Art

「白旗史朗 フジクロームで描く美しき日本の屋根」

shiro

六本木のフジフィルムスクエア開館十周年記念企画の第3弾として、今度は「日本山岳写真界の至宝・白旗史朗  フジクロームで描く美しき日本の屋根」が開催されていました。

タイトルの通り白旗氏は日本を代表する山岳写真家です。私の中でも、昔実家で氏の直筆サイン入り写真集を見て以来、山岳写真家=白旗史朗という強いイメージがあります。

国内外の多くの山の作品がある中で、今回は南・中央・北アルプスの作品約40点が展示されていました。残雪の春山、野花の夏山、紅葉の秋山、吹雪の冬山、四季折々の様々な色に彩られた美しい日本アルプスの山々の一枚一枚に、思わず感嘆の声を上げながら観入ってしまいました。場内には愛用されていたかなり旧式のカメラも展示されていましたが、この重いカメラや機材を持って厳冬の雪山を登り、シャッタータイミングを待ち続けるのを想像すると頭が下がります。

中でも氏の真骨頂は、南アルプスから捉えた霊峰富士。このテーマでは数多くの作品が発表されていますが、本展でもいくつか展示されていました。中でも千枚岳からオレンジ色の朝焼けを撮った「明け初めし中に」と、ピンクの夕暮れと満月を捉えた「富士に満月登る」は絶品でした。

そもそも富士山は撮る場所によって山様が全く変わります。私も毎朝最寄駅までの道中に拝んでいますが、神奈川から観る富士は朝焼けに白い山頂が映える一方、夕焼けは逆光になります。しかし南アルプスからは夕暮れでも山肌が見える一方で、朝焼けが逆光。しかも神奈川からは見えない山頂に2本の角が生えたような山様が拝めます。

いずれ南アルプスにも登らなければいけないなぁと思いました。

IMG_2182

怖い犬ジャケ

謹賀新年。年末年始は除夜の鐘突きや初詣など行列に並んでばかりでした。

さて今年は戌年とのこと。犬ジャケは色々あるけれど、コミカルやアットホームなものばかりでどうも惹かれない。そこで今回は昨年上野の森美術館で話題になっていた「怖い絵展」にあやかり「怖い犬ジャケ」を並べてみました。

FNM
Faith No More 「King For A Day, Fool For A Lifetime」1995
警察犬は犯罪者じゃなくても怖いですね。この絵は好きで昔年賀状にも使いました。ちなみに昨年は初代ボーカルのChuck Mosleyが他界してしまいました。

pavlov
Pavlov's Dog 「Pampered Menial」1975
バンド名の通りパブロフの犬の絵なんだと思いますが、この犬が実験に使われたと思うと少し怖いし可哀想。ちなみにこの甲高いボーカルは好き嫌いが分かれます。

alice
Alice In Chains 「Alice In Chains」1995
日本では発禁差し替えとなった3本足の犬ジャケ。このアルバムを最後にバンドは活動を停止し、ボーカルLayne Staleyは2002年に自殺をしてしまいました。

neurosis
Neurosis 「Times Of Grace」1999
明らかに尋常じゃないこのジャケットがまず怖い。そしてそれ以上に強烈なのが中身。嫁子供がいる時は怖がるので聴けません。


というわけで今年もマイペースでやっていきます。

「没後60年記念 川合玉堂 -四季・人々・自然-」

gyoku

「【特別展】没後60年記念 川合玉堂 -四季・人々・自然-」を観に広尾にある山種美術館に行ってきた。川合玉堂(1873-1957)は明治から昭和初期の日本画壇の中心的画家。山種美術館は創設者が玉堂と懇意にしていた関係で所蔵が多いらしく、計80点がずらりと展示されていた。

古き良き日本の山河を描いた玉堂の風景画は観ていて癒やされる。四季の移ろいの中の山々や渓谷はハッとするような美しさに溢れているし、その中に描かれる人々や動物の表情は柔らかい。それらを通して観る者は玉堂の鋭い感性や温かい人柄を痛感する。

私は日本画について詳しくはないが、写実的な細かい描写や墨の濃淡による陰影は見事。また近景の岩肌の輪郭線は雪舟ぽいなとか、後年の彩色は洋画の水彩画に見えるなと感じた。

