと共にホセ・グレコのアメリカツアーへ参加するはずが、年齢が若過ぎたために置いてけぼりにされたり、ちょっと可哀想(笑)

中盤はデビューから成功への過程。巨匠サビーカスから模倣ではなく自分自身のギターを演奏するようアドバイスを受けたことよって開眼し、積極的に他ジャンルとの融合を図りフラメンコに革命を起こします。しかしこの結果サビーカスからそれはフラメンコではないと批判を受けてしまいます。これまたちょっと可哀想(笑)

終盤はマジョルカ島で独り暮らしの晩年。他のミュージシャンを招いてレコーディングをする様子や、彼の冗談好きな面が語られていましたが、やっぱりどうしても孤独で気難しい印象は拭えず(笑)

ただこの映画の監督はパコの実の息子なんですね。こんな誇るべき自身の人生の全てを息子に語り切ったパコの晩年は、やっぱり幸せなものだったはずだと思いました。

このように彼の功績とその裏話の数々を知ることの出来るこの映画ですが、何と言っても彼の素晴らしい音楽と演奏を大スクリーンで堪能出来ることが最大の魅力ではないかと思います。




 

Henry McCulloch 他界

henry

ギタリストHenry McCullochが亡くなりました。享年72歳でした。

ネット上のニュースでは、どこも彼のことをPaul McCartneyのWingsのギタリストとされていました。確かに彼は短いWings在籍時に素晴らしいギターを残していますが、彼の経歴はそれだけではありません。

元々彼はJoe CockerのバックバンドであったGrease Bandの一員でした。素晴らしいスワンプロックを聴かせる実力派バンドであり、69年にはウッドストックのステージにも上がっています。また多くのソロアルバムを発表している他、Ronnie LaneやFrankie Millerなど多くのアーティストのアルバムでも弾いています。

さらに言うと、彼は北アイルランドの出身で、アイリッシュ伝統音楽グループSweeney's Menにも参加していました。Wingsで最初にレコーディングしたのが”Give Ireland Back To The Irish”だったのも何かの縁だったのでしょう。

RIP

 

Buena Vista Social Club Live Report 2016

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2016.3.18 @ 豊洲Pit

先日Buena Vista Social Clubがアディオスツアーで来日し、最後の日本公演を行った。元々高齢だったオリジナルメンバーの多くは既に他界しており、実際新しいメンバーの多い今のグループはOrquesta Buena Vista Social Clubという名前で活動していたが、それも今回が最後になるという。

会場は豊洲Pit。年齢層は幅広かった。私はステージ左端の2列目を確保する。ずっと色々なキューバ音楽がSEで流れていたが、開演の19:00を5分ほど過ぎた頃に、歓声の中ピアノのRolandoが登場した。そして1人で静かに鍵盤を弾き始める。曲は”Como Siento Yo”。Ruben Gonzalesのソロ曲だ。美しくも力強い調べと、バックスクリーンには在りし日のRubenの映像が流れ感傷を誘う。

終わるとバンドが登場し”Bodas De Oro”で演奏がスタートした。編成は前列左手からピアノRolando、ウッドベースPedro、ラウーBarbarito、ギターSwami、トランペットはLuisとGuajiritoとGuajiroの3人。後列はコンガAndreas、ボンゴArberto、ティンバレスPhilibertoのパーカッション3人。曲途中からCarlosとIdaniaの男女ボーカルも登場して華を添える。

オリジナルメンバーのBarbarito Torresはとても元気だった。彼が弾いているのはラウーという弦楽器。小ぶりな三角のボディに12本の弦があるキューバ独特のもの。最初は座って弾いていたが、曲中に何度も立ち上がり前に出てきて、ステップを踏みながら、ソロを決めて魅せた。

右端にいたGuajiro Mirabalは印象的なトランペットを聴かせてくれたが、立ち上がって演奏することはなかった。またいるはずだったトロンボーンのJesus “Aguaje” Ramosの姿は残念ながら見当たらなかった。

亡くなったメンバー達もそれぞれのソロ曲が演奏される際に次々とスクリーンに登場した。4曲目のインストTambaoではCachaito Lopezの、”Bruca Manigua”ではIbrahim Ferrerの映像が流されていた。そしてそうした故人の遺志を継ぐように、Pedroはウッドベースで見事な指さばきを魅せ、ハンチングを被ったCarlosは高らかに歌い上げていた。

「キューバの伝説のディーバ!」という紹介でOmara Portuondoが大歓声の中で出てきて”Lagrimas Negras”を歌う。彼女の年齢はもう85歳になるはず。登場するなりピアノの前に置いてある椅子に腰掛けながら歌っていたのでやはり歳かなと思ったが、途中からは立ち上がり、その後ほとんど最後まで座ることはなかった。そして何より依然張りと伸びのある歌声が見事だった。曲が終わると「ドウモアリガトゴザイマシタ!」と滑らかな日本語で深々とお辞儀をしていた。

