Cynic

Cynic 30th Anniversary Refocus / Remembrance Japan Tour 2023

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昨日12月9日にCynicの2度目の来日公演を観に行ってきた。前回は2015年なので8年振りだが、その間にドラムのSean ReinertとベースのSean Maloneが相次いで他界してしまったため、隔世の感がある。ちょうどこの公演日がMalone先生の命日だったのも偶然ではなかったかもしれない。

会場のShibuya Cycloneは地下の小さなハコだが、完売の300人で一杯。20〜50代男性が多いが、女性もいた。私はステージ前の左手を陣取る。

18:30 オープニングのExist Immortalというバンドはスクリーモタイプ。短髪ヒゲ面イケメンのボーカルは歌い上げたり叫んだりしながら、場内の反応に嬉しそうだった。

19:30 続いてはCyclamen。このバンドのボーカルHayatoさんがこのイベントの主催者で、この方のお陰で我々はCynicを日本で観ることが出来る。Cyclamenの音楽性はハードコアからメロウな曲まで多様で、Hayatoさんも歌い上げから咆哮まで幅広かった。この日はイベンターとしても随所で細やかなアナウンスなどをして下さり頭が下がる。

20:30 不穏なSEから大歓声の中、お待ちかねのCynicが登場。フロント右手にボーカルギターPaul Masvital、左手にボーカルギターMax Phelps。後方右手にベースBrandon Giffin、左手にドラムMatt Lynch。曲は"Veil Of Maya"でスタート。

Paulは短髪の右半分が白、左半分が黒というクールなヘアスタイルをしていた。メガネをかけ、ヴォコーダーを通して歌う甲高い歌声が知的な雰囲気をまとっている。ヘッドレスギターもトレードマークだが、この日は何と全員がヘッドレスのギターやベースを手にしていた。

私の目の前のもう1人のギターは、ロン毛でいかにもメタルな風貌だが、今回のツアーはこの人が要だ。前回の来日時のデスボイスは同期音源だったが、今回はこの人がリアルに叫んでくれる。やっぱりこの毒の要素があってこそのCynicなのだ。ギターソロもPaulと弾き分けていて、なかなか巧かった。

さてベースだが、5弦の指弾きが今は亡きMalone先生を彷彿させる。目の前にあるスピーカーからもベース音がダイレクトに響いているのだが、およそメタルらしからぬ雄弁なベースラインに終始耳を奪われた。

ドラムも同様で、せわしないリズムチェンジや変拍子を力強くも正確に叩く様子はReinertを思い出させてくれた。予想はしていたが、やっぱりここにあの2人の最強リズムセクションがいれば、と思わざるを得なかった。

今回のツアーは30周年の名盤「Focus」の完全再現となっている。冒頭の"Veil Of Maya"は前回も演っていたが、その後の"Celestial Voyage", "The Eagle Nature"への展開は待望の流れだ。どの曲も怒涛の勢いの動パートから、中間部の幻想的な静パートへと突如変化するのだが、バンドの演奏は息がピッタリだ。Paulが何度もMaxと向き合って演奏していて、こうした和やかな雰囲気は前回はなかったものだった。

Focusからはどの曲も良かったが、特にインストの"Textures"はいかにもMalone先生らしいジャズテイストが印象的だった。最後の激しいリフとジャズフレーズが対位的に重なる箇所など最高だった。

FocusのラストでPaulが「次の曲は知ってるだろう?」と言ったが、いや、全部知ってるから。珍しくPaulがハンズクラップを煽り"How Could I"に雪崩れ込む。

Focusが終わり 、ここでPaulがMCで「亡くなったSean達のために数分間の静寂を」と言っていたと思ったのだが、フロアからはアンコールを求めるCynicコールが巻き起こり、これもやむなしかなと思った。

一旦ステージから降りた彼らは、再び戻ってきて第二部がスタートする。"Kindly Bent To Free Us"や"Adam's Murmur"などここでは新旧織り交ぜる。

