邦楽

娘とマジカルミライ2023

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先週9/3に娘とマジカルミライ2023に行ってきた。これは初音ミクらのボーカロイドの一大イベント。当初は娘が友達と2人で参戦するために、私が頑張ってチケットを取ったものだった。私は送り迎えだけの予定だったのだが、直前で友達が行けなくなり、急遽私が代役になった。

当日は娘と昼公演に間に合うように幕張メッセへ。会場には一目でそれと分かる初音ミク等のTシャツやハッピを着た人達が大勢いた。中にはコスプレをしている人達も。最初は慣れない世界に戸惑ったが、不思議なもので段々見慣れてきた。

私と娘は最後列から2列目。開演前からオールスタンディングとなり、凄い盛り上がり。背の低い娘はステージがほとんど見えない。イスに立たせることも考えたが、幸いステージの両脇にスクリーンがあった。

ステージの中央には、ホログラムのミクが高音で歌って踊っている。ステージの左手には、ドラム、ベース、ギター。右手にキーボードとギター。なかなか重厚なロックサウンドで聞き応えがある。大きい音が苦手な娘だったが「ミクちゃんに失礼だから」と耳栓はしなかった。幸い大丈夫そうだが、曲間でも私達のお互いの言葉はほとんど聞こえない。

カルチャーショックだったのは、会場内で揺れるサイリウムの海だ。登場キャラに合わせて、緑・黄・赤などと色を変えながら、光の波が一糸乱れず揺れ動いている。サイリウムを持っていないと、この会場の盛り上がりと一体になれないという訳だ。娘が欲しがった理由が分かったが、あいにく事前に買えなかったので、娘は棒立ちだった。

私が知っている曲はあまりなかったが、なかなかロックでカッコ良い曲も多かった。一方で娘はほとんどの曲を知っていた。特に"抜錨"と"フェレス"という曲が好きだったようで、イントロが始まった瞬間にマスクの口元を抑えて喜んでいた。

終盤は過去のテーマソングが立て続けに演奏され、それに合わせて衣装も変わっていく。場内は合いの手の大合唱。最後はYOASOBIのAyaseが作曲した今年のテーマソングが歌われて終了した。

01 カルチャ / ツミキ feat. 初音ミク
02 神っぽいな / ピノキオピー feat. 初音ミク
03 初音ミクの消失 / cosMo@暴走P feat. 初音ミク
04 GEDO / daraku feat. 鏡音レン
05 ヘッジホッグ / Noz. feat. 鏡音リン
06 いいねってYEAH! / じーざす (ワンダフル☆オポチュニティ!) feat. 鏡音リン・鏡音レン
07 レッドランドマーカー / Twinfield feat. MEIKO
08 星空クロノグラフ / MINO-U feat.MEIKO
09 king妃jack躍 / 宮守文学 feat. 初音ミク
10 Weekender Girl / kz(livetune) × 八王子P feat. 初音ミク
11 抜錨 / ナナホシ管弦楽団 feat. 巡音ルカ
12 星屑ユートピア / otetsu feat.巡音ルカ
13 あったかいと / halyosy feat. KAITO
14 敗走 / 傘村トータ feat. KAITO
15 erase or zero / クリスタルP feat.KAITO 鏡音レン
16 drop pop candy / GigaReol feat. 鏡音リン、巡音ルカ
17 フェレス / 栗山夕璃 feat. 初音ミク・MEIKO
18 39みゅーじっく! / みきとP feat. 初音ミク
19 初音天地開闢神話 / cosMo@暴走P feat. 初音ミク
20 愛されなくても君がいる / ピノキオピー feat. 初音ミク
21 Hand in Hand / livetune feat. 初音ミク
22 ブループラネット / DECO*27 feat. 初音ミク
23 Birthday Song for ミク / Mitchie M feat. MEIKO・KAITO・鏡音リン・鏡音レン・巡音ルカ
24 HERO / Ayase feat. 初音ミク

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ライブ終了後、企画展に移動する。立ち並んでいるキャラクター達の写真を撮った後に、色々とグッズを購入する。娘の誕生日が近いこともあり、ついつい私の財布の紐も緩んでしまった。

その後はクリエーターズブースへ。多くのボカロP(作曲家)達がブースを構えているのだが、娘が好きなボカロPが何人もいたらしく、挙動不審になっていた。その中で、はりーPさんときさらさんのブースへ行ってCDを購入しサインを貰っていた。勇気を出して「いつも聴いています」と伝えることが出来たが、このようにクリエーターに直接会える機会は貴重だろう。

最後はピアプロの壁に、自分が参加した証を残すためにミクの絵を描く。有名の絵師達も多数描いていたようで、どれも上手かった。

結果的にこの日は私にとっては娘とライブに行くという夢の1つが叶った日になった。娘も「最高だった」と喜んでいたので、良い誕生日プレゼントにもなったかと思う。娘曰く「次は受験が終わった2年後に友達と来る」とのこと。その時は高校1年。今よりも背が高くなっているといいね。

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BAND-MAID Tokyo Garden Theater Okyuji

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先週1月9日に東京ガーデンシアターへBAND-MAIDのライブを観に行ってきた。彼女らを知ったのは2020年の春のことで、世の中は既にコロナ禍。予定されていたライブも中止となり、オンライン配信での開催となった。その後何度もオンラインで鑑賞したものの、実際に目の前で観たいという気持ちが募った。

