Irish

セントパトリック・クラフトフェスティバル

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相模原の米軍施設 相模デポで行われた「セントパトリック・クラフトフェスティバル」に娘と行ってきました。今年は日本アイルランド交流60周年ということで、アイルランド大使館後援で初開催。セントパトリックのフェスは代々木公園でもありましたが、今回はこちらへ。普段は入れない場所というのもありましたが、目当ては世界各国100種近くのクラフトビールの数々。

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で、私が呑みたかったのは、やっぱりアイルランドのビール。ここはあえてギネスではなく普段呑めないキルケニーを。コクのあるレッドエールビールを、フィッシュ&チップスと一緒に堪能。

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続いてセントパトリックディ限定のグリーンビール。ブルーキュラソーを混ぜて緑色にしているそうです。今度のお伴はビーフステーキ丼(呑み食いばっかだな)。

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ちなみにこの日は皆一斉に緑色をまとうことになっているので、娘は黄緑、私はモスグリーンを着ています。キッズアトラクションも結構充実していました(全部有料でしたが)。

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もう1つの目当てがステージだったのですが、早い時間だったからか若干寂しめ。なぜかメキシカンバンドが多かった。でもアイリッシュダンスもあったし、最初のバンドはThin Lizzyの"Call The Police"なんかも演っていました。もっと遅い時間までいられればアメリカ陸軍軍楽隊の演奏も見られたのに残念。また来年かな。

Phil Lynottとアイルランド

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今日は私の好きなアイルランドの英雄Phil Lynott(フィル・ライノット)について取り上げてみます。

彼は1949年8月20日イギリスのバーミンガム近郊で、アイルランド人の母親とブラジル人兵士の父親の間に生まれました。しかしすぐに帰国してしまった父親の顔を見ることはなく、肌の色の違いから差別も受けます。その後祖父母のいるアイルランドのダブリンに移り、そこでアイルランド人としてのアイデンティティを強く持つに至ります。

ダブリンで彼は伝承曲を始めとする様々な音楽的影響を受けるとともに、詩作にも目覚めます。それらを元に自己表現として自身のバンドThin Lizzyを結成するに至ります。

彼の作る音楽は、フォークロック、ファンク、ハードロック、エレクトロポップなど、時代とともに様々に変化しましたが、そうした中でアイルランドの伝承曲のメロディを取り入れたものが多くありました。また詩作の面でも、祖国への想いを編んだものも少なくありません。今日はそんな彼のアイルランドに因んだ曲を10曲取り上げてみます。

Whiskey In The Jar (1972)
アイルランド伝承歌をアレンジした曲。バンドとして初めてのシングルヒット

Eire (1971)
中世の頃に侵略してきたイギリス軍と戦ったアイルランドのオドネル卿について綴った叙事詩

Dublin (1971)
故郷ダブリンを離れる時の寂寥の想いを綴った短い叙情詩

The Rise and Dear Demise of the Funky Nomadic Tribes (1972)
タイトル通り中世にアイルランドに侵略したノルマン民族の興亡を綴った長尺ファンク曲

Sarah - version 1 (1972)
祖母に宛てた曲で、後年のものとは同名異曲。美しいピアノは同郷のClodagh Simonds。

Philomena (1974)
こちらは母親に宛てた曲で、タイトルは母親の名前。ギターリフはケルト旋律を奏でている。

Emerald (1976)
エメラルドとはアイルランドのこと。これも中世における英軍侵略の様子が描かれ、このギターリフもケルト音階

Fools Gold (1976)
19世紀半ばのアイルランド大飢饉についての曲。この時に餓死や国外流出で国民の2/3を失った

Roisin Dubh (Black Rose) A Rock Legend (1979)
代表曲の1つ。Danny BoyやShenandoahなどの伝承曲を交えながら、祖国の歴史を俯瞰する一大絵巻

Cathleen (1982)
愛娘に向けて歌った曲。美しいアイルランドの少女という副題が付いている

 

温かみが感じられる曲調や歌詞、そして低い歌声が好きでした。1986年1月4日、ドラッグのオーバードーズにより他界。ダブリン郊外に埋葬され、街の中心部には彼の銅像が建てられています。いつか墓参りにダブリンに行きたいと思っています。

