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東京事変

EMIミュージック・ジャパン 2006-01-25
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1. 秘密
2. 喧嘩上等
3. 化粧直し
4. スーパースター
5. 修羅場 adult ver.
6. 雪国
7. 歌舞伎
8. ブラックアウト
9. 黄昏泣き
10. 透明人間
11. 手紙

東京事変が解散した。私は普段あまり邦楽は聴いていないし、このバンドも最後までずっと追っていたわけではなかったが、国内では非常にプレイヤビリティの高いバンドだと思っていたので、今回の解散は残念である。

東京事変を聴く一般的なきっかけはやはり椎名林檎嬢だとは思うが、単なる彼女のサイドプロジェクトではなく、ちゃんとしたバンドとして機能させたいというのが彼女の意図だったと思う。そして結果的にバンドとして非常に有機的に機能をし、その意図は大成功だったと言えるだろう。特にプロデューサーでもあるベースの亀田誠治氏の存在は大きかったのではないか。

当初ソロ活動は彼女にとってある種完璧な芸術作品たりえなければいけないというジレンマがあった気がする。それに対して東京事変は気軽に楽しむことが彼女自身の中で許される場所だったのではないかと思う。一方で当時の椎名林檎のファンは、彼女の初期にあった破天荒なロックを求めていた人が多かったようだ。彼女が追求したソロ3rd「加爾基精液栗の花」が難解だと一般的に支持されなかったのもそうした背景だろう。そんな需要と供給が一致したのが東京事変だったわけである。

私が最も好きだったのは2nd「大人」だった。1st「教育」の初期衝動が、タイトルの通り少し落ち着きを見せ、より整合感の感じられる作品になっている。同時にロック、パンク、ポップ、ジャズ、テクノ、ヴォードヴィル、昭和歌謡に至るまで本当に多岐にわたるジャンルの音楽を吸収しながら、独自の音楽を提示してみせているところが見事である。中でも特に私が好きなのはM3、哀愁のメロディが秀逸なボサノバの名曲だ。

こうした高品質な楽曲群を可能にしたのが、林檎のアイディアであり、また先述したこのバンドのプレイヤビリティなのである。なので彼女が次作は完全にバンドメンバーに委ねてみたいと思ったのも必然の流れだったのかもしれない。またしばらく時間をあけた後で、活動を再開することを期待している。

★★★★