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ハードコアの祭典「leave them all behind」に参戦してきた。今回は10周年記念ということでConvergeとNeurosisのダブルヘッドライナーという豪華なラインナップである。

会場の代官山Unitに16時の開場と同時に入り、自分としては珍しく物販でNeurosisのTシャツを購入する。しかし体力に自信がないため国内の2バンドは見ずに、飯を食べに一旦外へ出て、19時前に再度戻る。この日はSold Outなので場内は満員状態。このクラスのバンドを呼ぶにはあまりにも狭い会場なのが残念だが、近くで見られるのはありがたいことではある。9割以上男性だが、中には女性もいたことに驚いた。

ステージには青いJane Doeのバックドロップ。Thin LizzyやThe Cureなど意外なSEの後、19:10頃にConvergeが登場した。右手からギターKurt Ballow、ボーカルJacob Bannon、ベースNate Newton、後方にドラム。Kirtが”First Light”の静かなギターリフを奏で、一気に激しい”Last Light”へと雪崩れ込む。この日はアルバム「You Fail Me」の再現ということだが、中でもこの冒頭の緩急の流れが最高だ。

その勢いはそのまま”Black Cloud”, ”Drop Out”へと続く。ステージ前は大暴れ状態で、クラウドサーフやステージダイブが繰り広げられている。そんな観客にJacobはマイクを向けて叫ばせていた。

両腕から首まで細身の身体にタトゥーびっしりのJacobは、何かが乗り移ったようにシャウトをし続け、ステージ中央で凄い存在感を放っていた。両脇のKurtとNateの2人も凄腕を魅せながら咆哮を聞かせていた。今回ドラムのBen Kollerが不在なのが残念だったが、数日で30曲以上を覚えてきたという代役のUrian Hackneyも、Benに負けない位の凄まじいドラミングを聴かせてくれていた。

ミドルテンポの”You Fail Me”とスローな”In Her Shadow”でじっくり聴かせた後は最後まで駆け抜ける。アンコールは5曲。最後は”Concubineで大団円。1時間ほどのステージが終了。Jacobは何度もThank youと繰り返していた。

1. First Light
2. Last Light
3. Black Cloud
4. Drop Out
5. Hope Street
6. Heartless
7. You Fail Me
8. In Her Shadow
9. Eagles Become Vultures
10.Death King
11.In Her Blood
12.Hanging Moon
encore:
13.Reptilian
14.Dark Horse
15.Under Duress
16.I Can Tell You About Pain
17.Concubine




次はいよいよNeurosis。30分のセッティングとサウンドチェック。ローディーに混じってSteveとNoahも入念にセッティングしていた。その後開演までの間も、ステージ右手に緑色の頭をしたDaveがずっと立っていた。そして20:40にNeurosisのメンバーが揃って登場した。右手からベースDave Edwardson、ギターScott Kelly、ギターSteve Von Till、キーボードNoah Landis、後方にドラムJason Roader。

そして始まったのは何と”Through Silver In Blood”だった。JasonとSteveが2人で呪術的なリズムを叩く上に、ScottとDaveが邪悪なリフを刻む。2曲目の新曲”Bending Light”の後に続いたのも”The Doorway”。てっきりこの日は一昨年のセットリストで来ると思っていたのが、予想もしなかった展開に1人狂喜した。

過去の名曲には完全に意識を持って行かれてしまうのだが、新曲の間は比較的冷静にステージを見ることができた。Scottはメインボーカルとして一番前に立ち、シャウトしながらレスポールで轟音のリフを掻き鳴らしている。もう1人のフロントマンSteveも咆哮以外で、”Broken Ground”などでは低音でしっかり歌っていた。またボーカルを取らない間は終始後方のスピーカー前で凄まじいフィードバックを聞かせていた。Daveも指弾きで低音ベースを聞かせながら、時折咆哮を上げている。

個人的に最も楽しみにしていたのはJasonのドラムだったが、実際にその破壊力・手数・正確さ・グルーヴ感を目の当たりにして、やはり最高のドラマーだと痛感した。Noahに関しては正直その役どころがあまり分かっていなかったが、キーボード・シンセサイザー・サンプラーなど様々な楽器を駆使した彼のパフォーマンスを見ることで、この音を出していたのは彼だったのかという発見が沢山あった。

元々ここにビジュアル担当のJosh Grahamがいて、バックに映像が流れていたはずだったが、数年前に脱退してしまっていた。しかし演奏自体が凄すぎて何も不足感はなかった。

曲間にはまるで強風のようなSEが常に唸り声を上げていて、Thank youのようなMCも一切なし。先ほどのConvergeは観客とのコミュニケーションもあり、ある種スポーティーな印象だったのと比べると、Neurosisはストイックなまでの完璧主義で彼らの世界観を構築している。ハードコアの2大巨匠のステージは全く対照的だった。

Neurosisは轟音だけではなく、静パートも聴きものである。”Burn”や”Given To The Rising”の中間部での、たゆたうような残響の中での耽美的なパートから、導火線に着火するように一気に動パートへと転換するカルタシスは、他のバンドでは得難いものだった。

最後は”Stones From The Sky”。Steveが静かに歌い出し、徐々に盛り上がりクライマックスへと突き進む。ここでの主役はNoah。キーボードを壊さんばかりに揺り動かして、恐ろしいほどの音響効果を出していた。

22:00頃終了。アンコールはなく、MCも結局最後までなかった。恐らく他のバンドだと不満に感じたかもしれないが、Neurosisのステージにはそれが相応しいと思った。轟音の芸術とも言える唯一無二の世界観に圧倒された一夜だった。もうこれで思い残すことはないな。

1. Through Silver in Blood
2. Bending Light
3. The Doorway
4. A Shadow Memory
5. Locust Star
6. Burn
7. Broken Ground
8. Given to the Rising
9. Stones from the Sky