ベン・フォールズ・ファイヴ
ベン・フォールズ・ファイヴ
EMIミュージック・ジャパン
1995-12-13


1. Jackson Cannery
2. Philosophy
3. Julianne
4. Where's summer B
5. Alice Childress
6. Underground
7. Sports and wine
8. Uncle Walter
9. Best imitation of myself
10. Video
11. Last polka
12. Boxing

昨年末はSMAPの解散が話題になっていた。ファンではないので特にコメントはないが、一応便乗して少し関係あるものを取り上げてみる。1996年のキムタク主演のドラマ「ロングバケーション」で使われていたBen Folds Five。

いや実際は使われていたというレベルではなかった。登場人物達がクラシックピアニストで、彼らがBF5の来日公演を観に行くという設定で、バンド名も強調されていた。ドラマ以前からここ日本ではアメリカ本国に先駆けて注目を集めていたのだが、高視聴率のドラマでの露出で人気はさらに沸騰した。ドラマの音楽担当も相当な熱の入れようだったのだろうが、前年にデビューしたばかりの新人だからロイヤルティも安かったはずだと思う。

その音楽は分かりやすく言えばオルタナティブロックに出会ったBilly Joelといったところだろうか。ディストーションに歪んでブンブン鳴るRobertのベースと手数の多いDarrenのドラムの上で、Benのピアノが所狭しと暴れ回る。当時ギターレスバンドは珍しかったが、激しくパーカッシブでありながら非常にメロディアスなBenのピアノを聴けば、このバンドにギターの必要性など全くないことが分かった。3人組なのにFiveとするところも彼らのユーモアだ。

ドラマに使われたM2では自身の哲学を高らかに宣言、本国で人気のあるM6では冴えない青年が開き直っている。こうした等身大の歌詞が勢いのあるポジティブなRock & Rollに乗ってアルバム全編を駆け抜ける。全曲素晴らしいが特にM7は名曲。またメロウなM5やM12もお勧め。

2ndでは本国でも成功を収めるが、バンドは惜しくも2000年に解散。その後もBenは精力的にソロ活動を展開し、2005年の東京厚生年金会館と、2006年のウドーフェスティバルでは私も彼のステージを愉しませてもらった。その後2012年にはバンドで再結成している。