アイルランドの名盤10選

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毎年3月17日はセントパトリックデイ。アイルランドに初めてキリスト教を伝播したカトリック牧師を祝したアイルランドの記念日で、本国を始め移民の多い各国で祝われます。

アイルランドは元々は自然信仰の国であり、伝播されたキリスト教もその自然信仰と融合したことで、この国に浸透しました。豊かな自然と、2000年のケルト文化を受け継ぐ伝統のある国です。

この国の魅力は色々あるのですが、特に人を魅了するのが音楽です。様々な固有の楽器で、陽気さと哀愁を併せ持つメロディを奏でるそれはケルト音楽とも呼ばれます。アメリカのカントリーに与えた影響も大きく、カントリーが後のロックンロールに発展したことを考えると、その影響の大きさも分かるでしょう。

今日はそんなアイルランドのミュージシャン達の名盤を選んでみました。ただ奥が深いので、ここではあくまでもポピュラーミュージックにおける有名どころのみを並べています。

The Clancy Brothers & Tommy Makem 「The Clancy Brothers & Tommy Makem」 (1961)
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ニューヨークへ渡った移民達の粗野だが温かみのあるフォークソング集。Bob Dylanにも影響を与えた。
 
Van Morrison 「Astral Weeks」 (1968)
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孤高の大音楽家。88年のThe Chieftainsとの合作「Irish Heartbeat」も傑作。

The Chieftains 「8」 (1978)
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Paddy Moloney率いるアイルランドの至宝。半世紀以上にわたり様々な形で伝統音楽の普及を続けている。

Thin Lizzy 「Black Rose」(1979)
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ダブリン出身のPhil Lynott率いたハードロックバンド。多くの祖国に因んだ曲の中でもタイトル曲は有名。

U2 「War」 (1983)
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アイルランド史上最も世界的に成功したロックバンド。社会活動にも積極的で影響力も大きい。

Gary Moore 「Wild Frontier」 (1987)
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Thin Lizzyにも在籍した名ギタリスト。親友Phil他界後に制作した本作は祖国色が強い。

The Pogues 「If I Should Fall From Grace With God」 (1988)
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アイリッシュトラッドにパンクを足したら飛びきりカッコ良くて楽しい音楽が誕生した。最高。

Enya 「Watermark」 (1988)
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世界的にケルトブームを巻き起こした立役者。多重録音による荘厳な音像は単なるヒーリングに非ず。

Altan 「Harvest Storm」(1992)
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こちらも伝統音楽を脈々と受け継ぐグループ。ゲール語で歌うMaireadの澄んだ歌声が心地良い。

The Corrs 「The Corrs」 (1995)
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世界的な成功を収めた姉妹4人組。優れたポップソングの中で踊るフィドルが良い。

Henry McCulloch 他界

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ギタリストHenry McCullochが亡くなりました。享年72歳でした。

ネット上のニュースでは、どこも彼のことをPaul McCartneyのWingsのギタリストとされていました。確かに彼は短いWings在籍時に素晴らしいギターを残していますが、彼の経歴はそれだけではありません。

元々彼はJoe CockerのバックバンドであったGrease Bandの一員でした。素晴らしいスワンプロックを聴かせる実力派バンドであり、69年にはウッドストックのステージにも上がっています。また多くのソロアルバムを発表している他、Ronnie LaneやFrankie Millerなど多くのアーティストのアルバムでも弾いています。

さらに言うと、彼は北アイルランドの出身で、アイリッシュ伝統音楽グループSweeney's Menにも参加していました。Wingsで最初にレコーディングしたのが”Give Ireland Back To The Irish”だったのも何かの縁だったのでしょう。

RIP

 

The Chieftains Live Report 2012



1 Dec 2012 @ オリンパスホール八王子

The Chieftainsの来日公演に行ってきた。今年ライブはこれが6本目。私にしては例年にないくらいライブに行ったが、これが今年の最後になる。

The Chieftainsは今年50周年を迎えるアイルランドの大御所である。半世紀もの間とどまることなく伝統音楽を現代に継承し続けてきただけでなく、世界中のあらゆる国のあらゆるジャンルのアーティストとコラボレーションし素晴らしい音楽を作り続けてきた。結果グラミー賞やアカデミー賞など数多くの輝かしい功績も残している。

