先週一足早い夏休みを取り、家族と北海道に旅行に行ってきた。4日間で旭川から登別まで南下する行程だった。登別では雨に降られたが、私にとって一番の目的だった富良野・美瑛は晴天だった。

私が富良野・美瑛に惚れ込むようになったのは、ドラマ「北の国から」がきっかけだ。今月も旅行気分を盛り上げる目的もあり、ずっと借りて見ていた。(先日俳優の地井武男さんが亡くなったというのもある。) 私はもともとこのドラマはスペシャル編以降しか見ていなかったのだが、この機会に連続ドラマの方も見てみた。そして改めて名作だと感じさせられた。こんなに見る度に泣かされるドラマは他にないと思う。五郎さんを始めとする登場人物たちの温かい人情味。さだまさし氏による音楽。そして雄大な富良野・美瑛の情景。



私も以前北海道に住んでいたことがある。当時札幌にいる大学時代の友人に、一緒にベンチャーをやらないかと誘われたからだった。今からちょうど10年前、2002年6月のことだ。結局1年半北海道にいたが、仕事はうまく行かず、金もなく、この頃は私にとって青の時代と呼ばれている。

「北の国から」を初めて見たのもその頃だった。向こうの人達との会話の中で、ことあるごとに話題にのぼっていたので、これは道民として見とかなければいけないのだろうと思ったのだ。そしてそれは乾いていた私の心に染みた。特にスペシャル編の中で大人になる純が人生にもがく姿が印象的だった。

その後私はドラマの舞台となっていた富良野・美瑛を訪れた。1年半の間、夏に1回、冬に1回。真っ青な大空の下に、夏は緑、冬は真っ白の景色がどこまでも広がっていた。それまで私は、なぜ北海道に来たんだろう、ここで一体何をしているんだろうと、ずっと自問自答していた。それがその雄大な景色を目にした時に、初めて北海道に来て良かったと思えたのだった。

富良野・美瑛を訪れたのは、今回の旅行で4度目になる。1・2度目は1人で、3度目は結婚直前に2人で、そして今回は娘も連れて。次に来た時には、娘と同じ感動を共有できたらこれ以上嬉しいことはない。