Doobie Brothers

Michael Hossack (Doobie Brothers) 急逝



今年も悲報が多い。今度はDoobie BrothersのドラマーMichael Hossackが、去る3月12日にがんのため他界しました。享年65歳でした。

Doobie Brothersと言えば豪快なツインドラムがトレードマーク。Michaelは初の2人目のドラマーとして1971年にDoobiesに加入し、初期の全盛期にツインドラムの片割れとして叩いていました。その後脱退したものの、再結成以降はまたバンドに合流し、晩年までバンドの屋台骨を支え続けたのでした。

2010年にリリースした新作「World Gone Crazy」でも叩いていたし、数少なくなったメンバーの一人としてジャケ写にもちゃんと写っていました。しかし病気のためにツアーには参加できず、プロモーションビデオにも写っておらず。それでもまたすぐに復帰をしてきてくれると思っていただけに、まさかこんな結果になるとは思いませんでした。2005年にKeith Knudsonも亡くなっているので、これで看板ドラマーが2人ともいなくなってしまったわけです。

2006年のUdo Music Festivalで彼らのライブを一度だけ見たことがあります。その時はまだMichaelも健在で、向かって右側のドラムセットで叩いていました。あの巨体と太い腕で、決して派手ではないけど、力強く安定したドラミングだったのを覚えています。あれからたった6年しか経っていないのに、人の運命は分からないものです。

ご冥福をお祈りします。RIP


Udo Music Festival '06, その2

メインステージに戻ると今度はThe Pretendersが登場した。私は正直言って彼女らのことは数曲しか知らないのだが、ベテランらしく安定した演奏を披露しており聞き入った。ボーカルのクリッシーも変わらずスリムなジーンズを履き、最後はブルースハープも吹き鳴らし、女性ながらもカッコ良かった。私が知っている"Back On The Chain Gang"も当然のように演奏し、なかなか楽しませてもらった。



 さて続いてはこの日のお目当ての一つ、Doobie Brothersである。これは前の方で見たいと移動するが、あまり混みあっていないこともあり比較的容易に移動できる。ただ非常に邪魔なのが、ビニールシートを広げてくつろいでいるおっさんたち。ステージから離れた後方でやってる分には構わないのだが、ステージ近くまで行ってもこういう人達が所々に場所を占領している。周りの人が白い目を向けているにも関わらず、一向にお構い無しである。私自身野外フェスは初めてであったが、少なくともフジロックにはこんな連中はいないだろう。ベテラン勢ばかりを集めた今回のフェス、観客の年齢層も高くなったところで、こんなところで思わぬ弊害が出ていた。

 さて周囲にいつの間にかいかついバイカー兄ちゃんやバイカー親父らが増えてきた頃、ステージにDoobiesが登場した。そして"Dangerous"を演奏し始めた。口髭の濃いTom Johnstonはパワフルに観客を煽り、一方ロマンスグレーのロングヘアーがカッコ良いPat Simonsは優しく歌いかける。正に剛と柔の対照的なフロントマンたちだが、この2人がいてこそのDoobiesである。また第三のギタリストJohn McFeaは通常のエレキ以外にもスライド、ペダルスティールやフィドルまで次々とこなし、弦楽器のマジシャンのようだった。ベースの巨体のSkylarkも軽やかに動き回りながら観客を煽り、バックにはトレードマークであるツインドラムが豪快にならされていた。そしてラストの“Listen To Music”では謎の美少女が登場したが、これが何とTomの娘だという。ベテランライブバンドとしての力量を遺憾なく発揮し、思う存分魅了させてもらった。願わくはフェスであるが、フルセットで見たかったものだ。



Doobie Brothers Setlist
1.Dangerous
2.Rockin’ Down The Highway
3.This Train I’m On
4.Excited
5.Jesus is Just Alright
6.Five Corners
7.Takin’ It To The Streets
8.Don’t Start Me Talkin’
9.Take Me In Your Arms
10.Little Bitty Pretty One
11.Blackwater
12.Long Train Runnin’
13.China Grove
14.Without You
15.Listen To The Music

続いてはJeff Beckが登場した。彼については私は初期のRod Stewartがいた頃のJeff Beck Groupの頃くらいしかちゃんと聞いていない。ステージにはJeffの他には、 ベースとドラムとキーボードの4人のみ。先ほどのDoobiesの大所帯と比べると少し寂しく感じられた。最初の曲は"Beck`s Borelo"だったので知っていたが、それ以降は分からず、どれもスロー~ミドルテンポのフュージョン系のインストだった。小さめのホールならば近くで彼のギターの妙技を楽しめるかもしれないが、これだけ広いフェスでこれでは、Doobiesで盛り上がった直後ということもあり、少し退屈してしまった。そのため申し訳ないが私はメインステージを後にし、 サブステージへ向かった。


Doobie Brothers 「World Gone Crazy」

World Gone CrazyWorld Gone Crazy
Doobie Brothers

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1. A Brighter Day
2. Chateau
3. Nobody
4. World Gone Crazy
5. Far from Home
6. Young Man's Game
7. Don't Say Goodbye
8. My Baby
9. Old Juarez
10. I Know We Won
11. Law Dogs
12. Little Prayer
13. New York Dream

 大物のリリースが相次ぐ中で、こっそりと新作が出ていた感のあるDoobie Brothers。でも今年が結成40周年となるらしいから、もっと盛り上がっていいのにと思う。前作からももう既に10年振りだという。ただその間3度来日しているから、あまり一線を退いていたという感覚はない。私も彼らが4年前にUdo Music Festivalに来日した際にライブを見たが、バリバリ現役ぶりを見せつけられ大いに楽しませてもらったものだった。

 しかし今回まずメンバーを見ると写真にはTom Johnston、Pat Simmons、John McFee、Micheal Hossack の4人しか写っていない。あれだけ大所帯だったのが皆どこへ行ってしまったのだろう。どうやらドラムのMichealとベースのSkylarkは今回は病気のためツアーには帯同しないらしいが、あれだけアクティブに盛り上げてくれていただけに寂しいものだ。

 さてアルバムの内容だが、これがなかなか良い。10年前の前作「Sibling Rivalry」もAOR風味の良作だったが、今回はより初期のようなロック色が強いようだ。かつてのような王道なRock & Rollで、ドライヴィングなギターワークやコーラスハーモニーが気持ち良い。プロデューサーとして初期のTodd Templemanとまたタッグを組んでいることや、1stのオープニングチューン"Nobody"をセルフカバーしていることからも、原点回帰が伺える。まぁ"Nobody"に関してはライブでいつも演っているレパートリーなだけに、あまり目新しさはないが。

 また今回話題なのは70年代後期のもう一人のフロントマンMicheal McDonaldがM7でゲスト参加していることだろう。私はTom派かMicheal派かと言えば断然Tom派なのだが、こうしてかつての仲間がまた一緒に演っているのを見るのは微笑ましい。曲も彼らしいクールなAORナンバーだ。

 個人的にはJohnのスライドギターが聴けるM8やM11が嬉しい。またあの御大Willie NelsonもM10でゲスト参加している。こうしたルーツ色も彼らの持つもう一つの魅力である。さらにはSantanaのようなラテンロックM9も聴ける。結果的に今回は単なる原点回帰ではなく非常にバラエティにも富んでいるが、何よりもそれぞれ曲が良くTomとPatが非常に良い仕事をしている。40周年に相応しい作品であると言えるだろう。

 また機会があれば来日して元気な姿を見せてほしいものだ。

★★★★


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