西日本

「新編 日本の面影」ラフカディオ・ハーン

199999212004

1.東洋の第一日目
2.盆踊り
3.神々の国の首都
4.杵築―日本最古の神社
5.子供たちの死霊の岩屋で―加賀の潜戸
6.日本海に沿って
7.日本の庭にて
8.英語教師の日記から
9.日本人の微笑
10.さようなら

最近は仕事でもっぱら毎日のように人材採用の面接をしている。そんな中で先日はスペイン人の男性に内定を出した。これまでアジア系女性がいたことはあったが、西欧人は初だ。彼は元々日本の漫画やアニメが好きで来日したが、より深く日本文化を知り長く住むことになったらしい。最近はこういう西欧人は多い。

明治の開国当時も多くの外国人が日本にやって来たが、この人ほど日本を愛した人はいないだろう。ラフカディオ・ハーン。1890年(明治23年)に来日したイギリス人で、帰化してからは小泉八雲と改名している。

彼は古事記の英訳を読み、日本の神道に強い興味を抱いていた。日本で最古の神社のある出雲国の松江に英語教師として赴任し、尋常中学校と師範学校で教える傍ら、日本の地方の人々の生活や文化に深く傾倒していく。

日本に古くから残る伝承や昔話を興味深く集め、町並みや生活雑貨の造形美に感嘆し、自然や死者に対する信仰心に感銘を受ける。そうした日本の素晴らしさを諸手を上げて賛美する様子は、読んでいてむず痒いくらいだが、一方で流入してくる外国の影響で失われていく様子を嘆くのには共感した。

一つ目のハイライトは、彼が出雲大社に詣でる箇所だろう。悠久の歴史の中で、初めて外国人として昇殿拝礼を許され、宮司に歓待を受ける様子は興味深い。同時に神道がどういうものなのかを、外国人である彼に教えてもらうこととなる。

二つ目のハイライトは、彼が松江から旅立つ場面。結局松江には1年7ヶ月しか滞在しなかったのだが、何百人という教え子や街の人々が、別れを惜しんで船で離れる彼を見送った。松江という街を愛し、街に愛された彼の感動的なラストシーンた。

古き良き時代を知るほどに、色々と取り返しのつかなくなったこの現代ではなく、昔を生きたかったという想いが募るのをどうしたものだろうか。

堺探訪

先月末に大阪でG20サミットが開催されていたが、その際には私も仕事の関係で行かねばならず、4日間堺に滞在していた。思いの外忙しく時間がなかったが、合間の僅かな時間を見つけて気になっていた所を少しだけ回ってみた。

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<旧堺灯台>
例によって朝早く目が覚めたので散歩がてら行ってみた。1877年の最古の木造灯台で堺のシンボルらしいが、修復したばかりで思いの外綺麗だった。

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<さかい利晶の杜>
千利休と与謝野晶子、堺出身の2人の偉人の博物館。時間があればじっくり見たかった。

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<千利休屋敷跡>
利晶の杜の裏手にあるが、中には入れず隙間から覗くだけ。

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<河口慧海像>
隣の七道駅前にある河口慧海像。日本人で初めてヒマラヤを越えてチベットへ行った仏僧。

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<堺市立町家歴史館 清学院>
河口慧海も学んだ寺子屋であり、修験道の寺院。近くに河口慧海生家跡もあったが、ショボかった。

後で知ったが、堺は数少ない世界に開かれた港町であり、また堀で守られていたこともあり、自由な商業や文化が育まれていたらしい。

本当はちょうど世界遺産にもなる百舌鳥・古市古墳群も見に行きたかったのだが今回はやむなく断念。またいつかプライベートで来た時にゆっくり見て回りたいものだ。

太陽の塔

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大阪万博記念公園にある太陽の塔。芸術家の岡本太郎が制作した1970年の万国博覧会のシンボルである。私は万博をリアルタイムで体験していないが、当時行った義父等から色々話は聞いていた。

この太陽の塔が昨年2018年から48年振りに内部公開を始めたということで気になっていた。入場には事前に予約が必要であり、週末の予約は何ヶ月も先まで一杯なので、かなり前から予約をしていた。

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実際に万博記念公園に行き目にすると、高さ70mのその予想以上の巨大さに驚く。遠目で見てもデカいのだが、近づくにつれて益々大きくなっていく。

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特に私が好きなのはこの後ろ姿。この黒い異様な太陽の背中がカッコ良いが、後ろがこうなっているというのは最近まで知らなかった。

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中に入ると、様々な仮面や土偶が出迎える。当時は岡本太郎が集めたという世界中の民族品が地下に並んでいた。現在公園内の国立民族博物館に所蔵されているものの一部が展示されていた。

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「地底の太陽」。閉会後に行方が分からなくなっていたものを今回復元し、プロジェクションマッピング化してあった。

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塔の1階には地球生命の誕生としてアメーバなどの原始生物がいる。周囲には当時と同じものものしいクラシック音楽が流れ、異様な雰囲気がある。

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そして下から上に向かって40mにも渡って伸びる「生命の樹」の幹や枝には、進化していった様々な生物が並んでいる。三葉虫、巨大な魚類や両生類、恐竜、マンモス、ゴリラ、etc。各階で解説を聞きながら、ひたすら階段を登っていく。撮影できたのは1階だけだったのが残念。

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腕の高さまで登って終了。当時は腕の中のエスカレーターから周囲の建物の上階に行けたそうだ。

