The Beatles

Fool On The Holiday

先日The Beatlesのトリビュートイベント「Fool On The Holiday」に行って来ました。品川プリンスホテルのクラブExは450席という小さい会場でしたが、丸一日かけて数々のトリビュートバンドがThe Beatlesの各時代を本気で再現していて心ゆくまで楽しめました。

<1st Stage>
① Fool On歌劇団 「ジョンとポールが出逢った日」
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まず最初にゴスペル隊が登場。見事なコーラスで”Amazing Grace”と、ストリングス隊も加わっての”Eleanor Rigby”を披露。その後マッケンジー牧師が登場し前説。教会でのジョン率いるクオリーメンのバンド演奏や、その後出会ったポールの弾き語りも交えながら、2人の出会いが寸劇とともに再現されました。

② The Beat Rush
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続いてはアメリカのワシントンコロシアムの再現。スマートなグレースーツで勢いのある演奏に、当時の黄色い歓声を上げる女子達の気持ちが分かりました。円形ステージ上で、いちいちドラムセットを回さなければいけなかったところまで完璧に再現(笑)。リンゴの椅子はあんなに高いのかとか、マイクが2本しかないからポールがマイクを分ける時はいちいちネックが当たらないように気を付けていたんだなということも実感出来ました。

1. Roll Over Beethoven
2. From Me To You
3. I Saw Her Standing There
4. This Boy
5. All My Loving
6. I Wanna Be Your Man
7. Please Please Me
8. Till There Was You
9. She Loves You
10. I Want To Hold Your Hand
11. Twist And Shout
12. Long Tall Sally


③ Jacaranda
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2番手はデビュー前の革ジャンに身を包んでいた頃の硬派なR&R。大勢の若い女性スタッフの人達がステージ前で踊り、なんとなく当時の雰囲気が味わえました。


<2nd Stage>
昼休憩を挟んでからは2nd Stage。開演前にThe Beat Rushのポールが弦楽四重奏をバックに”Yesterday”の披露あり。

④ The Liverpool Guys
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Let It Be時代の格好で登場。後期の数曲を披露した後、ルーフトップライブを再現。マネージャーやOno Yokoまでいて、途中警察がやって来るところまで忠実に再現しており笑わせてくれました。

4. Get Back
5. Don't Let Me Down
6. I've Got a Feeling
7. One After 909
8. Dig a Pony
9. Revolution
10.Why Don't We 
11.Monkey


⑤ The Tributes
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はるばる福岡から登場。ストライプスーツで主に中期のナンバーをやってくれました。やっぱり楽曲的にはこの頃が一番好き。簡単そうに聴こえてかなり難しいはず。
 
1. Day Tripper
2. You Won't See Me
3. In My Life
4. What Goes On
5. Savoy
6. Doctor Robert
7. She Said
8. And Your Bird
9. Got To Get You Into My Life

⑤ The Blue
「ビートルズのチカラ」という復興支援の枠で東北から登場。初期から中期ですが、他のバンドと被らないよう選曲した結果、かなり渋いナンバーを演奏してくれました。
1. Ticket To Ride
2. Can't Do That
3. If I Needed Someone
4. She's A Woman
5. Honey Don't
6. Don't Bother Me
7. Act Naturally
8. I Wanna Hold Your Hand
9. Money
10.Kansas City


<3rd Stage>
⑥ Fool On 歌劇団 「サージェントペパーズ物語」
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30分の休憩を挟んでのトリは「Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band」の完全再現。宝物を探すために楽団に同行するカイト少年の寸劇を交えながら、アルバム曲が演奏されていきました。ステージには例のカラフルな軍服を来たメンバー、その周囲には大勢の楽器隊がずらり。”She's Leaving Home”では弦楽器隊、”Within You Without You”ではインド楽器隊、”Good Morning Good Morning”では管楽器隊がそれぞれ華を添えていました。逆を言えばこのアルバムを再現するにはこれだけの編成が必要なわけで、なんと豪華なステージ、なんと壮大な音楽。極めつけはラストの”A Day In The Life”。クライマックスに沢山の人達がステージ前に並びだし、最後の音が鳴らされた時には目の前にアルバムジャケットが再現されていました。これには場内「ブラボー!」と大歓声。

最後はこの日の演奏者が全員ステージに上がり”Fool On The Hill”で大団円。鳴り止まない拍手の中どこからともなく”Love, love, love~♪”のコーラスが聴こえ、そのままアンコールで”All You Need Is Love”が。感動的なフィナーレとなりました。

