Huey Lewis & The News

Huey Lewis & The News Japan Tour 2017

huey

Huey Lewis & The Newsの来日公演に行ってきた。4年前に見逃して悔しい思いをしたが、また来るとは思っていなかった。会場はオーチャードホールで、私の席は2階の最前列。観客は40~50代が多いようだった。行ったのは21日だったが、翌日の追加公演がグレイテストヒッツになると聞いていた。そっちへ行くべきだったかと思ったが、逆に現在進行形なバンドの姿を知ることが出来た。

場内暗転すると、ステージは赤く点滅する中、ダンダダンとR&Rの鼓動が鳴り響いてきた。次々とメンバーが登場し、始まったのはもちろん”Heart Of Rock & Roll”。歓声の中、最後にサングラスをかけたHueyがステージに登場しハーモニカを吹き鳴らした後にマイクを掴んだ。

懐かしいあのハスキーボイス、伸びやかな高音にシャウト。遠目だからか67歳という年齢ほど歳を取ったようには見えず、自慢のゴールデンボイスも健在だ。右手にいる若くて髪の長いイケメンギタリストがギターでクラクションの音を出している。左手はオリジナルメンバーのJohnny Colla。彼はギターを弾いていたと思ったら、今度はサックスに持ち替えて吹き鳴らす。1階席はすでにオールスタンディング。このオーチャードホールでオールスタンディングの光景を見るのは初めてだ。

最近の曲だろうか初めて聴く2曲目の後に、また聴き慣れた”I Want A New Drag”のイントロが流れ観客が反応する。Johnnyは3人のホーンセクションに並んでサックス。右手の若いギタリストがこの曲や”Jacob's Ladder”の中間部で長いギターソロを聴かせ新しい解釈を加えていた。彼の若さがこの親父バンドに活きの良さを持ち込んでいるのが見て取れた。

ここでHueyのMC。「ドモアリガト、トーキョー!今日は11月21日の水曜日だ。今夜を忘れられない夜にしようぜ。これは新曲だ」”Her Love Is Killing Me”とタイトルされたノリの良いR&R。最後Hueyはタイトル通りドラムセットに倒れ込む茶目っ気を見せる。昔の曲と新曲やカヴァー曲を上手く織り交ぜながらセットは進んでいく。Hueyはバンドマイクでステージを左へ右へ動き「Are you with me !?」と煽ったり、観客に歌わせたり、上手く場内を盛り上げる。

途中1人ずつバンド紹介。オリジナルメンバーのキーボードSean HopperやドラムBill Gibsonの時は一際大きな歓声が上がった。「続く2曲はアカペラだ。知ってれば歌って、知らなければ手を叩いてくれ」メンバー全員ステージフロントに出て来て横一列に並ぶ。楽器はギター1本とベース、スネアドラムとホーン。この編成で1曲歌った後は、5人だけになり今度は完全なアカペラで新曲”Looking For A Love”。これがまた見事で、Seanの低音が特に良い味を出していた。

ここでHueyが「Lets go back to the future !」と叫び”Back In Time”へと雪崩れ込む。ここからはヒット曲のオンパレードと行って欲しかったが、”Heart And Soul”の後はまたカヴァーがありつつ本編終了。

アンコールで歓声の中Hueyが1人でステージに戻った後、ホーンセクションの紹介。そして「何か聴きたいか知ってるよ。30年前にこの曲を書いて以来毎晩演ることになった。これは君達のためだ」と言って始まったのは”Power Of Love”。中間部でHueyが「Can you feel it?」と煽る。正直愛の力は感じないが、音楽の力は感じることが出来た。

クールダウンしてミドルテンポの”Stuck With Me”。幸福感溢れる歌詞と綺麗なコーラスに改めて良い曲だなというのと、西海岸のバンドだなというのを再認識する。
その後ドラムとハーモニカだけで盛り上げた後、アップテンポの”Working For Living”で駆け抜ける。最後は全員で飛び上がって最後の音を鳴らして終了。横一列で挨拶をした後、大歓声の中ステージを去って行った。90分という短い時間ではあったが素晴らしいステージだった。

残念だったのは自分の席位置。ステージは良く見えたが、結局最後まで立ち上がることが出来ずじまい。これは座って観るような音楽じゃないだろう。こんな最高のR&Rは。

1. The Heart Of Rock & Roll
2. Remind Me Why I Love You Again
3. Doing It All For My Baby
4. I Want A New Drug
5. Her Love Is Killing Me
6. Jacob's Ladder
7. Hip To Be Square
8. Um, Um, Um, Um, Um, Um, Um
9. Lookin' For A Love
10.While We're Young
11.Back In Time
12.Heart And Soul
13.But It's Alright
14.We're Not Here For A Long Time
encore
15.The Power Of Love
16.Stuck With You
17.Workin' For A Livin

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Huey Lewis & The News 「Fore!」(1986)

FORE!
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
ユニバーサル ミュージック
2015-11-04


① Jacob's Ladder
② Stuck With You
③ Whole Lotta Lovin'
④ Doing It (All For My Baby)
⑤ Hip To Be Square
⑥ I Know What I Like
⑦ I Never Walk Alone
⑧ The Power Of Love
⑨ Forest For The Trees
⑩ Naturally
⑪ Simple As That

先月は妙に映画「Back To The Future」に関するニュースが多く流れていたので気になっていた。何でもPart 2でタイムスリップした未来が2015年10月21日だったらしい。当時のこの映画で描かれていた未来のタブレットやウェアラブルPCなどほとんどの物が実現しており、時代の流れを改めて感じた。

個人的にこの映画で思い出すのは主題歌”Power Of Love”を歌っていたHuey Lewis & The Newsだ。洋楽を聴き始めたばかりの中学生だった私にとって、Billboard Top 40で見た彼らのPVは非常にカッコ良く、アメリカのイメージを鮮烈に植え付けられたものだった。

彼らのデビューは1980年。最初は鳴かず飛ばずだったが、2ndアルバムからシングルヒットが出て、1983年の「Sport」で遂に全米No.1を獲得する。それに続くこの4ndアルバム「Fore!」、シングル①②⑧も全てNo.1となり、当時の彼らの絶頂ぶりが分かる。

Hueyのハスキーなボーカルとハーモニカと、飛び跳ねながら演奏するバックバンドThe Newsの一体感。弾けるようなポップさはいかにも80年代西海岸らしいが、その実はR&Bやブルースなどアメリカ伝統音楽に根差したしっかり地に足の着いたRock & Rollだった。Tower Of Powerの参加やBruce Hornsbyのカヴァーも光っている。

ちなみにHueyは70年代には結構下積みが長く、後にDoobie Brothersに加入するJohn McFeeと一緒にカントリーロックバンドで活動していた。またイギリスで活動中にはPhil Lynottとも意気投合しており、Thin Lizzyのライブやソロでもハーモニカで客演していたこともある。

2013年に突然来日した際には、他の来日ラッシュのため残念ながら行くことができなかったのだが、今でも非常に心残りである。

★★★★

 

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