ソチオリンピックが連日テレビで放映されている。昨日は男子フィギュアスケート羽生選手の金メダルに沸いていた。昔スキーをやっていた身としては、ここまでで一番印象に残っているのは、スキーモーグルの上村愛子選手である。惜しくもメダルには至らなかったが、非常に素晴らしい滑りだったし、あの体力消耗の激しいスポーツで、これだけ長い年月の間第一線で活躍してきたのは並大抵のことではないと思った。
スキーの上達には環境が大事だ。東京在住だった私はなかなかスキーができず、本格的にやりたいがために長野の大学に進学した。そしてスキーサークルに入り、冬になるとボロ車の屋根に板を載せ、乗鞍、青木湖、鹿島槍、白馬、妙高、志賀高原、野沢温泉など長野中のスキー場を巡ったものだった。
急斜面の上に立つと、無数のコブとその間に深くエグれた溝が待ち構えている。滑るルートを決めて、できるだけ前傾姿勢で攻め込む。コブから突き上げる衝撃を膝だけで吸収しながら、次へ次へと切り替える。どんどん上がっていくスピードに、もう頭では考えずに身体が動くままに任せる。全てのコブを抜けた後に待っているジャンプ台でここぞというタイミングで踏み込み飛ぶ。そしてもはや着地に踏ん張る体力が残っていないと、雪面にグシャ…となるわけだ。
ある時、元オリンピック強化選手だったという女性と知り合って話を聞いたことがある。彼女はあるかつての金メダリストとも一緒に海外遠征などに行っていた人だ。曰くモーグル選手というのはとにかく足の筋肉を鍛えることが大事なため、夏の間はひたすら筋トレだという。なので足はもの凄く太くなるし、激しい筋トレは好きな男の子にはとても見せられないと言っていた。それだけ激しいスポーツにおいて、第一線に立ち続けることはスゴいことなのだ。
まぁ流石にそこまでとは言わないが、うちの娘にも何かウィンタースポーツをさせてみたいものだと、先日の大雪が降った際に外に連れ出してみた。しかしものの15分もしない内に、「さむいからもうかえる~」と家に引っ込んでしまった。うちの娘が冬季オリンピックに出場するようなことは、どうやらなさそうだ。