最後のBlack Sabbathに備え右のステージ前に移動したが、そこの混雑は凄まじかった。全く身動きも取れないほどにすし詰め状態で、Sabbathのメンバーが登場してもステージも全く見えない。周囲も汗臭く、隣に密着する人も汗でびっちょり。こういうライブも久しぶりだが、流石にもう年齢的にもこれに耐えられる体力はないので少し後ろに退散する。セキュリティに助け出されている人も多くいた。

さて改めてステージを見ると中央にOzzy、右手にTony、左手にGeezerが見えた。Ozzyは猫背で歩き方も少しヨタヨタとしており大丈夫かなと思ったが、声量は文句なく出ていた。あと海外のライブとは観客の煽り方を少し変えていて、"War Pigs"の最初も観客に歌わせず全部自分で歌っていたし、口癖のようにいつも言っている「I can't fucking hear you !」という乱暴な煽りも、"fucking"は最後まで口にしなかった。

Tonyはガンの治療中は抗がん剤の副作用で頭髪も抜けてしまっていたようでベースボールキャップを被っていたが、今はもうだいぶ髪も元通りになっていた。弾いているワインレッドのSGのギターには、トレードマークの十字架がフレットにあしらってあるのも見える。そのフレットを押さえる彼の右手の指先には確かにサックがはめてあった。そんな指先で器用にチョーキングや早弾きする姿を実際に見て改めて感心させられた。

またGeezerはステージ左であまり動きもせず黙々とプレイしていたが、指弾きでベベベンととても良い重低音を鳴らしており、特にお気に入りの"NIB"のベースソロは最高だった。

さて、後ろのドラムセットに座っているのがBillでないのはやはり残念だったが、こればかりは仕方ない。ただ代役で叩いていたドラマーは若くて非常に上手いドラマーで、"Symptom Of The Universe"の後でツーバスを駆使した圧倒的なドラムソロを披露していた。今回感じたバンド全体の予想以上の現役感は、彼のドラムによるところも大きかったと思う。

セットリストはほぼベストと呼べるもの。中でも印象的だったのは"Black Sabbath"。鐘のイントロから始まるおどろおどろしさは今聴いてもホラー映画さながらの緊張感があり、こんな曲を40年以上前に書いた彼らがいかに当時異端な存在だったかを実感させた。また6月にリリースされることになっているニューアルバム「13」から新曲"God Is Dead"も披露。スローに始まり途中でスピードアップする、初期の彼らのドゥームスタイルを踏襲した佳曲だった。

「もう1曲演ろう」と言って始まったのは私が最も好きな"Children Of The Grave"。Ozzyは低かったが例の蛙跳びも披露してくれた。一度退場しコールの後に戻って来る。"Sabbath Bloody Sabbath"のイントロだけ流れたが、本当はこれはフルで聴きたかった。「みんなクレイジーになるんだ!」という煽りで"Paranoid"が疾走し、大団円のうちに幕を閉じた。

さて1つ確認しておきたいことは、アンコールの時にOzzyは「Are you guys having good time tonight ?」の後で、「Shall we come back next year ?」と確かに言っていたのを聞いた。今回がオリジナルSabbathの最初で最後だと思っていたので全く予想外だった。これが本当に実現するなら、恐らく単独公演ということになるのだろう。正式発表を待ちたい。

1. War Pigs
2. Into the Void
3. Under the Sun
4. Snowblind
5. Black Sabbath
6. Behind the Wall of Sleep
7. N.I.B.
8. Fairies Wear Boots
9. Symptom of the Universe
10. Drum Solo
11. Iron Man
12. God Is Dead?
13. Children of the Grave
Encore
14. Paranoid