夏は毎年あちこちで開催されるロックフェスティバルで非常に賑やかになる。私もあの屋外の雰囲気は結構好きだ。ただ最近のバンドはよく知らない上に、1つや2つの気になるアーチストのために大枚叩いて遠くまでいくほどの気力が起きず、どうしても単独で来るのを待ってしまう。

 しかし今から5年前に1度だけ、思わず心惹かれたフェスがあった。2006年に開催されたウドーミュージックフェスティバルである。このフェスは大人の夏ロックフェスとして開催され、Santana、Doobie Brothers、Kiss、Jeff Beck、The Pretenders、Paul Rodgers、Buddy Guy、Fourplay、Char、Nuno Bettencourt、Alice In Chains、Steve Vai、Sebastian Bachなど懐かしどころの錚々たるメンツが出演していた。私もこれの1日目に参加したのだが、結果的にこのフェスは私にとって色んな意味で印象的なフェスとなった。参加後、例によってライブレポートを書いたのだが、アップ直前にパソコンをウィルスにやられデータが飛んでしまっていた。今回良い機会なので、再度思い出しながらレポートを書いてみることにした。ちょっと長くなりそうなので、3回くらいに分けてアップしたい。




 当日午前中私は高速を飛ばして富士スピードウェイに到着した。駐車場の空きを見つけて車を止めると、会場とおぼしき方向へと向かった。木立の間を歩くもののあまり歩いている人もいないため、その道で合っているのか不安になったが、やがて遠くの方から音楽が聞こえてきた。近づくにつれて、その音楽が徐々にはっきり聞こえてきて、歌声とギターの音から、それがBuddy Guyだと分かった。少しでもその様子を拝めればと思い急いだが、なかなか着かない。そしてようやく辿り着いた頃にはBuddy Guyの姿は既になかった。後で聞くところによると、ステージから客席まで降りてギターを掻き鳴らすなど非常に熱いパフォーマンスだったようだ。残念。



 改めてあたりを見渡すと正面の大きなメインステージがあり、周囲には囲むように出店が並んでいる。何よりも気になるのが、あまりに人がまばらなこと。まだ早い時間だからかかもしれないが、それにしてもという感じだ。モビリタステージ(メインステージ)はまだしばらく次のアクトは出てこなそうなので、サーキットの方にあるスクウェアステージ(サブステージ)へと向かった。するとそちらではRichard Julianがバンドをバックにアコギを持って歌っていた。彼はNorah Jonesと共にThe Little Williesをやっていたニューヨークのアーティスト。ステージにペダルスティールがいることからも分かるように、カントリーテイストの味わい深い音楽を演っていた。しかしそれにしても観客が少ない。恐らくこの時30人程度しかいなかったと思う。あまりの少なさにステージが終わるまで移動することも躊躇われるほど。拍手も出来るだけ大きく聞こえるようにしていた。



 その後少しあたりをうろうろしてみると、グッズ販売コーナーとともに、ちょっとした展示コーナーみたいなところがあった。覗いてみると、今回出演している各アーティストの過去の来日時の関連品などとともに、SantanaのSGやJeff Beckのストラトなど実際の使用ギターが展示されており、ひとまず写真を撮っておいた

    
左からSantana、Jeff Beck、Eric Clapton