ノーマーク爆牌党 (9) (近代麻雀コミックス)ノーマーク爆牌党 (9) (近代麻雀コミックス)
片山まさゆき

竹書房 1997-05-01
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謹賀新年。

今年は喪中のため淋しい正月だった。しかし喪中というのは、喪中ハガキを大量に出しても全く見返りがないので、非常に損をした気になるのは私だけだろうか。次回からは喪中ハガキを出さずに、年賀状をもらったら寒中見舞で返そうかと本気で思ってしまう。

さて何か正月らしい話題はないかと考えた末、今日は麻雀について書いてみたいと思う。

私が子供の頃は、毎年正月になると、家族でこたつのテーブルをひっくり返して牌を並べて、よく麻雀をやっていたものだった。点数計算まではしていなかったが、役を覚えて家族4人で打っていた。他の家庭は知らないが、正月とはそういうものだと思っていた。その後高校に入ってからはよく親が不在がちな友人宅に週末集まっては徹夜で打つようになった。家族麻雀だけでは知り得なかった奥深さを知ることで、いつしか父親よりも強くなっていた。

地方の大学に進学した際には、更に多くの麻雀仲間が増え、しかも皆一人暮らしなのが災いし、文字通りどっぷりハマることになる。毎週末はもちろん、下手すれば平日も、夜バイトが終わった後に誰かしらの家に集合し、朝まで宅を囲んでいた。皆事前にカップラーメンやコンビニ弁当やタバコをしこたま買い込み、散々食い&吸い散らかすもんだから、自分の部屋を提供した時は終わった後はたまったものではなかったが、それでも楽しくて仕方なかったのだった。私は比較的大学に頑張って行っていた方だが、周りは落第し留年していた者も多かった。今思えば大学に行ってなかった奴の方が麻雀が強いという構図があった気がする。

そんな罪深い麻雀であったが、その奥深さには魔性の魅力があった。世の中には卓上ゲームは数多くあれど、手役の多さ、相手の手の読み方や心理的駆け引き、点数計算の複雑さなど、麻雀の奥深さは比類がないと思っている。学生時代の私は強くなるために人の手筋を分析したり麻雀漫画を読んだり、それこそ大学の勉強以上に熱心に励んでいたものだった。

そして今改めて考えると、それはビジネスにも通ずるものがある。まず自分の手の内にあるものを十分理解をした上で、最終的な目標を設定し、そこまでの道筋をシミュレーションする。次に情報を収集した上で市場やライバルの動向を分析し、攻守のバランスを取りながら業務を遂行する。そしてタイミングを逃すことなく英断的判断を下す。これは対外的なものだけでなく、職場内で考えてもいいと思う。

ここまで考えると、あの学生時代に費やした膨大な時間も、決して無駄ではなかったのだという気がしてきた。そんな正月のひととき。