Movies

「I am Sam Original Soundtrack」John Powell (2002)

アイ・アム・サム【UHQCD】
ジョン・パウエル
Rambling RECORDS
2018-03-07


1. Starbucks & Hospital
2. It's OK Daddy
3. Sam's Friends
4. Reading Together
5. At The Park
6. The Birthday Party
7. Rita
8. Sam Visits Lucy
9. Buying Shoes
10. Lucy Runs And Sam Loses
11. Annie's Father
12. Making Coffee
13. Kramer v. Kramer
14. Torn Away
15. Lucy Paints, Sam Makes Origami
16. Lucy, Calm Down
17. Nighttime Visit
18. I'm Getting More From This
19. On The Stairs

せっかくのゴールデンウィークも外出自粛のため、久しぶりに自宅で映画を観ていた。昔は毎週1本は欠かさないほど映画好きだったが、最近はほとんど観ていなかった。今日は私の中で泣ける映画ランキングベスト3に入る名作を取り上げたい。

知的障害者であるSamと、7歳の娘Lucy。養育能力を疑われ引き離される2人が、周囲の助けを得ながらお互いを取り戻そうとするドラマ。主演のSean Pennの演技は素晴らしく、子役のDacota Fanningもこの頃は本当に可愛かった。 (後年の「ランナウェイズ」での変わりようには驚かされた。。)

初めて観た時はまだ独身だったが、実際に娘を持つ父親になってから改めて観るとより泣ける。子供にとって何が一番大切なのか。障害の有無に関わらず、子供に対してどれだけ愛情を伝えることができているか。感動と同時に色々考えさせられた。

ちなみに一番好きなシーンはLucyがSamと面会した際に観察官に対して言ったセリフ。”Did you hear that !? I said I was sorry ! I said I don't want any daddy but him ! Why don't you write that down ! ” ここは決壊必至なので、人前では観られない。

この映画は音楽も聴きものだ。SamがThe  Beatles好きなため、娘の名前もLucy Diamond。そしてバックにも随所にBeatlesナンバーが流れる。どれもカヴァーなのだが、各アーティストがそれぞれ個性的に表現していてサントラを聴くだけでも楽しめる。

しかし私が最も好きなのは、実はもう1つのインストの方のスコアサントラ。この制作は映画音楽家John Powellによるもので、全編に渡り非常に爽やかなアコースティック作品になっている。明るい場面では軽快なリズムで、悲しい場面ではしんみりと奏でられるが、仮に映画を観ていなくても癒しの1枚として充分重宝すると思う。映画と音楽の理想的な共演である。

 

「ジョアン・ジルベルトを探して」

joao

ジョアン・ジルベルト(Joao Gilberto, 1931-2019)、ボサノヴァの創始者。この映画「ジョアン・ジルベルトを探して(Where are you, Joao Gilberto, 2018)」の日本公開が決定したのは6月上旬だったと思う。以来楽しみにしていたのだが、7月7日に流れたニュースに愕然とした。ジョアン・ジルベルト他界。享年88歳だった。

勘違いする人もいるかもしれないが、この映画はよくある偉大な音楽家を讃えるドキュメンタリー映画とは製作意図が全く異なる。元になっているのは、ドイツ人作家マーク・フィッシャー(Mark Fischer)の著書「Ho Ba La La」。これは彼が憧れたジョアンを探してブラジルを訪ね歩いた記録だが、その願いは叶わず本著出版直前に自死を遂げている。この本に共鳴したフランス人監督ジョルジュ・ガショ(Georges Gachot)が彼の意思を引き継いだのがこの映画である。

リオデジャネイロにディアマンティーナ、5年前のマークの足跡を辿る。ミュージシャン仲間、元妻、料理人、理髪師、マークが会ったジョアンを知る関係者を訪ね歩く。10年以上雲隠れしているジョアンを探しながら、同時にマークも探しているかのよう。テレビ、レコードショップ、人々の歌声、リオの街中にジョアンの音楽は流れている。しかしリオにいるはずのジョアンには辿り着けない。