しばらくコロナ禍により対面ライブを控えていたバンドだったが、昨年から本格的に再始動。しかしこの時は残念ながらチケットが取れなかった。秋のアメリカツアーを大成功に終え、帰国直後にはさいたまスーパーアリーナでのGuns N Roses来日公演前座も務めた。

今回の東京ガーデンシアターは初めてだったが、有明に出来た新しいホールらしくキャパは8000人。単独では過去最大規模の会場だが、今年結成10周年を迎えるバンドの記念すべき公演として相応しい会場だろう。直前にソールドアウトとなった場内は予想通りおっさん率が高いが女性や小さな子供までいて驚いた。私の席は1Fバルコニーの中央後方でステージは遠いが良く見えた。

オルタナ系のSEが流れた後18時過ぎに暗転。大歓声の中、左手からメンバーが1人ずつ登場。オープニングは"Unleash!!!!!"。今まで見た配信でしか見たことなかった彼女らが目の前にいた。ステージは右からギターKANAMI、ボーカルSAIKI、ギターボーカルMIKU、ベースMISA、後方のドラムセットにAKANEと見慣れた立ち位置。のっけから勢いのあるバンドサウンドに酔いしれる。そして曲は"Play"から"influencer"へ。

まずSAIKIは本当に存在感のあるボーカリストだった。ハンドマイクで力強く歌う姿は綺麗でもあり、かつカッコ良い。正に黒姫。
もう一枚の看板MIKUもトレードマークの銀色のZemaitasを掻き鳴らしながら、高音のハモりが印象的で良いコンビ。
KANAMIのギターはとにかく巧いの一言。ソロの度にフロントに出てきて魅せてくれた。
MISAのベース音は生で聴いて一番配信との違いを感じた箇所だった。バキバキベースが非常に主張が強く、時折派手なスラップも聴かせてくれていた。
AKANEに関しては、あの細い身体でこんなにもパワフルなドラミングで、しかも笑顔を見せる余裕もあるのが不思議だった。

ステージのバックには巨大な映像が流れていてなかなか凝った作りは見応えがある。さらには左右にもスクリーンがあり、演奏しているメンバーのアップも映されていた。遠くからだとKANAMIやMISAの手元が見えなかったので、これは有り難かった。

4曲目にも彼女らのレパートリーの中でも特にアッパーな"Black Hole"が来た。もの凄い勢いで駆け抜けていく。もうこの時点でこの日がどんなセットリストになるのか想像できない。

ここでMIKUのMC。「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様。くるっぽー!」お決まりのセリフに加え新年ということで「あけましておめでとうございますっぽー」とも。

続いてラスト曲のイメージの強い"DOMINATION"が早くも来た。今日は短い声出しもありということで「ハローハロー」も大合唱が上がる。

実はあまり新しい曲は把握しきれていなかったのだが、8曲目の"I'll"は印象に残った。赤黒いダークなバックドロップに、ミドルテンポの重低音はもはやヘヴィメタルだった。

個人的なハイライトの1つ目は名曲"alone"からのインスト"onset"への流れ。爽快な演奏に思わず身体が動き汗をかいた。一旦ステージから下がったSAIKIの代わりにMIKUがボーカルを取って"サヨナキドリ"も披露された。

メンバー全員が下がり、SAIKIが1人戻ってMC。感慨深く10周年について緩く語っている間にMISAから順に1人ずつステージに戻ってきて緩いトークが続く。福袋に各メンバーが私物を入れていたらしく、それぞれ入れたものを披露していた。アメリカで盛り上がったというMISAのエンターテイメントコーナーは、単にMISAが2本目のビール缶をプシュと開けるだけというのもMISAらしい。そして恒例のMIKUのおまじないタイムは盛り上がっていたが、改めてこの人は芸人だなと思った。

16曲目"About Us"はコロナ禍で書かれたバラード。絶望感に包まれていた頃に一条の光となっていた歌詞が聴く者を感傷的にさせた。続いて披露された新曲"Memorable"もバラードだったが、これもまた綺麗な曲で、SAIKIの高い歌唱力が際立っていた。

"from now on"は新しいインストだが、まるでらプログレメタルのようなテクニカルな曲で、彼女らのプレイヤビリティの高さを見せつけていた。

その後も勢いのある曲が続き、最後は"Choose Me"。1人でピンスポットに照らされたSAIKIがソロでイントロを歌った後にバンド演奏へ雪崩れ込み、大歓声の中大団円のうちに幕を閉じた。

アンコールはなかったが、トータル26曲、2時間45分も演ってくれたので場内も満足していた。今回のセットリストは割と新しい曲を中心に組まれていて、進化した彼女らの今を強烈に印象付けるステージだった。個人的には"DICE"や"Blooming"、"Daydreaming"あたりも聞きたかったところだが、それはまた次回への楽しみにすることにしよう。今年はまだ始まったばかりなのだから。

01 Unleash!!!!!
02 Play
03 influencer
04 BLACK HOLE
05 DOMINATION
06 H-G-K
07 the non-fiction days
08 I’ll
09 I still seek revenge.
10 alone
11 onset
12 サヨナキドリ
13 Sense
14 Hibana
15 Corallium
16 about Us
17 Memorable
18 Manners
19 Puzzle
20 HATE?
21 from now on
22 Balance
23 After Life
24 endless Story
25 NO GOD
26 Choose me


