メインステージに戻ると今度はThe Pretendersが登場した。私は正直言って彼女らのことは数曲しか知らないのだが、ベテランらしく安定した演奏を披露しており聞き入った。ボーカルのクリッシーも変わらずスリムなジーンズを履き、最後はブルースハープも吹き鳴らし、女性ながらもカッコ良かった。私が知っている"Back On The Chain Gang"も当然のように演奏し、なかなか楽しませてもらった。



 さて続いてはこの日のお目当ての一つ、Doobie Brothersである。これは前の方で見たいと移動するが、あまり混みあっていないこともあり比較的容易に移動できる。ただ非常に邪魔なのが、ビニールシートを広げてくつろいでいるおっさんたち。ステージから離れた後方でやってる分には構わないのだが、ステージ近くまで行ってもこういう人達が所々に場所を占領している。周りの人が白い目を向けているにも関わらず、一向にお構い無しである。私自身野外フェスは初めてであったが、少なくともフジロックにはこんな連中はいないだろう。ベテラン勢ばかりを集めた今回のフェス、観客の年齢層も高くなったところで、こんなところで思わぬ弊害が出ていた。

 さて周囲にいつの間にかいかついバイカー兄ちゃんやバイカー親父らが増えてきた頃、ステージにDoobiesが登場した。そして"Dangerous"を演奏し始めた。口髭の濃いTom Johnstonはパワフルに観客を煽り、一方ロマンスグレーのロングヘアーがカッコ良いPat Simonsは優しく歌いかける。正に剛と柔の対照的なフロントマンたちだが、この2人がいてこそのDoobiesである。また第三のギタリストJohn McFeaは通常のエレキ以外にもスライド、ペダルスティールやフィドルまで次々とこなし、弦楽器のマジシャンのようだった。ベースの巨体のSkylarkも軽やかに動き回りながら観客を煽り、バックにはトレードマークであるツインドラムが豪快にならされていた。そしてラストの“Listen To Music”では謎の美少女が登場したが、これが何とTomの娘だという。ベテランライブバンドとしての力量を遺憾なく発揮し、思う存分魅了させてもらった。願わくはフェスであるが、フルセットで見たかったものだ。



Doobie Brothers Setlist
1.Dangerous
2.Rockin’ Down The Highway
3.This Train I’m On
4.Excited
5.Jesus is Just Alright
6.Five Corners
7.Takin’ It To The Streets
8.Don’t Start Me Talkin’
9.Take Me In Your Arms
10.Little Bitty Pretty One
11.Blackwater
12.Long Train Runnin’
13.China Grove
14.Without You
15.Listen To The Music

続いてはJeff Beckが登場した。彼については私は初期のRod Stewartがいた頃のJeff Beck Groupの頃くらいしかちゃんと聞いていない。ステージにはJeffの他には、 ベースとドラムとキーボードの4人のみ。先ほどのDoobiesの大所帯と比べると少し寂しく感じられた。最初の曲は"Beck`s Borelo"だったので知っていたが、それ以降は分からず、どれもスロー~ミドルテンポのフュージョン系のインストだった。小さめのホールならば近くで彼のギターの妙技を楽しめるかもしれないが、これだけ広いフェスでこれでは、Doobiesで盛り上がった直後ということもあり、少し退屈してしまった。そのため申し訳ないが私はメインステージを後にし、 サブステージへ向かった。