ジョアンに会いたい。ドア越しでもいいから、”Ho Ba La La”を聴かせてほしい。死んだマークのために。そんなジョルジュ監督の想いの詰まった映画だった。


『フリーソロ』

Free Solo (fka Solo) [DVD]
National Geographic
2019-03-05






先日の台湾出張の際に飛行機の中で観た映画。一緒に行った同僚は趣味でボルダリングをしているので、彼女と一緒に観てみたのだが、これが凄まじかった。

主人公はアメリカのトップクライマー、アレックス・ホノルド(Alex Honnold, 1985-)。映画の中で彼が最初に登るのはヨセミテ国立公園のハーフドーム。ヨセミテは緑の森とそれを囲む白い断崖絶壁のコントラストが美しい大渓谷で、その奥にハーフドームはある。ほぼ垂直の絶壁をロープもビレイも使わずに登っていくのだが、1つ指先やつま先を滑らせただけで死へと直結する。映し出される絶景はこの上なく美しい。しかしそこで繰り広げられる超人的なクライミングは見ているだけでも恐ろしい。

そして彼が最後に目指すのは同じヨセミテにある聖地エルキャピタン。かつて誰もフリーソロで成功した者がいない975mの絶壁だ。これはアクション映画などではない。死を撮影することになるかもしれないというカメラクルー達の苦悩。彼を応援しきれない恋人の心境。怪我を克服しつつも、そうした周囲のプレッシャーと恐怖に苛まれるアレックスの葛藤。全てがリアルに晒け出されている。2年間かけてルートを確認し、全てのムーブを頭に叩き込み、登り始める。最後の20分間は神懸かり的だった。

本作は本国でアカデミー賞を受賞。日本では9月に公開予定となっている。


『ボヘミアン・ラプソディ』

queen

この映画はひょっとしたら陽の目を見ることはないんじゃないかと思っていた。日頃音楽ニュースサイトを見ているのだが、この映画の製作はかなり前にスタートしていたにも関わらず、やれ監督がクビになったとか、主演が降板したとかいうニュースばかりだった。それがようやく公開されることになり、全米で大ヒット、日本でも絶賛されている。製作者の苦労も報われただろう。

実際に観てみて、前評判に違わぬ内容だった。元々彼らのバイオグラフィーはドラマティックではあるが、不必要な脚色もほとんどなく、基本的には忠実に事実に基づいて製作されていた。前監督はもっと生々しいものを作りたかったらしいが、ゲイの描写もあったりして充分リアルだったのではないかと思う。

ファンとしてはやはりQueenの音楽がふんだんに使われているのが嬉しい。初期Smile時代の”Doing Alright”から始まり、”Bohemian”や”Another One”のレコーディング風景など、特徴を良く捉えているメンバー達の演奏で堪能できた。そしてクライマックスのライブエイド21分ノーカットで、感動的に締められていた。

今でこそゲイやバイセクシャルに対する社会の理解は広がりつつあるが、当時はまだ軽蔑の対象であった。そんな中でAIDSを抱えながら彼が感じた孤独は、この映画でも描写されていたが実際はそれ以上だっただろう。当初予定されていたという彼の死までの闘いの描写も観てみたかった。


『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』

adios

映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』を観た。当初単にアディオスツアーのことを取り扱った続編ドキュメンタリーかと正直あまり期待していなかったのだが、実際は非常に見応えのある内容だった。

1999年に公開されたオリジナル映画の方は、キューバの老ミュージシャン達の当時の様子を良く捉えていたものだった。今作はもっとキューバの歴史やソンの起源などを掘り下げている。スペインからの独立、黒人差別、カストロの革命、ソンにおけるコンガの禁止、etc。

またメンバー1人1人の生い立ち、若かりし頃の貴重な映像も見られる。知らなかったのは、オマーラ・ポルテゥオンドがまだ若かった頃姉妹で歌っていた後ろで、イブライム・フェレールがバックシンガーとして歌っていたこと。その後オマーラはソロとして成功した一方で、イブライムは素晴らしい歌声を持ちながらも陽の目を見ずに引退した。2人で情感深く歌っていた背景にはこうした歴史があったのだ。

アムステルダム公演前のリハーサル場面も印象的だった。エリアデス・オチョアにとってコンパイ・セグンドは憧れの大先輩だったのだが、リハーサルでエリアデスはコンパイにギターのキーが外れていると指摘し、これに対してコンパイが激昂する。公演中2人は笑い合いながら演奏していたが、裏にこんな経緯があったからこそあの笑顔だったのだというのも初めて知った。