「25時、ナイトコードで」

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1.自傷無色
2.シャルル
3.ハロ/ハワユ
4.命に嫌われている
5.乙女解剖
6.独りんぼエンヴィー
7.とても痛い痛がりたい
8.ボッカデラベリタ
9.夜に駆ける
10.ビターチョコデコレーション
11.カトラリー
12.ベノム

最近うちの娘がハマっているのは「プロジェクトセカイ(通称プロセカ)」である。これはボカロ曲に合わせてリズムを刻む音楽ゲーム(通称音ゲー)である。友達が皆やっていてもうちはこれまで認めていなかったのだが、許可した夏以降はずっとこればかりやっている。

沢山の曲に合わせて様々なレベルや譜面があるようだ。高レベルの早いテンポをクリアできるようになりドヤ顔してくるが、親としてはどうにも素直に褒め辛いものがある。

人気の高いボカロ曲が次々と追加されているようで、娘も自分の好きな曲が入ると喜んでいる。ボカロ作曲家にとってもこのゲームに曲が採用されることは1つのステータスになっているらしい。

またこのゲームが人気なのは単なる音ゲーではなく、初音ミクを始めとする大勢のキャラクター達が、アイドルグループやロックバンドなどユニットを組み、それぞれのストーリーが展開していくのも理由だ。ストーリーのアニメーションが挿入されていたり、ミュージックビデオで歌うキャラクターの衣装を集めるために点数を稼ぐなど、色々な工夫がなされているようだ。

その中で娘が好きなのが、この「25時、ナイトコードで。」(通称ニーゴ)というユニットである。これは歌や作曲、イラストや動画制作など、それぞれの分野を得意とする少女達が深夜にオンラインで集まり創作活動を行うサークルらしい。

今娘は同じ学校のクラスで仲の良い友達が2人いるのだが、偶然にも1人は歌、もう1人は作曲と動画制作を得意としている。イラストの得意な娘にとっては、このユニットは正に自分達の投影なのだろう。

そんな娘が先月の誕生日に所望したのがこのCDだった。ニーゴのメンバーを演じている声優達が歌う楽曲を集めたアルバムで、人気の高いボカロ曲ばかり並んでいる。

特に有名なのはYOASOBIの"夜に駆ける"だろう。小説を元に制作された楽曲が注目を集め、ネットから紅白にまで出演し全国区となった。またカンザキイオリの"命に嫌われている"も有名で、昨年末の紅白でネットで絶大な人気を誇るまふまふが歌い話題になっていた。

他にも娘から教えられていたので知っていた曲が多かったが、やはりボーカロイドではなく人間が歌うことで、また違った印象を与えている。最近の声優は演技だけでなく、歌唱も上手いのが定石のようだ。

気になったがこれらの楽曲の歌詞だ。前向きな他のユニットと違い、このユニットはかなり暗く内省的な内容の歌詞の楽曲が多い。しかし単に暗いだけでなく、どこかに救いもある。こうした歌詞が今の思春期の娘達には響くのだろう。


downy「Re:雨曝しの月 2022」

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昨日7月9日downyのライブを観に渋谷のwww xに行ってきた。大阪・名古屋に続く「Re雨曝しの月」ツアーの最終日である。本当は2020年に活動20周年を記念したツアーを開催する予定だったのが、コロナ禍によって延期になっていた待望のツアーだ。私が彼らを観るのは2004年の一時活動停止前だから実に18年振りである。

downyは日本のエクスペリメンタルロックバンドである。2004年に「第四作品集『無題』」を聴いて衝撃を受け、ライブを観てさらに度肝を抜かれた。緻密なエレクトロニクスを全て人力で演るというコンセプトの元で、超絶技巧を駆使して非常に実験的なロックを展開していた。一時期の活動停止を経て活動再開した後も独自の進化をし続けている。

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会場は満員御礼。20〜40代が中心で女性も少なくなかった。私は後方やや右手。18:00過ぎに拍手の中メンバー登場。フロント右手にギターボーカルの青木ロビン氏、左手にベースの中俣和宏氏。後方右手にサンプラー・シンセのSUNNOVA氏、左手にドラム秋山タカヒコ氏。そして"酩酊フリーク"でスタート。オープニングから初期曲が来たことに意表をつかれた。

私と同じく歳を重ねているはずだが、ロビン氏は変わらずカッコ良かった。古いストラトを掻き鳴らしたり、マイクに歌う姿など、一挙一投足が様になる。ボーカルは綺麗なハイトーンが特徴的だが、日本語で歌っていても日本語に聴こえない歌い回しが独特だ。歌詞も非常に抽象的で難解なのだがそこがまた良い。

ベースの中俣氏は超絶技巧の持ち主だ。鳴らす音はバキバキの低音で気持ち良いのだが、たまにあるブレイク以外はとにかく早いパッセージをひたすら弾き続けているのが凄い。ピック弾き、指弾き、時々聴かせてくれるコードストロークも良かった。

そしてドラムの秋山氏がまた凄い。基本的にdownyのリズムはほとんどが変拍子だ。何分の何拍子なのか、一体どうやって叩いてるのか分からないようなリズムを、マスクを付けたまま涼しげに叩いている。はっきり言ってノリ辛い曲も多いのだが、そういう時は秋山氏のドラムを見続けた。

