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今年は生誕70年、没後30年ということで、作品群もリマスターでリリースされたりと、関連書籍も多数出版されたり、何かと話題になったJohn Lennon。ミュージアムには行ったが特にそうした商品には手を出さなかったが、この映画だけは気になっていたため、先日ようやく上映していた映画館に予定を合わせて観に行ってきた。新宿のKs Cinemaのレイトショー。事前に取った整理券も4番、小さな館内にも空席だらけ。もっと宣伝すれば一杯になるはずだし、全国一斉ロードショーになってもおかしくないのに、もったいない。
さて、観賞後の感想としては、非常に良い映画だった。この映画が描いているのは1950年代のリバプールにおける彼のグラマースクール時代。厳格なMimi伯母さんの元で育てられていたところ、George伯父さんの葬式をきっかけに、実の母Juliaが近所に住んでいたことを知る。そして奔放な彼女から影響を受け、バンジョーの弾き方やRock&Rollを教わるにつれ、音楽の才覚に目覚めていく。しかしやがて彼女が自分を捨てた経緯を知り、居場所を失うことになる。女性監督だからこそか、そうしたJohnの心の揺れを非常に巧く描いている。
2人の母親を持ちながらも、母親の愛情に飢えていた彼の複雑な境遇は、彼の人格形成や女性との付き合い方にも影響を与えていたことが分かる。またとりわけ彼の後の音楽キャリアにとって、Juliaの影響は計り知れない。
John役のAaron Johnsonも非常に好演だった。話し方やファッションも良く似ていた。PaulとGeorgeに関してはとても似ているとは言い難かったが、3人が゛In Spite Of All Danger゛をレコーディングをしている様子は非常に良かった。彼らは後に世界の頂点に立ち、世の中の音楽に革命を起こし、歴史に最大の名を刻むわけだが、きっとJohnはこうした自分の音楽を誰よりもJuliaに聴かせたかったに違いない。