上海出張は2泊3日の日程だった。基本的に3日間に目一杯アポを入れていたのだが、当日になって先方の都合で時間が空いたりもした。なので、その空いた時間に少しだけ観光もすることができた。

<浦東>
まず行ったのは浦東。最近発展したアップタウン。見物は超高層ビル群だ。以前はここの421mのジンマオタワーが中国一高いビルだったが、今はその隣に2008年に完成した上海環球金融中心(ワールドフィナンシャルセンター)が492mと一番高い。ちなみに世界一高いビルはドバイにあるブルジュハリーファで828m。金融中心は現在世界で3番目に高いビルであるが、展望台の高さとしては世界一らしい。それならということで登ってみたが、まぁ本当に高いこと。スカイツリーもそうだったが、ここまで高いと現実感がないため怖さも感じない。その高さから見た上海の街はさすがにスモッグ?でくすんでいた。
また横を見ると、今度はさらにもう1つの超高層ビルが建設されていた。632mの上海センタービルで来年完成予定だという。そうなるともうこの環球金融中心には観光客は来ることはなくなるのだろう。この終わらない高さ競争には思わず笑ってしまった。




<豫園>
16世紀の明代に建設された庭園と商業市場で、古い中国の姿を残す上海の少ない観光地の1つ。あまり時間がなかったので、全然ゆっくり見られなかったが、目当ては花文字と指掌画。以前知人に見せてもらったのだが素晴らしかったため、今回土産に是非持って帰りたかった。露店を見つけ料金交渉し100元にまけてもらいお願いする。目の前で書いてくれるのだが、どちらも完成までわずか3分ほど。見事な絵柄を筆や指で瞬く間に描き上げていく様子を見ながら、やはり中国人は高い技術力を持っているということに感嘆した。かつてはその労働力も安かったため日本企業も押し寄せたわけだが、今は賃金も上がり、チャイナリスクも高まったために、日本企業は東南アジアへとシフトを始めたわけだ。そんなことを考えながら筆・指さばきを見ていた。




<南京路>
様々な百貨店やブランドショップが立ち並ぶ中心街の歩行者天国。東京で言えば銀座あたりか。昼夜問わず人通りが多く、その間を縫うように観光客を乗せたトロッコ列車のようなものが何度も行き来をしている。夜はネオンやライトアップで不夜城の様相を呈している。通りのあちこちで人だかりができていたので期待して覗いてみたが、何のことはない、ただカラオケの音楽をバックにそんな大して上手くもない人が1人マイクで歌っているだけなのだ。また別なところでは、数十人ほどのおばさん集団が列に並んで大音量の音楽に合わせて盆踊りのような躍りを踊っていた。そんな集団があちこちで同じようなことをしている。はっきり言ってこの人達はよく恥ずかしくないものだなと感心してしまった。しかし見方を変えれば、年や人目も気にせずに自分のやりたいように楽しむことができる文化というのは、それはそれで羨ましいことなのかもしれない。




<食事>
過去に色々食品偽装があったため、基本的に中国産の食品には不安があった。うちの嫁も中国産の食品は絶対に買わない。しかし滞在中は食べざる得ない。さすがに露店には手を出さなかったが、レストランなど食べた小籠包や上海料理は普通に美味しかった。値段も日本に比べればかなり安い。しかしあまり油っこいものばかり食べ過ぎたせいで、後で胃がもたれてしまったが。




<対日感情>
行く前に懸念していたものの1つがこれだった。日本人ということが分かれば敵意を向けられる恐れがあるのではないだろうかと。昨年あれだけの反日デモの様子を見せられたら不安にもなる。しかし実際はそれも全く杞憂だった。日本と経済的に結び付きの強い上海の土地柄もあるのだろう。店先でも日本人と分かると日本語で話し掛けてくる人も多かった。
2泊目の晩にはある現地の人に夕食に誘われた。昨年末にうちのサービスを提供したことのある、日系企業の中国人営業部長さん達だった。ホテルの高そうな中華レストランでご馳走になった。その時に色々日中関係について意見を聞かせてもらったのだが、悪影響となるだけの島などいらないという意見だった。実利が絡む立場の人ではあるが、現地でこういう意見を聞けたのは貴重だった。


<総括>
3日間の滞在を通じての印象。地域差というものも大きいだろうが、上海を見る限りはインフラは完全に先進国のそれである。一方でその内実はまだまだ発展途上国だという印象だ。私はこれまで発展途上国に行った経験がなかったのだが、今回見てみてそこには良い意味での活気と貪欲さがあり、それらをもってこの国をまだ伸びていくだろうと実感させられた。そこは日本も見習わなければいけないところかもしれない。