以前はここにもう1人のギター青木裕氏がいたのだが、2018年に白血病のため他界してしまった。もう裕氏の演奏を観ることが出来ないことが悲しかったのだが、かつての曲では裕氏のギターも聴こえていた。恐らくSUNNOVA氏がサンプラーで流してくれていたのだろう。

裕氏の代わりに加入したのがSUNNOVA氏である。今回初めてステージングを観たが、要するにギター・ベース・ドラム以外の全ての音を出しているのがSUNNOVA氏だった。金髪の美青年でアクションも激しく、ロビン氏と毎曲終わる度にアイコンタクトしていて、もはやバンドに不可欠な存在であるのは明らかだった。

4作目の'△"、2作目の"象牙の塔"、7作目から"good news"に"stand alone"と新旧織り交ぜながらセットは進んで行く。以前は完璧過ぎてどこか人間離れしてエレクトロニクスっぽい少し冷たい印象を受けたものだったが、なぜだろう、今はもっとロックの熱さを感じさせる演奏だと思った。ロビン氏やSUNNOVA氏が楽しそうに演奏している姿からもそれが伝わってきた。

前回観た時は確かMCも一切なかった気がしたが、それもそのはずで、曲間は常にチューニングを調整したり、ギターを変えたり忙しそう(レパートリー全曲チューニングが違うというのも凄いが)。しかしこの日は違った。「こんばんわ。ありがとうございます」という思いがけないロビン氏のMCに拍手をする。喉スプレーをした後に「これは蜂蜜なんだけどね」「物販に出したら売れるかな」と結構お茶目な面を知る。しかしあまりMCは好きではないようで「だから喋りたくないんだよ。誰かMC連れて来ようか」と笑わせてくれていた。

ロビン氏がキーボードの前に座って演奏したのは"凍る花"と"春と修羅"。キーボードを弾く姿も様になっているが「やっと座れる。4曲目から座りたいと思ってたんだよね」と笑いを取っていた。

ロビン氏は今度は立ち上がってアコースティックギターを抱えた。始まったのは"視界不良"。重低音をバックに澄んだギターストロークが心地良い。

ちなみにdownyのライブでは照明の代わりにバックに映像が流れるのだが、代表曲のMVだけでなく曲毎に全て異なる映像が制作されており、非常に手が込んでいる。特に"視界不良"の映像は正にアートだった。

"喘鳴"、"驟雨"、"枯渇"という3曲の新曲も披露してくれたが、どれも非常にプログレッシブな曲だった。特に秋山氏のリズムが複雑で、よくこんなリズムで曲を作ったものだと感心してしまった。そしてそんなリズムに合わせて演奏できる他メンバーも凄い。これらの新曲は次のアルバムに収録されるらしい。

これまでの22年間のキャリアを総括するようにセットリストは進んでいく。カオティックに激しく叩きつけたと思ったら、静かで耽美的な空間に漂っていたり、息のピッタリと合った4人の演奏に終始目を離すことが出来ない。冒頭にロビン氏が「今日のテーマはゆっくりです」と言っていて、曲中もチューニングやMCを挟みながら腕のストレッチをしていた理由が、数日前の名古屋公演で左手の靭帯を損傷していたからだったということを後で知ったのだが、そんなことは微塵も感じさせない熱い演奏だった。

「今日は本当にありがとう。これからもdownyをよろしくね」と言って始まったのは"猿の手柄"。初めて観たライブのラストを飾っていた曲で、彼らには珍しくメジャーコードが印象的な名曲だ。そして激しくパンキッシュな"安心"に雪崩れ込む。これが来たら今日はもう終わりかと残念に思っていたが、最後の音の余韻が残っている中で、ロビン氏が秋山氏とアイコンタクトをしているのに気付いた。その瞬間始まったのは"弌"。私が初めて聴いた曲であり、一番好きな曲をここに持ってきてくれたことが嬉しい。秋山氏の変態ドラミングと、中俣氏の超絶ベースの轟音に歓喜しながら、最後の至福の時を堪能した。

20曲2時間という濃密なパフォーマンスを目撃して、改めてdownyは国内最強のバンドだと痛感した次第。コロナで頓挫していた世界進出もいよいよ始まるらしいが、もっと日本も世界もこのバンドを知るべきだろう。

1. 酩酊フリーク
2. Δ
3. 象牙の塔
4. good news
5. stand alone
6. 凍る花
7. 春と修羅
8. 視界不良
9. ゼラニウム
10. 喘鳴
11. 或る夜
12. 海の静寂
13. 驟雨
14. 砂上、燃ユ。残像
15. 枯渇
16. 左の種
17. 曦ヲ見ヨ!
18. 猿の手柄
19. 安心
20.  弌

尾崎豊 「LAST TOUR AROUND JAPAN」 (2022)

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<Disc-1>
1.FIRE (1991/06/01 大阪厚生年金会館)
2.Driving All Night (1991/06/14 九州厚生年金会館)
3.十七歳の地図 (1991/06/03 大阪厚生年金会館)
4.Scrambling Rock'n'Roll (1991/07/03 静岡市民文化会館)
5.僕が僕であるために (1991/06/25 倉敷市民会館)
6.ロザーナ (1991/09/28 長野市民会館)
7.きっと忘れない (1991/06/29 名古屋国際会議場センチュリー・ホール)
8.COOKIE (1991/10/25 代々木オリンピックプール第一体育館)
9.卒業 (1991/08/22 北海道厚生年金会館)

