Flamenco

映画 『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』

paco

2014年に66歳という若さで急逝してしまったフラメンコギターの大御所パコ・デ・ルシアのドキュメンタリー映画が上映されていたので、渋谷のBunkamuraへ観に行ってきました。

本当は8/1の夜に行けば「マチネの終わりに」の作家 平野啓一郎氏とギタリスト鈴木大介さんの対談もあったのですが、仕事が終わらなかったので泣く泣く諦めました。

映画の冒頭は彼の子供時代。若い頃からいかに秀でていたかが分かります。でも、ギタリストであった父からリズムの大切さを教わったのに、父のリズムがズレていることを指摘したら怒られたり、兄ペペ・デ・ルシアと共にホセ・グレコのアメリカツアーへ参加するはずが、年齢が若過ぎたために置いてけぼりにされたり、ちょっと可哀想(笑)

中盤はデビューから成功への過程。巨匠サビーカスから模倣ではなく自分自身のギターを演奏するようアドバイスを受けたことよって開眼し、積極的に他ジャンルとの融合を図りフラメンコに革命を起こします。しかしこの結果サビーカスからそれはフラメンコではないと批判を受けてしまいます。これまたちょっと可哀想(笑)

終盤はマジョルカ島で独り暮らしの晩年。他のミュージシャンを招いてレコーディングをする様子や、彼の冗談好きな面が語られていましたが、やっぱりどうしても孤独で気難しい印象は拭えず(笑)

ただこの映画の監督はパコの実の息子なんですね。こんな誇るべき自身の人生の全てを息子に語り切ったパコの晩年は、やっぱり幸せなものだったはずだと思いました。

このように彼の功績とその裏話の数々を知ることの出来るこの映画ですが、何と言っても彼の素晴らしい音楽と演奏を大スクリーンで堪能出来ることが最大の魅力ではないかと思います。




 

Paco De Lucia 急逝



Paco De Luciaが去る2月26日に亡くなった。心臓発作による急逝で、享年66歳という若さだった。

彼は現代フラメンコ界におけるギターの巨匠であった。しかしかつては伝統を重んじる人々からは異端児扱いをされていた。カホンやベースとの編成や、フュージョンなどの他ジャンルとの積極的なコラボレーションがその理由だ。特にAl Di MeoraやJohn McLaughlinと共演した「The Guitar Trio」が有名だが、これは結果的に世の中の多くの人にフラメンコを強烈にアピールしたのだった。

情感豊かな弾きっぷりと、恐ろしく早いピッキングがとても印象的だった。つい数年前も映画「Flamenco Flamenco」に出演していたのを見たばかり。一度生で見ておきたかったものである。

RIP


「フラメンコ・フラメンコ (Flamenco Flamenco)」 (2012)



1. Maria Angeles Fernandez, Carlos De Pepa Y Josemi - "Verde Que Te Quiero Verde" (Rumba)
2. Sara Baras - "A Mi Nina Sarita" (Alegria)
3. Montse Cortes & Diego Del Morao - "Solea Por Bulerias"
4. Diego Amador, David Dorantes - "Dos Almas"
5. Rosio Morina - "La Hermosura De Lo Extrano" (Garrotin)
6. Miguel Poveda - "Esos 4 Capotes" (Copla por Buleria)
7. Eva Yerbabuena - "Llanto" (Solea)
8. Maria Bala - "Saeta"
9. Marcha Procesional, Pepe De La Vega - "Oracion A La Virgen Macarena"
10.Jose Merce - "Martinetey Y Tona"
11.Antonio Zuniga, El Carpeta - "Buleria"
12.Israel Galvan - "Silencio"
13.Arcangel - "Al Despuntar La Manana" (Guajira)
14.Manolo Sanlucar & Carmen Molina - "La Danza De Los Pavos" (Alegria)
15.Estrella Morente - "Tangos"
16.Juan Carlos Romero - "El Tiempo"
17.Nina Pastori, Tomatito & Josemi - "La Leyenda Del Tiempo" (Buleria)
18.Eva Yerbabuena, Miguel Poveda - "Nana Y Cafe" (Cancion De Cuna)
19.Farruquito - "Lluvia De Ilusion" (Zapateado)
20.Paco De Lucia - "Antonia" (Buleria Por Solea)
21.Moraito Chico, Luis El Zambo, Jesus Mendez Y Pena Tio Jose De Paula - "Buleria De Jerez"