圧巻だったのは幅3.7mの大作「渓山四時図」。また初期の「渓山秋趣」や「瀑布」も特に見入った。「鵜飼」のみ撮影できたが、他の作品も持って帰りたかったので図録を購入した。今度は奥多摩にあるという玉堂記念館にも是非行ってみたい。

IMG_2063

「美と崇高の風景写真家 アンセル・アダムス」

image1

六本木ミッドタウンにあるフジフィルムスクエアには、写真歴史博物館とともにフォトサロンが併設されていて、立ち寄るたびに色々な写真展が催されていて、いつも楽しめる場所だ。

先日もたまたま通りかかったついでに覗いてみたら、アンセル・アダムスの写真展をやっていて驚いた。どうやらフジフィルムスクエアの開館10周年の記念写真展だったらしい。写真展サイトでもピックアップされていなかったので全く知らなかったが、これを見逃したら激しく後悔していただろう。もっと宣伝してくれれば良いのに。

アンセル・アダムス(Ansel Adams, 1902-1984)。私が最も好きなアメリカの風景写真の巨匠。有名なのはやはり国立公園の大自然を捉えた作品群で、彼が生涯を捧げたヨセミテを始めとする数々の渓谷や山岳の作品に表現されたアメリカの大自然の雄大な美しさに見入った。またこれまで見たことがなかった静物画や人物画も展示されていた。

今展では京都国立近代美術館所蔵の彼の作品60点が展示されていたのだが、実際観てみて驚いたのは、それらはみなオリジナルプリントで、しかも彼の直筆サインが入ったものばかり。1枚で良いから持って帰りたかった。

コンシェルジェによる解説会では、彼の生涯などとともに、ゾーンシステムという彼の開発した技法について教えて頂いた。本来自然は様々な色によって彩られているが、彼はそれをモノクロの世界で階調のみで表現しきった。それは芸術作品として完成している一方で、観る者に色を想像する余地も残されている。そこにはカラー写真にはない、いつまでも飽きさせない奥深さがあると思う。



こちらは上映会で上映されていた1958年のドキュメンタリー「Ansel Adams, Photographer」。元々プロのピアニストを目指していたアダムスのピアノも披露されている。

「ゴッホ~最期の手紙~」

gogh

映画「ゴッホ~最期の手紙~」を観てきました。TOHOシネマ上野広小路はオープン初日だったため激混みでした。

この映画、ゴッホの動く油絵を体験できるという少し変わった趣向。実際には俳優達の演技を撮影したものを元に、ゴッホの画風を習得した125人の画家達による62,450枚の絵を繋いでアニメーション化しています。

舞台は「夜のカフェテラス」「オーヴェルの教会」「カラスのいる麦畑」「星月夜」etc、登場人物は「郵便配達夫ジョセフルーラン」「タンギー爺さん」「医師ガシェ」etc。彼の有名な風景画がそのまま舞台となり、有名な肖像画がそのまま登場人物となっています。またその中で雲や表情などの動きを表すために少しずつ塗り重ねられている様子が、ゴッホの厚塗りの一筆一筆をより魅力的に魅せています。

こうした構成だけでなく、ストーリーも秀逸。ゴッホの生前最期の手紙を郵便配達夫ジョセフから託された息子のアルマンが、それを手渡すべき人物を探し奔走するというもの。ゴッホの弟テオの死を知った後、最期の地であるオーヴェールに辿り着き、そこでゴッホの死は自殺ではなかったのではという疑問を抱きます。どこまで真実なのか分かりませんが、意外な結末には感動させられました。

波乱に満ちた生涯と鮮烈な作品の数々で、ゴッホは日本でも非常に人気の高い画家ですが、これはファンならずとも観るべき映画だと思います。


 

『セザンヌと過ごした時間』

paul

先日映画『セザンヌと過ごした時間 (Cezanne Et Moi) 』を観に横浜の映画館ジャック&ベティに行ってきました。

印象派の画家も色々いる中で、個人的にはシスレーやピサロあたりは好きなのですが、正直セザンヌの画風はそれほど興味があるわけではありませんでした。ただ彼のサント・ヴィクトワール山を描いた一連の作品には惹かれるものがあったのと、この頃の画家達を取り巻く時代背景に興味がありました。