<Disc-2>
1.Freeze Moon (1991/05/21 横浜アリーナ)
2.永遠の胸 (1991/08/04 群馬県民会館)
3.太陽の破片 (1991/08/16 メルパルクホール広島)
4.誕生 (1991/07/15 福岡サンパレス)
5. I LOVE YOU (1991/09/24 新潟県民会館)
6.シェリー (1991/09/27 石川厚生年金会館)
7.15の夜 (1991/10/13 名古屋レインボーホール)

今からちょうど30年前の1992年4月25日に尾崎豊が急逝した。享年26歳という若さだった。当時私は高校生だったが、既にボンタンもやめ反抗期はある程度過ぎていたと思うが、訃報を聞いて改めて尾崎にどっぷりハマり、盗んだものではないが自分のバイクで学校をサボりがちになった。

今回没後30年を記念してライブアルバムがリリースされた。今まで多くのライブ作品が世に出ているが、これは1991年彼の生前最期のツアーの音源だ。ツアーのセットリスト通りの曲目だが、それぞれ全国各地の音源が収録されている。

とにかく彼の生き生きとした歌声に引き込まれる。サックスやコーラス隊まで入ったバンドサウンドも一体感があり力強い。アップテンポなR&Rからバラードまで名曲揃いだが、個人的にはじっくりミドルテンポで聴かせる"僕が僕であるために", "きっと忘れない", "永遠の胸"あたりが1番好きだ。聴くほどに一度でも良いから生で見たかったと思ってしまう。何とも罪作りなライブアルバムだ。

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また先日は銀座松屋で回顧展「OZAKI 30 LAST STAGE 尾崎豊展」も開催されていた。会場内には愛用のギターやステージ衣裳など彼の遺品の数々がずらりと並んでいた。"15の夜"などの直筆の歌詞ノートを見ると、実際録音された音源とは少し異なる言葉もあり興味深かった。短く生涯を駆け抜けた彼の軌跡を辿る良い機会となった。しかし彼がなぜ死んだのかは分からなかった。

結局彼の死は自殺だったと思っているが、それは独立による多忙と苦悩によるものだったのか。それとも家族を持っても癒されない孤独だったのか。これを聴いていると、このツアーを最後のつもりで歌っていたとはとても思えないのだ。


BAND-MAID ONLINE ACOUSTIC

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先日のクリスマスの日にBAND-MAIDのアコースティックライブ(お給仕)が開催された。今回も無観客のオンライン配信ライブだったのだが、これまでと全く次元の異なる素晴らしい内容だったので、レポートを書かずにいられなくなってしまった。

始まった画面の向こうに映し出されたのは、何処かホテルのバンケットホールのような場所で、バックに見えるのはベイブリッジだろうか。大きな周囲の窓からは眩しい陽の光が差し込み、これまでと全く異なる明るい雰囲気に満ちている。

椅子に座った5人は、フロントの右手にSAIKI、左手にMIKU。バックは右にKANAMI、中央にMISA、左にAKANEの順番。いつもの戦闘服であるモノクロのメイド服とは異なり、この日は皆クリスマスらしくベージュやワインレッドの服を着ている。その中でMISAだけ真っ赤な服で目立っていた。リラックスした雰囲気だが、本人達は慣れない私服にいつもより緊張していたらしい。

そしてスタートした"Smile"を聴いた瞬間にその美しさに息を飲んだ。MIKUのコードストロークとKANAMIのアルペジオ。2本の澄み切ったアコギの重なり合いの上に、伸びやかなSAIKIの歌声が響き渡る。そこに寄り添うMIKUやAKANEの高音コーラスがまた極上だ。シャララ〜♪というAKANEのウィンドチャイムを合図にリズム隊も加わる。MISAだけエレキだが、彼女の指弾きベースの低音が、全体のバンドサウンドの音数が少ない分だけ余計に映えて最高に心地良い。

しっとりとした"At the drop of a hat"の後には、アップテンポな"NO GOD"と"H-G-K"と続いた。痛感するのは各楽曲の持っていたメロディが際立っている点だ。歌メロだけでなく、全楽器が歌っている。また今回のセットのためにKANAMIが全楽曲のアレンジを変えてきており、通常の倍の時間が準備に掛かっていたらしい。

ここでセットが変わり、SAIKIとKANAMIの2人だけで向かい合って"Different"と"Manners"が披露された。ボーカルとアコギだけのシンプルな編成が美しさを強調する。SAIKIを独り占め出来るKANAMIが嬉しそう。そしてMISAが加わり3人で"Awkward"と"Wonderland"。ベースが重なることで安定感が違う。MISAのプレイから目と耳が離せなかった。

続いてはMIKU、MISA、AKANEの3人。ギター、ベース、ドラムのミニマムバンド編成で、"TIME"と"サヨナキドリ"のMIKUボーカル曲。もはやKANAMIがいなくても1人でギターを張れるMIKUの成長が頼もしく感じる。驚いたのはAKANEとMISAも高音でコーラスを歌っていたことだ。これもかなり練習を積んだらしい。

さらに今度はSAIKI、MIKU、AKANEの3人で"FORWARD"。重なり合うツインボーカルに、AKANEはカホンを巧みに叩いている。このバンドのメンバー層の厚みに感心させられる。