この日のThe Beatles愛に溢れるステージの数々は期待を遥かに超える完成度で、本当に丸一日堪能させてもらいました。準備頂いた演者・関係者の皆様ありがとうございました。

1. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band 
2. With a Little Help from My Friends
3. Lucy in the Sky with Diamonds
4. Getting Better
5. Fixing a Hole
6. She's Leaving Home
7. Being for the Benefit of Mr. Kite!
8. Within You Without You
9. When I'm Sixty-Four
10.Lovely Rita
11.Good Morning Good Morning
12.Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
13.A Day in the Life
14.Fool On The Hill
encore
15.All You Need Is Love

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ビートルズ来日50周年記念公演 「ザ・セッションズ」

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今年はThe Beatlesが1966年に来日してから50周年になります。私は当時産まれてすらなかったので、当然観てません。でもこれまで職場の先輩や行きつけの店のマスターとか知り合った人から、観に行ったとか、年齢を誤魔化して警備員のバイトとして会場に潜り込んだとか、実際の当時の話を聞いて思いを馳せてきました。

今回この来日50周年を記念して色々な企画やイベントが催されていますが、中でも私が楽しみにしていたのが「ザ・セッションズ」。これは当時のアビーロードスタジオでのレコーディングをステージ上で完全再現するという特別公演でした。監修はGeoff Emerick。George Martinとともにずっとレコーディングを担当していたエンジニアで、彼の著者「ザ・ビートルズ・サウンド最後の真実」がこの企画の元になっています。この本は私も読みましたが、当時の様子が非常に克明に記載されており興味深いものでした。しかもこの公演は6/30~7/1日本武道館という50年前の来日と同じ日程・会場ということで、楽しみにしていました。

しかし公演1ヶ月前にまさかの中止のニュース。。きっとチケットの売り上げが良くなかったのでしょう。大掛かりな舞台セットや総勢50人のミュージシャン・コーラス隊が予定されていたので、採算が合わなかったのだと思います。

きっと今後60周年とかでも、もう実施されることはないんでしょうね。残念です。。


George Martin 逝去

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プロデューサーGeorge Martinが亡くなりました。享年90歳でした。

後年彼が手がけたアルバムは色々ありますが、やはり真っ先に思い浮かぶのはThe Beatlesでしょう。当時と後世の音楽に計り知れない影響を与えたThe Beatlesの立役者がこの人です。

PaulがFacebookに長い追悼メッセージを投稿していましたが、そこでGeorgeとの”Yesterday”制作時のエピソードを綴っています。アコギの弾き語りだった”Yesterday”にストリングスカルテットを重ねるというアイデアに、Paulは当初反対したが実際に聴いて目から鱗だったと語っています。後の数々の名盤に現れるバンドの実験精神もこうした経験があってこそでしょう。

RIP

 

Paul McCartney Live Report 2013



Paul McCartney @ Tokyo Dome, 18 Nov 2013

Paul McCartneyの来日公演に行ってきた。Paulを見るのは今回初。実際これまでもチャンスはあったのだがそれを逃してきていた。何度もここには書いてきたが、私はThe Beatles世代の両親のもとで幼少からレコードを聴かされて育ったので、The Beatlesは私にとって原点であり先生だった。あれから長い年月が経ったがこんな日が来るとは思わなかった。

追加公演も出た東京の初日だけあって会場は満員御礼。5万人いたらしい。外のグッズ売り場も大変なことになっていた。私の席は1階席の中段あたり。19時過ぎに暗転。SEで”The End”のコーラスが聴こえた後にメンバー登場し、”Eight Days A Week”でスタートした。

Paulはステージ中央に立ち、あのヘフナーベースを左利きで弾いている。声量のある力強いボーカルで、キーも高い原曲のまま。すらっとスリムな体型も昔から変わらず、とても71歳には見えない。その右側にはギターのBrian、左側には同じくギターRusty、後方中央にドラムAbe、左手キーボードWix。続いて2曲目には新作からのハードなナンバー”Save Us”で畳み掛ける。

「コンバンワ、トウキョウ!タダイマ!」に大歓声。「キョウハニホンゴガンバリマス。デモエイゴノホウガトクイデス」の西日本と同じMCで笑わせてくれる。またステージの両端にはスクリーンがあり、そこにPaulの話す英語の日本語訳が表示されているが、表示が遅いのと「ありがとう東京」とかまで訳す律儀さがまた笑いを誘う。

