Aerosmith

スティーブン・タイラー自伝 「Does the noise in my head bother you?」

スティーヴン・タイラー自伝スティーヴン・タイラー自伝
スティーヴン・タイラー Steven Tyler

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第1章 周りばかり見てる夢想家
第2章 ニキビとチクビ
第3章 誰も吹かない笛(パイプ)
第4章 俺の真っ赤なパラシュート(そして、そのほかの夢)
第5章 "韻文中毒者"の告白
第6章 羊飼いの少女(リトル・ボー・ピープ)、グリッター・クイーン、そして黄色いコルベットの女
第7章 屋根裏部屋のノイズ(粉雪の日々)
第8章 チン士淑女の皆様……俺は悪いやつじゃない(ただエゴが強いだけだ)
第9章 いい面、ワルな面、惨めな面……ヘミングウェイ攻め
第10章 一家団らんのピクニックで食中毒騒ぎ
第11章 中年期に差しかかった男の迷い
第12章 お前が終わり、俺が始まる場所……もう一度(女神)
第13章 楽園でトラブル(すばらしい生活が制御不能に)
第13.5章 ビルボード誌のアバズレ女神
第14章 ホーリー・スモーク、グランド・パシュミナを求めて、残り20サマーの恐怖
第15章 ザンジバルに往きて帰りし物語
第16章 恋に落ちるとヒザを傷める
第17章 俺の心の中を歩く

昨年来日して全国ツアーを行い、素晴らしいショーを見せてくれたAerosmith。そのAerosmithのボーカルSteven Tylerの自伝が昨年本国で出版されて話題になっていたが、半年ほど遅れて和訳版がようやく出版された。

全編を通して妙にテンションの高い文体で、様々な雑学と独特の感性がつづられている。イジメから逃げるために不良グループの仲間入りし、そのままドラマーとして音楽人生をスタートした。そしていつしかボーカルになった。Mick Jaggerに似ていたこともあり、Rolling Stonesの不良性にはやはり影響を受けていたようだが、歌唱やファッションについてはむしろJanis Joplinの影響が強かったようだ。

Joe Perryとの出会いについては詳しく書いていた。ただ一方で他のメンバーとの出会いはほぼ何も記載がない。これにはStevenの各メンバーに対する姿勢も垣間見えた。確かに彼の作曲能力・パフォーマンス・マネジメント能力がなければ、Aerosmithは今のような成功を収めることはできなかったと言っても過言ではないだろう。しかしそれによる主従関係に耐えられなくなったバンドがStevenに対して三下り半を突きつけたこともある。これだけ長い間同じメンバーでやってきたのは驚異的だが、やはり内実は色々ある。

またその内容の多くを占めるのはドラッグと女性のことばかりだった。散々やったドラッグの種類や量、グルーピーとの酒池肉林、繰り返されるリハビリの苦労、等々。当時のロックスターなら当然のことではあるし、この手は話題になるが、個人的にはあまり興味がなかった。

Aerosmithの楽曲のほとんどを手掛けてきたStevenの自伝なのだから、もっと音楽的な内容を期待していた。しかし作詞については記載がある一方で、作曲面は残念ながらほとんどなかった。確かに今やアメリカを代表する大物スターがプライベートを赤裸々に綴った自伝はセンセーショナルかもしれない。しかし個人的には正直言ってこの自伝は期待外れだった。

もうすぐ出るという新作はどうだろうか。



Aerosmith 2011 Live Report



Aerosmith
2011.11.30 (Wed.) @ Tokyo Dome

私が初めてAerosmithを聴いたのは1989年。当時中学生だった私はアルバム「Pump」からハマった。この頃彼らは復活後の第二次全盛期を迎えていた。しかしその後グランジの隆盛とハードロックの衰退とともに私も離れてしまう。にもかかわらず、その後も彼らは変わりゆく時代の中で第一線から退くことなく、"I Don't Want To Miss A Thing"が全米No.1に輝くなど、第三次のピークを作り上げたのである。私は改めて彼らのスゴさを認識し、ライブを見たいと思ったのだが行けず。その後バンド内の紆余曲折にやきもきしながら待っていたが、それがようやく今回実現したのである。

参戦したのは東京ドームの2日目。私の席はS席アリーナだが、C1なので一番左端。ちょっと見辛い。しかも目の前には係員が見張りのために3人も終始こちらを向いて立っているので、非常に気になる。観客は皆いい大人なのだから、誰も席を移動したりしないのに。。

