遅れ馳せながらRiotの唯一のオリジナルメンバーでありギタリストのMark Realeが1月25日に亡くなったことを知りました。クローン病との合併症によるものだという。享年57歳。早すぎる死でした。

Riotは93年の「Nightbreaker」までは良く聴いていました。88年の復活以降は、攻撃性と疾走感のある正に正統派へヴィメタルを提示し、特に「Thundersteel」は名盤でした。しかし曲単位で言えば、やはり何と言っても77年のデビューアルバムに収められている“Warrior”が最高傑作でしょう。ヨーロピアンな哀愁をたたえ、美しいツインリードを聴かせるHM史に残る名曲です。

Mark Realeの人生は常に闘いであったと思います。クローン病という病気との闘いをはじめ、プエルトリカンであることへの差別にも苦しんだし、良い作品を作りながらも本国ではなかなか一般的な成功を収めることもできず、バンド存続の危機と度重なるメンバーチェンジにも悩み続けていました。本当に不遇の人でした。それでもいつも穏やかな表情を絶やさなかった。そんな彼を誰よりも最後まで熱心に応援していたのは日本のファンだったのではないかと思います。

孤独な闘いを続けてきた“Warrior”、Mark Realeのご冥福をお祈りします。