今日のPaulは白いシャツに黒のロングジャケットを着ていたが、途中でジャケットを脱いだ後はサスペンダーで何度もおどけてみせていた。その後エピフォンカジノに持ち替えたと思ったら、”Let Me Roll It”へ。ヘヴィなグルーヴが心地良く、それがそのまま違和感なくJimi Hendrixの”Foxy Lady”につなげられていた。

今度はステージの右上段に上がりピアノに座る。本当にマルチプレイヤーだ。「Nancyのために書いた」と言いつつ、”My Valentine”。Wingsファンにと”1985”。続いた”The Long & Winding Road”も感動的だった。Lindaに書いたという”Maybe I'm Amazed”のバックスクリーンにLindaは出てこなかったが、映っていた子供について「彼女は今4人も子供がいるんだよ」と言っていた。

次はまたステージ中央に出てきてマーティンD-28を手にし、ここからはアコギコーナー。”I've Just Seen A Face”は特に嬉しかった。とにかく名曲の多いこと。それぞれ曲が短いからすぐ終わるのだが、その分多くの曲を聴くことができお得感も満載だ。

アコギを持ちながら1人ステージ前方に出てきた。60年代に公民権運動で苦しんでいた人達を応援するために書いた曲だと、静かに”Blackbird”を歌う。いつの間にPaulのいるステージがせり上がり、その側面には大きな地球が映し出されている。その後、Johnに捧げると歌い出したのは”Here Today”。君が今日ここにいればという歌詞は聴く者を思わず感傷的にさせてくれた。また後のほうでGeorgeに対しても”Something”を歌い、こちらでは2人がレコーディングしている映像も見せてくれた。

今度はステージ中央に派手なサイケデリック色のピアノが登場し、”New”や”Queenie Eye”の新曲を披露。新曲もこの名曲揃いのセットリストの中でも聴き劣りしていない。”Everybody Out There”の後には観客とのコール&レスポンスが物足りなかったのか、もう一度煽っていたが、その時はドーム内が地鳴りのような反響がするほどのレスポンスだった。

驚きだったのは”Live And Let Die”。日本では消防法の関係でダメだろうと思っていたパイロが派手に上がったのにはビックリした。本編最後は”Hey Jude”。会場内が大合唱と笑顔で包まれた。

アンコール一部では、Paulともう1人が日本とイギリスの国旗を掲げながら登場。そして"Day Tripper", "Hi Hi Hi", "Get Back"の3曲立て続けのR&Rでノリノリに。アンコール二部では、フクシマに捧げると”Yesterday”をしっとりと歌う。その後一転しヘヴィに”Helter Skelter”。

最後は”Golden Slumbers~Carry That Way~The End”。The Beatlesの作品中Abbey RoadのB面のメドレーが最も好きな私にとっては、考えうる限り最高のエンディングだ。Paulのピアノから始まり大合唱。ドラムソロの後に、Paul、Rusty、Brianの3人が並んでギターソロ回し。左利きのPaulだけギターのネックの向きが逆になっている。そして最初のオープニングSEに戻るかのように、And in the end the love you take is equal to the love you make ♪ の一節を合唱して、3時間弱にも及ぶ夢のひとときは終了した。

全部で39曲という膨大な数の楽曲を通して聴いてみて感じたのは、Paulの音楽がいかにジャンルを超越しているかということだった。ロックにポップ、R&R、R&B、カントリー、ゴスペル、サイケデリック、ハードロック、プログレ、クラシック、ワールドミュージックなど、ありとあらゆるジャンルを取り入れているのが良く分かった。50年以上の永い年月に渡る創作活動の中で、それぞれの時代の常に新しいものを吸収し続け、結果時代を超える名曲の数々を残した彼の功績の大きさは図り知れないものがあるだろう。

またその年齢を全く感じさせない姿勢とバイタリティを見せられ、もはや年齢や固定概念を押し付けることすら失礼なのだと感じた。今回の来日が最後になるなどということも全く言われていないわけで、これは間違いなく次回があるだろうと思われる。いやはや脱帽である。