再び5人が集まって"カタルシス"を演り始めた。これだけ色々な編成を見せられた後に見るフルメンバーは、最初とは違って見え無敵感が半端なかった。夕焼けから夜景に変化していく窓の外の情景も、重なり合う5人の演奏とハーモニーに調和していく。

"Mirage"から和やかなメンバートークを交えた後、ラストに演奏されたのは"Page"と、終盤はアルバム「CONQUEROR」からのナンバーが彩った。彼女らのディスコグラフィーの中でも特にメロディアスなアルバムである今作は、私が最も好きな1枚。メンバー達もこのアルバムを作って良かったと言っていた。

これまで彼女らはハードロックバンドとしてゴリンゴリンに攻め立てるライブを信条としていたし、それが魅力だった。しかし今回のアコースティックライブでは、彼女らの備えていた美しいメロディに焦点を当てたものだった。それは確かな演奏力を備えた今の彼女達だから成し得たものなのだが、もはや別のバンドを見ているかのような驚きがあった。

ちなみに、配信映像にはオーディオコメンタリーバージョンもあり、全編に渡ってメンバー全員のコメントも聞くことが出来た。アコースティックセットの準備の裏話など愉しませてもらったが、売れていなかった結成2年目に解散の危機があったという話は衝撃的だった。お給仕終了後に来年の全米ツアーが発表されたように、今や彼女らは世界中から熱い呼び声を集めるまでに至った。結成10周年を控えてもなお底の知れないこのバンドの今後のさらなる飛躍を願ってやまない。

1. Smile
2. At the drop of a hat
3. NO GOD
4. H-G-K
5. Different
6. Manners
7. Awkward
8. Wonderland
9. TIME
10. サヨナキドリ
11. FORWARD
12. カタルシス
13. Mirage
14. PAGE

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il cremonese 「A peaceful death」 (2016)

無題

01 奏でる命の音色
02 汚れた哀婉
03 君の夢と僕
04 終わらない唄を
05 意識は透明
06 You're fucking beautiful
07 Panikhida
08 Daydream of the ideals
09 幸せな血涙
10 these tears won't wash you away
11 A peaceful death
12 このノイズの先には
13 心に残して
14 想いを乗せて
15 鮮やかに色づいて
16 Hold hands with you
17 君へ贈る最後の言葉
18 COLOR
19 Heart (bonus)

昨年娘に教えてもらったボカロの世界。毎週のように娘は新たに見つけた楽曲をお勧めしてくれたのだが、どれもなかなかカッコ良い曲で我が娘ながら良いセンスをしていると感心した。

色々と聴くにつれ作曲家(P)によってポップやロック、R&Bや打ち込み系など様々なジャンルに細分化されていることを知った。そんな中で私自身が最も感銘を受けたのがこの人である。

かるび太郎さん、通称オカメP。私は海外ファンの英語の書き込みによって知ったのだが、この方の作るサウンドはボカロ界でも異色なほどにヘヴィだった。恐らく私と近い世代だと思うが、グランジ・オルタナからヘヴィロック・エモスクリーモを通過してきた影響が強い。自身で弾いている激しく重厚なギターリフと重いリズムが特徴的。ここに初音ミクのDark Appendや巡音ルカなどの無機質な高音ボカロが乗るのだが、このギャップが不思議にマッチしている。

さらにこの方は元々クラシック畑出身ということもあり紡ぐメロディラインが非常に美しく、ピアノやシンセも重ね合わせて幻想的な世界を創っている。様々なタイプの楽曲があるが、雰囲気的にはゴシックメタルという形容が一番近い気がする。全曲良いのだが特にM5、M10、M14、M17は佳曲。

そしてもう一つ特徴的なのが歌詞である。悲しいほどに死生観が色濃く現れているのだが、それは死別の経験であったり、この方自身が大病を患っていることに由来している。迫る死に対する諦観、死を覚悟した上での他者への穏やかな目線。激しいサウンドに乗るそうした言葉は聴く者の心に刺さる。

元々ゲーム音楽のコンポーザーをされていたようだが、それもあってか作曲ペースが恐ろしく早かった。このアルバムはil cremonese名義で発表された4枚目の作品だが、ここまでのアルバム4枚は全てウェブ上で無料配布されていた。私も最初それで知ったのだが、振り込めない詐欺という言葉が思い浮かぶほどにどれもクオリティが高かった。以降の作品はiTunes等で購入出来た。

国内外の熱心なファンはこの方が命を削りながら素晴らしい音楽を作り続けているのを知っているが、この激しくも美しい音楽が1人でも多くの人に届けば良いと思う。


ハチ 「OFFICIAL ORANGE」 (2010)

OFFICIAL ORANGE
ハチ
リイシューレコーズ
2013-10-23





01 パンダヒーロー
02 演劇テレプシコーラ
03 リンネ
04 神様と林檎飴
05 結んで開いて羅刹と骸
06 沙上の夢喰い少女
07 病棟305号室
08 眩暈電話
09 マトリョシカ
10 白痴
11 ワンダーランドと羊の歌
12 遊園市街

昨年娘に教えてもらったボカロの世界だったが、実は私はそれ以前から1枚だけボカロのCDを持っていた。最近はめっきり行かなくなったが、かつては渋谷のタワーレコードに定期的に通っていた。国内最大級の膨大な品揃えを誇ることに加え、試聴機が数多く並んでおり、最新の音楽をチェックするには最適な場所だった。また店内にも常に良質な音楽が流れており、それを聴きつい衝動買いしてしまったことも少なくない。