さらにPaulだけがステージに残り、アコースティックセットが始まった。これは海外ではなかったセットだ。まず前回と同様に"Integral"。エコーを効かせたボーカルとアルペジオが綺麗な一曲だ。「2人のSeanと最後に演奏したのがこの日本だったから、またここに来られて嬉しい」というMCにしんみり。「次はRetracedアルバムから一曲演ろう。これを演るのは初めてだよ」の言葉に歓声が上がる。デジタルリズムをバックにした"Space"で、この曲が元々持っていたメロディラインがダンサブルなリズムと見事に調和していた。

再びバンドメンバーが全員登場。新しめの"In A Multiverse"の後、最後に演奏されたのは2ndの代表曲"Evolutionary Sleeper"。大盛り上がりで終演し、メンバー4人が並び大歓声を浴びていた。

1. Veil of Maya
2. Celestial Voyage
3. The Eagle Nature
4. Sentiment
5. I'm but a Wave to...
6. Uroboric Forms
7. Textures
8. How Could I
9. Kindly Bent to Free Us
10. Adam's Murmur
11. Box Up My Bones
12. Integral
13. Space
14. In a Multiverse Where Atoms Sing
15. Evolutionary Sleeper

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Cynic 「ReFocus」 (2023)

CYNIC-ReFocus

1. Veil of Maya
2. Celestial Voyage
3. Eagle Nature
4. Sentiment
5. I'm But a Wave to...
6. Uroboric Forms
7. Textures
8. How Could I

今年Cynicはデビュー30周年を迎える。そのCynicに関して2つのニュースがあったので書いておきたい。

まず1つ目は、1993年のデビューアルバム「Focus」のリマスター版「ReFocus」が今月リリースされたことだ。正直言うと私はあまり音質にこだわらないので、リマスターという類いの商品にはあまり興味が持てず、まだ購入していない。しかしこのプログレッシブデスメタルのパイオニアとなった世紀の名盤が再び脚光を浴びることは喜ばしい。

もう1つは、今年の12月に再来日が決定したことだ。今回はこの「Focus」の完全再現をするのだという。こっちは静観出来ず、即座にチケットを抑えた。案の定すぐにソールドアウトとなっていた。

前回の初来日は2015年だった。ギターボーカルのPaul Masvidal、ドラムのSean Reinert、ベースのSean Maloneの3人による息の合った超絶技巧が圧巻のパフォーマンスだった。しかし2020年に2人のSeanが相次いで他界してしまった。現在のCynicにいるオリジナルメンバーはPaul1人だけだ。

最近のPaulのインタビューでMaloneの死について語っていたのを読んだ。それによると彼は介護をしていた母、そして長年の友であるReinertという2人の死に打ちひしがれていたらしい。それを見かねたPaulが西海岸に来るよう誘い、再起を図った直後にコロナ禍となり再び社会との断絶を余儀なくされた。その末での自殺だったらしい。

今回の「Re Focus」のリリースに合わせて、バンドのYouTubeアカウントには"Veil Of Maya"のPVがアップされている。往年の若かりし頃の彼らの様子を観て複雑な思いに駆られる。


Sean Malone (Cynic) 急逝

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Cynicの名ベーシストSean Maloneが12月9日に他界してしまった。死因は不明。享年50歳だった。

今年の1月にドラマーのSean Reinertが亡くなったばかりだったのに、まるでその後を追うようにMalone先生まで逝ってしまうとは…。

Malone先生は本当に素晴らしいベーシストだった。大学で音楽理論を教え、ジャズ・フュージョンにも精通し、フレットレスベースやスティックを自在に操った。デスメタルでもプログレでも彼のプレイは常に超絶技巧なのに流麗でメロディアスで知的だった。

結局2015年のCynicの来日公演が最初で最後となってしまった。Reinertとのリズムセクションは正に最強だったが、特に私はステージ左手で5弦のフレットレスを涼しい顔で指弾きするMalone先生のプレイに終始釘付けだった。

終演後に私は撤収作業をしているMalone先生にお願いして写真を撮らせて頂いたのだが、無理を言ったにも関わらず微笑みながらポーズを取って下さったのが今でも忘れられない。

嗚呼何故…

RIP


Sean Reinert (ex Cynic) 急逝

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元Cynicの名ドラマーSean Reinertが去る1月24日に他界してしまった。享年48歳だった。

Cynicは1993年に「Focus」というプログレッシブデスメタルの幻の名盤を1枚だけ残し解散した伝説のバンドだった。長い時を経て2008年に復活した後、2015年には初来日も果たした。しかしその直後にまた解散という話が出て、結果的にReinert抜きで存続することになった。