1. Eight Days a Week
2. Save Us
3. All My Loving
4. Listen to What the Man Said
5. Let Me Roll It / Foxy Lady
6. Paperback Writer
7. My Valentine
8. Nineteen Hundred and Eighty-Five
9. The Long and Winding Road
10. Maybe I'm Amazed
11. I've Just Seen a Face
12. We Can Work It Out
13. Another Day
14. And I Love Her
15. Blackbird
16. Here Today
17. New
18. Queenie Eye
19. Lady Madonna
20. All Together Now
21. Lovely Rita
22. Everybody Out There
23. Eleanor Rigby
24. Being for the Benefit of Mr. Kite
25. Something
26. Ob-La-Di Ob-La-Da
27. Band on the Run
28. Back in the U.S.S.R.
29. Let It Be
30. Live and Let Die
31. Hey Jude
Encore:
32. Day Tripper
33. Hi Hi Hi
34. Get Back
Encore 2:
35. Yesterday
36. Helter Skelter
37. Golden Slumbers
38. Carry That Weight
39. The End


Paul McCartney 「New」 (2013)

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1. Save Us
2. Alligator
3. On My Way To Work
4. Queenie Eye
5. Early Days
6. New
7. Appreciate
8. Everybody Out There
9. Hosanna
10. I Can Bet
11. Looking At Her
12. Road
13. Turned Out
14. Get Me Out Of Here

先日遂に11年振りに来日したSir Paul McCartney。1966年当時と同じように法被を着て降り立ったり、相撲観戦に行ったりと話題を振りまいているが、西日本の各会場を盛り上げながら、いよいよ明日は東京にやってくる。今日はそんなPaulがツアーに先駆けてリリースした新作「New」を取り上げたい。

純粋な新作としては2007年の「Memory Almost Full」以来6年振り。昨年スタンダードのカヴァー集が出た時は流石に年相応だなと感じていた。また今作のタイトルが発表された時も、正直あまり食欲が湧かなかったが、予習としてひとまず耳にしてみた。

それが実際に聴いてみて驚いた。恐ろしいほどの若々しさなのである。知らない人に20代の新人アーティストだと言って聴かせても、きっと疑われることもないだろうと思うくらいだ。

まず冒頭かつてのハードロックばりに前のめりな勢いでギターリフが疾走する。中盤には力強いコール・レスポンスを喚起するようなアンセム曲。デジタル処理をしたサウンドも随所に聴かれる。とにかくこれが71歳が作った作品というのが信じ難い。今回4人のプロデューサーを起用したというが、その影響もあるのだろう。ちなみにその内の2人は、George MartinとGlyn Johnsの息子だという。こうしたこともありアルバム全体が非常に多様性に富んだ内容になっている。そして楽曲の質も高い。

しかし一方で世の中は彼の作品にいつまでもThe Beatlesらしさを追い求め続ける人が多いのも事実。ソロとしても十分な成功を収めているにも関わらず。きっとそれはPaulにとっては非常にやり辛い話だろうと思う。先月からのセットリストには、この新作からM1、M4、M6、M8の4曲が加えられているが、これらの新曲は彼のステージに新たな風を吹かせている。71歳になっても前進を続けているSir Paul McCartney。その姿が明日見られる。

★★★★


Paul McCartney 来日



まだチャンスはあるはずだと思っていた。もう71歳になるが、近年の精力的な活動を見ていると、きっとあと1回はあるのではないかと期待していた。

The Beatles世代の両親のもと、幼少の頃から聴いて育った。以来The Beatlesは私にとっては神であり、音楽的な原点としてあり続けていた。4人の中でJohnは死して伝説となった一方で、Paulは生きて伝説となった感がある。私は決してPaulのソロ活動を熱心に追っていたわけではなかったが、やはり生きているうちに1度は見ておきたかった。

発表された11月の東京ドーム3日間。ぴあの最速先行抽選に3日間とも申し込み、運良くその初日が当選した。11年ぶりの来日。私は初だ。

今年のツアーのセットリストではThe Beatlesの楽曲がこれまでよりも多く演奏されているということだが、それは素直に嬉しい。あとちょうど3ヵ月。楽しみだ。

The Beatles 『Magical Mystery Tour』 (2012)

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1. Magical Mystery Tour
2. The Fool On The Hill
3. Flying
4. I Am The Walrus
5. Blue Jay Way
6. Your Mother Should Know
7. Magical Mystery Tour

今年何らかの50周年を迎えているミュージシャンは多い。The Beatlesもその1組だ。ただPaulは今年特に50周年関連のイベントは何もしないと公言している。オリジナルメンバーがいないなら、やるべきではないというのも確かにもっともだ。またリリース関係でも、数年前にモノリマスターを出してしまっているので、もうネタがないのが実情だ。しかしやはりBeach Boysに比べるとずいぶんとひっそりしている感が否めない。