このCDもそうした中の1枚だった。非常に勢いのある曲展開のロックサウンドと、めくるめくメロディ。実力のあるバンドだと思ったし、高音の女性ボーカルは少し電子処理しているが、普通に人間が歌っているものだと思っていた。最後の曲まで聴いた後で平積みの棚から1枚レジに持って行った。

後で知ったのは、このハチというアーティスト名は今をときめく米津玄師の別名であり、この音楽はバンドではなく彼がたった1人で宅録で作ったものであるということ。そしてこの歌もボーカロイドというソフトを使用しているということだった。これには驚いたものだった。

このアルバムは面白い構成を取っている。M1, M3, M5, M7, M9という奇数のマイナーコード楽曲と、M2, M4, M6, M8, M10といった偶数のメジャーコード楽曲が常に交互に流れてくる。これが聴き手を飽きさせない。

当時ニコニコ動画で発表されて有名な曲はマイナーコード楽曲に多い。一番有名なのはYouTubeでも視聴回数3800万のモンスターヒットとなったM9だろう。M1とM5も1000万を超える代表曲だ。とにかく奇数曲はどれもアップテンポでカッコ良いのだが、特にフックのあるギターリフが聴き所で、よくこれだけのリフを思い付くものだと感心してしまう。

一方でメジャーコードの偶数曲はあまり広く知られていないが、これも佳曲揃いだ。非常に煌びやかなメロディが飛び交い、音作りもメリーゴーランドのような楽しさだ。個人的なハイライトは突き抜けるような高揚感のM10だ。

歌詞は難解で一聴では理解し辛いが、よく読むとかなりシュールな内容になっている。動画もほとんど自分で制作しており、そのデザインや構成は秀逸。何とも多才な人である。しかもこの当時彼はまだ十代だったという。

ちなみにM5は和風な曲でアルバム中でも異色なのだが、私の娘も自分で動画を見つけて曲調を気に入り私にURLを送ってきた。しかしこの曲は動画も歌詞もまるで怪談のようで、今では娘は怖がってこの曲は聴きたがらない。

彼は他のボカロPと違い活動初期から歌うボーカロイドの名前もキャラクターも一切前面には出さずに自分の音楽だけで勝負していた。そこに彼のプロ意識があった。米津玄師という本名で活動を始めた以降を私は聴いていないので語ることは出来ないが、始めからこれだけの高い才能と意識を持っていれば、今の成功も当然だろうと思うのだった。


BAND-MAID ONLINE OKYU-JI 2021.2.11

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2月11日にメイドハードロックバンドBAND-MAID のオンラインお給仕が開催された。本来ならこの日は長い間待ち望んでいた初の日本武道館公演となるはずだった。昨年7月に初めてオンラインお給仕を観戦した時は、翌年には流石に収束し晴れて武道館で観られるだろうと楽観視していた。しかし収束するどころか、2回目の非常事態宣言が発令中の有り様。さぞメンバー達は落胆したことだろうと思っていた。

しかし彼女達はそんな様子は一切見せていなかった。ライブに先立って先月リリースされた新作「Unseen World」では、長きに渡るステイホーム期間中にただひたすら演奏テクニックの磨き上げと、楽曲制作に打ち込んだ結果を見せつけた強力なアルバムだった。そしてそれはライブでも同様だった。

オープニングはアルバムと同じく厳かなイントロから勢いよく"Warning"でスタート。そこから立て続けに"DICE", "Screaming", "I Can't Live Without You"とアッパーなナンバーを叩きつける。5曲目には新作から歴代最も激しい"BLACK HOLE"。限界突破なセットリストとは聞いていたが、それを痛切に実感する。

MIKUのMCの後、スクリーンには時計が巻き戻される様子が映し出される。Road to BAND-MAIDということで、このパートでは歴史を俯瞰するようにデビュー曲"Thrill"から"Don't You Tell Me"まで計7曲が時系列順に演奏された。

黒姫SAIKIのボーカルは無観客もお構いなしに強力にバンドを牽引する。左に立つメイドMIKUのリズムギターも小気味良くハモリも綺麗。KANAMIの天を駆けるようなギターソロには引き込まれるし、MISAの地を這うようなベースも相変わらず良い音をさせている。KANAMIはタッピング、MISAはスラッピングというそれぞれお得意の飛び道具も披露し魅了していた。AKANEのドラミングも凄いのだが、カメラに映る度に笑顔や変顔を見せる余裕が一体どこにあるのかよく分からない。

MIKUとSAIKIのMCの後、今度は現在のBAND-MAIDということで、"After Life"や"NO GOD"など主に新作からテクニカルな4曲。彼女らの成長が感じられる構成だ。

お約束のMIKUのおまじないタイムに続いてはMIKUボーカルによる"サヨナキドリ"も披露された。

意外だったのはSAIKIのMC。彼女の慣れないMCと、それに続いてKANAMIのアコギのみをバックに歌い始めた"about Us"では、コロナ禍におけるファンへの想いに溢れるものだった。そこから名バラード"Daydreaming"への流れも最高だった。各楽器が大暴れするインストの名曲"onset"に至ってはもうじっとしていられず。

