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先週1月9日に東京ガーデンシアターへBAND-MAIDのライブを観に行ってきた。彼女らを知ったのは2020年の春のことで、世の中は既にコロナ禍。予定されていたライブも中止となり、オンライン配信での開催となった。その後何度もオンラインで鑑賞したものの、実際に目の前で観たいという気持ちが募った。

しばらくコロナ禍により対面ライブを控えていたバンドだったが、昨年から本格的に再始動。しかしこの時は残念ながらチケットが取れなかった。秋のアメリカツアーを大成功に終え、帰国直後にはさいたまスーパーアリーナでのGuns N Roses来日公演前座も務めた。

今回の東京ガーデンシアターは初めてだったが、有明に出来た新しいホールらしくキャパは8000人。単独では過去最大規模の会場だが、今年結成10周年を迎えるバンドの記念すべき公演として相応しい会場だろう。直前にソールドアウトとなった場内は予想通りおっさん率が高いが女性や小さな子供までいて驚いた。私の席は1Fバルコニーの中央後方でステージは遠いが良く見えた。

オルタナ系のSEが流れた後18時過ぎに暗転。大歓声の中、左手からメンバーが1人ずつ登場。オープニングは"Unleash!!!!!"。今まで見た配信でしか見たことなかった彼女らが目の前にいた。ステージは右からギターKANAMI、ボーカルSAIKI、ギターボーカルMIKU、ベースMISA、後方のドラムセットにAKANEと見慣れた立ち位置。のっけから勢いのあるバンドサウンドに酔いしれる。そして曲は"Play"から"influencer"へ。

まずSAIKIは本当に存在感のあるボーカリストだった。ハンドマイクで力強く歌う姿は綺麗でもあり、かつカッコ良い。正に黒姫。
もう一枚の看板MIKUもトレードマークの銀色のZemaitasを掻き鳴らしながら、高音のハモりが印象的で良いコンビ。
KANAMIのギターはとにかく巧いの一言。ソロの度にフロントに出てきて魅せてくれた。
MISAのベース音は生で聴いて一番配信との違いを感じた箇所だった。バキバキベースが非常に主張が強く、時折派手なスラップも聴かせてくれていた。
AKANEに関しては、あの細い身体でこんなにもパワフルなドラミングで、しかも笑顔を見せる余裕もあるのが不思議だった。

ステージのバックには巨大な映像が流れていてなかなか凝った作りは見応えがある。さらには左右にもスクリーンがあり、演奏しているメンバーのアップも映されていた。遠くからだとKANAMIやMISAの手元が見えなかったので、これは有り難かった。

4曲目にも彼女らのレパートリーの中でも特にアッパーな"Black Hole"が来た。もの凄い勢いで駆け抜けていく。もうこの時点でこの日がどんなセットリストになるのか想像できない。

ここでMIKUのMC。「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様。くるっぽー!」お決まりのセリフに加え新年ということで「あけましておめでとうございますっぽー」とも。

続いてラスト曲のイメージの強い"DOMINATION"が早くも来た。今日は短い声出しもありということで「ハローハロー」も大合唱が上がる。

実はあまり新しい曲は把握しきれていなかったのだが、8曲目の"I'll"は印象に残った。赤黒いダークなバックドロップに、ミドルテンポの重低音はもはやヘヴィメタルだった。

個人的なハイライトの1つ目は名曲"alone"からのインスト"onset"への流れ。爽快な演奏に思わず身体が動き汗をかいた。一旦ステージから下がったSAIKIの代わりにMIKUがボーカルを取って"サヨナキドリ"も披露された。

メンバー全員が下がり、SAIKIが1人戻ってMC。感慨深く10周年について緩く語っている間にMISAから順に1人ずつステージに戻ってきて緩いトークが続く。福袋に各メンバーが私物を入れていたらしく、それぞれ入れたものを披露していた。アメリカで盛り上がったというMISAのエンターテイメントコーナーは、単にMISAが2本目のビール缶をプシュと開けるだけというのもMISAらしい。そして恒例のMIKUのおまじないタイムは盛り上がっていたが、改めてこの人は芸人だなと思った。

16曲目"About Us"はコロナ禍で書かれたバラード。絶望感に包まれていた頃に一条の光となっていた歌詞が聴く者を感傷的にさせた。続いて披露された新曲"Memorable"もバラードだったが、これもまた綺麗な曲で、SAIKIの高い歌唱力が際立っていた。

"from now on"は新しいインストだが、まるでらプログレメタルのようなテクニカルな曲で、彼女らのプレイヤビリティの高さを見せつけていた。

その後も勢いのある曲が続き、最後は"Choose Me"。1人でピンスポットに照らされたSAIKIがソロでイントロを歌った後にバンド演奏へ雪崩れ込み、大歓声の中大団円のうちに幕を閉じた。

アンコールはなかったが、トータル26曲、2時間45分も演ってくれたので場内も満足していた。今回のセットリストは割と新しい曲を中心に組まれていて、進化した彼女らの今を強烈に印象付けるステージだった。個人的には"DICE"や"Blooming"、"Daydreaming"あたりも聞きたかったところだが、それはまた次回への楽しみにすることにしよう。今年はまだ始まったばかりなのだから。

01 Unleash!!!!!
02 Play
03 influencer
04 BLACK HOLE
05 DOMINATION
06 H-G-K
07 the non-fiction days
08 I’ll
09 I still seek revenge.
10 alone
11 onset
12 サヨナキドリ
13 Sense
14 Hibana
15 Corallium
16 about Us
17 Memorable
18 Manners
19 Puzzle
20 HATE?
21 from now on
22 Balance
23 After Life
24 endless Story
25 NO GOD
26 Choose me