そんな中で唯一リリースされたのが、この映画「Magical Mystery Tour」のリマスター版。私は同名のアルバムは大好きだ。1967年当時のサイケデリックの影響下での実験精神と音楽性の拡散が高次元で結実した名盤である。またその曲質の高さは歴史的名盤「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」も凌ぐと思っている。ただ前半がサントラで、後半がシングル寄せ集めという中途半端な構成が、このアルバムを過小評価させている。

で、映画の方なのだが、私は今まで見たことがなかった。巷では随分低い評価を受けているが、きっとこれも過小評価なはずと思って期待していた。しかし実際見てみた感想は、…微妙だった。やはり大してストーリーもなく、行き当たりばったりの撮影が、完全に裏目に出てしまっている。Paulは音楽的には天才だが、映画監督・脚本家としては専門ではなかったわけだ。こうしたものを作らせてしまったのは、きっと当時のサイケデリックな時代性もあったと思う。

しかしちょっと見方を変えて、これを映画ではなくPV集として捉えてみたら、また違う評価ができるのではないだろうか。それぞれ独立したPVが存在し、それらが1つのストーリーを通して連続した映像として完成しているわけである。またそもそもこの時代にPVというものは存在しなかった。そう考えるとこの作品は、かなら先時代的であり完成度も高いと思う。

また今回収録されているメンバーや関係者のインタビューや解説によっても、この作品をより多面的に捉えることができる。つまりこの作品を酷評した当時の世の中の人々は、彼らのことを勘違いしていたのだ。彼らはそれまで国民的アイドルとして捉えられていた。だからこそクリスマスのゴールデンタイムにテレビ放送され、各家庭では一家で視聴されたわけだ。しかしこの当時の彼らは、反体制的な精神を持った先鋭的なアート集団であった。そんな彼らの作品を、勝手にクリスマスに放映し酷評されてもお門違いというものだ。こうした本質を理解していれば、この作品も全く違った見方ができたかもしれない。

★★★★


「ジョン・レノン、ニューヨーク (LENNONYC)」

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先日、恵比寿にある東京都立写真美術館で、映画「ジョン・レノン、ニューヨーク(原題:LENNONYC)」を見てきた。John Lennon関係の映画はこれまでも多く製作されてきて、正直またかと思ったのだが、ついまた見てしまった。これは彼が1971年に移住してから1980年に他界するまでの9年間に渡って活動・生活したニューヨークを主な舞台として追ったものである。

当時の未発表映像や画像・音源を織り交ぜながら、時系列でストーリーが進むドキュメンタリーとなっているが、中心になっているのは関係者のインタビュー。本人のインタビューをはじめ、お約束のOno Yoko、当時のミュージシャン、カメラマン、活動家、等々。前半はニクソン政権との闘争時代。急進的な平和活動で国外退去を命じられたJohnが、FBIに尾行や盗聴されていたというYokoやカメラマンの話は生々しい。

後半は別居以降。ドラマーJim Keltnerが回想していた失われた週末でJohnが飲んだくれていた時の様子や、一転家庭人に変身したJohnに仕事の電話を控えたというプロデューサーJack Douglousの話が興味深かった。また一緒にLAに同行したMay Panのインタビューもあったが、さすがに肉体関係があったことには触れられていなかった。

幼いSeanが一番好きな曲だと゛With A Little Help From My Friend゛を口ずさんでいたのは微笑ましかった。その曲のタイトルがなかなか思い出せなかったJohnには苦笑したが。ラストの゛Watching The Wheels゛のアコースティックバージョンも良かった。

最後の「Double Fantasy」製作時に、若者が期待するような怒りがなく大人しいアルバムだという声に対して、「これは10代の若者に向けたものではなく、同じ時代を共にしてきた30・40代の同世代に向けたものだ」と語っていたのも印象的だった。妻子を持ち改めてStarting Overしようしていた彼の意思に改めて触れ、同世代となった自分も頑張ろうと少し元気づけられた次第だった。


The Grass RootsとThe Beatles

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 私の会社はある都心のビルに入っているのだが、そのビルの3階にはいくつかの飲食店が並んでいる。そのうちの一つにうどん屋があり、無類のうどん好きな私は時折そこへ食べに行く。私がその店が好きな理由は、旨いうどんを食わせてくれるという他に、いつも店に60~80年代の懐かしい洋楽が流れているというのがある。うどん屋に洋楽というのも何か合わない気もするのだが、愛する要素が2つもある私にとっては堪らない店であった。

