Beach Boys
2012.8.16 (Thu) @ 千葉マリンスタジアム

Beach Boysの来日公演に行ってきた。会場は千葉マリンスタジアム。野外の野球スタジアムだが、幸いにも雨も降ることもなかった。また夕方には辺りは涼しくなり、暑い野外で熱中症を心配していたのも杞憂に終わった。

前座は1組目が星野源という日本人のソロアーティスト。しかしツアーパンフを買うためにグッズコーナーに並んだらひどい行列で、40分も待たされたので、1組目は結局見られず。

前座2組目はAmerica。70年代に活躍していたベテラン選手。"A Horse Without Name"しか知らなかったのだが、演奏された楽曲はどれも素晴らしかった。ゲストでChristpher Crossも登場していた。

会場内は年輩の人ばかりかと思っていたが、意外に若い人も多く、年齢層は幅広かった。私の席はA15ブロックで、前の方だが右端。ステージの右側は残念ながら全く見えない上に、前の人の背も高い。しかし出来るだけモニタースクリーンではなくステージを目で追っていた。ちなみにアリーナは満席で12000人いたらしいが、スタンドは残念ながらガラガラだった。

Beach Boysが登場したのは19:00。メンバーの名前を呼び込んで一人ずつ順番にステージに登場する。Bruce Johnston、David Marks、Al Jardine、Mike Love。そして最後に大歓声の中Brian Wilsonが登場し、ステージ左手のキーボードの椅子によろめきながら座り込んだ。後ろにはBrianバンドのメンバー、ギター、ベース、ドラム、パーカッション、キーボード、サックスと大所帯だ。

Do It Againでスタート。そしてCatch A Wave、Hawaii、Don't Back Down、Surfin' Safariと冒頭数曲はメドレー形式で畳み掛ける。さっきのAmericaでは最後までほとんど誰も立たなかったが、今度は最初からオールスタンディングで場内早くも大盛り上がり。ノリの良い楽曲の数々が、予想以上に素晴らしいハーモニーに彩られ、一気に引き込まれた。

一旦クールダウンして、Surfer Girlでしっとりと聴かせる。続いて私の大好きなDon't Worry Baby。高いファルセットのリードボーカルで魅了してくれたのはBrianバンドのJeffrey。ある意味彼がいなければ彼らのハーモニーは完成しなかっただろう。そして冒頭のサーフィンコーナーに続いて、今度はホットロッドコーナーに突入。バックスクリーンにクラシックカーが映され、またアップテンポに攻め立てる。

Mikeは予想以上に声が出ていた。長年に渡ってバンドを存続させてきた自負か貫禄のある歌いっぷりで、歌に合わせて踊ったりターンしてみせたり、堂々としたフロントマンだった。またDavidは毎曲ギターソロを聴かせてくれたが、これもなかなか良かった。Al Jardineは終始笑顔でギターを弾き良い味を出していた。Cottonfeildでの歌唱が特に印象的だった。Bruceも終始ニコニコしていたが、あまりキーボードは弾いていなかった気がする。そのかわり時折ステージの前方まで出てきて観客を煽っていた。

メンバーが皆ノリノリな中でBrianは一人浮いていた。終始うつろな表情で心ここにあらずという感じ。自分の出番以外は基本的に微動だにせず、キーボードに座っているだけだった。キーボードの前には歌詞が出るモニターも取り付けられている。今日は結局立ち上がってベースを持つこともなかった。

Sail On SailorからようやくBrianのコーナーが来ると、待ってましたと歓声があがった。リズムを取るように手のひらを上下させながら、絞り出すようにしわがれた声で歌うBrianを、周りのメンバーがしっかりコーラスと演奏でサポートしていた。続くHeros & Villiansは正にBrianの世界。次から次へめくるめく展開する曲構成は、改めてプログレだなと感じた。ライブでは若干ノリ辛いが、これを完璧にこなす演奏力に感嘆した。

「今から50年前にBrian、Dennis、Carlの3兄弟と従兄弟の私、そしてAlでスタートしたんだ。Brian、兄弟の紹介をしたいかい?」とMikeがBrianに振ったのだが、Brianはそれにほとんど対応できず、曲名だけ紹介した。Dennisの画像をバックにForeverが歌われる。その後今度はBrianはちゃんとCarlの紹介してGod Only Knows。Brianに苦笑しつつも、この2曲は感動的だった。

新作からはGod MadeとIsn't It Timeの2曲。観客の反応も悪くなかった。そして「Pet Sounds」からSloop John BとWouldn't It Be Nice。上がったテンションはそのままGood VibrationやCalifornia Girls、Help Me, Rhondaといったキラーソングで最高潮に。Surfin' USAで本編が終了。

2部構成かと思ったが、結局間を空けずに本編最後までぶっ通しで行った。そして本編終了後もほとんど休憩もないままアンコールに突入。彼らのタフさに驚いた。アンコール1曲目はKokomo。ここでまたChristpher Crossがゲストで登場し、サビのハイトーンで聴かせてくれた。バンドメンバーの紹介を経てBarbara Annへ。ここでAmericaの2人も登場した。そして最後はFun, Fun, Funで大団円のうちに終了した。

結局終わったのは20:40、セットリストは全部で33曲だった。45曲も演っていた本国でのセットリストに比べるとさすがに少し少なく感じたが、前座も長かったので仕方ない。見る前は、こんなメンバーで見られるのは最後だからと、正直それほど内容に期待はしていなかった。しかし実際名曲・ヒット曲のオンパレードだった上に、演奏やハーモニーも素晴らしかった。バックバンドのサポートも大きかったと思うが、フロントのメンバーたちも十分元気だった。Brianに関しては生で見られただけで満足だ。

もう1つ今回のライブを見ながら痛感したことがある。それは、あぁこれがアメリカなのだ、ということだ。50年の歴史の中で、良い時代も悪い時代もあった。バンドの歴史においても、ロックの歴史においても、アメリカの歴史においても。止まることなく半世紀を歩み続けてきた。そして今、これだけのポジティブなバイブレーションをもって、これだけ最高のエンターテインメントと芸術を提示していた。この強さ、偉大さが、Beach Boysであり、アメリカなのだなと痛感したのだった。

01. Do It Again
02. Little Honda
03. Catch A Wave
04. Hawaii
05. Don't Back Down
06. Surfin' Safar
07. Surfer Girl
08. Don't Worry Baby
09. Little Deuce Coupe
10. 409
11. Shut Down
12. I Get Around
13. That's Why God Made The Radio
14. Sail On Sailor
15. Heroes And Villains
16. Isn't It Time
17. Why Do Fools Fall In Love
18. When I Grow Up (To Be A Man)
19. Cotton Fields
20. Forever
21. God Only Knows
22. All This Is That
23. Sloop John B
24. Wouldn't It Be Nice
25. Then I Kissed Her
26. Good Vibrations
27. California Girls
28. Help Me, Rhonda
29. Rock & Roll Music
30. Surfin' USA
Encore
31. Kokomo
32. Barbara Ann
33. Fun, Fun, Fun