19時を5分くらい過ぎてから暗転と歓声。この時初めて知ったが、ステージ中央から客席へ花道が伸びていた。そしてその花道の先端にStevenとJoeが並んで立っていた。Stevenは黒い羽のついた鳥打帽子とサングラスに黒のロングジャケット。Joeは黒のレザージャケット。この二人が一本のマイクに向かって"Draw The Line"を歌う。初っぱなから会場は大盛り上がりだ。この2人の確執からバンドの活動がしばらく停止していたわけだが、また共に歩み始めたというのを最初に実感させてくれた。

ステージにはTomとBradが並んで弾いており、その後ろではJoeyが叩いているのも見える。そしてドラムセットの右側に星条旗も掛けてあった。震災後からこのように星条旗を掲げるようになったらしいが、今の彼らはもはやアメリカを代表するロックバンドなのだということを象徴しているかのように見えた。

2曲目"Love In Elevator"では"Wow, yeah!"の掛け声が場内に溢れる。最後はStevenが何度も"Japan !"と呼び掛けていた。3曲目には今ツアー初となる"Toys In The Attic"で場内大歓声。怒涛の勢いで畳み掛ける。

Stevenはすぐにジャケットを脱いで白いタンクトップになっていた。サングラスもはずしたが、さすかに顔のしわは歳を感じさせた。ただ先日風呂で転んだという顔の怪我はほとんど消えたようだった。何よりもそのパフォーマンスには驚かされた。高音、ファルセット、シャウトなど、オリジナルキーのまま本当に聴かせてくれた。またあの軽やかなステップ、マイクスタンドを蹴り上げたり振り回したりといったパフォーマンスも往年のままだった。

Joeも途中から脱いで黒のベストのみになっていたが、やはりムキムキの胸板を見せるべく、胸ははだけている。こんなカッコいい60はなかなかいないだろう。また彼はとにかく頻繁にギターを替えていた。ほとんどはフェンダーだったと思うが、全部で10回くらい替えていたんじゃないだろうか。Joeがリードボーカルを取るコーナーでは、Jimi Hendrixの"Red House"のカヴァーをしていたが、これはJoeにピッタリなブルースソングで、情感たっぷりに弾いてくれた。

"Big Ten Inch Record"の後、Stevenの紹介でJoeyのドラムソロもあった。こういうドラムソロのあるロックライブは久しぶりだなと思いながらも、手数の多く力強いソロに聞き惚れた。ドラムスティックを客席に投げ終了かと思いきや、今度は素手で叩き始める。頭で叩いて笑いも取っていた。一時期鬱病だったという話も聞いたが、彼はやはりエンターテイナーである。最後にはStevenもドラムスティックを持ってこれに加わり、二人して仲良く叩いた後に嬉しそうに抱き合っていた。二人はハイスクールの先輩後輩の仲だが、彼らの笑顔が印象的だった。

もう一人のギターBradはドラム袖にいてほとんど動いていなかったが、Stevenに紹介された後に短いソロを取り、そのまま彼のリードで"Last Child"に流れる。この時初めてBradも花道を歩いていた。こんなに長い年月オリジナルメンバーで活動してきたわけだから、ちゃんと全員の見せ場があるのが良い。

彼らのライブは日替り曲があるのもお楽しみなのだが、この日の日替りとして演奏されたのはアルバム「Toys In The Attic」のナンバーが多かった。3曲目のタイトル曲をはじめ、"Big Ten Inch Record"、"No More No More"まで。定番曲を含めると5曲にのぼった。"No More, No More "の時には「Toys In The Atticで一番のお気に入りなんだ」と紹介していた。

Stevenは公演中2回も客席に降りていって、観客と触れあいながら歌っていた。ドームでそんな光景を見たのは初だったが、本当に彼はファンサービス精神に溢れていると感じた。また彼のマイクスタンドの裏には"Lick Me"と書いてあったのも見えたが、60を超えてもそんなセクシーさと猥雑さを持っているのも流石だと思った。

最後にStevenはTomを紹介した。Tomはフィンガーピッキングで腹に心地よく響くベースソロを弾きながら花道を歩いてくる。そしてそのラインがいつしか聞き慣れた"Sweet Emotion"のフレーズへとつながる。会場は大合唱。大円団のうちに本編が終了した。

アンコールはStevenがいつの間にか先端に置いてある白いピアノに座っていた。戦艦ヤマトの白いジャケットを着ている。そして一人で弾き語りながら歌い始めたのは"Home Tonight"。63とは到底思えないハイトーンが息を飲む場内にどこまでも伸びてゆく。そしてそのまま"Dream On"へ。バンドが演奏に加わり、ソロの時に今度はJoeが弾きながら花道を歩いてきたかと思ったら、ピアノの上へと上がり弾き続けた。その後今度はStevenもピアノの上に立ち歌い上げる。これはなかなかカッコいい演出だった。