今は亡きコンパイ、ルベーン、イブライムら愛すべき老名手達の葬儀の様子も観ることが出来て良かった。イブラヒムの追悼公演でのオマーラの熱唱には目頭が熱くなった。

オバマ大統領時代にホワイトハウスに招かれたというのはニュースで知ってはいたが、この時の様子も収録されていた。あの時は両国の明るい未来を夢見たが、トランプ時代の今となってはもはや遠い過去のようである。


『リメンバー・ミー』

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先日娘と映画「リメンバー・ミー」(原題「Coco」)を観に行ってきました。ディズニー映画はこれまで「アナ雪」「インサイドヘッド」「ズートピア」と毎回娘に付き合わされてましたが、今回の「リメンバー・ミー」はテーマが音楽ということで、むしろ私の方が楽しみにしていました。

この映画の舞台はメキシコ。主人公はギターを弾いて歌うのが大好きな少年ミゲル。しかし彼の一家は、曽曽祖父が音楽のために家族を置いて出ていって以来、代々音楽が禁止されています。音楽か家族の二者択一を迫られたミゲルが、死者の日になぜか死者の国に迷い込む。そこで自分の曽曽祖父かもしれない伝説のミュージシャン・デラクルスを探しに冒険するというのが大まかなストーリー。

序盤からガイコツばかり出てくるし、ディズニー映画にしては結構ドロドロしていたので、大人は楽しめましたが、娘は途中怖がって耳を塞いでいました。でも最後は泣いていたから、一応ある程度理解してたのかな。

さて注目すべきはメキシコ音楽。ギターの弾き語りやマリアッチ、現代的なアレンジのものまで、様々なスタイルのメキシコ音楽が溢れています。”ベサメムーチョ”など名曲のカヴァーもあるが、それ以上に”Remember Me”など書き下ろしのオリジナル曲が良い。これはやはり日本語ではなくスペイン語バージョンで聴くべきでしょう。また死者の日には死んだ祖先が帰ってくるなど、メキシコの伝統文化を知る上でも興味深いものでした。

元々移民の国であったアメリカでは、現在トランプによって白人至上主義がまかり通るようになりました。メキシコとの国境には壁の建設が主張され、経済的な圧迫も危惧されています。しかしアメリカには現在黒人以上にメキシコ系移民がおり、ハリウッドやピクサーの製作陣にも少なくありません。この映画はそうした彼らのメキシカンとしての誇りの結晶なのでしょう。

 

「ゴッホ~最期の手紙~」

gogh

映画「ゴッホ~最期の手紙~」を観てきました。TOHOシネマ上野広小路はオープン初日だったため激混みでした。

この映画、ゴッホの動く油絵を体験できるという少し変わった趣向。実際には俳優達の演技を撮影したものを元に、ゴッホの画風を習得した125人の画家達による62,450枚の絵を繋いでアニメーション化しています。

舞台は「夜のカフェテラス」「オーヴェルの教会」「カラスのいる麦畑」「星月夜」etc、登場人物は「郵便配達夫ジョセフルーラン」「タンギー爺さん」「医師ガシェ」etc。彼の有名な風景画がそのまま舞台となり、有名な肖像画がそのまま登場人物となっています。またその中で雲や表情などの動きを表すために少しずつ塗り重ねられている様子が、ゴッホの厚塗りの一筆一筆をより魅力的に魅せています。

こうした構成だけでなく、ストーリーも秀逸。ゴッホの生前最期の手紙を郵便配達夫ジョセフから託された息子のアルマンが、それを手渡すべき人物を探し奔走するというもの。ゴッホの弟テオの死を知った後、最期の地であるオーヴェールに辿り着き、そこでゴッホの死は自殺ではなかったのではという疑問を抱きます。どこまで真実なのか分かりませんが、意外な結末には感動させられました。

波乱に満ちた生涯と鮮烈な作品の数々で、ゴッホは日本でも非常に人気の高い画家ですが、これはファンならずとも観るべき映画だと思います。


 

『セザンヌと過ごした時間』

paul

先日映画『セザンヌと過ごした時間 (Cezanne Et Moi) 』を観に横浜の映画館ジャック&ベティに行ってきました。

印象派の画家も色々いる中で、個人的にはシスレーやピサロあたりは好きなのですが、正直セザンヌの画風はそれほど興味があるわけではありませんでした。ただ彼のサント・ヴィクトワール山を描いた一連の作品には惹かれるものがあったのと、この頃の画家達を取り巻く時代背景に興味がありました。

