Streets
Savatage
Atlantic / Wea
1991-10-15

1. Streets
2. Jesus Saves
3. Tonight He Grins Again/Strange Reality
4. A Little Too Far
5. You're Alive/Sammy And Tex
6. St. Patrick's
7. Can You Hear Me Now?
8. New York City Don't Mean Nothing
9. Ghost In The Ruins
10. If I Go Away
11. Agony And Ecstasy/Heal My Soul
12. Somewhere In Time/Believe

今週はSavatageJonChrisOliva兄弟によってフロリダで結成されたバンドである。

1989年の前作「Gatter Ballet」のタイトル曲はJonのピアノを前面にフィーチャーしたドラマティックな名曲だったが、その世界観をアルバム1枚に拡大したのがこの5枚目となる作品である。「Streets」と題されたロックオペラ。ニューヨークのスラム街のドラッグディーラーだったD.T. Jesusが、音楽業界で大成功を収めるものの忽然とシーンから姿を消す。その後復活したが、金の絡みでマネージャーが殺され、贖罪を求めてもがくという内容。

12曲の中でM3M5M11M12は組曲になっているため、実質的には全16曲ある。オープニングはおどろおどろしい印象だが、その後は非常にドラマティックな楽曲が続いていく。アップテンポなナンバー、大仰なミドルテンポナンバー、そして静かな弾き語りが交互に並び飽きさせない構成になっている。何より各曲の曲質が非常に高い。特にM12は名曲。

サウンドの鍵になっているのはJonのピアノであり、要所々々で聴かれる彼の美しい鍵盤の調べが、物語をよりドラマティックなものにしている。高音になるとダミ声になってしまう彼のボーカルは玉にキズだが。またChrisのギターソロも絶妙である。

しかし次作を発表した1993年に、Chrisが交通事故によって他界してしまう。Jonも一時期脱退するがその後復帰しバンドもしばらく存続した。

★★★★