ライブで観た彼のドラミングは凄かった。手数足数は多く、変拍子なのにパワフル。Cynicの音楽は彼のドラムあってのものだと思っていたので、彼の脱退がつくづく惜しかった。 死因は不明ということだが、Paulとの仲違いがなければ、Cynicに残っていれば、死ぬことはなかったのだろうか。

RIP


Gordian Knot 「Emergent」 (2002)

エマージェント
ゴーディアン・ノット
マーキー・インコーポレイティド
2002-12-18


1. Arsis
2. Muttersprache
3. A Shaman's Whisper
4. Fischer's Gambit
5. Grace (Live)
6. Some Brighter Thing
7. The Brook the Ocean
8. Singing Deep Mountain
9. Surround Me (Japan Bonus Track)

解散のゴタゴタで何だかライブ後の後味が悪くなってしまったCynic。ライブではPaulやSean Reinartも巧かったが、個人的にはSean Maloneが観られたのが1番良かった。今日は彼に焦点を当ててみたいと思う。

Malone先生がCynicに加入したのは93年。それまでのテクニカルデスだったCynicがジャズ・フュージョンを導入して大胆に音楽性を変えたのは、彼の影響が大きかったのではないかと思う。Cynic解散後の96年に初ソロ作「Cortlandt」を発表したが、ここにはメタル色はなく、ほとんどジャズ・フュージョンの世界だった。

一方で彼は博士号を取得し、オレゴン大学で助教授として音楽理論について教鞭を執っている。Jaco Pastorius関連などベースに関する著書も4本執筆・発表している。こうした学術的なキャリアが先生と呼ばれる所以である。

やがて彼はGordian Knotというプロジェクトを主導する。98年と02年にこれまで2枚のアルバムをリリースしているが、Sean以外にもReinartやJasonも参加しており、ほとんどCynicの別動隊のようなプロジェクトだった。

さらにここに参加しているゲスト陣がスゴい。1stではKing CrimsonのTrey Gun、Dream TheaterのJohn Myung、WatchtowerのRon Jarzombek、2ndでもGenesisのSteve HacketやKing Crimson・Yes他のBill Bruford、といったプログレ界のそうそうたるメンツが顔を揃えていた。

そうした豪華なゲストのプレイもさることながら、やはり要はMalone先生。彼はベース以外にスティックという弦楽器を操るのだが、これは10本の弦を両手でタッピングで弾くものである。そのため通常のベースよりもより多彩で複雑なメロディを紡ぐことができ、弦楽器というより鍵盤楽器に近い。こうしたメロディ感覚が彼のベースプレイにも表れている。さらに彼はギター、キーボード、作曲・アレンジなど、あらゆることを手掛けている。

そしてここで聴ける音楽は本当に深遠で、オールインストながら全く飽きさせない。ソロ作の反動かここではメタル色が戻り、ジャズ・フュージョンを消化したプログレッシブメタルという作風。ベクトルは2作とも同じだが、1stは少し難解で後期King Crimsonに近い印象だった。それが2ndではメロディアスになり、より調和を重視した作風になっている。動と静のコントラストが明確になり、表情豊かなギターとスティックのソロが美しくドラマティックな世界を構築している。特にM2, M6, M8は名曲。これもライブを観たかったものだ。

先日の公演後に写真撮影や握手をさせてもらった際に軽く聞いてみたのだが、誰とやるかは分からないが、またGordian Knotの次作は作りたいと言っていた。その言葉を信じて楽しみに待つとしよう。 

★★★★

 

Cynic 解散?

