ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ
ビーチ・ボーイズ

EMIミュージックジャパン 2012-06-04
売り上げランキング : 90

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1. Think About The Days
2. That's Why God Made The Radio
3. Isn't It Time
4. Spring Vacation
5. The Private Life Of Bill And Sue
6. Shelter
7. Daybreak Over The Ocean
8. Beaches In Mind
9. Strange World
10. From There To Back Again
11. Pacific Coast Highway
12. Summer's Gone
13. Do It Again (2012 version)

50周年を記念して再集結したオリジナルメンバーのBeach Boysから、遂に新作が届けられた。正直言ってそれほど期待していなかったが、実際聴いてみてその完成度の高さに驚かされた。彼らの本気度が分かる力作である。

冒頭"Our Prayer"を思わせるような厳かなアカペラからスタートする。まずはそのコーラスワークの美しさが素晴らしい。全編に渡りこのコーラスワークは最大限に活かされているが、70という年齢でこのような若々しいハーモニーを聴かせることができるグループはなかなかないだろう。

続くタイトルトラックは先行発表されたシングル。ラジオで育った世代にはノスタルジーを掻き立てる佳曲。その後も夏らしい爽やかな楽曲が続いていく。そのほとんどはBrian WilsonがJohn Thomasと書いた楽曲だが、Mike Loveの名も一緒にクレジットに入っている曲も多く、基本的に曲質は高い。ちなみにプロデューサーはBrianで、エグゼクティブプロデューサーがMikeになっている。この2人の良い関係の上に今作が成り立っている。

実際アルバムの中ではDavid Marksがギターを弾いている以外は、皆ボーカルのみでほとんど器楽演奏には携わっておらず、全てバックバンドが担っているがそれはもう仕方ない。永い年月の紆余曲折を経てオリジナルメンバーが集まり、これだけの楽曲とハーモニーを聴かせてくれているだけで十分だろう。またM10からM12までの組曲のような構成で、寂寥感をもってしっとりと聴かせる展開のところは、いかにもBrianらしさを感じられた。

「昔みたいにもう一度」という歌詞の曲が多く見受けられるが、それがある種このアルバムのテーマのようになっている。そしてその言葉通り、彼らは昔みたいに素晴らしい音楽を作り上げ、素晴らしいショーを展開している。噂によるとBrianはもう1枚今度はRock & Rollアルバムを作りたいと言っているらしい。 8月の来日も楽しみにしたい。

★★★☆