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2月11日にメイドハードロックバンドBAND-MAID のオンラインお給仕が開催された。本来ならこの日は長い間待ち望んでいた初の日本武道館公演となるはずだった。昨年7月に初めてオンラインお給仕を観戦した時は、翌年には流石に収束し晴れて武道館で観られるだろうと楽観視していた。しかし収束するどころか、2回目の非常事態宣言が発令中の有り様。さぞメンバー達は落胆したことだろうと思っていた。

しかし彼女達はそんな様子は一切見せていなかった。ライブに先立って先月リリースされた新作「Unseen World」では、長きに渡るステイホーム期間中にただひたすら演奏テクニックの磨き上げと、楽曲制作に打ち込んだ結果を見せつけた強力なアルバムだった。そしてそれはライブでも同様だった。

オープニングはアルバムと同じく厳かなイントロから勢いよく"Warning"でスタート。そこから立て続けに"DICE", "Screaming", "I Can't Live Without You"とアッパーなナンバーを叩きつける。5曲目には新作から歴代最も激しい"BLACK HOLE"。限界突破なセットリストとは聞いていたが、それを痛切に実感する。

MIKUのMCの後、スクリーンには時計が巻き戻される様子が映し出される。Road to BAND-MAIDということで、このパートでは歴史を俯瞰するようにデビュー曲"Thrill"から"Don't You Tell Me"まで計7曲が時系列順に演奏された。

黒姫SAIKIのボーカルは無観客もお構いなしに強力にバンドを牽引する。左に立つメイドMIKUのリズムギターも小気味良くハモリも綺麗。KANAMIの天を駆けるようなギターソロには引き込まれるし、MISAの地を這うようなベースも相変わらず良い音をさせている。KANAMIはタッピング、MISAはスラッピングというそれぞれお得意の飛び道具も披露し魅了していた。AKANEのドラミングも凄いのだが、カメラに映る度に笑顔や変顔を見せる余裕が一体どこにあるのかよく分からない。

MIKUとSAIKIのMCの後、今度は現在のBAND-MAIDということで、"After Life"や"NO GOD"など主に新作からテクニカルな4曲。彼女らの成長が感じられる構成だ。

お約束のMIKUのおまじないタイムに続いてはMIKUボーカルによる"サヨナキドリ"も披露された。

意外だったのはSAIKIのMC。彼女の慣れないMCと、それに続いてKANAMIのアコギのみをバックに歌い始めた"about Us"では、コロナ禍におけるファンへの想いに溢れるものだった。そこから名バラード"Daydreaming"への流れも最高だった。各楽器が大暴れするインストの名曲"onset"に至ってはもうじっとしていられず。

この後に機材トラブルがあり、しばらくゆる〜いおしゃべりタイムが展開した。なかなか演奏が再開しなかったが、各メンバーの新楽器紹介やSAIKIの誕生日祝い、楽器隊3人による盛り上げなど、メンバー間の仲の良さが垣間見れた。この中で英会話を練習しているというKANAMIが海外に向けて英語で話していたが、MIKUもせめてこれ位話せれば良いのにと思った。この日Twitterの全米トレンド4位になるほど海外視聴者がいるのだから。

再開した"Choose Me"からはラストスパート。"Blooming", "Different", "Giovanni"と怒涛のナンバーで攻め立て、最後は"DOMINATION"で大団円となった。

計28曲、2時間半に渡るライブはこれ以上ないほどの充足感を与えてくれた。それだけにやはりこれを武道館で見たかったという思いを抱いた。曲間に歓声を届けられないのはどうしても寂しいものがあるのだが、しかし実際に武道館で決行していたとしても結局歓声を上げることも一緒に歌うことも出来なかったのだろう。収束後のリベンジ武道館が早く実現することを待つとしよう。

<setlist>
01.Warning!
02.DICE
03.Screaming
04.I can't live without you.
05.BLACK HOLE
MC (MIKU)
06.Thrill
07.REAL EXISTENCE
08.Don't let me down
09.alone
10.FREEDOM
11.YOLO
12.Don't you tell ME
MC (MIKU & SAIKI)
13.After Life
14.NO GOD
15.輪廻
16.without holding back (instrumental)
MC (MIKUおまじない)
17.サヨナキドリ
MC (SAIKI)
18.about Us
19.Daydreaming
20.Mirage
21.Bubble
22.Manners
23.onset (instrumental)
MC (スーパーぐだぐだタイム)
24.Choose me
25.Blooming
26.Different
27.Giovanni
28.DOMINATION