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先日のライブの余韻をかき消すような悲報が突然流れた。ReinartがFacebookで解散を発表したのだ。しかし直後にPaulがCynicはReinart抜きで存続すると表明。つい先週22年目の初来日で素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれたばかりなのに、その1週間後にこれとは信じ難い話である。

とにかくPaulとReinartの2人の関係が悪化したということなのだろう。思えばライブ中も皆笑顔はなく、終演後もReinartはMaloneとは談笑していたが、Paulとは互いに距離を置いていた。恐らくツアー前から決まっていたことだったのだろう。だとすれば間にMaloneがいてこそ成り立っていたライブだったのかもしれない。

日本公演の後に予定されていた中国公演が中止されたのは、これが原因ではないと書いていたが、それはきっとBon Joviと同様に政治的な理由なのだと思う。いずれにせよ、結果的に日本公演が彼らの最後となったわけで、それを観られた私達は幸運だったと言う他ない。

もっともこの22年の間の14年間は一度解散していたわけだから、また別々の道を行くのは全く不思議なことではない。また14年後に3人で再々結成してくれることを期待して気長に待つとしよう。

 

Cynic Live Report 2015

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昨日Cynicのライブに行ってきた。93年のデビュー以来、22年目にしての初来日。一度解散した段階で再結成も来日も予想していなかった。これはこの日前座で登場するCyclamenという日本のバンドのボーカルHayatoさんが呼んでくれたものらしい。感謝々々。

会場は代官山Unit。代官山は昔はよく行っていたのだが本当に久しぶり。私がまだお洒落だった学生の頃だから約20年ぶり。ちょうど「Focus」が出た頃位か。

冒頭に登場したのはオーストラリア出身のPlini。聞いたことがなかったが、これがスゴかった。ジャズ・フュージョン色もあるプログレッシブなポストロックと言えばいいのだろうか。若いなかなかイケメンな4人組は緩急織り交ぜながら超絶技巧を魅せてくれた。

2番手がCyclamen。メタル、スクリーモ、デスなど色々混ざった感じで、途中女性ボーカルも登場していた。Hayatoさんはスタート時にも前説をしたり色々気さくにオーガナイズしてくれていたが、実際マイクを持つと凄まじい咆哮を聞かせ別人のようだった。

セッティングの後に、遂に大歓声の中Cynicが登場。右手からギターボーカルPaul、ベースSean Malone、左手奥にドラムSean Reinart。オープニングに2ndから”Evolutionary Sleeper”が始まると皆ステージへと押し寄せる。続いて1stから待望の”Veil Of Maya”が始まるとフロアのボルテージは一気に最高潮に。

Paulはトレードマークのヘッドのないギターを持ち、涼しい顔でテクニカルなリフやフレーズを聴かせる。本来はもう1人いるはずのギターが今日はいないため物足りないかと思ったが、実際それほど気にならず、むしろよりPaulのギターを堪能することが出来た。ヴォコーダーを通したボーカルもアルバム通り高いトーンで浮遊感がある。デスボイスは残念ながらテープと言うかデータ音源だった。Maloneは5弦ベースの指弾き。無表情だが、プレイは激しいパートでは重くスピーディー、静パートではメロディアスにと能弁だ。スティックを演奏しているところも見たかったものだ。Reinartは大柄で両肩には派手なタトゥーが入れており、手数が多いリズムも重くて正確。最強のトリオである。

中盤で印象的だったのはアコースティックでの”Integral”。MCの少ないPaulがここで「アルバムではいつも必ず地球のことを歌っているんだ。人間がこの惑星を破壊していることは非常に悲しいことだね」と熱く語っていた。この後に聴かせてくれた美しいボーカルとSeanの幽玄なベースにも聞き惚れた。

Reinartのタムロールが見事な”Carbon-Based Anatomy”から、最新作のメロディアスな”The Lion's Roar”へ。最後にPaulがファンとスタッフとHayatoさんにお礼を述べる。ここでデビュー時に手紙を送っていたというYumikoさんという女性に特別に感謝の意を述べていた。

そしてラストも最新作のタイトルトラック。正直最後は1stの”How Could I”で締めて欲しかった。結局1stから”Veil Of Maya”の1曲だけだったのは寂しい。この日は3バンドも出演していたのでセットは短く、アンコールも粘ったが会場もこの後予定があるということでなしだった。と若干の心残りはあるが、それでも素晴らしいショーだったのは間違いない。

終演後Paulはフロアに降りてきてファンの握手に応じてくれていた。Reinartは携帯でフロアをバックに自撮り。撤収中だったMalone先生にも無理言ってポーズを取ってもらった。感謝。