彼らの来日は10回目となる。今回は半月ほどかけて日本中をツアーしている。週末ということもあって八王子のチケットを買ったが、正直言って当日会場はガラガラになんじゃないかと心配していた。しかしそれは杞憂だったようで、実際会場は幅広い年齢層の観客で満員だった。

17:00にメンバーが各自楽器を持ちながら登場しそれぞれの席についた。中央にはリーダーのPaddy Moloneyが「よいこらしょ」と声を出して座る。前列左手にはフルートのMatt Molloyとハープ/キーボードのTriona、右手にはフィドルのJonとDeanie、後列左手にバウロンのKevin Conneff、右手にアコギのJeff White。正式メンバーは以前は多くいたが年々少なくなり、現在はPaddy、Matt、Kevinの3人のみだ。

Paddyがティンホイッスルを静かに吹き始め、そこへMattがフルートを重ね合わせる。そして他のメンバーも加わっていき、徐々にテンポアップし盛り上がる。突如女性ダンサーCaraが登場し華麗なアイリッシュダンスを披露。その後Nathanも登場、フィドルを弾いていたJonも立ち上がりPilatzke兄弟2人で華麗なステップを魅せる。ステップに合わせ会場も盛大な手拍子。冒頭から大盛り上がり。

1曲目が終わったところでPaddyは立ち上がりフロントマイクでMC。しかしアイルランド語で話しているようで、全く何言っているかわからない。するとそれに気付いたPaddy、「Oh, sorry sorry.」と英語に切り替えて笑いが沸く。Paddyの得意ネタだ。改めて50周年を迎えたことなどを話し拍手を浴び、その後一人一人メンバーを紹介。しかしここでDeanieの名前を間違えていた(笑)。それにしてもPaddyはもう齢74歳になるはずだがとにかく元気だ。MCの声やホイッスルの音色も力強く、ユーモアもたっぷり。この人のバイタリティと社交性があってこそ、これまでのThe Chieftainsの歴史があるのだろう。

次に左後ろでバウロンを叩いていたKevinがフロントを出てきて、ポケットに両手を突っ込みながらアカペラで歌いだした。バウロンとはアイルランドの打楽器で、Kevinはそれを短いスティックの両端を使いながら巧みに叩くのだが、この人はシンガーでもあり、よく通る歌声も素晴らしかった。

3曲目はメドレー。小気味良い彼らの代表曲"Morning Dew"から、後半はカントリーへ。Jeffはナッシュビル出身のギタリスト兼シンガーであり、バンドに本場のカントリーテイストを加えている。アメリカのカントリーがいかにアイルランド音楽の血を引いているかということを証明していた。

続いて女性シンガーAlyth McCormackが真っ赤なドレスで登場。以前Van Morrisonが歌っていた" Carrickfergus"を歌ったが、Vanを忘れるほどに美しい歌声だった。彼女の2曲目は出身であるスコットランドの民謡。アップテンポで早口なスコットランド語は何歌っているのか全く聞き取れず。

"Toss the Feathers"では各メンバーがソロ回し。Jonのダンサー兼任とは思えないフィドルソロの後、Paddyの突き刺すような鋭いウィッスル。寒く荒涼としていながらもどこか暖かいアイルランドの大地を思わせる。日本の子笛に音色が近いことが日本人に親近感を抱かせるのだろう。またイーリアンパイプも魅力的だったが、その音色が出るしくみがどうしても分からなかった。ダンディーなMattのフルートも渋くて良かった。

前半最後はまたメドレー。そのうちの1曲はMCでもあったように、Rolling Stonesと一緒にレコーディングした"The Rocky Road to Dublin"。そのStonesにちなんで、曲の最初ではStonesの"Satisfaction"のフレーズが挿入されていた。

15分の休憩後、第2部がスタート。日本人の若い男女3人のダンサーが登場した1曲目の後で、PaddyがMC。「私の友人にCaddyという宇宙飛行士がいて彼女の頼みで私のホイッスルとMattのフルートを貸したんだ。すると彼女はそれを宇宙に持って行って吹いてくれたんだよ」 そしてバックスクリーンに実際に彼女が無重力の中でホイッスルとフルートを吹いている様子が映し出された。その音色に合わせるようにバンドは演奏を重ね合わせた。