しっとりと感動的に聴かせた後は、今度は怒涛の勢いの"Train Kept Rolling"で畳み掛ける。バンドのジャムの後でJoeがアンプに向かってフィードバックを響かせたら、アンプから煙が上がるという演出もあった。そして最後は"Walk This Way"。ここにきてバックスクリーンには大きく日の丸国旗が映し出された。震災後の日本での公演ということで、彼らは想いを込めてやってきてくれていた。特にそうしたMCは何もなかったのだが、最後の最後でこの国旗が彼らの思いを全て代弁していたような気がして胸が熱くなった。

2時間を超えるセットリストが終了した。Stevenがメンバー紹介をし、最後に「Joe fucking Perry!!」と紹介すると、今度はJoeが「The demon of screaming! Mr. Steven Tyler !!」と返していた。正直言うとこの日見るまでは、彼らのライブを見るベストタイミングは逃してしまったかなと思っていた。しかしそれは大きな誤解だと痛感した。彼らは恐ろしいほどに現役だった。来年予定されてる新作も楽しみにしていよう。

01. Draw The Line
02. Love In An Elevator
03. Toys In The Attic
04. Jaded
05. Janie’s Got A Gun
06. Livin’ On The Edge
07. Big Ten Inch Record
08. Drum Solo
09. Lick And A Promise
10. Hangman Jury
11. What It Takes
12. Last Child
13. Red House (Jimi Hendrix cover)
14. Combination
15. No More No More
16. I Don’t Want To Miss A Thing
17. Cryin’
18. Sweet Emotion
---Encore---
19. Home Tonight ~ Dream On
20. Train Kept A Rollin’
21. Walk This Way


Aerosmith 来日決定



Aerosmithの来日が決定した。前回は2004年なのでもう7年ぶりになる。その時は知り合いに誘われていたにも関わらず、予定が合わず行けなかった。

その後Steven TylerとJoe Perryの仲違いのニュース。Stevenはソロ活動をするとか、アメリカンアイドルの審査員をやるという話が聞こえる一方で、JoeはそんなStevenはもうバンドを脱退したため新しいボーカルを探すという。いい歳をして何をやってるのかと呆れる一方で、もはやオリジナルメンバーでのライブを見ることは叶わないのだろうと半ば諦め、前回の来日で見られなかったことを悔やんだものだった。

しかし今年になって2人は歩み寄りを見せた。過去を水に流し、2人でまた曲作りを始め、今年中にはニューアルバムを出せるかもしれないという。そして今回の来日のニュース。待望であった。早速11/30の東京ドームを予約した。

実は先日偶然にもそのAerosmithのブートレッグのライブDVDを入手していた。これは20年ほど前のライブ映像なのだが、油の乗った素晴らしいパフォーマンスだった。この頃に比べると今の彼らは流石に歳を取っていることだろうが、きっとそれを感じさせないパフォーマンスを見せてくれると期待している。


Steven Tyler脱退?

 AerosmithからボーカルのSteven Tylerが脱退したというニュースが世界を駆け巡った。なんでもStevenがステージから落下したことによる怪我で、ツアーをキャンセルしてから、ギターのJoe Perryと口もきかないほど仲が悪くなってしまったという。Stevenが自身のサイトでソロ活動を始めると宣言したことをJoeは見て、Stevenは脱退したと判断したようだ。

 Aerosmithの過去の歴史の中で、80年代前半に一度Joeが脱退していたこともある。その際は代わりのギタリストを入れて活動を続けていた。今回もJoeは新しいボーカリストを入れてバンドを存続させると話していたが、Stevenに代わるボーカルなんているのか。Paul Rodgersを入れたQueenも微妙だったし。看板ボーカルの存在感が大きいほど難しい。こんなことなら、前回の来日時に無理をしてでもライブを見に行けばよかったと後悔した。

 しかしその後StevenがJoeのライブに飛び入りで参加したらしく、そのステージ上で「俺は脱退しない」と宣言したそうだ。ひとまずこれで一安心なのか?還暦を過ぎた今になって全く人騒がせな連中だが、まぁこれだけ大騒ぎになるのもまだまだビッグな存在である証拠だろう。個人的にはOasisよりもこちらの方が大きなニュースでした。



1989年の「Pump」より"Love In An Elevator"。リアルタイムで初めて知ったのはこの頃。最初は口がデカくて気持ち悪いボーカルだなぁと思っていた(笑)
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