ハーヴェスト
ニール・ヤング
ワーナーミュージック・ジャパン
2009-11-11


1. Out On The Weekend
2. Harvest
3. A Man Needs a Maid
4. Heart of Gold
5. Are You Ready for the Country?
6. Old Man
7. There's a World
8. Alabama
19. The Needle and the Damage Done Live
10. Words (Between the Lines of Age)

アメリカが大変なことになっている。新型コロナウィルスの感染者は今日の時点で225万、死者は12万人。世界でも突出した数字となっている。PCR検査に必要な医療が発達していることもあるのだろうが、それにしてもという数字だ。

その渦中に起きた警察による黒人射殺と、それに対する未曾有の抗議デモの勃発だった。これまでも度々見てきた光景ではあるが、今回のデモは過去最大規模だという。その背景には分断を助長するようなトランプ大統領に対する抗議も相まって、多くの白人も参加しているからだろう。

私はこれまでこうした黒人差別事件が起きた際には、援護射撃の意味合いを込めて黒人音楽を取り上げてきたが、今回はあえて白人の音楽を取り上げたい。

1972年のNeil Youngの名盤「Harvest」に収録されている"Alabama"。当時黒人差別が目に余るアラバマ州を痛烈に批判した社会的メッセージの色濃い一曲である。

正直言うとこのアルバムのM3とM7で導入された大仰なストリングスはどうにも好きになれなかったが、それ以外は全て聴きものだ。朴訥としたアコースティックギターには物悲しさが、時折聴かせるエレキギターには突き刺すような情念が込められている。特にM4、M8、M10は名曲である。

全米に広がったデモはコロナの感染をさらに広げるだろう。いずれ私はシアトルに住む親戚を訪ねて行きたいと思っていたが、果たしてそんな日は来るのだろうか。もっとも例えコロナが終息してももはやトランプの在任中は行きたいとは思えないが。