1 Impressions
Piano
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1. La Enganadora
ピアノが好きで今までロックの範疇では色々聴いてきましたが、もっとピアノに特化したインスト作品を聴きたいなと思っていました。ただそれはロックにはなく、クラシックでは静か過ぎる。今年そんな折にちょうどリリースされたのを見つけてハマったのが、前から気になっていた上原ひろみさんの新作でした。
またプレイだけで なく楽曲も聴きものです。駆け抜けるようなアップテンポ、グルーヴィなミドルテンポ、静かで美しいスローテンポ、各曲バラエティに富んでいると同時に、展開もめまぐるしく非常にプログレッシブ。ひろみさんもピアノ以外にも色んなキーボードやハンズクラップなど多様な音作りを愉しんでいるのが分かります。
1.
Streets
2.
Jesus Saves
3.
Tonight He Grins Again/Strange Reality
4.
A Little Too Far
5.
You're Alive/Sammy And Tex
6.
St. Patrick's
7.
Can You Hear Me Now?
8.
New York City Don't Mean Nothing
9.
Ghost In The Ruins
10.
If I Go Away
11.
Agony And Ecstasy/Heal My Soul
12.
Somewhere In Time/Believe
今週はSavatage。JonとChrisのOliva兄弟によってフロリダで結成されたバンドである。
1989年の前作「Gatter Ballet」のタイトル曲はJonのピアノを前面にフィーチャーしたドラマティックな名曲だったが、その世界観をアルバム1枚に拡大したのがこの5枚目となる作品である。「Streets」と題されたロックオペラ。ニューヨークのスラム街のドラッグディーラーだったD.T. Jesusが、音楽業界で大成功を収めるものの忽然とシーンから姿を消す。その後復活したが、金の絡みでマネージャーが殺され、贖罪を求めてもがくという内容。
12曲の中でM3、M5、M11、M12は組曲になっているため、実質的には全16曲ある。オープニングはおどろおどろしい印象だが、その後は非常にドラマティックな楽曲が続いていく。アップテンポなナンバー、大仰なミドルテンポナンバー、そして静かな弾き語りが交互に並び飽きさせない構成になっている。何より各曲の曲質が非常に高い。特にM12は名曲。
サウンドの鍵になっているのはJonのピアノであり、要所々々で聴かれる彼の美しい鍵盤の調べが、物語をよりドラマティックなものにしている。高音になるとダミ声になってしまう彼のボーカルは玉にキズだが。またChrisのギターソロも絶妙である。
しかし次作を発表した1993年に、Chrisが交通事故によって他界してしまう。Jonも一時期脱退するがその後復帰しバンドもしばらく存続した。★★★★
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