この映画はセザンヌと小説家エミール・ゾラの友情が主題になっています。移り住んだパリでマネやルノワールら新気鋭の画家達と成功を夢見るが、印象派勃興後に周囲が皆成功を収めていく一方で、セザンヌはなかなかうだつが上がらない。売れなかった画家というのは少なくありませんが、周りが成功している中で自分だけというのは辛いはず。そんなセザンヌをゾラは長年応援し続けるが、ある時その友情にも亀裂が入ることになります。

一番印象的だったのは彼らの地元である南仏エクス・アン・プロヴァンスの風景。一面太陽と緑と山の広がる大自然は、他の印象派画家が描いていたパリ近郊の景色とは比較にならないほど美しく、これがあったからこそセザンヌは最期まで描き続けることを辞めなかったのではないかと思いました。


レコード

record

ジャケットアートはやはりLPレコードの時代が全盛期だっただろうと思います。大きいジャケットに当時は多くのデザイナーがアートを追求し、名を上げたものでした。やがてレコードはCDに取って替わられ、そのアートの世界は縮小しました。そして今や、インターネットの普及によりダウンロードやストリーミングが一般的になったのと反比例して、CDのセールスは壊滅的な状況です。もはやジャケットアートの文化は失われつつあるようです。

ジャケット愛好家としては、これは非常に残念なのと同時に理解に苦しみます。やっぱり素晴らしい音楽は素晴らしいジャケットを眺めながら聴きたいものじゃないのだろうかと。私は自分の中で生涯の名盤と認定されたうちの何枚かはCDだけでなくレコードとしても持っています。ただいかんせんプレイヤーがないのでそれらはもっぱら単なる鑑賞用ですが。

子供の頃は実家にあったレコードプレイヤーで親父のレコードをよく聴いていたものでした。大きなジャケットから黒い円盤を取り出して、溝をよく見ながらダイヤの針をゆっくり降ろす瞬間が堪らなかった記憶があります。実家を出た時にThe Beatlesの「Abbey Road」だけはくすねて来てここにあります。

先日はひょんなことから10数枚のレコードを入手しました。義理の両親が終活と称して処分するというので回ってきたのでした。Elvis PresleyやPaul Simonの見たことないライブ盤。名前は知ってるけどちゃんと聴いたことがないPaul MauriatやThe Stylistics。名前すら知らなかったEugen Cicero、Franck Pourcel、etc。

最近は密かにレコードの売り上げは地道に伸びてきているようで、先日は「ソニーがレコード生産を再開」というニュースも流れていました。こうした温故知新は嬉しいものです。

とりあえずレコードプレイヤーが欲しいな。あ、でも置き場所が。。

『Dark Star - H.R.ギーガーの世界』

darkstar

最後にもう1人取り上げたいのがH.R.ギーガー(Hans Rudolf Giger, 1940-2014)。ジャケットの他に映画「エイリアン」などでも有名なスイスのデザイナーです。その彼のドキュメンタリー「Dark Star - H.R.ギーガーの世界」が東京都写真美術館で上映されていたので観てきました。

彼の世界観は独特です。ある種グロテスクな彼の作品は観る者を選びます。大抵は忌み嫌うでしょうが、闇を愛する人はそこに美を見出します。このドキュメンタリーはそんな彼の世界観を見事に描き出しています。

スイスの彼の屋敷は街中にあるにも関わらず、まるで外界から隔離されています。鬱蒼と茂る森や暗い屋敷の中には、異形の作品が無数に立ち並んでいます。これもお化け屋敷のようですが、好きな人には堪らない博物館でしょう。

子供の頃に父親から貰った頭蓋骨、博物館で見たミイラ、戦争、恋人の自殺、etc。それらが彼を闇の世界へと誘いました。ただ、彼は闇を描き出すことによって恐怖をコントロールし癒しになると語っていたのが興味深かったです。

色々な家族や関係者も証言している中で、驚いたのがCeltic FrostのボーカルTom G. Warrior。同郷のCeltic Frostはジャケットのデザイン提供を受けていたのは有名ですが、Tomが敬愛するあまり秘書まで務めていたとは知りませんでした。