「協力するが協調しない」と言い放った「アンチ万博」岡本太郎は、周囲に溶け込まないシンボルの中で壮大なテーマを提示していた。来年は万博から半世紀が経ち、次の大阪万博の開催も決定している。今の時代なら岡本太郎は何を創るのだろう。

関西探訪

今月の連休に家族で2泊3日で関西旅行に行って来た。今回は妻の両親も連れて車での往復。向こうで自由に動けるのは良いが、片道6時間の運転がキツかった。初日は早朝に出発し、新東名をひた走り昼過ぎに大阪に到着。寝屋川に住んでいる妻の妹一家と合流した。久方ぶりに従姉妹に会う娘ははしゃいでいた。

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午後は箕面公園に行き散策してみた。箕面大滝が迫力あった。

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この日の夜は箕面観光ホテルに宿泊。露天風呂からも大阪の街が一望できた。ただ日中にタコ焼きなどの粉物を食べ過ぎたため、バイキングはあまり食べれず。。

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代わりに夜は義父と2人でホテルのバーでやっていたピアノとサックスのジャズ演奏を楽しんだ。

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2日目は千里の万博記念公園へ。その広大さに驚く。パビリオン館で当時の万博について知る。

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今回の旅行の一番の目的は、昨年から内部公開している太陽の塔。遠くから見てもその大きさが良く分かる。これについて詳しくはまた来週別途。

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2日目の夜は有馬温泉かんぽの宿。この晩はしっかり食べることが出来たので満足。

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最終日の朝は1人早く目が覚めたので車で六甲山まで行ってみた。朝焼けに染まる神戸の街と大阪湾が一望できた。

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山頂直下まで車で行けたので、10分ほど登って登頂。こんなに楽に登れるとは。

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帰り少し時間があったので京都宇治に立ち寄り、平等院鳳凰堂も拝んできた。改修により綺麗になってしまっていたのが少し残念。

今回は色んな所を駆け足で回った。神戸や京都はもっと見たい所が沢山あったのだが、またの機会に。ただもう車で行くのは勘弁だな。

京都探訪

先月は関西に出張だったので、また帰路を自費扱いにして週末に京都を見て回ってきました。普段旅行業に携わっており京都は知っているつもりでも、実際には修学旅行程度の場所しか行ったことがないため、最低限レベルの場所の確認。しかし時間がないのでほとんど中には入らず、駆け足で導線の確認だけという感じでした。

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① 二条城
ここだけ入場料を払って中へ。建物や庭園も立派ですが、3,000中1,000以上の重文の狩野派障壁画が圧巻。

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② 伏見稲荷大社
オフにも関わらず訪日客で大混雑なのは入場料不要だからか。あまりの混みように千本鳥居も途中までで退散。

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③ 嵐山・嵯峨野
渡月橋から竹林あたりは混んでましたが、保津川の川辺は閑散。紅葉の頃に川下りしてみたい。

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④ 亀山公園
小倉の百人一首が1つずつ石碑になっていました。恋しいとか寂しいなどの和歌には興味がないが、この大納言公任は良い。「滝の音はたえて久しきなりぬれど 名こそ流れてなほきこえけれ」

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⑤ 西陣織会館
無料で観覧できる着物ショーは、はんなりと綺麗でした。娘に小さな舞妓さん人形の土産を購入。

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⑥ 東山地区
趣きのある二年坂から見えた法観寺の五重塔。ソウドウ東山が元々日本画家・竹内栖鳳の私邸だったことも初めて知りました。

一通り確認できましたがどこも駆け足だったので、またいずれ来てゆっくりと回りたいと思います。

山口旅行記

あけましておめでとうございます。

年末に家族旅行で嫁の両親も一緒に山口に行ってきました。思ったよりも寒くて、季節外れのせいかどこもガラガラでしたが、見所は多く満足な旅となりました。ひたすらレンタカーの運転は疲れましたが…。

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<錦帯橋> 岩国空港に着いたらまずは錦帯橋に直行。1本も釘を使わないという工法は見事。昼は岩国寿司。何気に豆茶が美味でした。

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<宮島・厳島神社> 近そうだったので予定外で急遽レンタカーを飛ばして宮島へ。時間がなくゆっくり出来ませんでしたが、お参りだけした後は焼き牡蠣だけ食べました。

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<松下村塾> 2日目は縦断して萩へ。松陰先生の学び舎は幕末維新の発祥の地であり世界遺産。他にも松陰神社や宝物殿至誠館、伊藤博文旧宅も回りました。

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<東光寺> 萩藩主の毛利家を祭る寺。最奥部には毛利家墓所があり、約500基の石灯籠が不気味。夜は絶対来られません。

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<萩焼> 日本三大焼物の1つ。藩主への献上物だったそうで、毛利氏への想いが今も残ります。家族茶碗を購入。

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<湯田温泉> 2泊目は湯田泊。夜はふぐ料理でちょっと贅沢をしてしまいました。

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<瑠璃光寺> 毛利氏のさらに前、室町時代の大内氏による国宝五重塔。晴天の中、赤いもみじも映え、まるで絵葉書のように見事な美しさでした。

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<秋吉台・秋芳洞> 洞窟好きとしては一度行きたかった秋芳洞。思っていた以上に巨大で壮観でした。石灰岩層は全て大昔の珊瑚の化石であり、今ある酸素の源です。

山口は見所が本当に多いですね。2泊3日でしたが全然時間が足りず、特に萩は城下町など全く見ることができませんでした。また大内家や毛利家、維新組など歴史上の多くの人物たちが、いつまでも地元で愛され続けているのもいいですね。また機会があれば行きたいと思います。

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