Cave In

leave them all behind 2020 - Cave In

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ドラムとギターのサウンドチェックが聴こえてきた。恐らく先ほど出演していなかったJRとAdamと思われた。そして最後のトリとしてCave Inが登場した。右手にStephen、中央にNate、左手にAdamが並び、後方のドラムセットにJRが座っている。前回の来日で観たのが2006年だから、もう14年振りになる。

SEとして"Sonata Brodsky"が聴こえた後に、綺麗な高音のトレモロと高速のスネアのイントロの"Luminance"からスタートした。スペーシーサウンドが強めのエコーで広がっていく。さっきまでOld Man Gloomのステージを繰り広げていたばかりのStephenとNateには全く疲れが見られないのは流石だ。咆哮ではなく、ちゃんと歌っているStephenは先ほどとは全く別モードだ。

3曲目の"Off To Ruin"では、グルーヴィなリズムに乗って中央のNateが咆哮する。先ほどのOld Man GloomではStephenが中央に立っていたが、このCave InのステージではNateが中央に立っている。その意味を考えてハッとする。2人とも今は亡きCalebを中央に立たせているのだった。そして実はNateが弾いているのはCalebの白いフェンダーベース。彼らのそうした心遣いに泣けた。

今回一番観たかったのがJRのドラムだった。黒いキャップの彼はさっき観客フロアで見かけていたが、それがJRだとは気付かなかった。前回の来日時に彼は怪我のため来られず、ConvergeのBen Kollerが代役を務めていたので、彼のドラムを観るのは初。手数足数が多くて正確かつ力強いドラミングは、観ていて爽快だった。

4曲目に初期カオティックハードコアナンバー"Moral Eclipse"のイントロが流れた途端、荒くれ者達は待ってましたとばかりにフロアにモッシュピットを作って暴れ出す。やっぱりこれがないと。本当はここに"Jaggernaut"もあったはずなんだが。

この日Calebの遺作となった新作「Final Transmission」の直筆サインCDが物販で残り1枚となっていたので購入していた。ここからは計4曲が披露されていたが、どれもスロー~ミドルテンポだったので少し盛り上がりに欠けた感は否めなかった。"Night Crawler"や"Led To The Wolves"といったCalebらしい曲を聴きたかった。

「Antenna」アルバムからも"Joy Opposite"と"Youth Overrided"が演奏された。個人的にはここで"Woodwork"が聞きたかった。特にメロディアスなこのアルバムは彼らの音楽性の幅広さを物語る。Stephenが「It's commercial ~なんとか」とか言っていたようで気になったが。

色んな時代のアルバムを順番にまんべんなく演ってくれて、スペーシーアルバム「Jupiter」からはタイトルナンバーと"Big Riff"。どのアルバムも作り上げたサウンドが異なるため、曲間のSEが流れている間に、メンバー皆ギターとベースのチューニングに忙しい。途中StephenとAdamが2人向き合って何度も一緒にギターを振り上げていて楽しそうだった。

本編最後は"Trepanning"。いかにもCalebらしいアッパーな曲で、Nateが咆哮する。やっぱりこの曲は盛り上がる。

アンコールで戻ってきて、NateがMCする。Calebのベースを高く持ち上げて紹介した後に、「これは俺が一番好きなCalebのナンバーだ」と言って始まったのは"Inflatable Dream"。前半アッパーだが後半はメロディアスで非常に良い曲なのだが、かなりレア曲で入手が困難なのが勿体ない。

ラストは"Sing My Loves"。StephenはこれがCalebの曲で一番好きだと言っていた。重戦車のような重低音ミドルテンポで突き進んだ後に、幾重にも重なるギターフレーズが浮遊していく名曲。最後はフロント3人とベースとギターを天にいるCalebへ向けて高々と掲げて、大歓声のうちに終幕した。

この日のステージを観て痛感したのは、Calebの遺した功績の大きさ、そして彼がいかに皆に愛されていたかということだった。しかし同時に彼の意志を継いで前に進んでいることも確認できた。こちらも変わらず応援していきたい。

1. Luminance
2. Dark Driving
3. Off to Ruin
4. Moral Eclipse
5. Lanterna
6. Winter Window
7. Joy Opposites
8. Youth Overrided
9. Jupiter
10.All Illusion
11.Shake My Blood
12.Big Riff
13.Trepanning
encore:
14.Inflatable Dream
15.Sing My Loves

