2012. 11.8 (Thu.) @ 日本武道館

Norah Jonesの武道館公演に行ってきた。彼女の本格的な国内ツアーは7年ぶりで、私が見るのは今回が初めて。武道館に行くのも久しぶりで、98年のスマパン以来だ。私の席は南東2階席の最前列。前に邪魔もなくステージが良く見えた。男女比率は同じくらい、年配の人もいたが30代位の人が一番多かった気がする。

19:00に前座のJim Campilongoが登場した。Norah Jonesと一緒に組んでいるカントリーバンドLittle Williesのギタリスト。 ウッドベースとドラムのトリオ編成。もともとLittle Williesサウンドの要は彼だと思っていたが、それを納得させるようなプレイを堪能させてくれた。全編インストだったが、ボーカルの必要が全くないほど彼のギターが歌いまくっており、トリッキーなプレイも魅せてくれた。カントリーギタリストかと思っていたのだが、バラッドやヘヴィなロックまでジャンルも多彩だった。

20分ほどの休憩とどんでん。ステージには天井から折り紙の鶴のような照明がいくつも吊るされ、幻想的な演出がされていた。19:50頃にNorahとバンドが登場。Norahはモノクロの短いワンピースを着てピアノに座り、"Cold Cold Heart"を演奏しはじめた。1stに収められていたHank Williamsのカヴァーだ。曲が終わり「コンバンワ。キテクレテアリガトウ」という日本語MCに拍手がわく。

2曲目"Out On The Road"の後、ピアノから立ち上がる。そして赤いギブソンSGを持って中央に立ち"All A Dream"。個人的には未だピアノの印象が強かったため、ギターのNorahは新鮮だ。ソロでは弦を見ながら一音一音丁寧に弾いていた。次はやはり赤のテレキャスターで"Little Broken Heart"。「ニューアルバムから数曲演ったけど、もう何曲か演るわね。」 正直言うとダークな新作はあまり好きではなかった。私の左隣の男性も新作の曲の間は寝ていた。そんな人は少なくなかったのか、新作曲の後でNorahがキーボードに座り明るい"Chasing Pirates"のイントロをが流れてきた時は場内ひときわ大きな拍手が沸いていた。

再びピアノに戻り演奏された"Creeping In"は原曲とは違うバージョンで、強かったDolly Partonのイメージを払拭していた。その後バンドは引っ込みNorahのソロタイム。一人で"The Nearness Of You"と"Don't Know Why"を弾き語る。美しいピアノの調べとNorahのボーカルの魅力に聞き入った。「愛してまーす!」という観客の声に「Thank you. アイシテル。新しい言葉を忘れてたわ。」と返すと、場内笑い声。

"Miriam"は新作の中でも美しい曲で、ライブではより荘厳さを増していたが、やはりどうしてこんな復讐に満ちた歌詞を乗っけてしまったのかを不思議に思いながら聴いていた。"Stuck"はロングバージョンで最後ギターが長いソロで弾きまくっていた。"Lone star"で本編終了し、メンバー一同並んで深いお辞儀をして退場した。

アンコールはメンバー全員がフロントのマイクの前に集まった。皆アコギ、ウッベ、アコーディオンなど生音楽器を持ち、シールドを通さずに集音マイク1本のみで、"Sunrise"を始めた。この演出には会場も沸き、盛大な手拍子で盛り上がる。そしてそのまま"Come Away With Me"で1時間半のステージが終了した。

正直私はこの新しいバンドに馴染みが全くなかった。Lee AlexanderやAdam Levy、Daru Odaら個性的なメンバーが揃っていた初期のHandsome Bandが好きだった。だがライブを見て30前後の男性ミュージシャンで固めた今のバンドも演奏はとてもしっかりしていた。

またセットリストについてだが、新作発表直後のライブでは新作から全曲披露した後で代表曲数曲のみだったので危惧していた。しかしツアーが進むにつれてセットリストは変化していったようで、結果的に1st アルバムから5曲と初期の曲が多く演奏されたのは良かった。ただせっかくJim Campilongoも来ていたのだから、Little Williesの曲も共演してほしかった。先日Wowowで放映されたLittle Williesのライブは本当に最高だったので、いつかそちらも見る機会があればと願っている。

1. Cold Cold Heart
2. Out On The Road
3. All A Dream
4. Little Broken Heart
5. Say Goodbye
6. Take It Back
7. Chasing Pirates
8. Broken
9. Creeping In
10.Black
11.Carnival Town
12.The Nearness Of You
13.Don't Know Why
14.Sinkin Soon
15.Miriam
16.Happy Pills
17.Stuck
18.Lonstar
Encore
19.Sunrise
20.Come Away With Me