The Cardigans

The Cardigans Live Report 2013



The Cardigans @ Shibuya AX, 28 Nov 2013

ここのところ来日ラッシュで、私もこの1ヶ月だけでも立て続けに3本も入っていた。おかげで財布もめっきり寒くなってしまったが、どれも長年待ちわびていたものばかりなので、見逃すわけにはいかない。今回はThe Cardigans。昨年サマソニで来ていたが、単独としては14年振りである。

渋谷AXは初めての会場。仕事が終わってから急いで向かいギリギリ到着。スタンディングの場内は、そこそこ人が入っていた。30代の人がほとんどだったようである。ステージは楽器が置いてあるだけの非常にシンプルなセッティングだったが、開演後は様々な見事なライティングで楽しませてくれた。7時過ぎに暗転しメンバー登場し、”Erase/Rewind”でスタートした。

中央にボーカルのNina、黒の上下で頭には大きな緑色のリボンをつけている。歳はもう私と同じアラフォーなはずで、最近はめっきり落ち着いた大人の女性の雰囲気だったが、この日はかつてのようなイメージに近く、場内からも何度も「カワイー!」と声が上がっていた。

右手にはベースのMagnus。一際大柄な身体の彼が弾く重低音は場内によく響いていた。創設メンバーである彼は反応の良い観客に一番嬉しそうで、終始笑顔で手拍子を煽ったり途中写真をとったりしていた。

左手のギターはてっきりPeterだと思っていたが、Oscarという別人だったことを知ってビックリした。理由は分からないが、創設メンバーでありメインソングライターだったPeterがいなかったのは非常に残念だった。ただOscarもとても良いギターソロやコーラスを聴かせてくれていたし、状況に応じてNinaをヘルプしたり、Magnusとも仲良さそうだった。

彼ら自身ライブは昨年のサマソニ以来だったため久しぶりだったはず。なかなか反応の良いオーディエンスに気を良くしたのか、Ninaは「I love you」とか「スゴーイ」とか言っていた。また「I love youって日本語で何て言うの?」との質問し観客が答えると、「そうそうアイシテマス、ダメね、すっかり忘れてたわ」、と。その後、スウェーデン語では何て言うかもレクチャーしてくれていた。”Higher”の時に最初のブリッジの歌詞を間違えていたのもご愛嬌。

グレイテストヒッツショーというお題がついていただけあって、ベストに収録されていた楽曲をほとんど全て網羅していた。初期の曲は懐かしく、「これは199…、何年だったっけ?」「1865年だよ」 というやり取りも面白かった。通して聴くと時代によって音楽性が全く異なるというのを痛感する。ポップな初期、ヘヴィでダークな「Gran Tourismo」、穏やかな「Long Gone Before Daylight」、快活ロックな「Super Extra Gravity」。ただ共通しているのは、どの時代にもとにかく純粋に良い曲を書き続けてきたということである。中でも最も印象に残っているのは、“You’re The Storm”のサビでの空へと突き抜けるようなメロディと、“Give Me Your Heart”の疾走感、“Hanging Around”の最後のギターソロのカッコ良さ等など。

Ninaは基本的に中央の位置から動かずにボーカルに集中していたが、ロックからバラードまで聴きやはり良い声だなということと、ずっとこの声が好きだったなと思い出させてくれた。また“For What It's Worth”ではハーモニカ、“I Need Some Wine”ではカウベルなど、所々で色々な楽器も披露してくれた。しかし途中Ninaはステージ上手に引っ込んでしまい、ギターが日本語MCでつないでいた場面があった。戻ってきた後、「ベース音がダイレクトに上がってくるから辛いのよ、すぐ隣にベースがいるしね」などと言っていた。たまたま音響のセッティングが悪かったからなのか分からないが、以降彼女が少し心配になった。だが最後まで大丈夫そうだったので安心した。

