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Paul Mccartney

Hear Music 2013-10-14
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1. Save Us
2. Alligator
3. On My Way To Work
4. Queenie Eye
5. Early Days
6. New
7. Appreciate
8. Everybody Out There
9. Hosanna
10. I Can Bet
11. Looking At Her
12. Road
13. Turned Out
14. Get Me Out Of Here

先日遂に11年振りに来日したSir Paul McCartney。1966年当時と同じように法被を着て降り立ったり、相撲観戦に行ったりと話題を振りまいているが、西日本の各会場を盛り上げながら、いよいよ明日は東京にやってくる。今日はそんなPaulがツアーに先駆けてリリースした新作「New」を取り上げたい。

純粋な新作としては2007年の「Memory Almost Full」以来6年振り。昨年スタンダードのカヴァー集が出た時は流石に年相応だなと感じていた。また今作のタイトルが発表された時も、正直あまり食欲が湧かなかったが、予習としてひとまず耳にしてみた。

それが実際に聴いてみて驚いた。恐ろしいほどの若々しさなのである。知らない人に20代の新人アーティストだと言って聴かせても、きっと疑われることもないだろうと思うくらいだ。

まず冒頭かつてのハードロックばりに前のめりな勢いでギターリフが疾走する。中盤には力強いコール・レスポンスを喚起するようなアンセム曲。デジタル処理をしたサウンドも随所に聴かれる。とにかくこれが71歳が作った作品というのが信じ難い。今回4人のプロデューサーを起用したというが、その影響もあるのだろう。ちなみにその内の2人は、George MartinとGlyn Johnsの息子だという。こうしたこともありアルバム全体が非常に多様性に富んだ内容になっている。そして楽曲の質も高い。

しかし一方で世の中は彼の作品にいつまでもThe Beatlesらしさを追い求め続ける人が多いのも事実。ソロとしても十分な成功を収めているにも関わらず。きっとそれはPaulにとっては非常にやり辛い話だろうと思う。先月からのセットリストには、この新作からM1、M4、M6、M8の4曲が加えられているが、これらの新曲は彼のステージに新たな風を吹かせている。71歳になっても前進を続けているSir Paul McCartney。その姿が明日見られる。

★★★★