私はフラメンコが好きです。が、あまり詳しくありません。今回新旧のフラメンコのトップアーティストたちが勢揃いした映画が上映されていたので興味がありました。この中でこれまで私が知っていたのはギタリストではPaco De LuciaとTomatito、ダンサーではEva Yerbabuenaの3人だけでしたが、奥の深いフラメンコに対して理解を深める勉強のつもりで見てみました。

まず内容としては余計なストーリーもセリフも全くありません。全部で21曲の演目が次々と替わる演者たちによってひたすら披露されていきます。フラメンコとは、カンテ(歌)、バイレ(踊り)、ギターの3要素から成る民族音楽。と理解していたのですが、本作を見てその表現方法の多用さに感心しました。先の3要素のうち、2要素または1要素だけで表現されている場合も多いようで、カンテとパルマ(手拍子)のみ、またはバイレのみというのもありました。さらにはピアノの伴奏(M19)や独奏(M4)もあり、フラメンコにピアノが入ること自体驚きでした。

そして全編を通して、その神業の数々に圧倒されました。バイレでは特に女王Sara Baras(M2)とEva(M7)が圧巻で、王道とも言える優雅かつ力強い舞と速いサパテアード(タップ)が見物。M16の6人による群舞も美しい。他にも男女色んなダンサーが登場するが、それぞれ皆違うスタイルを持っているのが分かります。Manolo SanlucarやTomatitoのギターもはやり絶品で見ていて惚れ惚れさせられます。そもそもここに出てくる人達は皆、リズム感がスゴイですね。パルマだけを見ても、この複雑なリズムを一糸乱れず鳴らしているのに感心します。

もう1つこの映画で感じられたのは、そのヴィジュアル的な映像の美しさです。背景に様々な風景のバックドロップを置いたり、見事な女性の人物画を並べており、その前でそれぞれの演者が演奏するのですが、これが皆本当に絵になる。そしてその華麗でかつ力強い舞いと音色の美しさがさらに華を添える。光や色彩は監督のこだわりだったようです。これは正に1つの芸術品でしょう。

歌詞の内容はほとんどは悲しみを歌ったものが多いですが、虐げられた民であるヒターノ(ジプシー)が作り出したフラメンコが、このような究極の美を湛えた1つの芸術にまで昇華させたということに魅せられました。また若い女性カンテや10代のバイレまで登場していましたが、こうした素晴らしい伝統芸術がしっかり次の世代へと引き継がれているのも素晴らしいことですね。


フラメンコな夜



うちの近所にちょこっと小洒落たレストランがあり、先日偶然発見して嫁さんと一回食事をした。その時にそのレストランでは、時折色んな生演奏を聴かせてくれることを知った。ヴァイオリンやフルートだったり、ポルトガルギターだったり。

そして今夜はフラメンコ。スペイン料理コースと合わせて7000円。値段を見て迷ったが、子供が産まれちゃったらもう二人でゆっくり食事なんてこともできなくなるし、最後の晩餐とも思って予約した。

テリーヌとかポワレとか、庶民にはよく意味が分かんないけど、とりあえず旨いものを食べた後に、演奏者とダンサーたちが登場。フラメンコギター1人、カンテ(歌い手)1人、そしてバイレ(踊り)が2人。哀愁のあるギターの音色に合わせて、女性のカンテのドスの効いた歌声が響きわたる。そして美しいバイレの2人が舞い踊る。正直踊りはもっと輪になって踊ってるような、のんびりしたものを想像していたが、さにあらず。一挙手一投足緊張に溢れ、力強く足を踏み鳴らしながら、優雅で迫力のあるバイレを見せてくれた。

フラメンコとは、ヨーロッパで長年虐げられてきたジプシーたちの、苦しみや喜びを分かち合う手段として生まれた民族文化である。今まで何度か目にしてきたが、これは本当に一つの芸術だ。この日も1時間ほどにわたって堪能させてもらい、最後はお客も踊りや手拍子を教えてもらったりしながら、盛況のうちに終了した。果たして腹の子供にはさぞやかましい胎教だったに違いない。

いつかスペインに行き、本場のフラメンコを見たいという夢を持ち続けているが、叶う日が来るだろうか。
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