この後に機材トラブルがあり、しばらくゆる〜いおしゃべりタイムが展開した。なかなか演奏が再開しなかったが、各メンバーの新楽器紹介やSAIKIの誕生日祝い、楽器隊3人による盛り上げなど、メンバー間の仲の良さが垣間見れた。この中で英会話を練習しているというKANAMIが海外に向けて英語で話していたが、MIKUもせめてこれ位話せれば良いのにと思った。この日Twitterの全米トレンド4位になるほど海外視聴者がいるのだから。

再開した"Choose Me"からはラストスパート。"Blooming", "Different", "Giovanni"と怒涛のナンバーで攻め立て、最後は"DOMINATION"で大団円となった。

計28曲、2時間半に渡るライブはこれ以上ないほどの充足感を与えてくれた。それだけにやはりこれを武道館で見たかったという思いを抱いた。曲間に歓声を届けられないのはどうしても寂しいものがあるのだが、しかし実際に武道館で決行していたとしても結局歓声を上げることも一緒に歌うことも出来なかったのだろう。収束後のリベンジ武道館が早く実現することを待つとしよう。

<setlist>
01.Warning!
02.DICE
03.Screaming
04.I can't live without you.
05.BLACK HOLE
MC (MIKU)
06.Thrill
07.REAL EXISTENCE
08.Don't let me down
09.alone
10.FREEDOM
11.YOLO
12.Don't you tell ME
MC (MIKU & SAIKI)
13.After Life
14.NO GOD
15.輪廻
16.without holding back (instrumental)
MC (MIKUおまじない)
17.サヨナキドリ
MC (SAIKI)
18.about Us
19.Daydreaming
20.Mirage
21.Bubble
22.Manners
23.onset (instrumental)
MC (スーパーぐだぐだタイム)
24.Choose me
25.Blooming
26.Different
27.Giovanni
28.DOMINATION


HATSUNE MIKU 10th Anniversary Album 「Re:Start」(2017)



■Disc-1■
1. アンノウン・マザーグース / wowaka feat.初音ミク
2. ヒバナ / DECO*27 feat.初音ミク
3. ボロボロだ / n-buna feat.初音ミク
4. Initial song / 40mP feat.初音ミク
5. 大江戸ジュリアナイト / Mitchie M feat.初音ミク with KAITO
6. リバースユニバース / ナユタン星人 feat.初音ミク
7. 快晴 / Orangestar feat.初音ミク
8. それでも僕は歌わなくちゃ / Neru feat.初音ミク
9. ひとごろしのバケモノ / 和田たけあき(くらげP) feat.初音ミク
10. 君が生きてなくてよかった / ピノキオピー feat.初音ミク
11. 神様からのアンケート / れるりり feat.初音ミク
12. Steppër / halyosy feat.初音ミク、鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカ、KAITO、MEIKO

■Disc-2■
1. みんなみくみくにしてあげる♪ / MOSAIC.WAV×鶴田加茂 feat.初音ミク
2. Tell Your World / livetune feat.初音ミク
3. 千本桜 / 黒うさP feat.初音ミク
4. 初音ミクの消失 / cosMo@暴走P feat.初音ミク
5. ロミオとシンデレラ / doriko feat.初音ミク
6. 独りんぼエンヴィー / koyori(電ポルP) feat.初音ミク
7. カゲロウデイズ / じん
8. from Y to Y / ジミーサムP feat.初音ミク
9. *ハロー、プラネット。 / sasakure.UK feat.初音ミク
10. BadBye / koma'n feat.初音ミク
11. オレンジ / トーマ feat.初音ミク
12. ハジメテノオト / malo feat.初音ミク

以前取り上げたBAND-MAIDの娘への普及活動は残念ながら失敗に終わった。今娘はヴァーチャルのものにしか興味を示さないのだ。そんな彼女が今ハマっている音楽は初音ミクらしい。YouTubeで色んな動画を見て自分の好きな曲を見つけては、親友とダンスの練習をしているという。

そんな彼女が今年もまた誕生日を迎え、今月8日で11歳となった。プレゼントに悩んだ結果、今年はこの初音ミクのCDを探して渡した。事前に好きな曲のタイトルを一通り教えてもらっていたのだが、そのうちの2曲"千本桜"と"ヒバナ"が収録されていた。CDというパッケージ自体が今や時代遅れなのは承知の上である。

プレゼントするからには私自身も少しは理解すべく調べてみた。初音ミクとはボーカロイドというDTM(デスクトップミュージック)用の歌声合成ソフトであり、そのキャラクターの二次創作の自由さもあり一気に浸透したらしい。以前この初音ミクのAIホログラムと擬似結婚した男性がニュースになっていたが、国内だけでなく海外でも熱狂的人気を集めているようだ。

実は私も最近iPhoneでGarage Bandというアプリを見つけ、作曲の真似事をしてみている。まだまだ上手くいかないのだが、この先にこのソフトがあれば、宅録で簡単に女性ボーカルを乗せることが出来るのだろう。そう考えると今の技術に驚くし、このようなバーチャル文化を生み出すのは日本らしいとも感心するのだった。

CDは娘も喜んでくれたので良かった。私も聴いてみたが、過去10年のベストコンピということで、色んな作曲家の様々なタイプの楽曲が並んでいる。個人的には打ち込み系よりロックフォーマットの方が好みだが、どれも曲質は高い。とても私にはこんな曲は作れないな。

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