日本で開催されたラグビーワールドカップ2019が閉幕した。会場にこそ行けなかったが、仕事柄関係する手配を色々していたので、予想を遥かに超える盛り上がりが我が事のように嬉しかった。
個人的には昔から最強のイメージの強かったオールブラックス・ニュージーランドの敗退が残念だったが、準々決勝で日本を降した南アフリカの優勝も喜ばしいものであった。どこも本当に強いチームばかりだったが、やはり開催国の日本にとって、初のベスト8進出を果たした日本代表の快進撃は偉業だった。
1次リーグ戦で見せた鉄壁のスクラム。周囲を置き去りにして独走していく松島や福岡のトライ。何度も鮮やかに決め続けた田村のPG。様々なシーンが印象に残っているが、その中でも特に印象深いのはリーチ・マイケルである。
あれだけ身体を痛めても何度も相手の足めがけてタックルする姿には頭が下がった。しかしそれと同じ位に勝利後の無表情も印象深かった。アイルランドに勝った時ですら全く喜ぶ様子が見られず、彼が初めて笑顔を見せたのはスコットランド戦の勝利後。主将として双肩にかかる予選通過というプレッシャーの大きさを見るようだった。
今回の大会中、人によっては「純粋な日本人のチームじゃない」と揶揄する声もあった。確かに外国人選手たちは日本民族ではないかもしれない。しかし日本に帰化した選手も多く、日本の心を持ち日本という国をプレッシャーとともに背負って戦った。そんな彼らは間違いなく日本人だと私は思いながら観戦していた。改めて感謝の意を伝えたい。