Luther Dickinson

South Memphis String Band 「Home Sweet Home」 (2010)

Home Sweet Home (Dig)Home Sweet Home (Dig)
South Memphis String Band

Memphis Int'l 2010-01-19
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1. Jesse James
2. Deep blues sea
3. Old hen
4. Worry 'bout your own backyard
5. Things is 'bout coming my way
6. Let your light shine on me
7. The carrier line
8. Boogie Bill Anderson
9. Eighteen hammers
10. Bootlegger's blues
11. Dixie darling
12. Home sweet home

今月はアメリカ南部特集としてお届けしてきたが、今週が最後となる。

1920~30年代のアメリカ南部では、ストリングバンドやジャグバンドが流行っていた。前者はアコースティックギター、マンドリン、バンジョー、ドブロギターなどの弦楽器を数人で掻き鳴らすバンド。後者は瓶やガラクタなどを楽器替わりにして鳴らした黒人のバンドであった。が、いずれもこの一時期のみで流行した独特のバンド形態であった。

こうした音楽を現代に継承するのが今回紹介するSouth Memphis Strings Bandである。メンバーはLuther Dickinson、Jimbo Mathus、Alvin Youngblood Hartの3人。Lutherについては、昨年末にBlack Crowesが活動休止した後の同行が気になっていた。古巣North Mississippi Allstarsに戻り今年アルバムをリリースしたが、実は休止前に別のプロジェクトをしていたことを遅れ馳せながら知った。Jimboはバイオグラフィを見て気付いたのだが、昔好きだったネオスウィングバンドSquirrel Nut Zippersのリーダーだった人だ。バンド解散後もソロアルバムやプロデュースなどルーツミュージックの枠内で幅広く活動していたようだ。またAlvinは知らなかったが、グラミーも授賞している黒人ブルースギタリストである。このつながりに驚いたが、3人とも皆南部をベースに活動しているルーツ系ミュージシャンであるという共通項で納得がいく。

さてその音楽は非常に趣深い。先の弦楽器とブルースハープのみで構成され、カントリーブルース、クラシックカントリー、ブルーグラス、フォーク、ワークソングなど戦前の古き良きアメリカのルーツミュージックが展開されている。Mississippi Sheiks(M10)やGus Cannon’s Jag Stompersといった当時の代表的なストリングバンドやジャグバンドの強い影響を見せながら、昔のトラディショナルソングをカバーしている。他にもM6ではBlind Willie Johnson、M9でJohnny Lee Moore、M11でA.P.Carterと、デルタブルースやヒルカントリーのカバーも取り上げている。3人がそれぞれの弦楽器を持ち替えながら掻き鳴らし、楽しそうにコーラスを合わせているのを聴いていると、こうした古き伝統が若い人達にしっかりと受け継がれている事実に喜ばしい気持ちにさせられる。

ちなみにCDのインナーには、2009年に他界した名プロデューサーであり、Lutherの父親であったJim Dickinsonのコメントが載っていた。息子たちは彼の生前から活動していたのだろう。著名の父が息子たちの音楽を両手を挙げて絶賛するコメントに泣けた。これを聴いてきっと彼も安らかに眠れたことだろう。

★★★★


Luther Dickinson & The Sons Of Mudboy 「Onward And Upward」

Onward & UpwardOnward & Upward
Luther Dickinson Sons of Mudboy

Memphis Int'l 2009-11-10
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1. Let It Roll
2. Angel Band
3. Where the Soul of a Man Never Dies
4. Leaning on the Everlasting Arms
5. His Eye Is on the Sparrow
6. You've Got to Walk That Lonesome Highway
7. Keep Your Lamp Trimmed and Burning
8. Softly and Tenderly
9. Up Over Yonder
10. In the Garden
11. Back Back Train
12. Glory Glory

 先週触れたThe Black Crowesに2008年から新たに加入していた凄腕ギタリストLuther Dickinson。彼は元々は南部のトリオNorth Mississippi Allstarsのリーダーとして活躍していた。せっかくNMAを捨ててCrowesに加入したのに活動停止とは可哀そうに。彼は今後またNMAの活動でも再開させるのだろうか。

 そのLuther Dickinson、彼は50年代からMemphisで活動をしている貫禄のある南部ロックアーチスト兼プロデューサーJim Dickinsonの息子でもある。その父が2009年に亡くなった。かつてBob Dylanが自伝の中で、「Jimは私と多くの共通点を持っている素晴らしいアーチストである。いつか一緒にレコーディングをしてみたい。」と語っていたのだが、もうそれも叶わない。またDylanは「私の子供と同様に、確か彼にも音楽をやっている息子がいた。」とも触れていた。LutherがJacob Dylanと組んで、息子同士でDylanの叶わなかった願いを叶えてあげるのも面白いかもしれない。

 本作はその息子Lutherが、父の死の3日後に追悼の意を込めて仲間とレコーディングしたものである。その静かな追悼の意からか、ここではギター1本の弾き語りによる、非常にシンプルなカントリーブルース作品となっている。曲は主にトラディショナルな伝承歌のカバーであり、ブルースのみならず、フォークやカントリー、ゴスペルなど様々なアメリカンルーツミュージックが並ぶ。時折聴けるドブロギター(リゾネーターギター)の音色も味わい深く、M1などはSon Houseへのオマージュのようだ。またM3やM12で聴かれる、教会の裏手で録音したような、バラバラなんだけど温かい民衆コーラスが味わい深い。個人的に最近はこういうのが気分だ。

★★★☆


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