風の谷のナウシカ 7風の谷のナウシカ 7
宮崎 駿

徳間書店 1994-12
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


先日宮崎駿監督が引退するということで、だいぶ話題になっていた。数々の長編アニメを製作し続け、アカデミー賞などを受賞するなど世界的にも高い評価と人気を博し、アニメを芸術のレベルまで昇華させたと言われている。

私は年代的にも「となりのトトロ」までしか見ていないので、あまり語れるわけではないのだが、その少ない中で最も印象に残っているのは「風の谷のナウシカ」である。当時私はまだ小学生だったが、それまで見たことないようなスケールの大きな世界観に圧倒されたものだった。

その後原作があることを知りハマった。原作に比べると、映画が冒頭のほんの一部のみを簡潔にまとめただけに過ぎず、原作はもっと複雑で重かった。

「火の7日間」と呼ばれる最終戦争により地球上の文明社会が滅亡してから1000年後、腐海という有毒菌類の森に覆い尽くされようとする世紀末の世界が描かれている。当時これを読み、核兵器や化学兵器の恐ろしさや、大自然を支配しようとすることの愚かさを痛感したものだった。

あれから20年以上経った今では、エコという言葉が流行しているが、その一方で大自然の破壊は留まることを知らず、またシリアやイラン・北朝鮮のような国も後を絶たない。そんな世の中を見ていると、この作品のように世界が浄化されるためには一度滅亡を経験しなければならないのかと思ってしまう。1000年後までこの美しい地球を残すためには、宮崎監督がこの作品で問うた重いテーマを、私たちは改めて考え直す必要があるのではないだろうか。