 さて先日もその店に入り注文をしたところ、その時店の中に流れていたある曲を耳にした。その瞬間私は思わず店内にいた店長に、これが誰の曲かを尋ねていた。というのも、その曲は私が約20年以上前からずっと気になっていながらも誰か分からずにいた曲だったのである。幸いその時店内にいた客は私以外に1人のみで暇だったため、店長は快くその時流していたコンピレーションCDを持ってきてくれた。その曲はThe Grass Rootsの゛Let's Live For Today゛だった。サビのメロディや歌詞が素晴らしい名曲である。

 その後店長と60年代ロック談義に花を咲かせた。店長は年のころは60位、髪はほとんどないかわりに白いものが交じったアゴヒゲが特徴だった。最終的にThe Beatlesの話になり、店長は1966年のあの武道館公演に行った話をしてくれた。それも観客としてではなく、警備員としてらしい。どうやら招致主のキョードーに知り合いがいたらしく、当時中学生だったにも関わらず高校生と偽り、警備員のバイトをさせてもらったようだ。舞台下の最前列で警備にあたっていたが、公演中は舞台に背を向けて観客だけを見ていなければならず、演奏を聞きながら気絶した女の子達の対処をしたりしていた。しかし公演前のリハーサルはしっかり拝むことができたようで、JohnとPaulのハーモニーがなかなか合わず、何度もやり直しをしていたという証言も聞かせてくれた。 私はこの日長年抱いてきた謎を解いてくれただけでなく、当時の貴重な話まで聞かせてくれた店長に深く感謝した。

 今うちの会社は震災により大打撃を受け、経営状況が急速に悪化してしまった。果たして今年一杯を乗り切ることができるかどうかすら怪しい状況だ。去年転職し新事業部を立ち上げ軌道に乗っていた矢先だったのだが。。このうどん屋が入っているこのビルでもうしばらく仕事をしていたいと願っている。




「ノーウェア・ボーイ ひとりぼっちのあいつ (Nowhere Boy)」

「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」オリジナル・サウンドトラック「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」オリジナル・サウンドトラック
ザ・ノーホエア・ボーイズ サントラ エディ・コクラン ビッグ・ママ・ソーントン ジーン・ヴィンセント アーロン・ジョンソン ジョン・レノン&ザ・プラスティック・オノ・バンド ジェリー・リー・ルイス ディッキー・ヴァレンタイン ジャッキー・ブレンストン エルヴィス・プレスリー

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 今年は生誕70年、没後30年ということで、作品群もリマスターでリリースされたりと、関連書籍も多数出版されたり、何かと話題になったJohn Lennon。ミュージアムには行ったが特にそうした商品には手を出さなかったが、この映画だけは気になっていたため、先日ようやく上映していた映画館に予定を合わせて観に行ってきた。新宿のKs Cinemaのレイトショー。事前に取った整理券も4番、小さな館内にも空席だらけ。もっと宣伝すれば一杯になるはずだし、全国一斉ロードショーになってもおかしくないのに、もったいない。

 さて、観賞後の感想としては、非常に良い映画だった。この映画が描いているのは1950年代のリバプールにおける彼のグラマースクール時代。厳格なMimi伯母さんの元で育てられていたところ、George伯父さんの葬式をきっかけに、実の母Juliaが近所に住んでいたことを知る。そして奔放な彼女から影響を受け、バンジョーの弾き方やRock&Rollを教わるにつれ、音楽の才覚に目覚めていく。しかしやがて彼女が自分を捨てた経緯を知り、居場所を失うことになる。女性監督だからこそか、そうしたJohnの心の揺れを非常に巧く描いている。

 2人の母親を持ちながらも、母親の愛情に飢えていた彼の複雑な境遇は、彼の人格形成や女性との付き合い方にも影響を与えていたことが分かる。またとりわけ彼の後の音楽キャリアにとって、Juliaの影響は計り知れない。

 John役のAaron Johnsonも非常に好演だった。話し方やファッションも良く似ていた。PaulとGeorgeに関してはとても似ているとは言い難かったが、3人が゛In Spite Of All Danger゛をレコーディングをしている様子は非常に良かった。彼らは後に世界の頂点に立ち、世の中の音楽に革命を起こし、歴史に最大の名を刻むわけだが、きっとJohnはこうした自分の音楽を誰よりもJuliaに聴かせたかったに違いない。


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