撮影当時ギーガーは73歳。足も悪くして絞り出すように全てを語っていたのが印象的でした。この撮影直後に彼は他界してしまいました。



ちなみに以下は私の好きなH.R.ギーガーの作品5選です。

elp
Emerson Lake & Palmer 「Brain Salad Surgery」 (1973)

celtic
Celtic Frost 「To Mega Therion」 (1985)

steve
Steve Stevens Atomic Playboy 「Steve Stevens Atomic Playboy」 (1989)

bloodbath
Bloodbath 「Traumatic Memories」 (1992)

carcass
Carcass 「Heartwork」 (1993)

ヒプノシスのジャケットアート10選

ジャケットアートに触れるなら避けて通れないのがヒプノシスでしょう。

ヒプノシス(Hipgnosis)は、Storm Thorgerson(1944-2013)とAubrey Powell(1946-)が1968年に結成したイギリスのデザイナーチーム。後にPeter Christopherson(1955-2010)も合流。単にバンドメンバーが並んでいるようなジャケットではなく、写真を元にした前衛アートの世界を確立。Pink FloydやLed Zeppelinをはじめ、プログレやハードロックを中心に非常に多くのアーティストを手掛けました。

個人的にはあまりにシュールなものや奇抜過ぎるものは好きではないのですが、以下の10作品はお気に入り。やっぱりどれも名盤です。

floyd
Pink Floyd 「Atom Heart Mother」 (1970)

nice
 The Nice 「Five Bridges」(1970)

trees
Trees 「On The Shore」 (1970)

argus
Wishbone Ash 「Argus」 (1972)

zep
Led Zeppelin 「Houses Of The Holy」 (1973) 

paul
Paul McCartney & Wings 「Band On The Run」 (1973)

ufo
UFO 「Phenomenon」 (1974)

scorpion
Scorpions 「Animal Magnetism」(1980)

lepps
Def Leppard 「High 'n' Dry」 (1981)

stomp
Anthrax 「Stomp 442」 (1995)

ロジャー・ディーンのジャケットアート10選

最近はだいぶ秋らしくなってきました。私は夏の暑さが苦手なので嬉しい限り。なので今日は秋らしい企画として、プログレとアートについて触れてみたいと思います。

かつてのプログレッシヴロックバンドにとって、ジャケットアートは彼らの音楽を表現する上で非常に大切な要素の一つでした。中でもロジャー・ディーン(Roder Dean)とYesの関係は切っても切れないものでした。

ロジャー・ディーンは幻想的な情景描写を得意とするイギリスのデザイナー。その壮大な世界観、遠近法を活かした大胆な構図、細かく美しい描写が素晴らしく、それらはYesの音楽とも相通じたのをはじめ、他の多くのプログレバンドからも人気を集めました。

実は今年の春に都内でディーン・ファミリー作品展<Anima Mundi>が開催されていました。ロジャー・ディーンの個人展ではないのでスルーしてしまったのですが、今では行っておくべきだったと後悔しています。

以下は私の最も好きなロジャー・ディーンのジャケットアート10選。どれも名盤ばかりです。

gun
Gun 「Gun」 (1968)

cox
Billy Cox 「Nitro Function」 (1971)

fragile
Yes 「Fragile」 (1972)

gentle
Gentle Giant 「Octopus」 (1972)

greenslade
Greenslade 「Greenslade」 (1973)
 
heep
Uriah Heep 「The Magician’s Birth Day」 (1973)
 
magna
Magna Carta 「Lord Of The Ages」 (1973)
 
relayer
Yes 「Relayer」 (1974)

asia
Asia 「Asia」 (1982)
 
abwh
Anderson Bruford Wakeman Howe 「Anderson Bruford Wakeman Howe」 (1989)
Gallery
  • Pat Torpey (Mr. Big) 他界
  • Pat Torpey (Mr. Big) 他界
  • Zeno 「Zeno」 (1986)
  • 京都探訪
  • 京都探訪
  • 京都探訪
  • 京都探訪
  • 京都探訪
  • 京都探訪
Access
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Categories
Comments