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1. End Of The Beginning
2. God Is Dead?
3. Loner
4. Zeitgeist
5. Age Of Reason
6. Live Forever
7. Damaged Soul
8. Dear Father
9. Naivete In Black
Bonus Disc
1. Methademic
2. Peace Of Mind
3. Pariah
再結成したBlack Sabbathの新作がようやくリリースされた。35年振りだというオリジナルメンバーでの新作が聴けることが喜ばしい。唯一Bill Wardがいないのが残念だが。今回Ozzyバンドのドラマーを起用する案もあったようだが、よりBillのスタイルに似ているドラマーの方が相応しいというプロデューサーRick Rubinの強い主張により、Rage Against The MachineのBrad Wilkが起用されている。
Rickはかねてよりメンバーには再結成の際には自分がプロデュースするという旨をアピールしていたらしく、今回のこだわりは相当なものがあったようだ。まず最初にメンバーに1stを聴かせそこへ立ち戻るように促したというが、メンバーにとっては大急ぎで作った1stよりも自分達の最も満足いくものとなった「Vol.4」と「Sabbath Bloody Sabbath」の間に来るアルバムという位置付けをしている。
実際に聴いた感じとしてはやはり初期の方向性が強く出ているという印象だ。ヘヴィなTonyのリフがスローに刻まれ、そこに怪しいOzzyのボーカルが乗り、長尺の中で展開しながら徐々にテンポアップしていくのは彼らがオリジネイターであるドゥームの典型的スタイルだ。またM7のようなブルージーなジャムがあるのは1stを思わせるし、M4のような静かな曲が挿入されるのは3rd以降の特徴だ。M8のラストが鐘の音で終わるのも、1stの冒頭と呼応している。
このアルバムを聴いて痛感するのはTonyの凄まじさだ。本当か分からないが1000以上あるというリフストックの中から厳選し楽曲を作り上げた彼のリフマスターっぷりももちろんだが、何よりも自身の癌との闘病も並行しながらも、これが最後のチャンスになるのだという思いで制作にあたった彼の気迫に頭が下がる。
どうやらこの新作は米英ともに初登場1位を記録したらしい。先月の来日公演の中でOzzyが「また来年も来ようか?」と言っていたが、新作のプロモーションとしての単独来日は果たしてあるのだろうか。もしその時はBillも復帰していたらこれ以上嬉しいことはないのだが。
★★★★