オー・ブラザー! オリジナル・サウンドトラックオー・ブラザー! オリジナル・サウンドトラック
サントラ エミルー・ハリス サラ ザ・コックス・ファミリー ジョン・ハートフォード ラルフ・スタンレー ずぶ濡れボーイズ フェアフィールド・フォー スタンレー・ブラザーズ ジェイムス・カーター&ザ・プリズナーズ ハリー・マックリントック

ユニバーサル インターナショナル 2001-08-29
売り上げランキング : 55585

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


1. Po' Lazarus - James Carter & the Prisoners
2. Big Rock Candy Mountain* - Harry McClintock
3. You Are My Sunshine - Norman Blake
4. Down To The River To Pray - Alison Krauss
5. I Am A Man Of Constant Sorrow - The Soggy Bottom Boys
6. Hard Time Killing Floor Blues - Chris Thomas King
7. I Am A Man Of Constant Sorrow - Norman Blake
8. Keep On The Sunny Side - The Whites
9. I'll Fly Away - Alison Krauss and Gillian Welch
10. Didn't Leave Nobody But The Baby - Emmylou Harris, Alison Krauss and Gillian Welch
11. In The Highways - Sarah, Hannah and Leah Peasall
12. I Am Weary (Let Me Rest) - The Cox Family
13. I Am A Man Of Constant Sorrow - John Hartford
14. O Death - Ralph Stanley
15. In The Jailhouse Now - The Soggy Bottom Boys
16. I Am A Man of Constant Sorrow - The Soggy Bottom Boys
17. Indian War Whoop - John Hartford
18. Lonesome Valley - Fairfield Four
19. Angel Band - The Stanley Brothers

先週の著書の中で重要な資料の1つとして扱われていたのがこの映画だった。今週はこれを取り上げてみたい。

舞台は1930年代アメリカミシシッピ州。刑務所を脱獄した白人男3人組が、埋蔵金を探すために逃走の旅を繰り広げる。まぁストーリー自体はよくあるロードムービーだが、ひとクセある3人のキャラクターと、道中出会う破天荒な銀行強盗や、選挙に苦戦する州知事、別れたカミさんなど、様々な登場人物たちが楽しませてくれる。

しかしこの映画の最大の魅力は全編に散りばめられた音楽にある。囚人たちが降り下ろすハンマーの音をリズムに唄うワークソング、クロスロードで悪魔に魂を売ったという黒人のギターをバックに歌う3人組のヨーデル、湖の水で洗礼を受ける信徒たちが唄う霊歌、選挙演説の前後に登場するカントリーグループなど、随所に音楽が登場する。それもミュージカルのような無理矢理感がなく、ストーリーの自然な流れの中で、当時の文化背景に基づいて折り込んでいるのが巧い。

多くの曲はアメリカのトラディショナルソング。M6はSkip James、M8とM11はCarter Family、M15はJimmie Rodgersがオリジナルだ。ここで演奏しているミュージシャンとしてはAlison Krauss、Gillian Welch、Emmylou Harrisといった有名シンガーが名を連ねているが、注目すべきはブルーグラスの大御所Stanley BrothersのRalph Stanleyが参加していることだろう。再ヒットしたM5も彼のレパートリーだ。結果的にこのサントラはグラミー賞を授賞し、500万枚以上のセールスをあげ、全米にルーツミュージックブームを起こした。立役者であるプロデューサーT Bone Burnetは、これで名を上げたのだった。今年になってこれのデラックスエディションもリリースされている。

戦前の南部アメリカのルーツミュージックとその文化背景を知る上で、この映画とサントラは正に分かりやすい教科書である。願わくば、私もこんな南部の音楽を辿る旅をしてみたいものだ。

★★★★☆