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leave them all behind 2020

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今年も開催されるハードコアの祭典「leave  them all behind 2020」。昨年はNeurosisとConvergeのダブルヘッドライナーという豪華な陣営だったが、今年はCave Inが出演するというニュースを昨年知り、いち早くチケットを確保した。

Cave Inは2006年の来日時にクラブクアトロで観たことがある。しかし一昨年にベースのCaleb Scofieldが交通事故のため他界してしまい、存続が危ぶまれていた。それが代役を入れながら新作も発表し、こうして戻って来てくれたわけで、もう一度彼らのステージを観ることができるのは感慨深い。

さらに今回注目すべきもう1組、Calebが参加していた別プロジェクトOld Man Gloomもやって来ることになっている。ここにはConvergeのNate Newton、そして元IsisのAaron Turnerもいる。Nateは昨年のConvergeのステージで拝んだが、Isisは未見のまま解散してしまったのでAaronに会えるのは嬉しい。

両バンドともCalebの遺志を引き継ぐようなパフォーマンスをみせてくれることを期待している。


Cave In 「White Silence」 (2011)

White Silence
Cave in
Hydrahead Records
2011-05-24




1. White Silence
2. Serpents
3. Sing My Loves
4. Vicious Circles
5. Centered
6. Summit Fever
7. Heartbreaks, Earthquakes
8. Iron Decibels
9. Reanimation

今年の3月28日にCave Inのベーシスト・ボーカルCaleb Scofieldが交通事故のため亡くなりました。享年39歳でした。

Cave Inは1995年にボストンでSteve Brodskyを中心に結成。この時彼らはまだ高校生でした。98年にインディーのHydraheadから「Until Your Heart Stops」でデビュー。彼らの独創的なカオティックハードコアはシーンで注目を集めます。しかしSteveが喉を痛めたと同時に、本来持っていたメロディセンスも開花。2000年の「Jupiter」では全く異なるスペーシーロックを提示し新たなファンを獲得します。2003年にはRCAから「Antenna」でメジャーデビューするものの、音楽性にまで色々注文をつけられることに嫌気が差し、以降はまた古巣に戻りハードコアに原点回帰をしています。

この「White Silence」は遺作となった2011年の最新作ですが、ここではそれまでの様々な音楽性を融合した集大成となっています。前半はカオティックやオールドスクールなハードコアチューンで攻め立てる一方で、後半はスペーシーやアコースティックで聞かせます。これが散漫な印象を与えずに全てがCave In色となっているのは、それまでのキャリアの賜物でしょう。

私は2006年の来日時にクアトロ公演を観に行きましたが、高度なテクニックと勢いを見せつける熱いライブでした。ステージ中央のSteveがメロウなボーカルも聞かせる一方で、左手に立つCalebは正にザ・ハードコア。ムキムキの体躯、腕にビッシリの墨、迫力のある咆哮と重低音ベースが今でも印象に残っています。きっと彼なしでのバンド存続は難しいのではないでしょうか。

RIP

  

Cave In 「Planets Of Old」

Planets of Old [12 inch Analog]Planets of Old [12 inch Analog]
Cave In

Hydrahead 2009-08-24
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1. Cayman's Tongue
2. Retina Sees Rewind
3. The Red Trail
4. Air Escapes

今週はまたこれまでと全く音楽性が異なります。全く絡みづらいブログだこと…。
 音楽雑誌の新譜情報を何気なく立ち読んでいたら、Cave Inがひそかに復活していたとの情報を発見した。前作「Perfect Pitch Black」が2005年だから、もう既に4年ぶりか。

 ボストンハードコアの雄としてデビューしたのが1998年。その後ポップ性を開花させ、急速に音楽性を変化させていった。2006年の来日時に渋谷のクアトロに見に行った時には、その両面の音楽性をブレンドした熱いライブを見せてくれた。しかしその後なぜか活動を休止。その間ボーカルのStephen Brodskyは色々ソロ活動をしているようだったが、ようやくバンドとしての復活を果たしたようだ。

 ひとまず4曲入りの12inchアナログが、例のHydraheadレーベルからリリースされている。M2とM4はロック路線、M3はカオティックハードコア、そしてM1はスペーシーな雰囲気を持ちながらロック路線とハードコア路線の両者をまた巧くブレンドしている。相変わらずこの2つの路線は並行していくようだが、この微妙な立ち位置が今の彼らの個性となっていると言える。

★★★

http://www.planetsofold.com/  (全曲試聴可)


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