1. Evolutionary Sleeper
2. Veil Of Maya
3. Adam’s Murmur
4. The Hallucination Speak
5. Elves Beam Out
6. Moon Heart Sun Head
7. The Space For This
8. Integral
9. Carbon-Based Anatomy
10.The Lion’s Roar
11.Kindly Bent To Free Us

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Cynic 「Focus」 (1993)

フォーカス
シニック
ロードランナー・ジャパン
2002-12-18





1. Veil of Maya
2. Celestial Voyage
3. Eagle Nature
4. Sentiment
5. I'm But a Wave to...
6. Uroboric Forms
7. Textures
8. How Could I

いよいよ来週末に迫ったCynicの初来日公演。最近のヘビロは当然彼らの名盤1st「Focus」である。初めてこれを聴いた時は衝撃的だった。以来幾度となく聴いたが、今でも聴く度に感嘆させられる。

彼らは87年にPaul Masvidal (Vo, G)とSean Reinert (D) によってフロリダで結成された。その後メンバーが入れ替わりながら数々のデモを制作し続けたが、DeathやAtheistなど各メンバーの課外活動のために実際にデビューに至るまで長い時間を要した。Jason Gobel (G) とSean Malone (B) が加入しメンバーが固まりようやくデビューしたのが93年のことだ。

この作品の中には、全く異なる2つの世界観が共存している。1つはテクニカルデスの世界、もう1つはジャズ・フュージョンの世界だ。前者ではデスボイスが咆哮するバックで超絶テクニックのギターとリズムセクションが駆け抜ける。後者では一切のディストーションを排したクリーンなギターとスティックのサウンドが幽玄な調べを奏でる。毎曲中この両者の間で幾度となく転調を繰り返し、時には完全融合するのだが、そのあまりの違和感のなさが驚異的なほどにプログレッシブなのである。Paulのボーカルも常にヴォコーダーを通して高く歪ませていて、これも不思議な浮遊感を生んでいる。

91年のデモも聴いたが、そこでは単なるテクニカルデスでジャズ・フュージョン色はまだどこにもなかった。この2年の間の変化は大きい。今作ではデスボーカルはゲストメンバーであり、以降の作品でもデスメタルの要素は急速に減少していく。結局彼らにとってのデスメタルとはあくまでも一過性の表現方法だったようだ。

しかし今作ではこのあまりにもかけ離れた両者の間の振幅が、それぞれの効果を最大限に爆発させており、それが強烈な個性となっていた。当時これを聴いてしまったお陰で、以降変態と銘打った作品は全て物足りなくなってしまった。ここまで奇天烈で美しく完成度の高い作品は他に類を見ず、この1枚であっけなく解散したという事実も彼らの孤高性を高めたと思う。

★★★★★


Cynic 来日決定

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先月のバレンタインの日にネットで「Cynic来日決定」 のニュースを見つけて驚いた。 93年のデビュー以来これが初来日である。Cyclamenという日本のバンドが招致してくれたようだ。Twitterなどネット上では一部のマニアの間で大騒ぎになっていた。

とにかくデビューアルバム「Focus」はスゴかった。強烈なデスメタルと美しいフュージョンが超絶技巧の上で高次元で融合しており、後にプログレッシブデスメタルと呼ばれるジャンルの先駆けとなったアルバムだ。しかし彼らはこの1枚のみを残してあっけなく解散し伝説となっていた。

解散後メンバー達は様々なプロジェクトでの活動を経て再結成し、2008年に何と15年振りとなる2ndアルバムを発表する。その後もコンスタントにアルバムをリリースしており、今はもうデスメタルの要素は消えてしまったが、依然レベルの高いことをやっている。

最近のセットリストを見ると1stの曲も少しだけだが演っているようだ。しかもどうやらベース・スティックのSean Maroneも来るらしい。チケットも無事確保したのであと半年楽しみにしていよう。

Oct. 31. 2014 @ Circo Volador , Mexico City
1. Intro (Tubular Bells)
2. Veil of Maya 
3. Celestial Voyage 
4. Evolutionary Sleeper 
5. Adam's Murmur 
6. The Lion's Roar 
7. True Hallucination Speak 
8. Integral (Acoustic)
9. Carbon-Based Anatomy 
10.Elves Beam Out 
11.Gitanjali 
12.Kindly Bent to Free Us 
13.The Space for This 
 
 
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