1 Blessing' It Feat.Substantial & Pase Rock (From Five Deez)
2 Horn In The Middle
3 Lady Brown Feat.Cise Starr (From Cyne)
4 Kumomi
5 High 2 Lows Feat. Cise Starr(Cyne)
6 Beat Lament The World
7 Letter From Yokosuka
8 Think Different Feat.Substantial
9 Supreme Atmosphere
10 Next View Feat.Uyama Hiroto
11 Latitude ~Remix Feat.Five Deez
12 F.I.L.O. Feat.Shing02
13 Summer Gypsy
14 The Final View
15 Peaceland
今年はHip Hopの誕生から50年という節目に当たるらしい。1973年8月11日にニューヨークで若いDJが妹の入学衣装を稼ぐために2台のターンテーブルをつないだことが始まりだという。今回このHip Hop50周年の折にある日本人アーティストを取り上げたい。
このアーティストを私に教えてくれたのは、教員時代のとある男子生徒だった。担任ではなかったので入学の経緯は知らないが、学力は高い一方でどこか斜に構えているような生徒だった。初年度は話し掛けても返答もなかったが、2年目には少し話してくれるようになり、卒業が近くなったある日に突然マイベストCD-Rを作ってきてくれた。サンバ、ジャズ、ロックなどジャンルは多様だが、音楽好きを自負していた私も全く知らないものばかりだった。
CD-Rの後半を埋め尽くしていたのが、このNujabesというアーティストだった。ラップ曲でもインストでも流れるような曲調が聴いていて心地良く、緻密な音作りや多様な展開が飽きさせない。何よりも哀愁を湛えた楽曲が心に残る。名前のスペルを逆にするとセバジュン。東京出身のアーティストであり、プロデューサーであり、レーベルオーナーだったが、音を聴く限りとても日本人には思えなかった。
私はそれまでHip Hopアーティストというのはイコール ラッパーだと思っていた。しかしその認識が間違っており、もはやラップのないHip Hopもあるということを知った。ソウルやジャズに影響を受けた緻密なトラックメイキング。アメリカから呼び寄せたラッパー達に対して、英語も出来ないのに臆せずに細かく指示する強い信念。1stアルバムではまだサンプリング中心だったが、2ndでは生楽器に拘るようにもなった。
Nujabesは2010年に交通事故により急逝してしまう。享年36歳だった。しかし彼の音楽はローファイ・ヒップホップというムーブメントとなり、その後のシーンに多大な影響を与えるのだった。
結局その男子生徒とはあまり話す機会もないまま卒業して行ってしまった。もしまた何処かで会うことがあれば、色々と音楽の話をしてみたいものだ。