バンドが全員下がり、ピアノだけをバックにした”20 Anos”での歌い上げは思わず聞き惚れた。続いてラウーとギターだけをバックにして歌い出したのはスタンダード”Besame Mucho”。彼女は客をノせるのが本当に上手く観客も大合唱。スカートをたくし上げてのっしのっしと踊ったり、”Quizás, Quizás”ではフロアから若い日本人男性を舞台に上げて一緒に踊ってみせたり、彼女は本当にエンターテイナーだった。

ここでOmaraは一旦退場。バンドだけでインストの”Black Chicken”。3人のリズム隊が1人ずつソロを決める。そのパーカッシブなリズムと力強い演奏が、たとえOmaraがいなくても観客のテンションを決して下げさせない。

この後は名曲のオンパレードだ。”Chan Chan”が始まると大歓声。バックには御大Compay Segundoの映像。続いて最も好きな”Candera”は私のハイライト。終始アップテンポな高揚感。途中Barbaritoが弾いている時にCarlosが歌って邪魔をしたということで、Barbaritoが怒ったふりをしてCarlosにラウーを弾いてみろと迫る。するとCarlosが見事に弾いてみせて歓声。その後Barbaritoがこれに負けじとCarlosにラウーを持たせ、後ろ手でソロを決める。映画のカーネギーホールで披露していたこの技に観客は大歓声を送った。途中からまたOmaraも再登場。そしてスタンダードナンバー”Guantanamera”で盛り上がって本編終了。

アンコールでは、まずOmaraとCarlosが登場。ラウーとギターだけをバックに"Dos Gardenias"を歌う。親子ほどの年齢の違う2人だが、寄り添いながら非常に熱いデュエットを披露してくれた。そして締めは名曲"El Cuarto De Tula"。最後はフロントのメンバー達が皆前に並んでラインダンスをしてみせていた。終わってから場内「キューバ!キューバ!」の大歓声。キューバ音楽の素晴らしさと、日本での人気の高さを実感した一夜だった。

1. Como Siento Yo  (Rubén González cover)
2. Bodas De Oro
3. Rincón Caliente
4. Tumbao  (Orlando "Cachaito" López cover)
5. Bruca Maniguá  (Orquesta Casino de la Playa cover)
6. Lágrimas Negras  (Trío Matamoros cover)
7. 20 Anos
8. Besame Mucho
9. Amor De Mi Bohio
10.No Me Llores Más  (Arsenio Rodríguez cover)
11.Quizás, Quizás  (Osvaldo Farrés cover)
12.Black Chicken 37
13.Marieta
14.Chan Chan  (Compay Segundo cover)
15.Candela
16.Guantanamera
Encore:
17.Dos Gardenias  (Isolina Carrillo cover)
18.El Cuarto De Tula  (Luis Marquetti cover)


Buena Vista Social Club 来日



今週いよいよBuena Vista Social Clubがキューバから来日します。これが最後のアディオスツアーということで非常に楽しみにしていました。

昨年アメリカはキューバと国交正常化交渉を進め始め話題になっていました。その一環で彼らがホワイトハウスに招かれ演奏していたのが報道されており、あぁまだ活動してるんだ観たいなぁ、と思っていた矢先の来日決定。

しかしチケット発売まで少し日にちがあるなと思っていたら、まさかの出遅れで完売。慌ててキューバ音楽コミュニテイの知り合いに聞いて回ってもチケット余っている人などいるはずもなく、オークションにも出て来ず。武蔵野市民文化会館なんていう小さい会場で1日のみの公演だから当然です。もう完全に諦めていたところに追加公演決定。感謝々々。

元々高齢のグループだったので、既に他界している人も多く、Compay SegundoやIbrehim Ferrer、Ruben Gonzalezなど主要メンバーはもう皆いません。またEliades Ochoaはまだ若いので健在なのですが、ちょうど同時期に本国でフェスティバルがあり、彼は自身の率いるグループでそちらに出演するらしく来日しません。でもOmara PortundoやGuajiro Mirabalなどまだ4人のオリジナルメンバーが残っています。名曲と名演を堪能したいと思います。

ちなみに昨年リリースされた未発表曲集「Lost and Found」も最高です。参戦予定で未聴の方は是非。 

 

Gipsy Kings Live Report 2015

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去る10月28日にGipsy Kingsの来日公演を観に行ってきた。14年振りの来日だが、私は今回初。前回の時は全く情報が入って来なかったので、気付いた時には後の祭だった。いや、そもそも情報を得るには普段からアンテナを張っていなければいけなかったのだ。そう後悔し続けた14年間だった。

東京3日間のうち最終日の赤坂Blitzで、この日のみスタンディング会場だった。彼らの音楽を座ってなんて聴いていられないと思ったので、私はこの日を選んでいたのだが、恐らく同じ理由の人も多かったのではないだろうか。会場に入り何とかステージ前2列目を確保できた。