最大のヒット曲“Lovefool”で盛り上がり本編終了。アンコールは本国の人気曲“Communication”の後、これまでずっとライブでは封印していた“Carnival”。私が学生の頃に初めてこれを聴いたのは20年近く前なので懐かしい。会場も当然大盛り上がり。続いては、「これは私達が一番最初に書いた曲よ」と、“Rise & Shine”。Ninaはここでピアニカも披露。“Junk Of My Heart”でしっとりした後は、“My Favorite Game”でハードに締めた。2度目のアンコールは“03:45 No Sleep”。静かな余韻を残して終了したが、個人的には最後は盛り上がって終わってほしかった。とにかく終始バンドと観客が作り出したアットホームな雰囲気に包まれた、非常に良いライブだった。

1. Erase/Rewind
2. Been It
3. Godspell
4. Sick & Tired
5. Higher
6. You're the Storm
7. Live and Learn
8. Little Black Cloud
9. Give Me Your Eyes
10.Iron Man
11.Feathers and Down
12.Less Like Me
13.For What It's Worth
14.Hanging Around
15.I Need Some Fine Wine and You, You Need to Be Nicer
16.Lovefool

Encore:
17.Communication
18.Carnival
19.Rise And Shine
20.Junk of the Hearts
21.My Favourite Game

Encore 2:
22.03.45: No Sleep


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Disc: 1
1. Rise and Shine
2. Sick and Tired
3. After All...
4. Carnival
5. Daddy's Car
6. Love Fool
7. Been It
8. Losers
9. War
10. My Favourite Game
11. Erase-Rewind
12. Hanging Around
13. Higher
14. For What It's Worth
15. You're the Storm
16. Live and Learn
17. Communication
18. I Need Some Fine Wine and You, You Need to Be Nicer
19. Don't Blame Your Daughter
20. Godspell
21. Burning Down the House (ft.Tom Jones)

Disc: 2
1. Pooh Song
2. After All... [Demo '93]
3. I Figured Out [Demo '93]
4. Laika
5. Plain Parade
6. Emmerdale
7. Carnival [Puck Version]
8. Happy Meal 1
9. Nasty Sunny Beam
10. Blah Blah Blah
11. Losers [First Try]
12. Country Hell
13. Love Fool [Puck Version]
14. War [First Try]
15. Deuce
16. The Road
17. Hold Me [Mini Version]
18. Hold Me
19. If There Is a Chance
20. For the Boys
21. (If You Were) Less Like Me
22. Slow Down Town
23. Give Me Your Eyes
24. Slow

The Cardigansの単独来日が決定した。昨年Summer Sonicに出演していたが、単独としては14年ぶりになる。

The Cardigansというと、日本では90年代半ばネオアコ時代の"Carnival"や、映画「ロミオとジュリエット」の主題歌としてヒットした"Lovefool"のイメージが強いだろう。しかしそれは彼女らの初期の一面に過ぎず、実際ボーカルのNinaが加入する以前は、Black Sabbathなどを標榜したハードロックバンドだった。以降音楽性は全く変わっていくのだが、その変遷はこのベストを聴けばよく分かる。

特に大きな変化だったのが98年の「Gran Tourismo」。当時初めて試聴機で聴いた時、ディストーションとノイズで歪みまくったギターサウンドに耳を疑ったものだった。ただ実際この作品はダークな中に耽美的な側面も強く、非常に聴き応えのある傑作だった。日本人には受けなかったが、海外では250万枚のヒットとなっている。

この後5年間ほど活動を休止するのだが、2003年に「Long Gone Before Daylight」という非常に穏やかな作品で復帰。さらに2005年の「Super Extra Gravity」ではまた小気味良いロックを聴かせていた。特に上記ベスト2枚目に収録されていた後期の未発表曲は名曲揃いだった。というように近年変化・成長を遂げながら良質の作品を発表し続けているのを知っていると、日本では初期の成功が一過性のブームだけで終わってしまっているのがやるせない。ぜひこの機会に彼女らの魅力が再認識されてほしい。


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