ザ・ロスト・ノートブックス・オブ・ハンク・ウィリアムスザ・ロスト・ノートブックス・オブ・ハンク・ウィリアムス
オムニバス

SMJ 2011-10-26
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01 Alan Jackson - You’ve Been Lonesome, Too
02 Bob Dylan - The Love That Faded
03 Norah Jones - How Many Times Have You Broken My Heart?
04 Jack White - You Know That I Know
05 Lucinda Williams - I’m So Happy I Found You
06 Vince Gill w/ Rodney Crowell - Hope You Shed a Million Tears
07 Patty Loveless - You’re Through Fooling Me
08 Levon Helm - You’ll Never Again Be Mine
09 Holly Williams - Blue Is My Heart
10 Jakob Dylan - Oh, Mama, Come Home
11 Sheryl Crow - Angel Mine
12 Merle Haggard - The Sermon on the Mount

Hank Williamsはカントリーの最初のスーパースターだ。Carter Family とJimmie Rodgersが作りあげたカントリーを、全米中に広めたのは彼である。数々のヒット曲を世に放ち、Rock & Rollの誕生につながるなど後世に多大な影響を与えた。私が初めて聞いた時は酔っぱらいみたいに聞こえたものだったが、その独特の唱法も特徴的だった。しかし生来の腰痛に対する薬物によって、29歳という若さで他界してしまっている。

そのHank Williamsが生前に記していたという歌詞ノートが遺品から発見された。それらの未発表の歌詞に曲をつけようというのが今回のプロジェクトである。元々このプロジェクトはBob Dylanが一人でやる予定だった。Dylanはフォークやブルースのみならず、カントリーの影響も強く受けており、過去にも97年にJimmie Rodgersのトリビュートアルバムを手掛けたり、01年にHankのカヴァーアルバム「Timeless」にも参加もしている。しかし今回は結果的に様々なアーティストによるコンピレーションという形になったようだ。

それにしてもそうそうたる面子が集まったものだ。Merle HagardやAlan Jacksonといったカントリー界の大御所から、Norah JonesやLucinda Williams、Sheryl Crowらカントリーに造詣の深い女性シンガー、自身の息子Jacob、かつての盟友Levon Helmまでいる。父親や祖父の名前で活動していたHank Williams Jr.やHank Williams Ⅲではなく、孫娘Holly Williamsを呼んだところや、メインストリームのカントリーシンガー達は呼ばないあたりもDylanらしい気もする。ここにWillie Nelsonがいないのは少し意外な気もしたが。

それぞれのアーティストは、それぞれらしい作品に仕上げてきているが、どれも派手にならずに、素朴で味わい深い作品になっている。それは恐らくこれが単なるカヴァーアルバムではなく、Hankの意思を継ぐという目的だったからだろう。恋心や失恋などのHankらしい詩の数々が、60年という時を超えて初めて現代に唄われていることにある種の感慨を覚えずにはいられない。

★★★★