宇宙兄弟(17) (モーニング KC)宇宙兄弟(17) (モーニング KC)
小山 宙哉

講談社 2012-03-23
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今年映画化とアニメ化もされた大ヒット漫画「宇宙兄弟」。普段それほど漫画は読まないのだが、随分話題になっていたので読み始めたら、ついハマってしまった。

幼い頃に交わした約束通りに宇宙飛行士になり月へと行った弟。職を失い路頭に迷っていたところに、忘れていたかつての夢を取り戻し、宇宙飛行士を目指す兄。非日常的な舞台における兄弟の夢と絆が描かれている。ストーリーやキャラクターの面白さも勿論だが、宇宙飛行士になるための試験やNASAの訓練など、私達が普段知ることのない世界の様子が事細かに描写されているのがまた興味深い。

私も子供の頃宇宙は大好きだった。もっともこの兄弟のように月への執着は全くなかったが、見える星々や宇宙の巨大さにワクワクし、宇宙の外側の世界に想いを馳せていた。また星座や星の名前も好きでよく覚えていたものだった。特に今頃の空気が澄んだ冬の星空は格別で、オリオン座のベデルギウス、大犬座のシリウス、子犬座のプロキオン、牡牛座のアルデバラン、御者座のカペラなどをつないで冬の大三角や大六角をいつもなぞっていた。しかし今となっては、日々のパソコン仕事のために視力は低下してしまい、もはや二等星以下の星は見えなくなってしまったのが悲しい。

人間夢を見ること、夢を叶えることというのは素晴らしいことである。しかしその夢の内容によっては実現が困難なことも多い。以前私は高校の教員をしていたが、進路指導には苦労した。現実問題として人は生きていくためには稼がなければならないわけで、夢を叶えて食べられるようになるには、資質や努力、時には運も必要になる。若い頃に夢があったとしても、大人になる中で現実を知り、夢の形を変えたり諦めることも多いものだ。だからこそ、この作品で描かれているように一度諦めた夢に改めて挑戦する姿が眩しく見えるのだろう。