この映画はセザンヌと小説家エミール・ゾラの友情が主題になっています。移り住んだパリでマネやルノワールら新気鋭の画家達と成功を夢見るが、印象派勃興後に周囲が皆成功を収めていく一方で、セザンヌはなかなかうだつが上がらない。売れなかった画家というのは少なくありませんが、周りが成功している中で自分だけというのは辛いはず。そんなセザンヌをゾラは長年応援し続けるが、ある時その友情にも亀裂が入ることになります。

一番印象的だったのは彼らの地元である南仏エクス・アン・プロヴァンスの風景。一面太陽と緑と山の広がる大自然は、他の印象派画家が描いていたパリ近郊の景色とは比較にならないほど美しく、これがあったからこそセザンヌは最期まで描き続けることを辞めなかったのではないかと思いました。


『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー 永遠の3秒』

doisneau

以前取り上げたこともある写真家ロベール・ドアノーのドキュメンタリー映画が上映されていたので、東京都写真美術館へ観に行ってきました。

彼はフランス・パリ郊外ジャンティイ出身。最初はルノーの工場内記録係として勤務した後に独立。戦後再興するパリの街角や逞しく生きる庶民の生活を撮り続けました。ヴォーグなどのファッション誌用にも撮っていましたが、上流階級のモデルを撮るのは好きではなかったというのも彼らしい。

この映画の監督クレモンティーヌ・ドルティルはロベールの実孫。彼女自身含め、多くの家族や友人が写真のモデルになっていたらしい。有名な「パリ市庁舎前のキス」も役者を使っていたというのも、演出家として考えれば別段特別なことではなかったのでしょう (個人的にこの作品には全く思い入れはないのですが)。

私は彼の初期のモノクロ写真の多くに感じられるユーモアや人々への温かい視線が好きなのですが、後年の作品はカラーになった一方で無人なのが疑問でした。ここには彼の近代開発に対する批判的意図があったようです。

最後には地球の反対側の日本における彼の人気ぶりも紹介されていました。彼は1994年に他界しましたが、今後も彼の作品は世界中で愛され続けていくことでしょう。

ちなみに今同じタイミングで東京工芸大学の写大ギャラリーでロベールドアノー写真展「ドアノーのパリ劇場」も開催されているので、合わせて是非。


坂本龍一 『Merry Christmas Mr. Lawrence』 (1983)

戦場のメリー・クリスマス
坂本龍一
ミディ
1993-09-21





01. Merry Christmas Mr. Lawrence
02. Batavia
03. Germination
04. A Hearty Breakfast
05. Before The War
06. The Seed and The Sower
07. A Brief Encounter
08. Ride, Ride, Ride (Cellier’s Brother’s Song)
09. The Fight
10. Father Christmas
11. Dismissed
12. Assembly
13. Beyond Reason
14. Sowing The Seed
15. 23rd Psalm
16. Last Regrets
17. Ride, Ride, Ride
18. The Seed
19. Forbidden Colors (ft. David Sylvian)

今日は世の中はクリスマス。正直私は娘へプレゼントを買うこと以外はもはや何も感慨もなく、毎年この時期は街中のあらゆる場所で流れるお決まりのクリスマスソングに辟易してしまっています。

そんな中で私の耳が喜ぶ数少ないクリスマスソングの代表格が、坂本龍一の”Merry Christmas Mr. Lawrence (戦場のメリークリスマス)”。1983年の同名映画の有名なテーマ曲です。

今年はDavid Bowieも亡くなってしまったので、映画も改めて観ました。監督は大島渚、主演がDavid Bowieに坂本龍一にビートたけしという豪華キャスト。個人的には実際このような看守と捕虜の友情なんてものが存在するのかというひねくれた思いで観てしまうのですが、何よりも2人の日英の大音楽家が銀幕の中で熱演対峙しているのは見ものです。

またこれはサントラも聴きもの。まずはやはりタイトル曲M1。舞台は南国でしたが、むしろ降りしきる雪景色に似合います。不思議と何度聴いても飽きない名曲です。またDavid Bowieの小さい弟が透き通る声で歌っていたM8や、兵士達による温かい賛美歌M15も良いです。ちなみにこのサントラは数年前に30周年記念盤も出ていました。

 
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