Country / Bluegrass

Steve 'n' Seagulls 「Farm Machine」 (2015)

Farm Machine
Steve'n'Seagulls
Spinefarm
2015-05-12


1. Grand Opening
2. Black Dog (Led Zeppelin)
3. Thunderstruck (AC/DC)
4. The Trooper (Iron Maiden)
5. Ich Will (Rammstein)
6. Paradise City (Guns N' Roses)
7. Nothing Else Matters (Metallica)
8. Over The Hills And Far Away (Gary Moore)
9. Seek And Destroy (Metallica)
10. Holy Diver (Dio)
11. Run To The Hills (Iron Maiden)
12. You Shook Me All Night Long (AC/DC)
13. Cemetary Gates (Pantera)

今日はちょっと変わり種をご紹介します。バンドの名はSteve 'n' Seagulls。フィンランドのブルーグラスバンドです。ブルーグラスと言えばカントリーと並ぶアメリカの田舎音楽。なぜ北欧のフィンランドでブルーグラスなのか分かりませんが、テーマは農民、アルバムタイトルも耕運機、格好も完全に農耕職人です。

そして実は彼らが演奏しているのが、ハードロック・ヘヴィメタルなのです。Iron Maiden、AC/DC、Metallica、など往年のHR/HMの名曲ばかり。それらの楽曲が全く新しく生まれ変わっています。彼らが手にしているのは、マンドリン、バンジョー、ウッドベース、アコースティックギター、アコーディオン、ブラシ、etc。完全にブルーグラス。しかも巧い。ただのコミックバンドではないようですね。

特にハマってるのはAC/DCナンバー。③や⑫はむしろこっちの方がオリジナルなんじゃないのかと思ってしまうほどの完成度です。

たぶん世の中にはHR/HMとブルーグラス両方好きという人はほとんどいないとは思いますが、HR/HMファンにはこれを聴いてブルーグラスに興味を持って貰えればと思うし、ブルーグラスファンにはこれがHR/HMにハマるきっかけになればいいですね。これ国内盤出ないんでしょうかね。



他の動画も最高なので是非。

Various Artists 「The Lost Notebooks of Hank Williams」 (2011)

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01 Alan Jackson - You’ve Been Lonesome, Too
02 Bob Dylan - The Love That Faded
03 Norah Jones - How Many Times Have You Broken My Heart?
04 Jack White - You Know That I Know
05 Lucinda Williams - I’m So Happy I Found You
06 Vince Gill w/ Rodney Crowell - Hope You Shed a Million Tears
07 Patty Loveless - You’re Through Fooling Me
08 Levon Helm - You’ll Never Again Be Mine
09 Holly Williams - Blue Is My Heart
10 Jakob Dylan - Oh, Mama, Come Home
11 Sheryl Crow - Angel Mine
12 Merle Haggard - The Sermon on the Mount

Hank Williamsはカントリーの最初のスーパースターだ。Carter Family とJimmie Rodgersが作りあげたカントリーを、全米中に広めたのは彼である。数々のヒット曲を世に放ち、Rock & Rollの誕生につながるなど後世に多大な影響を与えた。私が初めて聞いた時は酔っぱらいみたいに聞こえたものだったが、その独特の唱法も特徴的だった。しかし生来の腰痛に対する薬物によって、29歳という若さで他界してしまっている。

そのHank Williamsが生前に記していたという歌詞ノートが遺品から発見された。それらの未発表の歌詞に曲をつけようというのが今回のプロジェクトである。元々このプロジェクトはBob Dylanが一人でやる予定だった。Dylanはフォークやブルースのみならず、カントリーの影響も強く受けており、過去にも97年にJimmie Rodgersのトリビュートアルバムを手掛けたり、01年にHankのカヴァーアルバム「Timeless」にも参加もしている。しかし今回は結果的に様々なアーティストによるコンピレーションという形になったようだ。

それにしてもそうそうたる面子が集まったものだ。Merle HagardやAlan Jacksonといったカントリー界の大御所から、Norah JonesやLucinda Williams、Sheryl Crowらカントリーに造詣の深い女性シンガー、自身の息子Jacob、かつての盟友Levon Helmまでいる。父親や祖父の名前で活動していたHank Williams Jr.やHank Williams Ⅲではなく、孫娘Holly Williamsを呼んだところや、メインストリームのカントリーシンガー達は呼ばないあたりもDylanらしい気もする。ここにWillie Nelsonがいないのは少し意外な気もしたが。

それぞれのアーティストは、それぞれらしい作品に仕上げてきているが、どれも派手にならずに、素朴で味わい深い作品になっている。それは恐らくこれが単なるカヴァーアルバムではなく、Hankの意思を継ぐという目的だったからだろう。恋心や失恋などのHankらしい詩の数々が、60年という時を超えて初めて現代に唄われていることにある種の感慨を覚えずにはいられない。

★★★★


Willie Nelson 「Country Music」

Country MusicCountry Music
Willie Nelson

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1. Man With The Blues
2. Seaman's Blues
3. Dark as a Dungeon
4. Gotta Walk Alone
5. Satan Your Kingdom Must Come Down
6. My Baby's Gone
7. Freight Train Boogie
8. Satisfied Mind
9. You Done Me Wrong
10. Pistol Packin' Mama
11. Ocean of Diamonds
12. Drinking Champagne
13. I Am a Pilgrim
14. House of Gold
15. Nobody's Fault But Mine

 この人はアメリカ人にとって生きた国宝みたいな人である。しかしそれは何も伝統的なカントリーを長くやっているからというのでない。かつて保守的なカントリーにあって、後ろ指差されながら様々なジャンルとコラボレーションをし続けたことから、異端やアウトローとも呼ばれた。しかしその結果あらゆるジャンルのアーチストから尊敬の念を得ている。Eric Claptonが主催しているCrossroads Guitar Festivalでも、ブルースディではB.B. Kingがトリを努める一方で、カントリーディのトリはやはりこの人だった。

 1933年生まれだから齢77歳になるのだが、未だに毎年のように作品をリリースし続けているその創作意欲には恐れ入る。これまでスウィングやスタンダードナンバーなど他ジャンルに手を出してきたが、今作はそのタイトルの通り直球である。カントリーの聖地Nashvilleで録音し、オリジナルの新曲を1曲、トラッド3曲、定番のブルーグラス/フォーク・ソング、Ernest TubbのM2, Merle TravisのM3, Doc WatsonのM7のカバーを収録している。

 プロデューサーのT-Bone Burnetはルーツ系作品で引っ張りだこのベテランであり、生音を活かしたオーガニックなサウンド作りが非常に巧い人だ。そのつながりでグラミー賞も獲ったRobert Plant & Allison Clauseの「Raising Sand」の熟練の演者たちがバックを固めている。バンジョーやマンドリン、ペダルスティール、フィドルの響きが、Willieの持つ優しく暖かな歌声と相成って、この上なく味わい深い音世界を構築している。また思わずジャケ買いをしてしまう、このジャケットも良い。

 不謹慎かもしれないが、この人には長生きしてほしいと思ってしまう。

★★★★


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