時間直前からステージ左端でメンバーかローディーか分かんないおじさんがチューニングを始めて、少し時間を押して暗転。歓声の中まずはバックバンドが登場、右からキーボード、ベース、ドラム、パーカッションの4人で、音出しついでのインストを奏で始める。次にフロントに立つうちの若者達4人が登場し、ギターを掻き鳴らし音を重ねる。ファミリーネームがよく分からなかったのだが、Reyes家かBaliardo家の息子達なんだろうか。そこへ真打のToninoが黒いギターを持って登場。この人は太った。昔はあどけない顔をしてたのに、今ではどこからアゴでどこから首なのかよく分かんない位だ。だがそのプレイは変わらず素晴らしかった。

最後に大歓声の中Nicholasが登場し”A Ti A Ti”を歌い始める。こちらも腹はぷっくり出ているが、シルバーヘアに派手なTシャツ、貫禄のある風貌はどこか地中海のマフィアっぽい感じ。そして何よりのその歌唱力。ハスキーがかった歌声は昔から変わらない張りがある。陽気な”A Ti A Ti”では情熱的に、続くしっとりした”Quiero Saber"では哀愁を湛えて歌い上げる。

次は聴いたことのないインスト。ここの主役はTonino。私は目の前だったのでずっと彼の右手を観ていたが、例の爪先でのトレモロから、ネックまで広く弾いて、最後はパーンと手を払うように決めるその見事な動きに釘付けだった。彼はやっぱり私の最も好きなギタリストの1人である。丸いけど。

若者達もボーカルを取る曲もあった。”Atu Vera”ではNicholasが引っ込み右端にいたYohanが、”Ben Ben Maria”では左側にいたJoseが担当していた。また彼らは観客を煽ったり、ギターの弾き鳴らし合戦をしたり、フラメンコを踊ったりと、ステージを大いに盛り上げていた。当初CanutもPachaiもいないと知りショックだったが、実際にステージを見る限り、彼ら若者がグループに活気と刺激を与えていることが分かった。

フラメンコにおいてパルマ(手拍子)は重要な要素だが、実際にこのパルマのリズムを取るのは日本人には非常に難しい。メンバーが先導したり、私の前例にいた詳しそうな人が叩いてリズムに習ってやっていたが、複雑な上に曲によって全部違うリズムで、ライブに集中できなくなりそうなので途中で諦めた。いいのだ、ジプシールンバは愉しむことが前提なのだから…。

中盤の"Yo So A Quel"ではメンバーが皆引っ込み、NicholasがベースのPagaだけをバックにギターを弾きながらしっとりと歌った。Nicholasは左利きなのだが、逆手であのギターを弾いているのは傍目で非常に難しそうに見えた。またベースも非常に巧くて見物だった。できればここに以前のようなToninoのアコースティックソロも残しておいて欲しかった気もした。

個人的に最も嬉しかった曲は”La Dona”。会場の反応は薄かったが、個人的にはこの初期の名曲は聞き物だった。またCanutの名曲”La Montana”も聴けたのは嬉しかったが、逆にCanutがいない寂しさも感じた。

日本で人気の高い”Inspiration”で場内のボルテージは上がり、以降は”Samba Samba”に”La Quiero”と立て続けにノリの良い曲が並ぶ。そしてトドメは”Bamboleo”。ここでは何と「ひょっとこ連」と書いた着物を着た6人の女性方が阿波踊りをしながら踊り出てきた。”Inspiration”でジプシールンバが日本の時代物とマッチすることを証明していたわけだが、これは全く予想していなかったため驚きだった。マッチしていたかどうかは分からないが、面白い企画だと思った。ここで本編終了。

アンコールではバックバンドと若者組のみで再登場して、”Baila Me”からスタートした。その後Toninoが加わり最初期の”Pena Penita”を演ってくれた。ラストにNicholasも加わり締めは”Volare”。今回の来日のスポンサーにもなっているキリンのCMのお陰で、日本での一番の人気曲、場内も大合唱。終わった後にメンバー整列した際に、1人の観客が歌っていたのに合わせてNicholasが再度アカペラで”Volare”をサビだけ唄ってくれた。そして他のメンバーが下がった後もスペイン語でずっと語りかけてくれたのだが、よく分からず。ただ聞き取れた「Merci」や「Gracias」そして「We love Japon」だけでも意味は充分通じていたと思う。

他会場ではここでMy Wayのカヴァー”A Mi Manera”をアカペラで歌ってくれたという噂があったので、アリーナにいた人達は明るくなりアナウンスがあっても尚アンコールを求め続けていたが、結局この日はそれはなし。1曲多く演ってくれていたので時間がなくなってしまったのだろう。それでも充分満足だったし、本当に素晴らしいステージだった。

1. Intro
2. A Ti A Ti
3. Quiero Saber
4. Tucson
5. Atu Vera
6. Djobi Djoba
7. Bem Bem Maria
8. La Dona
9. Yo So A Quel
10.Fairies
11.La Montana
12.Inspiration
13.Samba Samba
14.La Quiero
15.Palmero
16.Bamboleo
encore
17.Baila Me
18.Pena Penita
19.Volare 

 
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