「次はRy Cooderと一緒に作った『St. Patricio』から。ゲストに東京パイプバンド!」 赤いキルトスカートのスコットランド衣装に身を包んだ10人ほどの日本人の楽団が右袖に並ぶ。この曲は私も非常に好きなマーチ曲だったので、この本格的な再現には感動した。

そして今日の目玉ゲスト矢野顕子さんが登場。左袖のピアノに座り、あの聞き慣れたキーの高い歌声で、アイルランド民謡?を歌う。そしてもう1曲、「このタイトルを付けたのは私じゃないから」と笑いを取りつつ、彼女がThe Chieftainsと共作した"Sake In The Jar"。

その後兄弟がまた見事なダンスステップを魅せ、本編最後の"Finale"。3人の日本人イーリアンパイプ隊の他、矢野さん、スコットランドパイプバンド、今まで出演した全てのゲストが再び登場し、順番にソロを披露する。Mattの長いソロの時にPaddyは、お約束の時計を見たり急かすジェスチャーをして、また笑わせてくれた。矢野さんはなぜかモスラを歌っていた(笑)。

アンコールではバンドの演奏に合わせて、ダンサーたちがさっきのイーリアンパイプ隊と手をつなぎながら登場。そのまま客電のついたフロアに降りてきて練り歩いてくる。観客が一人ずつこれに加わりながら、列はどんどん長くなり、そのままステージに上がっていく。ただこの日の八王子の盛り上がりはスゴかった。全部で列には70~80人はいただろうか。ステージに上がりきれないほどの人数になった列は、もはやバンドの姿が全く見えず、演奏だけが聞こえ、そのまま終了した。

こうして約2時間のコンサートが終了した。豪華なステージでアイルランドを心ゆくまで堪能した私は、余韻を楽しむためにギネスを飲めそうなバーに直行した。恐らく同じような人は多かったことだろう。

Set 1
1. Limerick's Lamentation / Slip Jig Belles
2. (Irish?)
3. Morning Dew / Shady Grove / Cotton Eye Joe
4. Carrickfergus
5. Port a Beal
6. Toss the Feathers
7. Maneo / Mo Ghile Mear / The Rocky Road to Dublin

Set 2
8. The Frost Is All Over
9. The Chieftains in Orbit / Fanny Power / Harp Solo
10.March to Battle
11.(Irish?)
12.Sake In The Jar
13.Ottawa Valley Dance
14.Finale

Encore
15.An Dro


The Chieftains 来日



先日のBeach Boysを始め色んな大御所たちが今年はこぞって50周年を迎えているが、ここにもう1つ50周年を迎えたグループがいる。アイルランドのThe Chieftainsである。

イーリアンパイプとティンウィッスルというアイルランド伝統楽器を操るPaddy Moloneyが中心となり、彼らは1962年にアイルランドのダブリンにて結成された。それまでパブなどでしか演奏されなかった庶民的なアイルランド伝統音楽/ケルト音楽を、初めてステージで演奏される芸術の水準まで高めたのが彼らである。

これまで半世紀に渡る活動の中で、40枚のアルバムを発表し、7回もグラミーを授賞している。またアメリカカントリー・フランスガルシア・メキシコ・中国・日本などの世界中の民族音楽や、ロックでもRolling Stones・Van Morrison・Stingなどそうそうたるメンツとコラボレートしてきている。これはひとえにアイルランド音楽の持つ普遍性と彼ら自身の柔軟性によるところであろう。

そんなChieftainsであるが、今年は50周年を記念してワールドツアーを行っている。そしてそのツアーの最終公演地が年末にここ日本で予定されているのだ。そのプロモーションとして、先日リーダーのPaddyが来日した。8/28に渋谷でピーター・バラカン氏とトークショーを行ったのだが、私は残念ながら見に行けなかった。

しかし8/29に生出演したNHK BS1の番組「地球テレビ エル・ムンド」は見ることができた。73歳になるというがまだまだ健在で、日本人女性のハープ奏者を従えて、Paddyの奏でるイーリアンパイプとティンウィッスルの音色にうっとりされられた。そしてアイリッシュパブさながらのバーカウンターに座り、Paddyが音楽とギネスビールについて語るのを聞き、無性にアイルランドに行きたくなってしまった。ひとまず年末の来日でアイルランドを体験してみたいところだ。

