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府中市美術館で開催されていた「おかえり美しき明治」を観に行ってきた。明治期の洋画(油彩画・水彩画・版画)に焦点を当てた美術展で、作品数は前後期合わせて約300点。風景画が多く、近代美術が好きな私には期待以上の内容だった。

開国後の明治期にはイギリスからの影響が大きかった。前半には1861年に来日したチャールズ・ワーグマンと彼に師事した鹿子木孟郎の2人の作品が多く並んでいたが、正確な写実表現がしっかり継承されていたことが見て取れた。

油彩画も良かったが、私の目当ては水彩画だった。敬愛する大下藤次郎や丸山晩夏、吉田博の作品も拝むことができたが、彼らの師匠であるアルフレッド・イーストとアルフレッド・パーソンズらの作品も多く並んでいた。それらを比べて観ていると、大下の淡い落ち着いた雰囲気の画風はイーストの、丸山の花々を前景にしたカラフルな画風はパーソンズの影響がそれぞれ受け継がれたのだなということも良く理解できた。

京都や箱根、日光など、当時外国人旅行者に売れた日本各地の名所の見事な風景画の数々を愉しんだが、中でも富士山の作品群は素晴らしかった。また名所ではない風景や、当時の人々の暮らしも描かれているが、今はもう見ることも出来ない古き良き日本がそこにあった。タイムスリップしたような世界観を堪能できる良い企画展だった。

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