11月22日(木) 渋谷 Bunkamuraオーチャードホール
11月23日(金・祝)焼津文化会館
11月24日(土)滋賀県立劇場びわ湖ホール
11月25日(日)アルカスSASEBO
11月27日(火)北九州芸術劇場
11月30日(金)すみだトリフォニーホール<with 新日本フィル>
12月1日(土)オリンパスホール八王子
12月2日(日)兵庫県立芸術文化センター
12月4日(火)愛知県芸術劇場コンサートホール
12月7日(金)まつもと市民芸術館


The Chieftains featuring Ry Cooder 「San Patricio」

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1. La Iguana (Lila Downs)
2. La Golondrina (Los Folkloristas)
3. A la Orilla de un Palmar (Linda Ronstadt)
4. Danza de Concheros (Los Folkloristas)
5. El Chivo (Los Cenzontles)
6. San Campio (Carlos Nunez)
7. The Sands of Mexico (Ry Cooder)
8. Sailing to Mexico (Carlos Nunez)
9. El Caballo (Los Camperos de Valles)
10. March to Battle (Across the Rio Grande) (Banda de Gaita de Batallon, Liam Neeson, Los Cenzontles and L.A. Juvenil)
11. Lullaby for the Dead (Moya Brennan)
12. Luz de Luna (Chavela Vargas)
13. Persecucion de Villa (Mariachi Santa Fe de Jesus (Chuy) Guzman)
14. Cancion Mixteca (Intro) (Ry Cooder)
15. Cancion Mixteca (Los Tigres Del Norte)
16. Ojitos Negros (Los Cenzontles)
17. El Relampago (Lila Downs)
18. El Pajaro Cu (La Negra Graciana)
19. Finale (Los Cenzontles, Carlos Nunez, Los Folkloristas, Banda de Gaita de Batallon and L.A. Juvenil)

 最近このThe Chieftainsというグループの存在を知り興味を持った。もう既に結成から50年間に渡って伝統的なケルト音楽を演奏し続けてきたアイルランドのベテラングループである。それだけでもスゴいことだが、彼らがスゴいのはそれに留まらず、これまでロックやカントリーなど世界中の様々なジャンルのアーチストたちと交流やコラボレートをし続け、常に新しい音楽を創造し続けている。伝統的でありながら、革新的なグループなのである。

 そのThe Chieftainsが今回あのRy Cooderと組んでコンセプトアルバムを制作した。このタッグは以前The Chieftainsの「Santiago」やRyの「My Name Is Buddy」でもお互いのアルバムに参加している。今回は1846~48年にアメリカとメキシコ間で繰り広げられた米墨戦争において、メキシコ側に味方して戦ったアイルランド人カトリック教徒の聖パトリシオ大隊を題材にしており、その英雄とされる兵士たちを現代に伝えることを目的としている。

 ここでの楽曲はメキシカントラディショナルありオリジナルありだが、そのアレンジとしてはThe Chieftainsが持つアイルランド音楽と、メキシコのミュージシャンが持ち寄るメキシコ音楽が、見事に融合されている。きっと当時2つの文化が出会っていたら生まれていたであろう新しい音楽が構築されているのである。またアメリカのLinda RonstadtやVan Dyke Parksの他、メキシコの歌姫Lila DownsやアイルランドのCarlos Nunezなど3カ国から大勢のゲストミュージシャンを迎え、曲毎に豪華なゲストたちがそれぞれに華を添えている。DVDのメイキング映像にもあったが、特にM1はタップダンスまで披露される大円団。M10はアイルランドのマーチングバンドが行進曲を盛り上げ、M12では90歳のChavela Vargasが歌っている。

 音楽とは文化であり、また文化の数だけ音楽がある。そして異なる文化と文化が邂逅した時に、新しい文化と新しい音楽が誕生する。これが文化の歴史であり、音楽の歴史なのである。この2大アーチストによる共演が提唱している異文化交流の素晴らしさが、もっと世界に広がりますように。

★★★★☆


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